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13.ガキの食い物Ⅰ
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この日学校まで俺を迎えに来てくれたのは長谷川さんだった。比内さんの事務所にいるもう一人の事務担当だ。
あのマンションから高校まではほんの一駅分の距離。それでも比内さんは俺の送り迎えを欠かさない。迎えに来てくれる人の顔触れは時々こうして変わるけど。
「……これ、怒られませんか?」」
「怒られないよ。大丈夫」
「でも……」
「平気平気。ほら、せっかくだしなんか食いな。このケーキとかウマそうじゃん。どう?」
学校から出た長谷川さんが次に車を停めた場所は、事務所でもなければ比内さんのマンションでもその近くのスーパーでもなく、学校の程近くにある女性客の多いカフェだった。
ちょっと寄り道して行こう。車内でそう言われてから五分後の出来事。カフェの裏手にある小さな駐車場で戸惑う俺を車から降ろし、長谷川さんは一直線に可愛い店へと入っていった。
丸テーブルで向かい合いながら差し出されたメニューを見下ろし、俺が思い出すのはただ一つ。昨日の中川さんの身に起きた目を覆いたくなる惨劇だ。
俺を毎朝学校まで送ってくれるのは比内さんだが、夕方になって迎えに来てくれるのは大抵が長谷川さんだ。だから昨日もそこにいるのは長谷川さんだと思っていたら、その日俺を迎えに来たのは活力が有り余っている中川さん。裏門にやって来た俺を見るなり、遊び行こーッとあの人は叫んだ。
そこから中川さんが向かったのはゲーセンやらバッティングセンターやら。まっすぐ帰らずあちこちチョロチョロ連れ回されること数時間。比内さんのマンションに着いた頃にはとっくに日が落ちていた。
エントランスに入った時の俺は生きた心地がしなかった。家に着いても中川さんはなぜか俺と一緒にいた。
たっだいまー。自分の家じゃないお宅の玄関で元気よく叫んだ中川さん。斜め後ろにくっついていた俺は真っ青になりながら突っ立っていたが、部屋の中からズカズカやって来た比内さんを見て泣きそうになった。俺達を出迎えた比内さんはまさしく鬼の形相だった。
車の中でもバッティングセンター内でも中川さんのスマホが何度も繰り返し鳴っていたのは気付いていた。着信を無視し続けた中川さんは途中で電源を落としたけれど、連絡を入れていた相手は比内さんだったに違いない。
「どこに行ってた」
「ちょっとデートに」
「どういうつもりだ」
「息抜きだってば」
玄関でそんなやり取りをしながら比内さんは中川さんを睨み殺していた。そして言い合うこと一分弱、中川さんの向う脛には見るからに強烈な打撃が入った。
ゲシッと、すごい音がした。近くにいた俺から見てもかなりのダメージを想像できた。
蹴りつけられた痛みに悶えてその場でうずくまった中川さん。それを冷やかに見下して、ふざけんじゃねえクソ野郎と低い声で投げるように落とした。
「勝手にフラフラするんじゃねえとあれ程言っただろうがこのゴミ」
ゴミ。
口調はひどく淡々としているのに滲みだす怒りが物凄い。続けて慈悲もなく殴られた。それはそれはボコスカと。怒られたのも殴られたのも俺ではなくて中川さん一人だったが。
「これって長谷川さんも怒られるんじゃ……」
そんな光景を目の当たりにしたものだから俺には恐怖しか湧きおこらない。昨日と同じような場面を目撃するのはもうごめんだ。長谷川さんがボコスカ殴られる姿なんて見たくない。
なのに本人はどこ吹く風だった。俺の心配をよそに長谷川さんはニコニコと笑みを向けてくる。
「ガキには甘いもんでも食わせてやれ」
「はい?」
「そう言われたんだよ、比内先生から。さっき事務所出てくる時に。あ、でもこれバラしたのは内緒な。言うなって口止めされてるんだ」
長谷川さんの独断かと思いきやそうじゃなかった。今のこれは比内さんの指示。あの仏頂面が頭に浮かぶ。
俺を連れ出した中川さんには般若みたいな顔を向けていたのに。一夜明けた今日はなぜだか比内さんが自らこんなことを。
「軍資金もらってるから好きなの頼みな。陽向のおかげで俺もおこぼれにあずかれるし。実はスゲエ腹減ってんだよ」
長谷川さんが眺めているのは確かにフード系のメニュー表だ。
「食ったらマンションまで送るから。買い出しあるならどっか寄るけど」
「あ……すみません。お願いします」
「おう。任せとけ」
あの事務所の中で長谷川さんとは一番年が近い。それもあってか初めて顔を合わせた時から気さくに声をかけてもらっている。
