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#5 ある姉妹 後編
しおりを挟む「優しい嘘は、
向き合う事を避けたくなるような真実から
逃れられる一つの術です。
しかし、」
___________
双子の姉妹が母親の遺品整理をしていたところ、
突如して見つかった
"男の子の子供服"
全く心当たりのない男の子の子供服が
母親のクローゼットに隠されてあったのを見つけ、
この不可解な謎を解き明かしたいという
妹・友莉。
母親と父親が離婚していることに目をつけ、
母親には隠し子が居て、子供の頃だけ育てて今頃は知らない父親と住んでいるんだろう、
だから子供服を私達姉妹にバレないよう
クローゼットに隠し続けていた、
という主張を頑として譲らない姉・茉里。
2人は対立した意見の中、
白石達に依頼を出したのであった。
___________
次の日、
友莉は公園で白石達を待っていた。
「お待たせしてすみません白石です。」
「住川です。」
「昨日はすみませんでした…」
友莉は頭を下げた。
「いえ、こちらこそすみませんでした。
でも、ちゃんと解きますので。」
友莉は曇らぬ眼差しで白石を見つめた。
白石も、まっすぐ友莉を見つめ返した。
「ご連絡した通り、
友莉さんのお父様の所へ
連れて行って頂けますでしょうか。」
友莉は少し悲しげな表情を浮かべ、
白石たちの方を見て言った。
「私のお父さんのこと、
何か疑ったりしていますか…?
姉さんはあんな風に言ってたけど、
私は、離れていてもお父さんのこと、本当に大事なんです、だから…」
友莉は2人を見つめた。
「疑っていません」
白石は言う。
「確認したいことがあるんです。」
___________
「友莉、久しぶりだな。
あなた方が探偵さんですね、
どうも、友莉と茉里の父です。」
穏やかな口調と立ち振る舞いのこの男性が、双子の姉妹の父である。
「初めまして、白石と申します。」
「住川です。」
「話は、友莉から聞いています。」
父親は少し何か考えたかのように俯いた後、白石に問いかけた。
「茉里は、陽花…
茉里と友莉の母、私にとって妻に隠し子が居て、
そのどこかに居るであろう知らない父親と隠し子が一緒に住んでいる…
妻のクローゼットから出て来た服は
言わば"異父兄弟のもの"
と言っているんですね。」
「はい。」
白石は頷く。
父親は言う。
「何故君達は私のところへ来たのかな?」
白石は父親を見つめ返した。
「お父様の前でこう、断言してしまうのは何と言うか本当に申し訳ないのですが、
僕たちは、
茉里さんの意見は、
"単なる茉里さんの主張"として捉えている為、
…僕としては間違っていると認識しています。」
住川は溜息を吐く代わりに少し上を向いた。
白石は構わず続ける。
「お父様に一つお聞きします。
この家には子供服はありますか?」
茉里は少し驚いた表情を浮かべた。
父親は話す。
「そんなものは…」
白石はずっと父親を見つめていた。
「僕は、男女どちらのものかを問わず
"子供服があるか"お聞きしています。」
友莉が口を挟んだ。
「ねぇ白石さん、白石さんが何を考えているかは私にはあんまり分からないけど、
どうしてそこまで子供服にこだわるの…?」
父親は口を開いた。
「子供服 "は" ないですね。」
住川は目を細めた。
「あの…友莉さん。
茉里さんをここへ呼んでもらえませんか。」
___________
「…また隠し子の話するんですか。」
茉里が友莉に呼ばれ、父親の家に来るや否やそう言葉を放った。
住川がなだめるように言う。
「茉里さん、
隠し子と決めつけるのはやめませんか。
うちの白石がこれで終わりにしますから。」
___________
茉里と父親はなんだか気まずそうだ。
友莉と父親の関係性より、
茉里と父親は、そんなに仲が良くないのだろうか。
「僕は、依頼を受け、お金を頂いている身です。なので、今回はその依頼を全うしようと思っています。
しかし、
お父様はそれでいいのでしょうか。
本当に、僕から話しても良いんですか。」
父親は少し微笑んだ。
「あなたは、何なのですか?
