23 / 27
タケノコドンⅢ――邪神獄臨――
緑の邪神
しおりを挟む
「映像来ます」
偵察に出された無人偵察機から異変が起きた現場の映像が届く。壁面モニターに映し出されたのは、小高い山程はある濃緑の蠢く塊。それは気味悪く形を変え、やがて遂にその正体を現した。それは何とも形容し難い、無数の青竹が寄り集まり山となったモノがそのまま動き出したかの様な巨大な怪物だった。頭部と思われる位置に不気味な赤い瞳が有り、その巨体はズズッと地を擦る様にゆっくりと動き始めた。それを目の当たりにした第三次特殊災害対策会議改め以後作戦司令部に召集された面々は驚愕しつつも、3度目の変事とあって落ち着いて構える幕僚や政府高官の歴々。そして司令官を務めるのは勿論、陸自幕僚長に昇任した上條である。
「あれが、北野から報告のあったタケノコドン変異体……」
「竹……感は残しつつも全く違う形態。大きさも推定百メートルを優に超えていると思われます」
「目標周辺より異常を確認。地中から何かが急速に伸びてきます!」
「あれは……竹か?」
タケノコドン変異体の周囲から巨大で高く聳え立つ竹が次々と生え始めた。その数は際限無く増え続け、見る見る範囲を拡げていく。更には頂点部に不気味な紅い花が咲いたと思うと、紫色の花粉の様な粒子を霧の様に撒き始めた。その光景は非常に毒々しく禍々しい、この世ならざる光景だった。それを見た上條は即座に九州全域に避難警報の発令を要請。迎撃部隊の緊急出動と、改良されたナパーム弾を搭載した爆撃機を先発発進させるのだった。
「司令、宜しいのですか? あのナパームを使えば周辺被害は甚大なものになりますよ」
「アレを見て被害を気にする余裕が有ると思うか? オリジナルのタケノコドンならいざ知らず、アレは明らかに有害効果を無限に拡げていく危険な存在だ。今度こそ放置すれば確実に日本は滅ぶ。故に迅速に駆除せねばならない」
「有害と決まった訳では……」
「アレを見て無害と思えるか? それが確認された時点で手遅れになる危険が有る。あれが日本中に蔓延るより先に、風に乗って東に流れれば広範囲に被害が拡がるだろう。奴が移動する前に一挙に殲滅するのがベターだ」
数十分後、現場上空に到着した爆撃機からナパーム弾が投下された。燃え盛る炎は一面に広がり、怪物と怪竹を山々毎飲み込んで火の海と化した。だが上條は追撃の手を緩めず、後続の爆撃機から何十ものナパームを落とし続け、空は厚い雲の様な黒煙で覆われていった。全てを灼き尽くすかと思われた猛炎の中、動く大きな影をカメラが捉える。
「目標確認。動いてはいますが……燃焼している様です。一定の効果認められます」
「そうでなくては困る。オリジナルは表皮しか焼けなかったが、こっちはしっかり全身焼けているな。このまま燃え尽きてくれれば……」
「いや、無理でしょうな。アレを」
炎に包まれた影は燃え朽ちてボロボロと溢れ落ちてはいるものの、再び元の形に戻ろうと欠けた箇所が伸びてはまた焼け落ちるといった具合で、巨大な影は縮小と再生を繰り返し蠢き続けていた。
「再生能力……オリジナルも有していたが、これ程の速度ではキリが無い」
「攻撃を中止。偵察機を残し爆撃機は撤退させろ」
「よろしいのですか?」
「先程の奴の生成過程を見ただろう? アレはこの世ならざる者、近代兵器で斃し得る相手ではない」
「それでは……」
「うむ。霊能界に援助要請、御家老様に連絡を取れ。陸自は避難誘導の支援を優先」
「避難範囲は九州全域ですか?」
「いいや、西日本全域だ。奴の移動速度は極めて遅いが、怪植物の増殖速度を考えれば被害範囲の拡大はこちらの予想を上回るだろう。霊能界と協力体制が整うまで、こちらも最大火力を打ち出せる準備を進めなければ」
上條の予測通り、霊能界との連携は難航した。タケノコドンと同等級の物質化霊体の討滅とあって、並大抵の術では太刀打ち出来ないのは明白。それに、大規模な術を行使するには代償も必要となるし、異能の存在が世間に露見する可能性も有る。霊能界の上役には隠遁体質を重視する者も多く、打開案の模索には相当な時間を要した。その間に、事態を一変する出来事が起ころうとは――
