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第1章 無法
崩れゆく日常
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私は、最近少しだけ悩んでいることがある。それは、優奈との接し方である。優奈は、どことなく岬に似ていて、少し戸惑っている。同一人物なはずがないのに、なぜかドキドキしてしまっている。でも、優奈は友達。優奈も私のことを友達だと思っている。たぶん、私の勘違いだろうから、気にせず普通に接していれば良いと思うんだけど。初めてこっちで友達ができて、喜びのあまり勘違いしているだけだと思う。うん、きっとそうだな。
「ちーさと!何そんな怖い顔して!何考えてたの?」
「いや、別に何も考えてないよ!ただ、今日のミュージカル楽しみだなって思って」
「ね!本当に楽しみすぎて、昨日の夜あんまり眠れなかったんだよね」
「何それ遠足じゃん!ミュージカル中眠らないでよ!」
「それは大丈夫!絶対寝ない自信あるから」
「すごい自信だね」
「もちろん!この日のためにめっちゃ準備したんだから!」
「ほんとに遠足じゃん」
「だから違うってば!」
「ははっごめんごめん」
「もー千郷はすぐからかうー」
ウィーーン、ガチャッ。
「お!始まるよ!」
「だね!」
ーー3時間後ーー
「はあーもう幸せだった。まじで感動した」
「優奈めっちゃ泣いてたもんね」
「あれは泣くよー。あんなラスト反則すぎるもん」
「だね。私も感動した~」
「だよね!よし、ちょっと語り合いたいからカフェ行こ!」
「OK!」
ん?なんか後ろから誰かがこっちを見ていたような気がするんだけど、気のせいかな。
「千郷!早く行くよー!」
「あ、うん!」
「ん?あれって葵じゃない?」
「あ、ほんとだ」
「もしかして葵もミュージカル見てたのかな?葵ー!!」
「ん?あ!優奈じゃん!お!千郷ちゃんも」
「やっほー!葵もミュージカル?」
「うんそだよー。2人も見てたんだね!」
「なんだこれなら一緒に見れば良かったね」
「これからカフェに行くんだけど、葵ちゃんも一緒に行かない?」
「私も良いの?」
「もちろん!千郷、葵、レッツゴー!」
「あ、ちょっと優奈待ってー」
「相変わらずだな優奈はー」
カフェに到着。
「私はパフェ頼もうっと!千郷と葵はー?」
「私は、アイスコーヒーで」
「私は、オレンジジュースにしようかな」
「千郷オレンジジュース好きだね」
「あ、うん好きなんだ~。あ、携帯の充電器持ってたりする?充電やばくてさ」
「あ、持ってるよ!遠足くらい念入りに準備した甲斐がありました」
「ははっありがと!」
あれ?そういえば私、優奈の前でオレンジジュース飲んだことあったっけ?違う人と間違えてるのかな。ま、いっか。
私たちは2時間ほど語り合い、そろそろ帰ろうという話になった。
「いやー語ったねー、てか千郷の感性面白いんだけど」
「え、なんか変だった?」
「いや、変とかじゃないんだけど、そういう見方もあるかーって感じ!」
「分かる!千郷ちゃんの視点と優奈の視点、私の視点を擦り合わせるとなんかまた違う物語に感じてきて面白い」
「一石三鳥ってやつ?」
「ははっ一石三鳥とか最高すぎじゃん!そゆとこが千郷らしい!次は、茜とか七瀬も一緒に見たらまた面白そうだね!」
「だね!茜とかどんな見方するんだろ!面白そー」
「茜ちゃん独特だもんね!」
「あの子は癖あるぞー!よし、じゃあわたくし優奈が計画を立てさせていただきますね!」
「お!よろしくお願い致します優奈どの!」
「承りました、葵どの!」
こんなにみんなと仲良くなれるなんてほんと思ってなかったなー。ありがたい。まだちょっと葵ちゃんとは距離があるけど、前よりは話してくれるようになったし、少しずつ仲良くなっていこう!そして、少しずつでもみんなに恩返ししていけたら良いな!
「よし、じゃあ今日は解散にしますか」
「そうね、優奈、千郷ちゃん、また明日ね~」
「葵またねー!」
「また明日~」
「じゃ、千郷もまた明日~」
「うん、明日ね」
あー楽しかったなー。ミュージカルも最高だったけど、それを語り合える友達がいるっていうのは本当に幸せなことなんだなって改めて思う。
さてと、さっき撮った写真みんなに送ろーっと。あ!優奈から充電器借りてたんだった!うわ、まだ近くにいるかな!充電器なかったら優奈困るよね。確か優奈の家こっち方面だったはず。優奈いるかなー。あ、いた!良かった間に合ったー。
「優奈~!ごめ」
ビリビリッ。
私が優奈を見つけて呼ぼうとした時、優奈の後ろに黒い服を着た怪しい男が近づき、その直後優奈が倒れていく様子が見えた。
「優奈!!」
私は全速力で走り、優奈が抱き抱えられて連れ去られる直前に追いつき、咄嗟にカバンに入っていたペットボトルを男に投げつける。ペットボトルは男の顔辺りに命中し、男が蹌踉ける。その一瞬で私は男に体当たりし、優奈を必死に男から遠ざけさせる。そして、ありったけの声で叫ぶ。
「だれかー!!助けてください!!」
その一瞬、男から目を離した隙に男は私の後ろにいて、私は男にスタンガンを当てられてしまった。
「うっ、だ、れか、たす」
私の意識はここで途切れる。意識が途切れる寸前に、誰かが走ってきてくれたような気がした。優奈だけでも助かっていたら良いな。そんな思いを最後に視界が真っ暗になる。
ーー過去の記憶ーー
「千郷、千郷~」
「ん?」
「あーそぼー!」
「あ、優奈ちゃん」
「あそぼー!隠れん坊しよう?」
「いーよー!じゃんけんで鬼さん決めよー!」
「うん!じゃんけんぽっ」
「うー負けたー。千郷が鬼かー」
「じゃあ私隠れるね。30数えたら来てね」
「うん!1.2.3……」
何の記憶?私と優奈の小さい頃?私たちって会ったことあるの?わかんないや。なんかまた頭がぼーっとしてきた。
「ちーさと!何そんな怖い顔して!何考えてたの?」
「いや、別に何も考えてないよ!ただ、今日のミュージカル楽しみだなって思って」
「ね!本当に楽しみすぎて、昨日の夜あんまり眠れなかったんだよね」
「何それ遠足じゃん!ミュージカル中眠らないでよ!」
「それは大丈夫!絶対寝ない自信あるから」
「すごい自信だね」
「もちろん!この日のためにめっちゃ準備したんだから!」
「ほんとに遠足じゃん」
「だから違うってば!」
「ははっごめんごめん」
「もー千郷はすぐからかうー」
ウィーーン、ガチャッ。
「お!始まるよ!」
「だね!」
ーー3時間後ーー
「はあーもう幸せだった。まじで感動した」
「優奈めっちゃ泣いてたもんね」
「あれは泣くよー。あんなラスト反則すぎるもん」
「だね。私も感動した~」
「だよね!よし、ちょっと語り合いたいからカフェ行こ!」
「OK!」
ん?なんか後ろから誰かがこっちを見ていたような気がするんだけど、気のせいかな。
「千郷!早く行くよー!」
「あ、うん!」
「ん?あれって葵じゃない?」
「あ、ほんとだ」
「もしかして葵もミュージカル見てたのかな?葵ー!!」
「ん?あ!優奈じゃん!お!千郷ちゃんも」
「やっほー!葵もミュージカル?」
「うんそだよー。2人も見てたんだね!」
「なんだこれなら一緒に見れば良かったね」
「これからカフェに行くんだけど、葵ちゃんも一緒に行かない?」
「私も良いの?」
「もちろん!千郷、葵、レッツゴー!」
「あ、ちょっと優奈待ってー」
「相変わらずだな優奈はー」
カフェに到着。
「私はパフェ頼もうっと!千郷と葵はー?」
