今さら後悔してもしりません

アリス

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プロローグ

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本来なら、それらは全て私がもっていたものだった。

家族の愛情も、地位や名声も、人々からの感謝も、あなたではなく私のものだった。

あなたは何の罪悪感もなく、私から全てを奪った。

元々、あなたにもそれらはあったのに、それだけでは足りずに私のものを奪った。

私以外には、花のように可憐で愛らしい少女を演じた。

本当のあなたは、他人を蹴落とし、蔑み、奪う、卑しい心を持った悪魔の子なのに。

私こそ悪魔の子なのだと周囲に嘘を吹き込んだ。

きっと、あなたにはわからないでしょうね。

誰にも信じてもらえず、偽りの自分を押し付けられ、心当たりもないことで罵倒され、勝手に嫌われる、なんて経験はないでしょうから。

今となっては全てがどうでもいい。

あれだけ家族からの愛情を求めていたのに、もうすぐ死ぬと分かった途端、どうでもよくなった。

どうして、あれだけ家族からの愛情に飢えていたのかと思うほどに。

もっと自分を大切にして、自由に生きればよかった、と後悔ばかりが募る。

もし、次も人間として生まれてくることができるなら、今度は誰にも縛られず、自由に世界中を旅したい。

食べたことない料理を食べて、見たこともない景色をみて、いろんな人と楽しく話してみたい。



そう思いながら、私は貧困街の中で最も治安の悪い建物の一室で、汚い布団の上で静かに息を引き取った。

誰にも看取られず。

次に目が覚めたとき、そこはあの世ではなく、13歳まで住んでいた孤児院の見慣れた部屋に私はいた。

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