5 / 37
第1章。「大都会」
5、目玉焼き
しおりを挟む
--目玉焼き--
実則は、念のために他に必要なものはないか考える。
「あ。トースターを買うのを忘れています。
綾香さん。トースター買います。
あ。あ。東さん。
また、下の名前でいっちゃいました。
すみません」
実則は、慌ててしまった。
(綾香さに迷惑をかけたくない)
そう思った。
(迷惑をかけるのも覚えてもらう手段ですよ)
「そんなに呼びますか。
綾香でもいいですよ。
でも、思い出して良かったですね。
また来るのは大変ですものね」
綾香は、実則を慰めたが、
(残念。また、会いに来てくれば良いのに)
と思っていた。
「トーストを焼く時間が分からないので、
タイマー式じゃなくて、
馬鹿ちょんのでお願いします。
あ!でも、ホットプレートトースターも捨てがたい。
それって、どんなのですか?
ウインナーとか目玉焼きとか焼けますか?」
(優柔不断なの?
でも、なんでも可愛く感じる。
不思議。若いから?素直だから?)
「朝は、早起きですか?」
綾香は、男の人が出勤前に料理をする余裕があるのか気に成った。
「早起きですが、早くに出社しようかと思っています」
「どこまで行くのですか?」
「梅田です」
「あ!いや、在宅でした」
「朝食に目玉焼きですか?
理想ですよね」
(そう言う朝は、女の子でも憧れる)
綾香も余裕があれば、目玉焼きを作りたい。
「目玉焼きを食べたいです」
実則は、想像してみた。
--実則の妄想--
「食べたいの?」
「冷ましてからね」
ふうふう息を目玉焼きに吹きかける。
綾香は、徐に目玉焼きを手に乗せる。
実則は、綾香の手に乗った目玉焼きを啜る。
黄身がつぶれる。
綾香の指に纏わり落ちようとする。
実則は、慌てて綾香の中指をしゃぶった。
口の中で、指と黄身がまとわりつく。
黄身のねっとり感と肌の味。少しの苦み。
白身の香ばしさ。
実則は、必死で指を舐め、
ゆっくり気をつけて白身を噛んだ。
「奇麗に食べるのよ」
手のひらも吸い付き舐める。
「こぼしちゃだめよ。
お仕置きするわよ」
(お仕置きてなんだろう?)
実則は、別の想像をした。
--現実が割り込む--
「うえのさん。 上野さん」
「あ、はい。
目玉焼きが出来る方でお願いします」
「じゃあ。ホットプレートのトースターにしましょうか?」
「指とか火傷しないですよね」
「大丈夫ですよ」
綾香は、何故、実則がそう聞くのか分からなかった。
(俺の妄想か。綾香さんは、大丈夫なのかな?)
そんな妄想を綾香は、知る由もない。
「はい」
実則は、現実を受け止め元気よく返事した。
「もう、忘れているものはないですか?」
綾香は、優ししく聞いた。
「あ!カーテン!」
「売ってません」
きっぱり、綾香は言う。
「そうですよね。
あははっは」
実則は、笑っていた。
綾香も笑った。
「清算しましょうか?」
「はい」
2人は、レジカウンターに向かった。
つづく。次回(6、買い物の清算) 2020年12月24日までに投稿予定です。
メモ:当話の表題が変わりました。(5、買い物の清算)→(5、目玉焼き)
実則は、念のために他に必要なものはないか考える。
「あ。トースターを買うのを忘れています。
綾香さん。トースター買います。
あ。あ。東さん。
また、下の名前でいっちゃいました。
すみません」
実則は、慌ててしまった。
(綾香さに迷惑をかけたくない)
そう思った。
(迷惑をかけるのも覚えてもらう手段ですよ)
「そんなに呼びますか。
綾香でもいいですよ。
でも、思い出して良かったですね。
また来るのは大変ですものね」
綾香は、実則を慰めたが、
(残念。また、会いに来てくれば良いのに)
と思っていた。
「トーストを焼く時間が分からないので、
タイマー式じゃなくて、
馬鹿ちょんのでお願いします。
あ!でも、ホットプレートトースターも捨てがたい。
それって、どんなのですか?
ウインナーとか目玉焼きとか焼けますか?」
(優柔不断なの?
でも、なんでも可愛く感じる。
不思議。若いから?素直だから?)
「朝は、早起きですか?」
綾香は、男の人が出勤前に料理をする余裕があるのか気に成った。
「早起きですが、早くに出社しようかと思っています」
「どこまで行くのですか?」
「梅田です」
「あ!いや、在宅でした」
「朝食に目玉焼きですか?
理想ですよね」
(そう言う朝は、女の子でも憧れる)
綾香も余裕があれば、目玉焼きを作りたい。
「目玉焼きを食べたいです」
実則は、想像してみた。
--実則の妄想--
「食べたいの?」
「冷ましてからね」
ふうふう息を目玉焼きに吹きかける。
綾香は、徐に目玉焼きを手に乗せる。
実則は、綾香の手に乗った目玉焼きを啜る。
黄身がつぶれる。
綾香の指に纏わり落ちようとする。
実則は、慌てて綾香の中指をしゃぶった。
口の中で、指と黄身がまとわりつく。
黄身のねっとり感と肌の味。少しの苦み。
白身の香ばしさ。
実則は、必死で指を舐め、
ゆっくり気をつけて白身を噛んだ。
「奇麗に食べるのよ」
手のひらも吸い付き舐める。
「こぼしちゃだめよ。
お仕置きするわよ」
(お仕置きてなんだろう?)
実則は、別の想像をした。
--現実が割り込む--
「うえのさん。 上野さん」
「あ、はい。
目玉焼きが出来る方でお願いします」
「じゃあ。ホットプレートのトースターにしましょうか?」
「指とか火傷しないですよね」
「大丈夫ですよ」
綾香は、何故、実則がそう聞くのか分からなかった。
(俺の妄想か。綾香さんは、大丈夫なのかな?)
そんな妄想を綾香は、知る由もない。
「はい」
実則は、現実を受け止め元気よく返事した。
「もう、忘れているものはないですか?」
綾香は、優ししく聞いた。
「あ!カーテン!」
「売ってません」
きっぱり、綾香は言う。
「そうですよね。
あははっは」
実則は、笑っていた。
綾香も笑った。
「清算しましょうか?」
「はい」
2人は、レジカウンターに向かった。
つづく。次回(6、買い物の清算) 2020年12月24日までに投稿予定です。
メモ:当話の表題が変わりました。(5、買い物の清算)→(5、目玉焼き)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる