7 / 16
悲しみは突然に
しおりを挟む
人を好きになるのは、初めてだった。達也さんの前までは、ただ彼氏というステータスが欲しいという理由で付き合っていた。だから、初めて好きと思えた達也さんに好きって言ってもらえて、付き合えて、すごく嬉しかった。
私の人生の中で、すごく幸せな時間だったのに、人生はなかなか上手くいかないものです。
「たーつや!今日は私を選んでくれたんだね♡」
「その言い方やめろよ。誤解されるだろうが」
「だって、達也全然かまってくれないからさ~。それに、いっぱいいる女の子から選び放題なのは事実じゃない」
「……」
「でも、私みたく達也の女遊びの凄さを知ってる人は良いけど、知らない人は勘違いしまくりでほんと可哀想!ちょっとは痛みとか感じないのー?」
「いや、感じるけど、1人じゃ満足できないんだから仕方ないだろ。それに、色々な女の子を喜ばせて生きていくことが俺の人生の楽しみなんだからさ~」
「ほんと罪な男ね~」
これは、私が達也さんとデートをした日のこと。デートが終わって達也さんと別れた後に、その付近で傘を置き忘れたことに気がつき、別れた場所に戻ったときに達也さんと女の人との会話を聞いてしまったのだ。ほんと、私って運が悪いわよね。いや、むしろ良かったのかな。
私は、思わず達也さんに話しかけてしまった。
「達也さん、今のどういうこと?」
「……!み、緑ちゃん……」
達也さんは、すごく驚いた表情をして、私の方へと振り向いた。
「今の話、本当なの?」
「……言い訳するつもりはない。さっきの話は事実だよ」
「そんな……」
「俺は、君以外にもたくさん呼んだら来てくれる女の子がいる。君には、うぶな女の子として、俺の側にいてもらう設定だった」
「……」
「それで、緑ちゃんさえ良ければ、これからも俺の側にいてくれないかな?」
「最低っ。さようなら」
「緑ちゃんっ」
達也さんがあっさり認めたこと、それでも俺の側にいて欲しいと堂々キープ宣言をされたこと、すべてに怒りが湧いてきて、私はその場をすぐに立ち去った。
でも、私が達也さんに別れを告げて、その場から離れている途中で、達也さんは「ちっ。俺みたいな男の側にいられるのに何なんだよ。ま、良いか、あんな女いなくても他に腐るほどいるしな」と隣にいた女にぼやいているのが薄っすらと聞こえた。
正直、達也さんに腹が立つ気持ちはあるけれど、それ以上に自分の見る目のなさにも嫌気がさした。ほんと、恋愛なんてしなければ良かったと思ってしまった。
これが、達也さんと付き合い始めて3ヶ月後の出来事だった。
お姉ちゃんに話したら、責任を感じちゃうんじゃないかとか思ったりして、話すべきか話さないべきか悩んだけど、いつかはバレてしまうことだし、話すことにした。
「ただいまー」
「おかえりー!今日達也くんとデートだったんでしょー?どうだったー?まあ、あの感じだとラブラブなんだろうけど!」
「……別れてきた」
「え?!どしたの?!」
「実は……」
私は、お姉ちゃんに今日あった出来事をすべて話した。お姉ちゃんは、いつに無く真剣に私の話を聞いてくれた。
「そうだったのね……。達也くんって、なんか真面目な風に見えるけど、なんとなく軽い時があるなと思ってたけど、そういうことだったのね。ごめん、緑、ほんとごめん……。私のせいだ……。私が達也くんの本性に気がついて別れていればこんなことにならなかったのに……」
「お姉ちゃんが謝ることじゃないし、全然お姉ちゃんは悪くないから!私がきちんと見分けられなかっただけ」
「緑……」
「しばらく、恋愛はいいかもって思ったわ~」
「そっか。よし!今日はとことん飲もう!」
「いや、私未成年だし」
「そうだった!じゃあ、私が緑の分まで飲むわ!」
「それ意味ある?!」
姉は、やっぱり責任を感じちゃってるようだけど、完全に私の見る目のなさが産んだ結果だ。本音を見破るのって難しいことだなって改めて感じてしまった。
あー、もう恋したくないー!
