迷宮美少女使徒への変貌 ~ダンジョンの毒牙にかかった冒険者と恋する女騎士~

火ノ鷹

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冒険者ジルク

冒険者ジルク-2

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「ここは…元の洞窟の出口?。夢、なわけないな。カルザ達三人ともいない」

周囲を確認すると誰もおらず、自分だけだった。それに周囲の魔力を探ってみると、どこかヤギの魔力がチラつく感覚がある。
どうやら夢ではなかったらしい。現実は悪夢に囚われているようなものだが。

「感性を弄り回すか。奴の力なら簡単だったはずだ。…ってああ、気概を壊すのが趣味だって言ってたな。とすると何かしら感性を弄り回す要素があるはずだ」

奴の悪趣味性、チャンスの説明から何かしらの要素を探る。
おそらくあるはずだ。何かしらの条件が満たされれば俺の感性が弄られていくようなことが。まずはそれを探らなければ話にすらならない。

幸いにもそれはすぐに見つかった。

「…これは?」

強化魔術を使うとあの時三人を一瞬で気絶させたほどの力が満ち溢れる。苦手なはずのそれが異様なほどスムーズに発動できる。

「これを使い続けると感性が近づくってところか。厄介だな」

実質強化魔術を使ってはいけないということだ。ゴブリンやオーク程度なら強化魔術を使うまでもないが、それ以上の存在相手に使わないという選択肢はない。使わなければ速度や身体強度が間に合わず死ぬだけなのだから。

「死ぬ…それも死ぬだけの方がマシだ」

聞いたことがある。死ぬ体験を何度も何度も味わわせるような魔物がいるということを。こいつがそれに似た力を持っているなら、死んだら復活させて感性を近づけるなんてこともあり得るだろう。

強化魔術が切れる。その前に出口があったところへと拳を固めて殴りつける。

「やっぱりか」

出口だった場所がガラガラと崩れ、道が…上り階段が現れた。ここが前にいた場所ではなく、それよりも深い階層のどこかにいるということだ。

つまりはこのまま探索すればもっと深い階層へと送ろうとするヤギの意図が見えた。

「これでもベテランだ。魔力の流れくらいは分かるさ」

俺はそう呟いて階段を上っていった。
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