…いやいや、責めたい訳ではなく、
私は…ただ……いや、
もう、何を言えども良い訳だ。
白石さんが話して下さい。
これは、友莉の依頼ですから。」
白石は頷いた。
「…分かりました。
友莉さん、
約束通り、解きますね。」
友莉は、少し震える両の手を
胸の前で結んでいた。
「はい。」
「まず、
茉里さんと友莉さんにはお兄さんがいます。
実の、お兄さんです。
お父様と、亡くなられたお母様の、
第一子、長男にあたります。」
「…え?」
「僕はお父様に先ほど、
子供"服"はありますか?とお尋ねしました。
お父様が持っていらっしゃるのは、
母子手帳ですね。」
「…どういうこと…?」
友莉は咄嗟に父親の方を見た。
「実子である
茉里さんと友莉さんのお兄さんは、
本当に小さい頃に亡くなられていますね。」
友莉は咄嗟に父親を見たが、
白石はずっと茉里の方を向いていた。
「なんで…
なんで私の方を見るの…
なんでお父さんの方を見ないの…?」
茉里は、動揺を隠せなかった。
「僕は、
お父さんに確認したいことがあったのではなく、茉里さんに確認したい事があったんです。」
___________
「僕ずっと気になっていたんです。
友莉さんの証言では、
(ちゃんと後で姉にも聞いたけど、
顔を青白くして、『なにこれ…』って…)
何故、顔を青白くしたのか。
僕が例えば初見でその箱を見つけたとしましょう。
人間が最初に感じるのは、
知的好奇心ではないでしょうか。
"これなんだろう、開けても良いのだろうか"
パンドラの箱という話がありますね、
それと同じです。
パンドラという女性が箱を開けたのは、
好奇心からです。
ようは、好奇心から顔面蒼白になる人は
そう居ないと言いたいんです。
では、なにかぎょっとする事があった、
ということでしょうか。
僕ずっと最初に思ってたんですけど、
この話で最初に思いつくのは、
「戸籍を確認する」
という事だと思うんです。
それが一番正確で、一番手っ取り早い。
安い探偵を雇うなんて、
合理的ではないですね。
僕たちは他人です。
戸籍謄本は、他人のものを見るのは、プライバシ保護がなされているので、僕たちは見られません。
正当な理由があると認められた場合は別ですが、だったら自分たちで見るのが一番早いですよね。
だけど、それをしなかった。
この話に、犯人といえる対象はいません。
事件ではなくただの謎の究明なので。
しかし、依頼してもらった以上、証言や経緯はちゃんと押さえておきたいんです。」
「なにが言いたいのよ」
「茉里さん、僕は何を言いたいと思いますか?」
場に沈黙が流れた。
「亡くなられた陽花さん、
お二方のお母様は、
鬱病の傾向が見られていたのではないでしょうか。」
「…え…」
茉里は白石を見つめて言った。
「それをどうして、知っているのですか。」
「昨日案内された応接室、錠剤が落ちていました。
よくよく見たら、精神安定剤でした。」
「なんで分かるの…?」
友莉は聞く。
「僕も、全く同じものを飲んでいるんです。
すぐになくしがちで、だから、見つけるのも得意になってしまって。
僕の足元に落ちていたので、
実は何度か足元に目をやりながら話していました。
昨日は少し揉めあってしまい、すみませんでした。
その際に、持ち帰らせていただきました。」
茉里は完全に困惑していた。
「持ち帰るって何…!?」
「これは、かなり強い薬です。
これは僕の憶測ですが、
お母様のものだろうなと思いました。
といいますのも、
茉里さんと友莉さんのお二人に背負わせるには、少しこの話は荷が重すぎると思うので。」
___________
「戸籍の確認をしなかったのは何故か。
母親が鬱の傾向にあった。
茉里さんが顔面蒼白になった訳。
どうして姉妹のお二方は、
第一子の存在を、知らなかったのか。
ここからは、推理です。
本当に茉里さんは、亡くなったお兄さんを
"知らなかった"のか?
