Future Sight

白黒ちゃん

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村の隠し事

世界

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世界はその町に再度目を向けた。

比較的副作用が少なく、人間の形を保った失敗作がメディアに訴えた。

彼は何回も自殺をしようとしたと言う。
しかし、死ねなかった。

皮膚や内蔵、脳や心臓までもが再生されると言った。

世界の名医を集めた研究チームが国によって結成された。

研究チームは現地に研究所を設けた。

地下室には副作用が大きい者から順番に監禁し、あの医師のように人体実験を行った。

研究は順調だった。
彼らは何度解剖をしても死なないからだ。

十数年の時をかけて不老不死のメカニズムや失敗作を元に戻す薬が開発された。
宗教団体や大学、病院や大富豪……様々な者が薬とその情報を欲しがった。
人類が追い求めていたものは富ではなく反乱を引き起こした。
不老不死に反対する者もいた。
そういった団体が過激化し、多くの命が失われた。

世界が混乱する中、


研究チームは忽然と姿を消した。


リーダーだけは生きていたが、精神が崩壊していた。


病院に入院していたが、数日後息を引き取った。





「私が知ってるのはここまで。」

僕は研究チームの生き残りなのか……?
村の人達は人体実験をされていた?
身体を再生できるだと?
本当にそんなことが……

僕の頭の中には疑問だらけだった。
考えることが出来ないくらい、未知の話だったからだ。

女はまたタバコに火をつける。

「不老不死だなんて悪趣味よね、まったく。」

「あぁ。そうだな。人体実験をされる側の気持ちがわかるやつがサヨリに何したか忘れるわけないよな。」

「……申し訳ないと思ってるわよ。」

僕は彼女を睨みつけた。

「あ、あとこれ、返すわ」

拳銃だ。
「弾は何個か貰ったわよ。都市伝説のように言われてたけど、本当に存在してたのね。」

「これは何なんだ?」

「これは対非人間用銃。研究チームが極秘で作っていた失敗作の制御が効かなくなった時に使われていたものらしい。」

「お前これは人間には効かないと言ったよな。」

「そうよ。老い続ける普通の人間にはね。この弾に入ってる液体が毛穴なんかから九州するの。」

「この中身はなんなんだ?」

「普通の人間の血液よ。」








僕はベッドの上でぐるぐると回る頭を落ち着かせて眠りについた。


「もう辞めよう。こんなこと間違っている。」

「「何を言い出すんだ。国に逆らえって言うのか?」」

「あぁ、そうだ。人体実験なんてどうかしてる。」

「「この研究で結果を出せば金に困ることは無い。人を殺しているわけでもあるまいし。」」

「お前はそんな事のために医者になったのか?頭を冷やせよ。」

「「じゃあお前はなぜこのプロジェクトに参加したんだ。」」

「俺はお前らとは違う。脅されたんだ。家族の命が大切ならと、連れてこられたんだ。金に目がくらんで人間で遊んでいるようなお前らとはな。」

「「遊んでいるとは酷い言われようだな。でも今辞めればお前の家族は殺されるんじゃないのか?」」

「そうかもしれないな。だが、俺は降りるぞ。家族は……俺が守るさ。」

「「口だけは達者なようだな。しかし、薬は完成に近い。お前の活躍のおかげだ。」」

研究チームの男は包丁を向ける。

「おい、何する気だ?」

「「お前はここで不慮の事故で死ぬ。俺達は研究を続ける。」」

「ちょっと待てよ!俺を殺したって意味がないだろ!」

「「そうかな?お前が油とライターを外から運んでいるのは知ってるぞ。研究所ごと燃やす気だったんだろ?」」

「……!」

「「なあ、お前はよく頑張ったよなあ。それともお前も人体実験で使ってやろうか?」」

包丁を向ける男の頬には小さい目ができていた。

「「お前はここで死ぬんだ」」





「うわあああああああああああああ!!!!!」



「ど、どうしたの?!いつき!」

目が覚めると心配そうに見つめる3人の姿があった。

あれは夢だったのか……?
震える身体に冷や汗が止まらない。

「悪い夢でも見たか?これ飲めよ。」

「……ありがとう。」

かいようは冷たい水を渡してきた。
やけに鮮明な夢に、不思議な感覚を覚えた。
これも前世の記憶なのではないかと。
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