5 / 19
第Ⅱ章。「現れし古に伝わりし指輪」
2、願い、言い訳
しおりを挟む
--願い、言い訳--
イリスは、お叔さんから受け取った鍬を納屋の手前にしまった。
食事の用意をしなければならない。
傷負い人の様子が気に成る。
イリスは、まだ『デミュク』の名前を知らない。
「青い血。人ではない。きっと天使よ。
私たちを救いに天から降りて来たのだわ。
その途中に、魔物か、何かに襲われたのよ。
傷負いの天使だわ」
「天使さんにもお食事をお持ちしますわ。
早く元気になってくださいね」
イリスは、一人告げると食事の用意をしに家に戻った。
炊事場には、水がめと土と石で作った竃がある。
森が近いので竃にくべる薪は、欠くことがない。
イリスは、薪もたまに街へ売りに行き生活費の足しにする。
火をつけ、水を入れた鍋に、竹の網の籠を置き、
その中にジャガイモを入れて、蓋をし竃にかける。
ジャガイモの蒸かしいもである。
暫くして、
「出来上がった」
籠からジャガイモを取り出す。
「あちちっち」
手で、弄ぶ、右左、
ジャガイモを手の上で移動させる。
熱さを我慢して、親指で押し当て擦り、
皮をむき、棒で潰し粉ねてサラダ状にする。
サラダとってもポテト以外は何も入っていない。
味も、ポテトの味のみである。
味気ない。
次にキャロットとジャガイモの皮をむきを刻んだ。
鍋に水を入れ、刻んだものをぶち入れる。
そして、怪しげなすりつぶした木の実と木の皮。
刻んだ葉を入れる。
調味料らしい。
塩味と苦みと酸味が生まれる。
これでも、イリスの家庭は、まだ、贅沢な方である。
出来上がった。
主食は、ポテトサラダである。
小麦がないわけではないが、小麦は売り物である。
そして、三分の一は、税に収める。
食べるわけには、いかないのである。
ポテトを大皿に盛る。
唯一、お代わりが出来る主食である。
木のスプーンで小皿に取って食べる。
キャロットとジャガイモのスープも中深皿に盛った。
そして、食卓に持っていく。
それとは別に傷負いの天使さん用にポテトとスープを中皿に取り鍋の陰に隠した。
自分とお爺さんの食事をテーブルに並べる。
お爺さんは、奥のベッドに座って、何かのカードの書物を読んでいる。
「望みを神に素直に頼みなさい。代償を支払いなさい…」
教会への寄付の代わりに紙のカードに数行の教訓めいたものを神父が書かいたものを貰ったのである。
「お爺様。お食事ができました」
イリスは、こちを注意深く見ている。
お爺さんは、目を合わさずに書物を読むふりをして熟慮した。
イリスの様子が少しおかしいのに気付いていたからだ。
(エプロンを着けていない。どうしたのだろう?)
やっぱり、気に成る。
結局、差し障りのないように尋ねることにした。
食卓テーブルに着く。
椅子は、テーブルを囲って4つ在る。
古びた背もたれのある木の椅子。
お爺さんの手作りである。
イリスは、台所が見える方に座る。
お爺さんは、イリスの向かいの椅子に座った。
そこが、定位置である。
台所に背を向けている。
お爺さんは、イリスに話かけてみた。
「エプロンは、どうしたの。
汚れたのかい。
新しいのを作るか?」
何か良いことでも起きたように笑顔で尋ねてみた。
「そうそう。汚しやちゃって。
でも、お爺さま。私は大丈夫です。
心配しないで」
(言えなかった。
何か良い理由がないか考えかけたが、
思い浮かばなかった)
イリスは、少し戸惑った。
(お爺様は、何かを気づいてるわ)
お爺さんは、イリスの目をじっと見つめている。
「食事が終われば、納屋の農具の手入れでもしようか」
お爺さんは、納屋に何かあるかと探った。
「あ!私がやっときます。
ちょうどいい季節だからら一人で礼拝し、ついでにやっときます」
「そうか、じゃあ。負かすとするか」
(確かに何かを隠している。
納屋になにかある)
だが、お爺さんは、無理に尋ねることはしない。
干渉せずに何が有ろうと暖かく見守る。
