倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第７章 【王太子ハヤテ】が【ミカ】を同伴し、凱旋帰国！

〔７７〕ハヤテ王太子には、既に両家公認の許嫁《イイナズケ》がいる！！

　　王太子が決めた婚約者反対派の急先鋒が、二頭の白馬に跨マタがり、駆カけてきた。


ハヤテの妹の【ユリ王女】とヤマト国の『じゃじゃ馬姫』こと【ラビナ王女】であった。



「兄上の凱旋帰国には祝意を申し上げる」
「されど、どこの馬の骨とも分からぬ者を義姉上アネウエとは到底呼べませぬ！」
「【イト国本家王太子妃】とは代々・武門の女頭領の座！」
「その座に就きたくば、我が屍シカバネを越えて行け！」


【ラビナ王女】も続いた。

「ハヤテお兄様！」
「此度コタビの御無事な御帰国、謹んで御祝詞申し上げまする。」
「私は御本家両陛下並びに、ヤマト国両陛下公認の許嫁イイナズケとして、一言申し上げまする。」
「この許嫁イイナズケを蔑ナイガシろにして、そんな胡散ウサン臭い、痘痕面アバタヅラのお荷物を王宮に持参するなど言語道断！！」
「見れば、お荷物には珍しく、剣を帯びているではありませんか！？」
「生半可な剣の腕では、本家王太子妃は務まらぬということを思い知らせて差し上げますわ！」


・・・ツマ国では、退屈で死にそうだったが・・・
・・・ここではなかなかどうして、面白い展開になって来たぞォーッ！・・・
・・・フッフッフッフッ！師兄シケイ（兄弟子）の妹御と、自称許嫁イイナズケか！・・・

すぐ隣りのハヤテに聞こえる程度の小声で、

「師兄シケイ（兄弟子）！」
「少々懲コらしめても、良いか？」


「やむを得ないな！」
「ケガはさせないで、お手柔らかに頼むよ！」