手渡されたフードメニューはやんわりと断った。ならばと再び見せられたのはカラフルなデザートメニュー。遠慮するなとでも言うように俺の目の前にそれを広げた。
「どうする?」
「じゃあ……コレ」
指さしたのは長谷川さんから最初に勧められたケーキ。長谷川さんが頷いたタイミングでちょうどよく店員がオーダーを取りに来た。
形も色どりも名前も可愛いハニーレモンクリームタルトと、腹ペコらしい長谷川さんが目を付けたハンバーグ。と、カツサンドとトマトパスタと唐揚げ盛り合わせと山盛りポテト。この人は一週間くらいの断食修行でもしてたのか。
資金をいくらもらったのだか長谷川さんの注文には躊躇いがない。俺が頼んだ甘そうなタルトはなんだか女の子が食うようなやつだ。
「それじゃ足りねえだろ。もっと食えば?」
「ああ、いえ。メシは比内さんと……」
食うので。小声で付け足すと微笑ましそうな目を向けられた。自分だけ外でモリモリ食って来て比内さんにはいつもの料理ってのもあれだし。
比内さんの指示は俺への気遣いだ。どちらかと言えば甘いものが好きだと、失敗しがちなコミュニケーションの中で何気なく話したことがある。あの時はガキって言い返されただけだった。だからそれ以上その会話は広がらずに終了したけど、まさかこんな形で返ってくるとは。
「俺いまだにちょっと、実感が湧かないんですけど……」
「うん?」
「……あんな人もいるんですね」
あんな大人もいるらしい。信じろなんて、言ってくる人。今までどこにもいなかったけど、あの場所には比内さんがいた。
誰に助けを求めたところで無駄だと思っていた俺に、冷酷にも見える上から目線で助けを請えと迫ってきた人。あの人がいてくれなかったら今の俺はどうなっていたか。
カフェで呑気にハニーレモンクリームタルトを頼むような、そんなひと時が訪れるなんて。ほんの少し前までの日々では夢にも思えなかったのに。
「裏切らないよ」
耳にした長谷川さんの声。顔を上げたら目が合った。
「比内先生は裏切らない。俺も助けられたからよく知ってる」
「…………」
にこにこと明るいこの人にもたぶん、過去には何かがあったのだろう。誰にだって色々ある。中川さんにも朝比奈先生にも、きっと、比内さんにだって。
「なんとかなるって比内先生が言うなら絶対に大丈夫だ」
「……はい」
どんな人にも色々あるけど、なんとかなるとは限らない。なんとかなるのは運がいい人だ。助けてくれる誰かに出会えるのは、奇跡にも近い幸運だ。
あのマンションから高校まではほんの一駅分の距離。それでも比内さんは俺の送り迎えを欠かさない。迎えに来てくれる人の顔触れは時々こうして変わるけど。
「……これ、怒られませんか?」」
「怒られないよ。大丈夫」
「でも……」
「平気平気。ほら、せっかくだしなんか食いな。このケーキとかウマそうじゃん。どう?」
学校から出た長谷川さんが次に車を停めた場所は、事務所でもなければ比内さんのマンションでもその近くのスーパーでもなく、学校の程近くにある女性客の多いカフェだった。
ちょっと寄り道して行こう。車内でそう言われてから五分後の出来事。カフェの裏手にある小さな駐車場で戸惑う俺を車から降ろし、長谷川さんは一直線に可愛い店へと入っていった。
丸テーブルで向かい合いながら差し出されたメニューを見下ろし、俺が思い出すのはただ一つ。昨日の中川さんの身に起きた目を覆いたくなる惨劇だ。
俺を毎朝学校まで送ってくれるのは比内さんだが、夕方になって迎えに来てくれるのは大抵が長谷川さんだ。だから昨日もそこにいるのは長谷川さんだと思っていたら、その日俺を迎えに来たのは活力が有り余っている中川さん。裏門にやって来た俺を見るなり、遊び行こーッとあの人は叫んだ。
そこから中川さんが向かったのはゲーセンやらバッティングセンターやら。まっすぐ帰らずあちこちチョロチョロ連れ回されること数時間。比内さんのマンションに着いた頃にはとっくに日が落ちていた。
エントランスに入った時の俺は生きた心地がしなかった。家に着いても中川さんはなぜか俺と一緒にいた。
たっだいまー。自分の家じゃないお宅の玄関で元気よく叫んだ中川さん。斜め後ろにくっついていた俺は真っ青になりながら突っ立っていたが、部屋の中からズカズカやって来た比内さんを見て泣きそうになった。俺達を出迎えた比内さんはまさしく鬼の形相だった。
車の中でもバッティングセンター内でも中川さんのスマホが何度も繰り返し鳴っていたのは気付いていた。着信を無視し続けた中川さんは途中で電源を落としたけれど、連絡を入れていた相手は比内さんだったに違いない。
「どこに行ってた」
「ちょっとデートに」
「どういうつもりだ」
