転生先は小説の‥…。

kei

文字の大きさ
214 / 365
別視点

疑念 義兄視点

しおりを挟む
―――まさかご落胤ではなく誘拐された伯爵家の子としてお披露目ですか?

抱いた疑念が棘のように胸に刺さります。

『クリスフォードを次期王に』野心隠さずヴァンダイグフ前伯爵当主は娘の王妃共々、精力的に動いていました。王妃は隣国と癒着し権力の掌握に躍起になり、挙げ句、失態を晒しました。

‥‥そういえば彼女と前伯爵当主の野望は、ザックバイヤーグラヤス家で潰していましたね。ふふふ、すっかり忘れていました。
まあ、偶々ですよ、故意ではありません。ふふ。陰謀を巡らすのも良いですが、分を弁えましょうか。自業自得ですよ、逆恨みされても困ります。


‥‥‥まぁ、恨まれて、憎まれているのでしょう。



野心の権化爺ヴァンダイグフにお目に掛かれる機会があれば、是非ともお聞きしたいですね。

‥‥いつどこでエリックを知り、駒として使う気になったのかと。

ふふ、私、これでも怒り心頭なのですよ。私の愚かな下僕エリックを横取りしたのですからね。ふふ、この代償は必ず支払って頂きます。それまでご自愛くださいね。




ヴァンダイグフの爺が助力を乞うたのでしょうね。流石に忌み子では王位を狙えませんから。

…‥ですが腑に落ちません。

異母兄の王弟を排斥してもエリックには王位継承権は得られません。
いえ、厳密に言えばある条件下であれば可能でしょうが、余りにも非現実的です。直系男子、もしくは 直系の女子が産んだ男児、全ての血が絶えた時に忌み子に継承権が発生するのです。それほど忌み子は疎まれ忌避される存在です。おまけに彼は平民です。

神殿が嫌う忌み子。しかも平民とくれば神殿だけではなく貴族の反発は免れないでしょう。下手に前国王のご落胤と騒いでも認知されなければ簒奪者とされるのが関の山でしょう。


‥‥ふむ、拐かされた伯爵の子に仕立て上げたのは貴族籍を得て王女殿下と婚約を狙って? 女王になれない王女は降嫁するしかありませんよ。一体何を企んでいるのでしょうか。


私は、今回の冤罪事件にヴァンダイグフの爺が関与していると考えています。
利害の一致した者と手を組んだか‥‥権力の魅力に抗えない爺に手を貸す大馬鹿者ですか。ああ、頭が痛くなりますね。

騎士団の捕縛騒ぎに乗じてレティと義母上を拐わかす計画を企てたのは爺でしょうか。それとも…‥。まぁどちらでも構いません。まとめて報復すればいいだけのことです。



…‥爺と手を組み王弟を嵌めた人物。
下品で下劣な策を講じたのは何故でしょうか。ああ、思い出すのも汚らわしい。
王族を貶める話を題材に計画を練るとは。不敬罪を恐れない大胆さ。
…‥いえ、両陛下とその息子をコケにしたのですね。恨み?

妄念からの犯行と判断された以上、罪は王弟一人に。彼は精神疾患と診断され隔離でしょうね。


‥‥王妃の子は不義の子。真しやかに囁かれた社交界の噂。それを巧みに使いつつも、根深い噂を払拭しましたね。
陛下のお子だと判明されたと裁判官の発言で嫌疑を晴らしました。王妃の身の潔白も。実子と証明された息子も報われましたか。

‥‥爺が推しているエリックのお披露目理由もさり気なく入れてきましたね。
『忌み子』から『拐された子』。貴族受けを狙いましたか。
屈辱的な噂を払拭でき、エリックのお披露目の目途が立った、ヴァンダイグフの爺が喜びそうな筋書でしたね。


‥‥であれば王弟は


「若君は、ジオルド様が嵌められた理由にお心当たりはございませんか」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

処理中です...