ウィンドウと共にレベルアップ

アリス

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クエスト発生

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「よし。行こう」


ナズナが臣下になって1ヶ月が過ぎた。

あれからダンジョン、ゲートに潜り魔物達を倒し続けた。

強くなるためにナズナにも稽古をつけてもらった。

今の実はB級ハンター並みの強さだ。

実が強くなったことはハンター協会の耳にも入っているくらい有名になった。

一体何をしたらそんなに強くなれるのかと会うたびに聞かれるが、ウィンドウのことを言えるはずもなく笑って誤魔化すしかなかった。

そんな日々を繰り返していると3日前にウィンドウが表示された。

内容はこうだ。


[クエスト発生!]

3日後にゲートが発生する。ゲートの等級はA級。そこである首飾りを手に入れろ。


首飾りの写真も送付されていてどんなものか確認できた。

ただ、一つ文句を言うなら報酬の欄か「???」になっていたことだ。

声の主に向かって文句の一つでも言ってやろうとしたそのとき、電話が鳴った。

名前を確認すると若桜だった。

実は数回目をぱちぱちさせた後、我に返り慌てて電話に出る。

「もしもし、花王です」

慌てすぎて名前まで名乗ってしまう。

実だどわかっていて電話したに決まっているのに。

実は恥ずかしくて顔を真っ赤にする。

「若桜です。今お時間大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です。どうしましたか?」

若桜が気にした様子もなく淡々と話してくれるので気が楽になる。

「花王ハンターにお願いがあります」

若桜にそう言われ「呪いのことか?」と思う。

「はい。なんでしょう」

「3日後にゲートが発生します」

'まさかクエストと関係してるのか?'

どう考えてもタイミングが良すぎる。

声の主はこれを知っていてクエストを出したのか?

実はそう勘繰ってしまう。

「我々ハンター協会の見立てではそのゲートは迷宮ダンジョンではないかと。そこで花王ハンターの力を借りたいのです」

実のトラップを見つける技術は日本一、いや世界でも上位を争えるレベルだ。

そのことを知っているのでハンター協会は特別にE級の実に特別要請したのだ。

自身の力を評価され嬉しいが、それでもA級ダンジョンに入るのは初めてで怖くないと言えば嘘になる。

「わかりました。お引き受けします」

クエストもあるのでどっちみち行くとこになる。

断る理由などない。

「ありがとうございます。花王ハンターの身の安全は保証しますので、ご安心ください」

「ありがとうございます。お役に立てるよう頑張ります」

実はクエスト発生とハンター協会の依頼を受けてからナズナに頼んで今までより厳しい特訓をしてもらう。

終わる頃には指一本動けなくなるが、魔力が回復すれば自己治癒能力が勝手に発動するので、次の日には回復し、筋肉痛になることもなかった。

たかが3日だが、実はかなり強くなった。

自分の身は自分で守れるくらいには。

当日の朝になると実はウィンドウが表示される音で目が覚めた。


ピロンッ!


[ゲートが発生しました。今回は転移魔法は発動しませんので、自力で向かってください]


「……?」

わざわざこれを言うためにウィンドウを表示したのか?

実は言われなくても今回は自力で行くつもりだった。

転移魔法でダンジョンの中に入ればいつ入ったのかと不審に思われ、ハンター協会に目をつけられる。

馬鹿だな、と声の主を鼻で笑い二度寝しようと目を瞑る。

10秒も経たないうちに今度は着信音が鳴る。

今度はなんだ?と思いながら相手を確認せすに電話を取る。

「……はい。どちら様でしょうか?」

誰が聞いても寝起きだとわかる声で話しかける。

もし、相手の名前を確認していたらこんな失礼なことは言わなかった。

「若桜です。朝早くに申し訳ありません」

「……え!?わ、若桜さん!?」

若桜だと知り慌てて目を覚まし、ベットから降りる。

だが勢いよく起きてしまったせいか、足を滑らせてしまう。

ドンッ!ゴンッ!

実は顔と足をぶつけ、痛みに耐える。


ピロンッ!


[自己治癒能力が発動します]

[回復しました]


いちいち表示しなくていい!

実はウィンドウを睨みつける。

「……花王ハンター。大丈夫ですか?」

凄い音が聞こえてきて、絶対痛いだろうなと思い心配で尋ねる。

「……はい。大丈夫です。それよりもうゲートが発生したのですか?」

「はい」

「急いで向かうので場所を教えてください」

実は階段を降り、冷蔵庫を開けて昨日コンビニで買ったサンドウィッチを取る。

通話をスピーカーにして服を着替える。

「今部下が花王ハンターを迎えに家に向かっています。後10分くらいで着くと思うので準備をそれまでにお願いします」

「わかりました。お気遣い感謝します」

わざわざ迎えの車を寄越してくれるとは思わず驚く。

電話を終えると実はナズナを呼ぶ。

「どうしましたか。マスター」

「後10分後に迎えの車が来ます。俺が呼ぶまでは影の中にいてください」

「わかりました」

ナズナは頷くと実の影の中に入る。

少し待つとピンポーンとチャイムが鳴った。

「はい」

実はインターホンの通話のボタンを押し話しかける。

「花王ハンター。お迎えに参りました」

「はい。今でます」

終了ボタンを押し荷物を持って家を出る。

「おはようございます。花王ハンター。今日はよろしくお願いします」

「おはようございます。こちらこそよろしくお願いします」

実は男に爽やかな笑顔を向けられ、好青年だなと思う。

E級ハンターの自分に嫌な顔一つせず挨拶してくれるなんてなんていい人なんだと。

これまで実はいろんな人から依頼を受けた。

協会からは初めてだが。

依頼を受けた側なのに実はE級と言うだけで蔑まれた。

何とも思わないと言えば嘘になるが、慣れたため傷つくことは無くなった。

今日もそんな態度を取られるだろうと身構えていたが、そんなことはなかった。

寧ろ、男は実を下に見ることなく尊敬の眼差しを向けていた。

さすがの実もこの対応には戸惑いを隠せず、言葉に何度も詰まってしまう。

でも、初めてこんな目を向けられたので嬉しかった。

自分みたいなハンターでも誰かに認めてもらえるのだと。

尊敬してもらえるのだと知れた。



「着きました」

車が止まり、男は声をかける。

「ありがとうございました。えっと……」

名前を言おうとするが、知らないので言葉に詰まる。

「水野です」

「水野さん。ありがとうございました」

実はもう一度お礼を言う。

「花王ハンター。どうかご無事で」

「はい」

実は車から降り斑目を捜す。

周囲を見渡すと超大物達がそこにいて目を見開く。

日本五大ギルドの二つのギルドの社長達がいたからだ。

二人共S級ハンターで、ハンター達が憧れる存在の方達だ。

そんな二人を直に見れ、実は興奮を抑えきれなかった。

'お、俺もしかして今日あの二人と一緒にゲートに入るのか……!?'

憧れの二人と一緒に仕事ができることが嬉しすぎて少年のようにはしゃぐ。

「花王ハンター」

「若桜さん」

実は二人に夢中で、声をかけらるまで若桜の存在に気づかなかった。
 
「今回は依頼を受けてくださり、ありがとうございます」

若桜は頭を下げる。

「こちらこそありがとうございます。期待に応えられるよう頑張ります」

実も頭を下げる。

「では、今回入るメンバーを紹介しますので向こうに行きましょう」

「はい」

有名なハンター達のいる場所へと向かう。

実は凄い人達と一緒に働けること喜びを胸に一歩を踏み出す。
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