8日後、タケノコドン変異体は九州全域を制圧。住民避難は完了したものの、殆どの都市部は蹂躙され瓦礫の山と化し、怪竹が所狭しと蔓延る樹海で埋め尽くされていた。毒性の謎の粒子はより濃くなり、対毒マスクや防護服も通用せず何人をも寄せ付けない死の領域を形成。そして奴は遂に下関にその脚を掛け、脅威は本州へと迫ろうとしていた。この時、何の解決策も打ち出せない日本に対し不信感と危機感を抱いた世界の国々はこれ以上の事態悪化を防ぐ為、あまりにも非道な強硬策を嵩じようとしていた。
突如、司令部内の警報と各員のスマホがけたたましいサイレンを鳴らし始めた。
「急報! 中国方面より弾道ミサイルと思しき飛翔体を捕捉しました‼︎」
「中国だと⁉︎ そんな馬鹿な‼︎」
「そんな動きが有れば衛星やレーダーが掴んでいる筈だ。韓国並びにアメリカから情報共有は⁉︎」
「……有りません」
「まさか……黙認した? 日本への攻撃をわざと見逃したというのか」
「弾道予測は?」
「九州……目標は、タケノコドン変異体と思われます」
「まさか核か⁉︎」
「司令⁉︎」
「自分の権限は対特殊災害に限定されている」
「国防長官‼︎ 総理⁉︎」
「………………」
「………………」
「何故動かないのですか。迎撃ミサイルは⁉︎ 早くしないと間に合わなく……」
「落ち着け。上の方々は皆同じお考えの様だ」
「…………撃ったのは中国だ。韓国、アメリカ共に重大な協定違反。事後それぞれに多額の賠償と違約金を要求する」
「それを使って復興に充てようと?」
「我々の火力では奴を殲滅するのは難しい。あわよくばこれで……と各国の思惑も有っての事だろう。正直我々としても期待したいところだ。タケノコドンさえ各地から集めれば、除染は早くて1年で済む。大義の前に多少目を瞑るのも止む無しだ」
「司令……」
「残念ながら自分もほぼ同意見だ。が……それで済めば苦労は無いがな」
弾道ミサイルは順調に飛行し目標に到達。巨大な爆発と閃光は辺り一帯を呑み込み、特徴的なキノコ雲が空高く舞い上がり、核の脅威を三度日本の歴史に刻む事となった。
飛ばし直した無人機が現場の状況を備に捉える。瓦礫すら無い建物の基礎しか残らぬ焼け野原……資料映像でしか観た事が無いような惨状が果てし無く広がっていた。こうなると予想はしていた者達ですら苦々しい顔を背け、この現実を直視出来ないでいる。誰も言葉を発せず沈黙が続いたが……
「……っ⁉︎ 司令、アレを‼︎」
皆の目がモニターに集中する。そこに映し出されたものは……宙に浮かぶグニグニと蠢く黒と深緑の色が混ざり合う理解の及ばないナニカであった。それは次第に大きさを増し、瞬く間に怪物の姿を取り戻していく。だが、変化はそればかりで止まらなかった。
「目標、復元。……っ⁉︎ 体積が120%増大してる模様‼︎」
「ナニっ⁉︎」
「これは……放射線量、急激に減少中」
「まさか、放射線を吸って成長しているのか?」
「奴に餌を与えてしまったのか……」
「核でさえ焼き尽くせんとは……どうすればいいのだ……」
「やはり、アレは我々の持つ兵器では打倒するのは不可能な様です。霊能界への要請を急がせます」
この結果を受け世界の国々も静観を決め込み、全ての趨勢は日本に委ねられる事となった。事態を重く見た霊能界も遂に重い腰を上げ、全総力を以って対処する意向を示した。しかし結局その準備にも相応の時間を要するとし、決戦の日は1週間後となるのだった。
一方、タケノコドンから変異した怪物は怪植物の樹海を広げながら中国地方を蹂躙。海をも超え四国も緑に染まった。国民は東へ更に北へと、復興がまだ終わらぬ北海道に政府主導による大疎開が行われていた。日常生活は完全に破壊され、その影響は世界経済にまで大きく及び混乱の度合いは日増しに波及していった。
また一方。怪物の存在を地球環境を著しく破壊すると判断したのか、世界中のタケノコドン小型幼体が一斉に日本に向け移動を始めていた。既に日本に居た個体、また変異し竹となっていた個体からも産み出された幼体達は、怪物と奴が生み出した樹海へと向かって行った。怪植物に喰らい付くもそのあまりの大きさ故に歯が立たず、更に植物は頭頂の紅い花の中央部分から真っ赤な怪光線を放ち寄り付く幼体達を蹴散らしてしまう。それでも彼らは諦める事無く、次々同胞を生み出し立ち向かって行く。その健気にも見える挑戦はいつまで続き、いつ報われるのか……
