目が覚めたら奇妙な同居生活が始まりました。気にしたら負けなのでこのまま生きます。

kei

文字の大きさ
14 / 71

測定は、健康診断ではないの?

しおりを挟む
 
 周囲も自分も冷静を取り戻した今、流石に看過できない状況に置かれたと警戒心が高まる。場の雰囲気に飲まれかけたがよく考えてみると変な話だ。

 (…弟子にするって、それ使い走りのことでしょ!?)

  幼女にパシリをさせるのか? そもそも弟子は自ら希望して入門するものではなかろうか。有無を言わさず強制的にされるものではないと思う。

 もの凄く嫌な予感しかしない。ここは幼児らしく地面に寝転んで手足をバタバタさせ拒否るべきか、悩む。

 私は忙しくしていたジェーンさんをひっ捕まえて『測定』の説明を頼んだ。認識の相違を確認したいのと弟子入りの話を断って欲しいのとで必死でジェーンさんに食い付いたのだが…‥‥

 「そうだったわ貴女記憶が無かったのよね~。じゃあ測定も知らないわよね。あのね測定は成人を迎えるまで毎年測らないといけないの‥‥‥」

 忙しい彼女の時間を割いてまで説明してくれた内容に頭を抱えてしまう。彼女の荒唐無稽な話は俄には信じられない‥‥‥

 (いや、真に受けてどうするよ私。ここは笑うとこなの!?)

 今の気分じゃ笑えない、笑えない冗談を聞かされた時ほど気不味いことはないだろう。子供向けのジョークを思い付いたから言ったのだろうか、狙った受けが外れた時のことは考えなかったのだろうか。

 (引き攣った笑みしか返せないよジェーンさん!)

 「測定は魔力を測っているの」

 言われても笑えない。

 測定は魔力を測り必要があれば教会に引き取られ養育され、成人後は教会に従ずる事が決まっている。己が持つ魔力を国の為、教会の為に行使する事が義務。これは孤児に適用だと言う。

 要約するとこんな感じだった。

 どうしてこうふざけた話が出来るのかと彼女を睨んでしまった私は大人気ないだろうか。それともここは幼児らしく「わ~い」と喜べば良いのか? 

 ‥‥馬鹿馬鹿しさに乾いた笑みが零れる。

 室内は微笑むジェーンさんに対峙した苛つきの隠せない幼児の二人、空気はめちゃくちゃ悪い。イライラを隠す気はもう無い。どう聞いても人権侵害ではなかろうか。孤児だからと言って将来を勝手に決めらるなんて溜まったもんじゃない。怒りが湧いてきた。

 真剣な相手に冗談で切り替えすことに苛ついたのか、人の気持ちを無視して弟子にされたことにムカついたのか、孤児への差別が許せないからか、何がそんなに腹立たしく気分を害したのか自分でも良く分からない。分からないが非常にムカムカしている。

 

 「はあ? ‥‥‥ふざけないで下さい。真面目に答えて貰えますか」

 ムカつきで幼児の振りなどしていられない。イライラが口調を尖らせたのは許して欲しい。

 (‥‥いい大人が何言ってるの? そんな冗談要らないから!!)

 「あらあらアイナちゃん、どうしたの怖い顔して? …‥本当に何もかも覚えていないのねぇ」

 ちょっと首を傾げ困った様子を見せるが考えを読ませないジェーン。

 「‥…魔力は分かるかしら?」
 「‥…わかりません」
 「そこからなのね‥…口で説明するより見せた方が早いわねぇ」

 

 返答と共に溜息を吐いて神官さんのいる隣の教会に連れて行かれた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜
ファンタジー
 ある日、高校二年生だった桜井渚は魔法を扱うことができ、世界最強とされる精霊王に転生した。家族で海に遊びに行ったが遊んでいる最中に溺れた幼い弟を助け、代わりに自分が死んでしまったのだ。  だけど正直、俺は精霊王の立場に興味はない。精霊らしく、のんびり気楽に生きてみせるよ。  趣味の寝ることと読書だけをしてマイペースに生きるつもりだったナギサだが、優しく仲間思いな性格が災いして次々とトラブルに巻き込まれていく。果たしてナギサはそれらを乗り越えていくことができるのか。そして彼の行動原理とは……?  ロマンス、コメディ、シリアス───これは物語が進むにつれて露わになるナギサの闇やトラブルを共に乗り越えていく仲間達の物語。 ※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました!

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

処理中です...