そう言う家のルールだから。
お爺さんは、イリスを尊重して、納屋には、近づかないことにした。
話は、それで終わった。
イリスの家では、食べる前に礼拝をする。
「天に地に恵みを感謝します」
お爺さんが唱えた。
2人は、目を閉じ神に感謝した。
そして、キャロットとジャガイモのスープを口に運ぶ、
それをおかずにポテトを食べた。
「料理がうまくなった」
お爺さんは、イリスにも感謝した。
納屋の事、エプロンの事は、それ以降尋ねなかった。
そして、食事は、終わった。
お爺さんは、直ぐベッドに横になった。
「納屋で祈ってきます」
イリスの心は、納屋に向かっていた。
「そうか」
お爺さんは、そっけなく言った。
「一人で祈りたいから、
そうします」
イリスは、念を押した。
こっそり鍋の後ろに隠していた食事を持って納屋に行った。
納屋の戸を開ける。
傷負い人は、寝ている。
顔が目に入った。
少し苦しいるように見える。
無理に起こすわけにはいかない。
イリスは、公言した通り、傍らで農具の手入れをしだした。
手入れが終わると祈る。
イリスは、何を祈っているのだろうか。
じっと夜空を見ている。
星が輝いていた。
(天使さんがの傷が無事に回復しますように。
食事を食べてくれますように。
お願い。
生きて、元気になってください)
イリスは、知らないうちに傍らで寝ていた。
「うぅぅ」
デミュクの目が少し開く。
空腹からだろうか。
イリスは、気付き、すかさず声をかける。
「大したものではないですが、お食事を用意しました」
(やっぱり、女がいる)
デミュクは、動こうとしたが体が動かせない。
観念して、その女性に縋ることにした。
イリスは、ポテトを傷負い人の口に運ぶ。
だが、デミュクは、口を噤む。
「わるい。俺は、普通の食物を食べないのだよ」
振り絞るような声。
「じゃ。何なら食べれるの?」
イリスは、問い尋ねる。
「ち。血。動物の血。を飲む。
だが、無理だろ」
「あなたは、神の使いでしょうか?
天使は、食物を取らないのですね」
イリスは、解釈した。
それが誤りであろうと関係ない。
「俺は、不浄のものだ」
「なぜ?そんなことを言うです?
流れる血の色が人間のものとは違うからですか。
それこそ、天使の証でしょ」
デミュクは、その言葉に躊躇するが正直に話す。
それで、見捨てられれば、それも運命とあきらめがつく。
「俺は、悪魔だ」
「え!でも、神様の使いでしょ」
イリスは、食い下がる。
「やさしい目、顔だもの。
そうでしょ。
じゃ。違うなら、なぜここに来たのですか?
私の祈りが通じたのでしょ」
デミュクには。本当のことは言えない。
(悪魔司祭に追い出された?
悪魔に殺されかけて、
追手に追われている?
今度は、神の使いをする?
俺が?)
デミュクは、自信の陥った立場が可笑しくなった。
少し笑顔になる。
今は止血されているが、多くの血を流した。
体力が限界に近い。
(何か栄養を取らなければ、
他に何で栄養をとれるのか?
肉の果実があればなぁ)
デミュクは、意識がまた薄れかける。
目を閉じて集中して意識が留まるように耐えていた。
(顔色が悪い?)
(血は、青色)
(だから、顔が青いの?)
(違う、これは、栄養が不足している)
(このままでは、衰弱して死をむかえる)
(私は、そう感じるの)
イリスは、意を決した。
「血なら飲めるのね」
そう言うと、家に行き、木のカップと包丁を台所から持ってきた。
包丁を左手でぎゅっと握る。
血が滴る。
カップで受け止めた。
カップ一杯の血。
少しクラっとした。
左手の切った後の血を右の人差し指に付けてデミュクの口を触る。
デミュクは、目を開けた。
(うぅぅぅ)
カップを口に持っていく、頭を少し手で抱えあげ、口に当てる。
そして、口へ注ぐ。
血がデミュクの喉をごくごくと通っていく。
(なざ、血が青いのに顔色は赤いの?)
「『血の契り』である」
天から胸に声が響いた。
(俺は、契約を受け入れたのか?)
