倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第１２章 【ツモ国王家】の国土も軍兵も二分しての内戦勃発及び【ミアンカ王太女・夫君】の【タニハ王国葬】

〔１４１〕この【越女真剣】に誓って、【ミアンカの母上】と【祖母のシェリカ女王】の仇【ナム】を叩っ斬る！！

　　翌日、早朝から、たなびく雲一つなく、澄みきった碧空ヘキクウが広がり、東端の山々の頂には日輪が輝いていた。

つい先日までの、残暑の汗ばむ陽気が、その痕跡さえも消え失せ、【小春日和】の涼しい風が、肌に心地良さをもたらしていた。



　　この地は、広大な【タニハの都】の東南に位置する山々のすそ野にあり、２基の【墳丘墓】が並んで、造成されていた。

右側の十数年の年輪を刻んだ格調高い【墳丘墓】の左隣りにある、真新しい、入り口の開いた【竪穴式石室】を備えた【墳丘墓】が【ミアンカ王太女】と、夫君ブクンの【タケト公】の夫婦の墓となるのである。

石室の開いた入り口の手前に、２基の棺ヒツギが並べられていた。

本来なら、遺体が入るべき棺ヒツギではあるが、【ミアンカ王太女】の代わりに、タニハ時代に愛用していた【女流鋼鉄剣】【手鏡】【錦・絹織り衣装】【紅玉ルビーの装飾品一式】が入れられた。

また【タケト公】の代わりとして、数々の武勲を打ち立てた父親譲りの【鉄剣と鋼鉄剣】貴族として、また夫君として、贈呈された【錦・絹織り衣装】【貴族の最高位・紫錦の袱紗】が入れられた。



　　そして、棺ヒツギの前に並んだ【王族・貴族】百余名を代表して、【施主】の【キヨカ女王】の故人を偲んでの【追悼の宣詔】が述べられ、最後に、
「これは、【ミアンカの姉上】が精魂込めて、作られた【紅玉の勾玉】であり、【喪主のミカ姫】が正統な持ち主となるべきでありましょう。」

と、自ら【ミカ姫】の首に掛け飾った。

すると【紅玉の勾玉】は正統な持ち主の首を飾るのを喜ぶかのように【紅玉色の発光】を放った！



　　【ミカ姫】は【喪主】としての挨拶で、自ら、【紅玉】の埋め込まれた【越女真剣】を抜き、高々と掲げ、

「この剣は、【ミアンカの母上】の臨終において、【形見】として頂戴した【越女真剣】でありまする。」
「私は、この剣に誓って【ミアンカの母上】と【祖母のシェリカ女王】の仇【ナム】を叩っ斬ることを宣言いたします！｣



　　この日から、丁度、２年後、この場所で【新生倭国建国宣言】及び【倭国女王・日御子就任宣言】が挙行されるのである！！