般若 〜警視庁捜査一課 怪奇殺人捜査係〜

episode２ 〜帳場〜

警視庁葛西臨海警察署

管理官がマイクのスイッチを入れた。

只今より、江戸川区葛西で発生した、殺人事件の捜査会議を始める。

管理官が書類を見ながら話し始める。

捜査報告、所轄！

はい。発生日時は不明。今朝ランニング途中の一般人の飼っている犬が突然吠え、廃墟ビルの方に行くと動物か何かの遺体が転がっていたため、保健所に通報。そして、保健所職員が駆けつけると、動物の遺体ではなく人間の遺体とわかり、警察に通報してます。

仏の身元は分かったのか？

仏は、ほとんど原型をとどめておらず、死後数ヶ月。現在、科捜研及び般若、、怪奇班が捜査を進めています。また、死因は大量出血による出血死です。以上です。

おいっ！

1人の老刑事がペンを上にあげた。

どうしました？徳さん？

警視庁捜査一課般若班
徳井 秀明 巡査部長 56
前崎の部下の1人で、長年刑事をしているベテラン。

今回、死体解剖で、頭の中にドライアイスが入っていたことがわかった。かなり手の込まれた殺人と見て良さそうだ。

帳場がざわめく

よし。分かった。
各捜査員らは、慎重にそうさにあたれ！

一同 はいっ！

刑事課強行犯係

おい、さっきの怪奇班の班長、警部らしいぞ！

え、あのお嬢警部なの？

なんでも、警察庁のキャリアらしいぞ！

ここ数ヶ月で起きた傷害事件のリストを見せて下さい！

2人の所轄刑事がびっくりして椅子から転げ落ちた。

しょ、少々お待ちください。

前崎は、なにしてんだと思いながら、捜査資料を眺めていた。

お待たせしました。

そこに出てきたのは、数枚の薄いリストのみだった。