デミュクの魂の影の躯は、宝石となりイリスの胸についた。
「ガカチ」
デミュクには、少しイリスの胸が光るのを覚えた。
そして、再び眠りにつく。
(俺は、彼女と契約したのか?…)
イリスは、何も気づいていない。
神に感謝した。
(私とお爺様を助けるために、
これは、
神様が遣わしたものよ)
デミュクの顔に力が蘇った。
イリスは、安心した。
左手の止血をし、また、祈りを続け、
いつしか、また、傍らで寝ていた。
家では、お爺さんも寝ていた。
(何かをほっとけないのだろう。
イリスは、神の巫女、救いの巫女なのだから)
お爺さんは、自身に言い聞かせて眠りについた。
つづく。 次回(快復の証)次こそ、デミュクは、回復し、イリスと交わるのか…。愛の始まりか…、契約の始まりか…。
イリスは、お叔さんから受け取った鍬を納屋の手前にしまった。
食事の用意をしなければならない。
傷負い人の様子が気に成る。
イリスは、まだ『デミュク』の名前を知らない。
「青い血。人ではない。きっと天使よ。
私たちを救いに天から降りて来たのだわ。
その途中に、魔物か、何かに襲われたのよ。
傷負いの天使だわ」
「天使さんにもお食事をお持ちしますわ。
早く元気になってくださいね」
イリスは、一人告げると食事の用意をしに家に戻った。
炊事場には、水がめと土と石で作った竃がある。
森が近いので竃にくべる薪は、欠くことがない。
イリスは、薪もたまに街へ売りに行き生活費の足しにする。
火をつけ、水を入れた鍋に、竹の網の籠を置き、
その中にジャガイモを入れて、蓋をし竃にかける。
ジャガイモの蒸かしいもである。
暫くして、
「出来上がった」
籠からジャガイモを取り出す。
「あちちっち」
手で、弄ぶ、右左、
ジャガイモを手の上で移動させる。
熱さを我慢して、親指で押し当て擦り、
皮をむき、棒で潰し粉ねてサラダ状にする。
サラダとってもポテト以外は何も入っていない。
味も、ポテトの味のみである。
味気ない。
次にキャロットとジャガイモの皮をむきを刻んだ。
鍋に水を入れ、刻んだものをぶち入れる。
そして、怪しげなすりつぶした木の実と木の皮。
刻んだ葉を入れる。
調味料らしい。
塩味と苦みと酸味が生まれる。
これでも、イリスの家庭は、まだ、贅沢な方である。
出来上がった。
主食は、ポテトサラダである。
小麦がないわけではないが、小麦は売り物である。
そして、三分の一は、税に収める。
食べるわけには、いかないのである。
ポテトを大皿に盛る。
唯一、お代わりが出来る主食である。
木のスプーンで小皿に取って食べる。
キャロットとジャガイモのスープも中深皿に盛った。
そして、食卓に持っていく。
それとは別に傷負いの天使さん用にポテトとスープを中皿に取り鍋の陰に隠した。
自分とお爺さんの食事をテーブルに並べる。
お爺さんは、奥のベッドに座って、何かのカードの書物を読んでいる。
「望みを神に素直に頼みなさい。代償を支払いなさい…」
教会への寄付の代わりに紙のカードに数行の教訓めいたものを神父が書かいたものを貰ったのである。
「お爺様。お食事ができました」
イリスは、こちを注意深く見ている。
お爺さんは、目を合わさずに書物を読むふりをして熟慮した。
イリスの様子が少しおかしいのに気付いていたからだ。
(エプロンを着けていない。どうしたのだろう?)
やっぱり、気に成る。
結局、差し障りのないように尋ねることにした。
食卓テーブルに着く。
椅子は、テーブルを囲って4つ在る。
古びた背もたれのある木の椅子。
お爺さんの手作りである。
イリスは、台所が見える方に座る。
お爺さんは、イリスの向かいの椅子に座った。
そこが、定位置である。
台所に背を向けている。
お爺さんは、イリスに話かけてみた。
「エプロンは、どうしたの。
汚れたのかい。
新しいのを作るか?」
何か良いことでも起きたように笑顔で尋ねてみた。
「そうそう。汚しやちゃって。
でも、お爺さま。私は大丈夫です。
心配しないで」
(言えなかった。
何か良い理由がないか考えかけたが、
思い浮かばなかった)
イリスは、少し戸惑った。
(お爺様は、何かを気づいてるわ)
お爺さんは、イリスの目をじっと見つめている。
「食事が終われば、納屋の農具の手入れでもしようか」
お爺さんは、納屋に何かあるかと探った。
「あ!私がやっときます。
ちょうどいい季節だからら一人で礼拝し、ついでにやっときます」
「そうか、じゃあ。負かすとするか」
(確かに何かを隠している。
納屋になにかある)
だが、お爺さんは、無理に尋ねることはしない。
干渉せずに何が有ろうと暖かく見守る。
そう言う家のルールだから。
お爺さんは、イリスを尊重して、納屋には、近づかないことにした。
話は、それで終わった。