「息抜きだってば」
玄関でそんなやり取りをしながら比内さんは中川さんを睨み殺していた。そして言い合うこと一分弱、中川さんの向う脛には見るからに強烈な打撃が入った。
ゲシッと、すごい音がした。近くにいた俺から見てもかなりのダメージを想像できた。
蹴りつけられた痛みに悶えてその場でうずくまった中川さん。それを冷やかに見下して、ふざけんじゃねえクソ野郎と低い声で投げるように落とした。
「勝手にフラフラするんじゃねえとあれ程言っただろうがこのゴミ」
ゴミ。
口調はひどく淡々としているのに滲みだす怒りが物凄い。続けて慈悲もなく殴られた。それはそれはボコスカと。怒られたのも殴られたのも俺ではなくて中川さん一人だったが。
「これって長谷川さんも怒られるんじゃ……」
そんな光景を目の当たりにしたものだから俺には恐怖しか湧きおこらない。昨日と同じような場面を目撃するのはもうごめんだ。長谷川さんがボコスカ殴られる姿なんて見たくない。
なのに本人はどこ吹く風だった。俺の心配をよそに長谷川さんはニコニコと笑みを向けてくる。
「ガキには甘いもんでも食わせてやれ」
「はい?」
「そう言われたんだよ、比内先生から。さっき事務所出てくる時に。あ、でもこれバラしたのは内緒な。言うなって口止めされてるんだ」
長谷川さんの独断かと思いきやそうじゃなかった。今のこれは比内さんの指示。あの仏頂面が頭に浮かぶ。
俺を連れ出した中川さんには般若みたいな顔を向けていたのに。一夜明けた今日はなぜだか比内さんが自らこんなことを。
「軍資金もらってるから好きなの頼みな。陽向のおかげで俺もおこぼれにあずかれるし。実はスゲエ腹減ってんだよ」
長谷川さんが眺めているのは確かにフード系のメニュー表だ。
「食ったらマンションまで送るから。買い出しあるならどっか寄るけど」
「あ……すみません。お願いします」
「おう。任せとけ」
あの事務所の中で長谷川さんとは一番年が近い。それもあってか初めて顔を合わせた時から気さくに声をかけてもらっている。
手渡されたフードメニューはやんわりと断った。ならばと再び見せられたのはカラフルなデザートメニュー。遠慮するなとでも言うように俺の目の前にそれを広げた。
「どうする?」
「じゃあ……コレ」
指さしたのは長谷川さんから最初に勧められたケーキ。長谷川さんが頷いたタイミングでちょうどよく店員がオーダーを取りに来た。
形も色どりも名前も可愛いハニーレモンクリームタルトと、腹ペコらしい長谷川さんが目を付けたハンバーグ。と、カツサンドとトマトパスタと唐揚げ盛り合わせと山盛りポテト。この人は一週間くらいの断食修行でもしてたのか。
資金をいくらもらったのだか長谷川さんの注文には躊躇いがない。俺が頼んだ甘そうなタルトはなんだか女の子が食うようなやつだ。
「それじゃ足りねえだろ。もっと食えば?」
「ああ、いえ。メシは比内さんと……」
食うので。小声で付け足すと微笑ましそうな目を向けられた。自分だけ外でモリモリ食って来て比内さんにはいつもの料理ってのもあれだし。
比内さんの指示は俺への気遣いだ。どちらかと言えば甘いものが好きだと、失敗しがちなコミュニケーションの中で何気なく話したことがある。あの時はガキって言い返されただけだった。だからそれ以上その会話は広がらずに終了したけど、まさかこんな形で返ってくるとは。
「俺いまだにちょっと、実感が湧かないんですけど……」
「うん?」
「……あんな人もいるんですね」
あんな大人もいるらしい。信じろなんて、言ってくる人。今までどこにもいなかったけど、あの場所には比内さんがいた。
誰に助けを求めたところで無駄だと思っていた俺に、冷酷にも見える上から目線で助けを請えと迫ってきた人。あの人がいてくれなかったら今の俺はどうなっていたか。
カフェで呑気にハニーレモンクリームタルトを頼むような、そんなひと時が訪れるなんて。ほんの少し前までの日々では夢にも思えなかったのに。
「裏切らないよ」
耳にした長谷川さんの声。顔を上げたら目が合った。
「比内先生は裏切らない。俺も助けられたからよく知ってる」
「…………」
にこにこと明るいこの人にもたぶん、過去には何かがあったのだろう。誰にだって色々ある。中川さんにも朝比奈先生にも、きっと、比内さんにだって。
「なんとかなるって比内先生が言うなら絶対に大丈夫だ」
「……はい」
どんな人にも色々あるけど、なんとかなるとは限らない。なんとかなるのは運がいい人だ。助けてくれる誰かに出会えるのは、奇跡にも近い幸運だ。
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