茉里さんは昔から、箱の存在を知っていた。
だけれど、母である陽花さんに話を聞くと、こう言われた。
"友莉には言わないで"
茉里さんは生前からお母様に、友莉さんへの"箱の存在"を口止めされていたのではないでしょうか。
戸籍謄本の取り寄せを、友莉さんにさせなかったのは、
茉里さん、そしてお父様なのではないでしょうか。
初めての子を亡くしたが、
のち、父と母は双子の姉妹を授かって、
命を育んでいった。
しかし、
息子さんを忘れることはできなかった。
離婚を決めた理由までは僕には推測できませんが、
"お父さんが母子手帳を持っている"
衣服は、その子が着ていた、身に纏っていた、
大切な
一番の遺品である。
それだけを持っていたかった。
あとは姉妹を育てることだけを
考えていたかった。
だけど、燃やしてしまいたくはなかった。
跡形もなく何もかもなくなってしまうと、
息子さんの生きた証がどこにも無くなってしまう。
そこで、お父さんに託した。
衣服以外の息子さんの遺品は
全てお父さんが持っている。
父親、母親、そして息子。
そんな幸せな時間を、早く塗り替えたかったから。
姉妹に、愛情を注ぎ尽くしたかったから。
…それも、茉里さんは知っていた。
お父さんも、知っていた。
茉里さんは、
あなた「以外の名前」で呼ばれていましたか?」
茉里は天を仰ぎ涙がこぼれぬよう懸命に
白石の質問に答えようとしていた。
「………ええ。
全くよく分かるわね…貴方は。
お兄さんは、蓮って言うんですって。
小さい頃、
私は何度も"蓮"と呼ばれたわ。
友莉の居ないところで、
私は何度もそう呼ばれた。
私は茉里だよなんて、言えなかった。
お母さんは、限界だったのよ。
私は箱を見つけてしまったから、
私は聞き分けが良かったから、
どうやら"蓮"と顔が似てたみたいだから、
お母さんが可哀想で仕方なかったから
私と"蓮"を重ねることで
お母さんが幸せだったなら…
茉里って呼んで抱きしめて
なんて我儘は言えない。
初めての子を失った気持ちは、
私で埋められた。
結局、"私達そのもの"では
埋められなかったのよ。
で……白石さんはさ…
なんでそこまでわかった訳?
私の異父兄弟説がそんなに下手だったの?」
白石は、大きく息を吸った。
「下手じゃないです。
僕は分からないけど、
僕は母親に
僕じゃない名前で呼ばれるのは嫌です。
それに、
助けて欲しい、
ちゃんと
自分たりうるものを愛してほしいと言えない気持ちは、
当人しか分かりません。
分かり得ないんです。
だからこそ。」
白石は、ある人物と目を合わせた。
「お父様は、小さい頃に茉里さんが、
"蓮さん"と呼ばれていた事は知らなかったんですよね。
だけど、
そこに気づけずとも、あなたが動くべきだった。
お父様が茉里さんと一緒になって
戸籍謄本を見せないようにしたのは、
間違いです。」
父親は体を震わせ、
憤怒した。
「私は会いたかった、
この子たちが小さい頃だって…
ずっと妻と娘たちに会いたかったのに、
ずっと妻から止められていたんだ…!
茉里が遺品を見つけた時から、
どんどんおかしくなっていったんだ、
何もかも…!!
陽花だって鬱になった事すら
連絡をよこさなかった!!
ずっと綺麗だったあの頃に縋って、
陽花も…茉里も…友莉も…
みんな被害者みたいな顔しやがって!!
私が…私が間違ってたって言いたいのか!!
探偵だか何だかしらないけどな、
人のことも知らずにベラベラと生意気言いやがって…!!
お前なんかが…
お前みたいな
ただただ楽に生きてる人間が…!!」
胸ぐらを掴み掛かった父親の手を、
白石は払い除けた。
「なにも楽に生きてないです。
美味しいごはんの後は、
苦い薬を何十錠と飲んでいます。
でも、美味しいごはんが食べられる体だから頑張って生きているんです。
昔の記憶だって曖昧です。
僕は友達がいた事すらつい先日まで覚えていなかった。
生きるって何だろう、
愛されるって何だろう、
町中には、拳銃なんかよりも
威力が何倍もある車が何千台と走っている。
命はたっといものだと
皆が倫理を重んじている社会だけれど、
この世には言葉のナイフが無数に転がっているせいで碌に幸せな世界にならない。
そのナイフの実体が見えない事を良い事に今あなたは何人もぐさぐさと刺した。
先ほどお父様は茉里さんに対し、
茉里さんが箱を見つけてから
おかしくなっていった、と言いました。
では遺品を見つけてしまった茉里さんが全て悪いのですか?
ナイフを向けた相手は、
あなたに花束を向けているかもしれないのに。
蓮さんが生きていた頃が綺麗だった頃と
示唆しましたが、
友莉さんが生きていた時代も、
茉里さんが生きていた時代も、
茉里さんが遺品を見つけた時も、
あなたが家族に会えなくなった時代も、
全て綺麗だと思います。
あなたがそう思わなかったとしても、
あなたの家族は綺麗だったと思っているかもしれない。そして、
思っていたかもしれないですよ。」
父親は、後退りをした。
「もう…友莉と茉里は立派になった…。
すまなかったね…白石…君だったかな。」
白石はずっと淡々としていた。
「あの、僕はいいので、
ちゃんと友莉さんに謝ってください。」
___________
友莉は話す。
「戸籍謄本のこと…
実は、姉さんとお父さんに口止めされてて、取り寄せられなかったの、白石さん達に…伝えてませんでした。
…それは…ごめんなさい。
だけど、一つ気になるの、
どうして、私に謝って、って、
お父さんに言ったんですか…?」
友莉の質問に、
白石は穏やかな口調で答えた。
「僕たちにお金を払ってでも謎を解こうとした友莉さんの邪魔をしたからです。」
___________
友莉たちと別れ、
白石と住川は帰り道を歩いていた。
「待って!!!」
大きな声に、2人は咄嗟に振り返る。
「待って探偵さん達」
その声の主は、茉里だった。
「あ、わざわざ追いかけていただきすみません。」
「私…面倒なことになるから、
こんな話は墓場まで持っていくつもりだった。
実際…とっても面倒なことになって終わったわ。」
「すみません。」
白石はぺこりと頭を下げた。
「だけど…だけどね、
心は軽くなったわ。
ありがとうね。」
住川も頭を下げた。
白石は茉里に話す。
「いえいえ、
僕たちはお仕事をしたまでですので。
ですが、それが茉里さんの心の負担を軽減できたなら、良かったです。
あの、茉里さん。
優しい嘘は、向き合う事を避けたくなるような真実から逃れられる、一つの術です。
しかし、
"嘘は自分だけには つけない"
という言葉があります。
自分を苦しめることのないよう、
幸せに生きてください。」
茉里は微笑んだ。
「もう貴方たちに頼ることのないように
生きてゆくわ。
さようなら。」
___________
「どうして長男の存在が分かった?」
「何となく、です。
違かったら多分お父様が違うと仰ると思って。」
白石と住川はまた公園へ来ていた。
「僕結構働きましたよ。」
「何が言いたい。」
「今回は9:1でいいんじゃないですかね」
住川は白石の乗っているブランコを蹴った。
「お前が茉里さんを逆上させたり、
父親をブチ切れさせてなかったら
9:1でも良いけどな。」
白石は、空を見上げた。
「お二人のお母様である陽花さん、
頭に"紫"を付けると
紫陽花(あじさい)になりますね。
紫陽花の花言葉は、和気藹々だそうです。
茉莉花、ジャスミンは優美で、
百合は純粋無垢、
亡くなられた蓮さん…
ハスの花言葉は、
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と、いう意味があるらしいです。」
「別に離れてはないと思うけどな。」
住川は呟く。
白石は確かに、と頷いた。
白石はその後、住川を見つめた。
「…じゃあ8:2でどうですか。」
「うるせぇ。」
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