偵察に出された無人偵察機から異変が起きた現場の映像が届く。壁面モニターに映し出されたのは、小高い山程はある濃緑の蠢く塊。それは気味悪く形を変え、やがて遂にその正体を現した。それは何とも形容し難い、無数の青竹が寄り集まり山となったモノがそのまま動き出したかの様な巨大な怪物だった。頭部と思われる位置に不気味な赤い瞳が有り、その巨体はズズッと地を擦る様にゆっくりと動き始めた。それを目の当たりにした第三次特殊災害対策会議改め以後作戦司令部に召集された面々は驚愕しつつも、3度目の変事とあって落ち着いて構える幕僚や政府高官の歴々。そして司令官を務めるのは勿論、陸自幕僚長に昇任した上條である。
「あれが、北野から報告のあったタケノコドン変異体……」
「竹……感は残しつつも全く違う形態。大きさも推定百メートルを優に超えていると思われます」
「目標周辺より異常を確認。地中から何かが急速に伸びてきます!」
「あれは……竹か?」
タケノコドン変異体の周囲から巨大で高く聳え立つ竹が次々と生え始めた。その数は際限無く増え続け、見る見る範囲を拡げていく。更には頂点部に不気味な紅い花が咲いたと思うと、紫色の花粉の様な粒子を霧の様に撒き始めた。その光景は非常に毒々しく禍々しい、この世ならざる光景だった。それを見た上條は即座に九州全域に避難警報の発令を要請。迎撃部隊の緊急出動と、改良されたナパーム弾を搭載した爆撃機を先発発進させるのだった。
「司令、宜しいのですか? あのナパームを使えば周辺被害は甚大なものになりますよ」
「アレを見て被害を気にする余裕が有ると思うか? オリジナルのタケノコドンならいざ知らず、アレは明らかに有害効果を無限に拡げていく危険な存在だ。今度こそ放置すれば確実に日本は滅ぶ。故に迅速に駆除せねばならない」
「有害と決まった訳では……」
「アレを見て無害と思えるか? それが確認された時点で手遅れになる危険が有る。あれが日本中に蔓延るより先に、風に乗って東に流れれば広範囲に被害が拡がるだろう。奴が移動する前に一挙に殲滅するのがベターだ」
数十分後、現場上空に到着した爆撃機からナパーム弾が投下された。燃え盛る炎は一面に広がり、怪物と怪竹を山々毎飲み込んで火の海と化した。だが上條は追撃の手を緩めず、後続の爆撃機から何十ものナパームを落とし続け、空は厚い雲の様な黒煙で覆われていった。全てを灼き尽くすかと思われた猛炎の中、動く大きな影をカメラが捉える。
「目標確認。動いてはいますが……燃焼している様です。一定の効果認められます」
「そうでなくては困る。オリジナルは表皮しか焼けなかったが、こっちはしっかり全身焼けているな。このまま燃え尽きてくれれば……」
「いや、無理でしょうな。アレを」
炎に包まれた影は燃え朽ちてボロボロと溢れ落ちてはいるものの、再び元の形に戻ろうと欠けた箇所が伸びてはまた焼け落ちるといった具合で、巨大な影は縮小と再生を繰り返し蠢き続けていた。
「再生能力……オリジナルも有していたが、これ程の速度ではキリが無い」
「攻撃を中止。偵察機を残し爆撃機は撤退させろ」
「よろしいのですか?」
「先程の奴の生成過程を見ただろう? アレはこの世ならざる者、近代兵器で斃し得る相手ではない」
「それでは……」
「うむ。霊能界に援助要請、御家老様に連絡を取れ。陸自は避難誘導の支援を優先」
「避難範囲は九州全域ですか?」
「いいや、西日本全域だ。奴の移動速度は極めて遅いが、怪植物の増殖速度を考えれば被害範囲の拡大はこちらの予想を上回るだろう。霊能界と協力体制が整うまで、こちらも最大火力を打ち出せる準備を進めなければ」
上條の予測通り、霊能界との連携は難航した。タケノコドンと同等級の物質化霊体の討滅とあって、並大抵の術では太刀打ち出来ないのは明白。それに、大規模な術を行使するには代償も必要となるし、異能の存在が世間に露見する可能性も有る。霊能界の上役には隠遁体質を重視する者も多く、打開案の模索には相当な時間を要した。その間に、事態を一変する出来事が起ころうとは――