そして、もれなく私はしばらく、恋することを辞めようと決めた。
1ヶ月後……。
「俺、鳳蝶さんと別れたんだ」
一ノ瀬からそう告げられた。
「そう、なんだ。理由は?」
「前の彼氏が忘れられなくて、もう一度頑張ってみることにしたって言われた」
「なるほど」
「それで、俺と友達になってくれないか?」
「ん?」
「俺と友達になってください」
「んー?」
なんだか、色々なことが起きすぎて、頭が追いついてないんですけど、とりあえず、あ、私たちまだ友達ではなかったんだと思った。まあ、確かに以前よりたくさん話すようにはなったけれど、友達って感じではなかったかと冷静に思い返してみる。
一ノ瀬は、私の戸惑いはスルーして、話を続けた。
「まあ、友達になったというふりを鳳蝶さんの前だけでやってもらえれば大丈夫だから」
「はあ、なるほど。私と親しくなったというステータスがあれば、お姉ちゃんにもまた近づけるってわけね」
「その通り」
その後、一ノ瀬は私のおさがり彼氏にならない理由も説明してきた。別れてすぐに私のおさがり彼氏になったら、軽い男だとお姉ちゃんに思われてしまうかもしれないから、そう思われない方法で尚且つお姉ちゃんに近づく方法といえば、私の友達になることだと結論付けたらしい。
「一ノ瀬って、なかなか策士よね」
「まあな」
「それにしても、私にメリットがないんだけど?」
「お前が姉から彼氏をおさがりしてもらってるってみんなに言っていいのか?」
「うわ、急にげすいなー。はいはい、友達になってあげましょう。好きな人の為ならほんとすごいわね」
「よし、決まりだな」
また面倒なことになったわね。まあ、一ノ瀬とカップルするよりかはマシか。
うー、家帰ったらお姉ちゃんはどんな様子なんだろ。まあ、お姉ちゃんから振ったわけだから、普通か。というか、お姉ちゃんって元彼忘れられない系女子だっけ?んーこれは調査する必要がありそうね。
私の人生の中で、すごく幸せな時間だったのに、人生はなかなか上手くいかないものです。
「たーつや!今日は私を選んでくれたんだね♡」
「その言い方やめろよ。誤解されるだろうが」
「だって、達也全然かまってくれないからさ~。それに、いっぱいいる女の子から選び放題なのは事実じゃない」
「……」
「でも、私みたく達也の女遊びの凄さを知ってる人は良いけど、知らない人は勘違いしまくりでほんと可哀想!ちょっとは痛みとか感じないのー?」
「いや、感じるけど、1人じゃ満足できないんだから仕方ないだろ。それに、色々な女の子を喜ばせて生きていくことが俺の人生の楽しみなんだからさ~」
「ほんと罪な男ね~」
これは、私が達也さんとデートをした日のこと。デートが終わって達也さんと別れた後に、その付近で傘を置き忘れたことに気がつき、別れた場所に戻ったときに達也さんと女の人との会話を聞いてしまったのだ。ほんと、私って運が悪いわよね。いや、むしろ良かったのかな。
私は、思わず達也さんに話しかけてしまった。
「達也さん、今のどういうこと?」
「……!み、緑ちゃん……」
達也さんは、すごく驚いた表情をして、私の方へと振り向いた。
「今の話、本当なの?」
「……言い訳するつもりはない。さっきの話は事実だよ」
「そんな……」
「俺は、君以外にもたくさん呼んだら来てくれる女の子がいる。君には、うぶな女の子として、俺の側にいてもらう設定だった」
「……」
「それで、緑ちゃんさえ良ければ、これからも俺の側にいてくれないかな?」
「最低っ。さようなら」
「緑ちゃんっ」
達也さんがあっさり認めたこと、それでも俺の側にいて欲しいと堂々キープ宣言をされたこと、すべてに怒りが湧いてきて、私はその場をすぐに立ち去った。
