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第九章 王国の異変
お調子者ー①
しおりを挟む「ただいま戻りました~若、お邸から知らせが届いてます。あと、お土産ありますよ~」
呑気な声が木霊する。ジェフリーだ。
「ジェフ、騒がしいですね。守備は?」
「はい若。上々です。領都の娼館に捨ててきました。これで彼奴らは昨日から娼館に籠っていたとアリバイ成立です。でも一文無しなので捕まっちゃうでしょ。ウヒヒヒ」
「ジェフリーにしては上出来です。それでお土産とは? 若様とお嬢様にお出ししなさい」
「あ、そうでした。果物とお菓子です。領都も物価が高くて驚きでした。聞いてみると税も物価も上がって大変だと嘆いてました。どうも領主様、何かやらかしたみたいですよ? 知ってました若?」
「この地を選んだギルガに聞いてみましょうか。まだ隠し事をしているようですしね」
そうギルベルトはギルガと呼ぶことに決まったのだ。隠密っぽい行動だったのでそのまま名前を使用したいと本人の希望もあったし。
白旗を上げた彼は大人しく任務内容を白状し身柄を俺達に預けると言った。
実はこれも全部込みで命令を受けており俺達にバレなければ正体を隠して仲間と合流しようと思っていたと。ギルガは義兄が居たのが運の尽き‥‥だけど噂の人物に会えたのは良かったのか? と何やらブツブツ呟いているし。変な奴。
義兄曰く、「皇帝陛下からのテストは合格でしょう。ですがギルガ、同行中は私の指示に従って貰います。逆らえば‥…わかりますよね。貴方の大切な大切な紋章は二度と貴方の手の甲には戻りませんよ?」
それはそれは美しい笑みで脅しに掛かられた。
こ、怖っ!
ギルガはすっかり服従したよ。ご愁傷さまです。
「隠し事‥‥はありません。この領地、経済制裁を受けております。それ以前に領地の管理人が不正を行ったり税を上げたりと、何かと失策続きで領民も逃げ出したり借金のカタで売られたりと、曰く付きの領地でして‥…あの廃村も、失策の成れの果てです」
「えっ? そんな‥‥酷い領主ですね。‥‥あの、それでここは、誰の領地ですの?」
「お、お嬢様はご存じなかったのですか?」
うわ~おん、そんな痛い子を見る目付、止めてーーー
「えっだって、無理やり馬車に乗せられて連れて来られたんですよ?」
そうだそうだ、知らないのは無理ないはず‥‥だよね?
えっ、もしかして皆知ってたの?
「あ‥…お嬢様って割と呑気者ですね‥…」
「ギルガ、これがレティの良い面だから間違えないように。レティ、君はこのまま変わらないでいてね」
…‥おい、褒めてんだよね。
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