イリスの家では、食べる前に礼拝をする。
「天に地に恵みを感謝します」
お爺さんが唱えた。
2人は、目を閉じ神に感謝した。
そして、キャロットとジャガイモのスープを口に運ぶ、
それをおかずにポテトを食べた。
「料理がうまくなった」
お爺さんは、イリスにも感謝した。
納屋の事、エプロンの事は、それ以降尋ねなかった。
そして、食事は、終わった。
お爺さんは、直ぐベッドに横になった。
「納屋で祈ってきます」
イリスの心は、納屋に向かっていた。
「そうか」
お爺さんは、そっけなく言った。
「一人で祈りたいから、
そうします」
イリスは、念を押した。
こっそり鍋の後ろに隠していた食事を持って納屋に行った。
納屋の戸を開ける。
傷負い人は、寝ている。
顔が目に入った。
少し苦しいるように見える。
無理に起こすわけにはいかない。
イリスは、公言した通り、傍らで農具の手入れをしだした。
手入れが終わると祈る。
イリスは、何を祈っているのだろうか。
じっと夜空を見ている。
星が輝いていた。
(天使さんがの傷が無事に回復しますように。
食事を食べてくれますように。
お願い。
生きて、元気になってください)
イリスは、知らないうちに傍らで寝ていた。
「うぅぅ」
デミュクの目が少し開く。
空腹からだろうか。
イリスは、気付き、すかさず声をかける。
「大したものではないですが、お食事を用意しました」
(やっぱり、女がいる)
デミュクは、動こうとしたが体が動かせない。
観念して、その女性に縋ることにした。
イリスは、ポテトを傷負い人の口に運ぶ。
だが、デミュクは、口を噤む。
「わるい。俺は、普通の食物を食べないのだよ」
振り絞るような声。
「じゃ。何なら食べれるの?」
イリスは、問い尋ねる。
「ち。血。動物の血。を飲む。
だが、無理だろ」
「あなたは、神の使いでしょうか?
天使は、食物を取らないのですね」
イリスは、解釈した。
それが誤りであろうと関係ない。
「俺は、不浄のものだ」
「なぜ?そんなことを言うです?
流れる血の色が人間のものとは違うからですか。
それこそ、天使の証でしょ」
デミュクは、その言葉に躊躇するが正直に話す。
それで、見捨てられれば、それも運命とあきらめがつく。
「俺は、悪魔だ」
「え!でも、神様の使いでしょ」
イリスは、食い下がる。
「やさしい目、顔だもの。
そうでしょ。
じゃ。違うなら、なぜここに来たのですか?
私の祈りが通じたのでしょ」
デミュクには。本当のことは言えない。
(悪魔司祭に追い出された?
悪魔に殺されかけて、
追手に追われている?
今度は、神の使いをする?
俺が?)
デミュクは、自信の陥った立場が可笑しくなった。
少し笑顔になる。
今は止血されているが、多くの血を流した。
体力が限界に近い。
(何か栄養を取らなければ、
他に何で栄養をとれるのか?
肉の果実があればなぁ)
デミュクは、意識がまた薄れかける。
目を閉じて集中して意識が留まるように耐えていた。
(顔色が悪い?)
(血は、青色)
(だから、顔が青いの?)
(違う、これは、栄養が不足している)
(このままでは、衰弱して死をむかえる)
(私は、そう感じるの)
イリスは、意を決した。
「血なら飲めるのね」
そう言うと、家に行き、木のカップと包丁を台所から持ってきた。
包丁を左手でぎゅっと握る。
血が滴る。
カップで受け止めた。
カップ一杯の血。
少しクラっとした。
左手の切った後の血を右の人差し指に付けてデミュクの口を触る。
デミュクは、目を開けた。
(うぅぅぅ)
カップを口に持っていく、頭を少し手で抱えあげ、口に当てる。
そして、口へ注ぐ。
血がデミュクの喉をごくごくと通っていく。
(なざ、血が青いのに顔色は赤いの?)
「『血の契り』である」
天から胸に声が響いた。
(俺は、契約を受け入れたのか?)
デミュクの魂の影の躯は、宝石となりイリスの胸についた。
「ガカチ」
デミュクには、少しイリスの胸が光るのを覚えた。
そして、再び眠りにつく。
(俺は、彼女と契約したのか?…)
イリスは、何も気づいていない。
神に感謝した。
(私とお爺様を助けるために、
これは、
神様が遣わしたものよ)
デミュクの顔に力が蘇った。
イリスは、安心した。
左手の止血をし、また、祈りを続け、
いつしか、また、傍らで寝ていた。
家では、お爺さんも寝ていた。
(何かをほっとけないのだろう。
イリスは、神の巫女、救いの巫女なのだから)
お爺さんは、自身に言い聞かせて眠りについた。
つづく。 次回(快復の証)次こそ、デミュクは、回復し、イリスと交わるのか…。愛の始まりか…、契約の始まりか…。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