でも、私が達也さんに別れを告げて、その場から離れている途中で、達也さんは「ちっ。俺みたいな男の側にいられるのに何なんだよ。ま、良いか、あんな女いなくても他に腐るほどいるしな」と隣にいた女にぼやいているのが薄っすらと聞こえた。
正直、達也さんに腹が立つ気持ちはあるけれど、それ以上に自分の見る目のなさにも嫌気がさした。ほんと、恋愛なんてしなければ良かったと思ってしまった。
これが、達也さんと付き合い始めて3ヶ月後の出来事だった。
お姉ちゃんに話したら、責任を感じちゃうんじゃないかとか思ったりして、話すべきか話さないべきか悩んだけど、いつかはバレてしまうことだし、話すことにした。
「ただいまー」
「おかえりー!今日達也くんとデートだったんでしょー?どうだったー?まあ、あの感じだとラブラブなんだろうけど!」
「……別れてきた」
「え?!どしたの?!」
「実は……」
私は、お姉ちゃんに今日あった出来事をすべて話した。お姉ちゃんは、いつに無く真剣に私の話を聞いてくれた。
「そうだったのね……。達也くんって、なんか真面目な風に見えるけど、なんとなく軽い時があるなと思ってたけど、そういうことだったのね。ごめん、緑、ほんとごめん……。私のせいだ……。私が達也くんの本性に気がついて別れていればこんなことにならなかったのに……」
「お姉ちゃんが謝ることじゃないし、全然お姉ちゃんは悪くないから!私がきちんと見分けられなかっただけ」
「緑……」
「しばらく、恋愛はいいかもって思ったわ~」
「そっか。よし!今日はとことん飲もう!」
「いや、私未成年だし」
「そうだった!じゃあ、私が緑の分まで飲むわ!」
「それ意味ある?!」
姉は、やっぱり責任を感じちゃってるようだけど、完全に私の見る目のなさが産んだ結果だ。本音を見破るのって難しいことだなって改めて感じてしまった。
あー、もう恋したくないー!
そして、もれなく私はしばらく、恋することを辞めようと決めた。
1ヶ月後……。
「俺、鳳蝶さんと別れたんだ」
一ノ瀬からそう告げられた。
「そう、なんだ。理由は?」
「前の彼氏が忘れられなくて、もう一度頑張ってみることにしたって言われた」
「なるほど」
「それで、俺と友達になってくれないか?」
「ん?」
「俺と友達になってください」
「んー?」
なんだか、色々なことが起きすぎて、頭が追いついてないんですけど、とりあえず、あ、私たちまだ友達ではなかったんだと思った。まあ、確かに以前よりたくさん話すようにはなったけれど、友達って感じではなかったかと冷静に思い返してみる。
一ノ瀬は、私の戸惑いはスルーして、話を続けた。
「まあ、友達になったというふりを鳳蝶さんの前だけでやってもらえれば大丈夫だから」
「はあ、なるほど。私と親しくなったというステータスがあれば、お姉ちゃんにもまた近づけるってわけね」
「その通り」
その後、一ノ瀬は私のおさがり彼氏にならない理由も説明してきた。別れてすぐに私のおさがり彼氏になったら、軽い男だとお姉ちゃんに思われてしまうかもしれないから、そう思われない方法で尚且つお姉ちゃんに近づく方法といえば、私の友達になることだと結論付けたらしい。
「一ノ瀬って、なかなか策士よね」
「まあな」
「それにしても、私にメリットがないんだけど?」
「お前が姉から彼氏をおさがりしてもらってるってみんなに言っていいのか?」
「うわ、急にげすいなー。はいはい、友達になってあげましょう。好きな人の為ならほんとすごいわね」
「よし、決まりだな」
また面倒なことになったわね。まあ、一ノ瀬とカップルするよりかはマシか。
うー、家帰ったらお姉ちゃんはどんな様子なんだろ。まあ、お姉ちゃんから振ったわけだから、普通か。というか、お姉ちゃんって元彼忘れられない系女子だっけ?んーこれは調査する必要がありそうね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる