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  第11章 【天孫族連合軍】対【畿内ツモ国軍】の戦い!

 〔127〕【朱雀の翼】対【スルク弓箭連隊】及び【青龍の牙】の敵本拠地攻め!≪3≫

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  自然の草木・雑草が生い茂った、道なき道を歩いて行くのは、大変な困難を伴い、現地の土地勘のない者にとっては、死傷者をも出し、まず不可能であろう。


その点、先頭を行く【ヤマト軍団】の五百余名は、敵の本拠地の偵察や先発諜報、間諜要員として、何度も、この【道なき道】を歩いた経験者ばかりであった故、後続のハヤテ達【青龍の牙】は、背丈程もある雑草がぎ倒された【道らしき道】を歩いて行けば良かった。


こうして、日中は休憩を取りながら行軍し、夜間はテントを張って、眠り、4日目の夕方、敵本拠地のある【大環濠集落】(現在の奈良盆地のほぼ中央にある唐古・鍵地区)の東側に出た。



  その日の夜間、月明かりの下、環濠の外側の東南の小高い土手に、【青龍の牙】1200人が一列に並び、待機した。


そして、深夜になって、たまたま、流れる雲に月が隠れるや、ヤジリに巻いた、油を染み込ませた石綿に、次々に火がつけられ、合図と共に一斉に打ち上げられ、大きな弧を描き、藁葺ワラブき家や茅葺カヤブき家に燃え移った。


第二、三、四射と、合計4800本の火矢が打ち込まれ、環濠集落すべてが火の海と、化し、逃げ出す者は、極僅ゴクワズかであった!


 
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