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第六章 狙われた理由。
紅の魔石
しおりを挟む「幾つか魔石を用意したから好きに使っていいよ」
そう言って差し出された箱の中に大小様々な魔石が入っていた。
「ティ、魔石に魔力を溜めたことはあったかしら」
「いいえ。初めてです。お母様教えて下さい」
一つ小ぶりな魔石を摘まんだ。薄い緑色でキラリと輝く綺麗な石だ。
これ…元は何だったんだろう‥‥いや、深くは考えない方がいい。
以前グレインさんから教わった魔力については基本中の基本で、魔石については知らない。母さんも詳しくは帝国でね、と教えてくれない。取り敢えず吸い取った魔力を魔石に移すよう言われた。
魔力の操作が上手いから大丈夫って、母さんそれ、子供の時の話だよね。
仕方なく言われた通りにやってみる。
‥‥‥母さん教えるの下手だね。
ーーーーーーーーーーーー
どれ程の時間が過ぎたのかわからないが何とか8個の魔石に移すことが出来た。
どれも赤…紅色と言いたい。紅色の魔石だ。出来栄えに満足していた俺にジオルドがご苦労様と労いのスイーツを振る舞ってくれた。
ああ~美味しぃ~癒される~
俺がスイーツをリスの様に口に頬張っていると、出来上がった魔石を興味深く眺めていたジオルドが感嘆していた。
ジオルドが何やら独り言を呟いているが騒がしい。
「これが火の系統の…熱に強い特性が‥‥しかもここまで純度の高い魔石って‥‥」「うわ~高値つきそー」「珍しぃ~」「これカレンシアの魔力なんだねぇ‥…」「他人の魔力を移し採れるのか」「こっちの緑の魔石は元のだよね」「え~移し替えたの?」「これ発覚したらひと騒動起きそう」「治癒だけではなかったのか」「希少過ぎる」ゴチャゴチャ煩い。
一通り騒いで気が済んだらしいジオルドが一番小さい魔石を試しに使ってもいいかと許可を求めた。
俺も母さんも何に試すのか興味があったので許可を出した。
侍従に何か持って来させている間、ジオルドがレティエルの本当の能力は一体何かと聞いてきた。それは俺が知りたい。治癒系も希少だが、この他人の魔力を吸収し、混ざることなく魔石に移せる方が珍し過ぎると言われた。横で見ていても魔力を自在に操っているようにも見えたと。
うっ、レア度が増したか‥…
ジオルドが「これ、犯罪にもってこいだ」もの凄~い嫌な事を言う。聞きたくないので無視だ、無視。
「旦那様、お持ち致しました」
侍従が差し出したのは‥‥魔道具のランプだった。これに紅の魔石を嵌め込んで使えるかどうか確認するのか。
「「「あ、点いた(わ)」」」
俺はちゃんと明かりが点いたので満足していたのだが、二人は真顔だ。
‥‥そのリアクション、経験上わかる。俺、やっちゃったのね。
今度は何をやらかしたんだよ俺‥‥‥
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