「私は、アイスコーヒーで」
「私は、オレンジジュースにしようかな」
「千郷オレンジジュース好きだね」
「あ、うん好きなんだ~。あ、携帯の充電器持ってたりする?充電やばくてさ」
「あ、持ってるよ!遠足くらい念入りに準備した甲斐がありました」
「ははっありがと!」
あれ?そういえば私、優奈の前でオレンジジュース飲んだことあったっけ?違う人と間違えてるのかな。ま、いっか。
私たちは2時間ほど語り合い、そろそろ帰ろうという話になった。
「いやー語ったねー、てか千郷の感性面白いんだけど」
「え、なんか変だった?」
「いや、変とかじゃないんだけど、そういう見方もあるかーって感じ!」
「分かる!千郷ちゃんの視点と優奈の視点、私の視点を擦り合わせるとなんかまた違う物語に感じてきて面白い」
「一石三鳥ってやつ?」
「ははっ一石三鳥とか最高すぎじゃん!そゆとこが千郷らしい!次は、茜とか七瀬も一緒に見たらまた面白そうだね!」
「だね!茜とかどんな見方するんだろ!面白そー」
「茜ちゃん独特だもんね!」
「あの子は癖あるぞー!よし、じゃあわたくし優奈が計画を立てさせていただきますね!」
「お!よろしくお願い致します優奈どの!」
「承りました、葵どの!」
こんなにみんなと仲良くなれるなんてほんと思ってなかったなー。ありがたい。まだちょっと葵ちゃんとは距離があるけど、前よりは話してくれるようになったし、少しずつ仲良くなっていこう!そして、少しずつでもみんなに恩返ししていけたら良いな!
「よし、じゃあ今日は解散にしますか」
「そうね、優奈、千郷ちゃん、また明日ね~」
「葵またねー!」
「また明日~」
「じゃ、千郷もまた明日~」
「うん、明日ね」
あー楽しかったなー。ミュージカルも最高だったけど、それを語り合える友達がいるっていうのは本当に幸せなことなんだなって改めて思う。
さてと、さっき撮った写真みんなに送ろーっと。あ!優奈から充電器借りてたんだった!うわ、まだ近くにいるかな!充電器なかったら優奈困るよね。確か優奈の家こっち方面だったはず。優奈いるかなー。あ、いた!良かった間に合ったー。
「優奈~!ごめ」
ビリビリッ。
私が優奈を見つけて呼ぼうとした時、優奈の後ろに黒い服を着た怪しい男が近づき、その直後優奈が倒れていく様子が見えた。
「優奈!!」
私は全速力で走り、優奈が抱き抱えられて連れ去られる直前に追いつき、咄嗟にカバンに入っていたペットボトルを男に投げつける。ペットボトルは男の顔辺りに命中し、男が蹌踉ける。その一瞬で私は男に体当たりし、優奈を必死に男から遠ざけさせる。そして、ありったけの声で叫ぶ。
「だれかー!!助けてください!!」
その一瞬、男から目を離した隙に男は私の後ろにいて、私は男にスタンガンを当てられてしまった。
「うっ、だ、れか、たす」
私の意識はここで途切れる。意識が途切れる寸前に、誰かが走ってきてくれたような気がした。優奈だけでも助かっていたら良いな。そんな思いを最後に視界が真っ暗になる。
ーー過去の記憶ーー
「千郷、千郷~」
「ん?」
「あーそぼー!」
「あ、優奈ちゃん」
「あそぼー!隠れん坊しよう?」
「いーよー!じゃんけんで鬼さん決めよー!」
「うん!じゃんけんぽっ」
「うー負けたー。千郷が鬼かー」
「じゃあ私隠れるね。30数えたら来てね」
「うん!1.2.3……」
何の記憶?私と優奈の小さい頃?私たちって会ったことあるの?わかんないや。なんかまた頭がぼーっとしてきた。
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