8日後、タケノコドン変異体は九州全域を制圧。住民避難は完了したものの、殆どの都市部は蹂躙され瓦礫の山と化し、怪竹が所狭しと蔓延る樹海で埋め尽くされていた。毒性の謎の粒子はより濃くなり、対毒マスクや防護服も通用せず何人をも寄せ付けない死の領域を形成。そして奴は遂に下関にその脚を掛け、脅威は本州へと迫ろうとしていた。この時、何の解決策も打ち出せない日本に対し不信感と危機感を抱いた世界の国々はこれ以上の事態悪化を防ぐ為、あまりにも非道な強硬策を嵩じようとしていた。
突如、司令部内の警報と各員のスマホがけたたましいサイレンを鳴らし始めた。
「急報! 中国方面より弾道ミサイルと思しき飛翔体を捕捉しました‼︎」
「中国だと⁉︎ そんな馬鹿な‼︎」
「そんな動きが有れば衛星やレーダーが掴んでいる筈だ。韓国並びにアメリカから情報共有は⁉︎」
「……有りません」
「まさか……黙認した? 日本への攻撃をわざと見逃したというのか」
「弾道予測は?」
「九州……目標は、タケノコドン変異体と思われます」
「まさか核か⁉︎」
「司令⁉︎」
「自分の権限は対特殊災害に限定されている」
「国防長官‼︎ 総理⁉︎」
「………………」
「………………」
「何故動かないのですか。迎撃ミサイルは⁉︎ 早くしないと間に合わなく……」
「落ち着け。上の方々は皆同じお考えの様だ」
「…………撃ったのは中国だ。韓国、アメリカ共に重大な協定違反。事後それぞれに多額の賠償と違約金を要求する」
「それを使って復興に充てようと?」
「我々の火力では奴を殲滅するのは難しい。あわよくばこれで……と各国の思惑も有っての事だろう。正直我々としても期待したいところだ。タケノコドンさえ各地から集めれば、除染は早くて1年で済む。大義の前に多少目を瞑るのも止む無しだ」
「司令……」
「残念ながら自分もほぼ同意見だ。が……それで済めば苦労は無いがな」
弾道ミサイルは順調に飛行し目標に到達。巨大な爆発と閃光は辺り一帯を呑み込み、特徴的なキノコ雲が空高く舞い上がり、核の脅威を三度日本の歴史に刻む事となった。
飛ばし直した無人機が現場の状況を備に捉える。瓦礫すら無い建物の基礎しか残らぬ焼け野原……資料映像でしか観た事が無いような惨状が果てし無く広がっていた。こうなると予想はしていた者達ですら苦々しい顔を背け、この現実を直視出来ないでいる。誰も言葉を発せず沈黙が続いたが……
「……っ⁉︎ 司令、アレを‼︎」
皆の目がモニターに集中する。そこに映し出されたものは……宙に浮かぶグニグニと蠢く黒と深緑の色が混ざり合う理解の及ばないナニカであった。それは次第に大きさを増し、瞬く間に怪物の姿を取り戻していく。だが、変化はそればかりで止まらなかった。
「目標、復元。……っ⁉︎ 体積が120%増大してる模様‼︎」
「ナニっ⁉︎」
「これは……放射線量、急激に減少中」
「まさか、放射線を吸って成長しているのか?」
「奴に餌を与えてしまったのか……」
「核でさえ焼き尽くせんとは……どうすればいいのだ……」
「やはり、アレは我々の持つ兵器では打倒するのは不可能な様です。霊能界への要請を急がせます」
この結果を受け世界の国々も静観を決め込み、全ての趨勢は日本に委ねられる事となった。事態を重く見た霊能界も遂に重い腰を上げ、全総力を以って対処する意向を示した。しかし結局その準備にも相応の時間を要するとし、決戦の日は1週間後となるのだった。
一方、タケノコドンから変異した怪物は怪植物の樹海を広げながら中国地方を蹂躙。海をも超え四国も緑に染まった。国民は東へ更に北へと、復興がまだ終わらぬ北海道に政府主導による大疎開が行われていた。日常生活は完全に破壊され、その影響は世界経済にまで大きく及び混乱の度合いは日増しに波及していった。
また一方。怪物の存在を地球環境を著しく破壊すると判断したのか、世界中のタケノコドン小型幼体が一斉に日本に向け移動を始めていた。既に日本に居た個体、また変異し竹となっていた個体からも産み出された幼体達は、怪物と奴が生み出した樹海へと向かって行った。怪植物に喰らい付くもそのあまりの大きさ故に歯が立たず、更に植物は頭頂の紅い花の中央部分から真っ赤な怪光線を放ち寄り付く幼体達を蹴散らしてしまう。それでも彼らは諦める事無く、次々同胞を生み出し立ち向かって行く。その健気にも見える挑戦はいつまで続き、いつ報われるのか……
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる