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第壱章 アルカトラズ
人体改造
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薄暗い部屋の中、やることは何も無い。
『ガチャッ』
部屋の中に開けられた扉から強い光が入り込む。帰ってきたのだろう。
「ほらっ、届けたぞ。後は面倒みろよ」
そう言った扉を開けた人とは別の男が少年を部屋へと投げ入れる。少年は意識も無いみたいで俺が彼の傍によるまでそのまま床に張り付いていた。こんな子供が来たのはつい最近までなかったもので、対応の仕方に困る。
「永和君?大丈夫・・・なわけないよな・・・。生きてるか~?」
軽く冗談半分で彼に声をかける。
・・・返事がない。まぁ、脈はあるみたいだし、生きているようだ。ならと、彼を持ち上げ、この部屋に2つしかないベッド、片方は俺が使っているからと、もう片方のベッドに彼を寝かせる。彼の体重は軽く、まるで子供のようだった。子供だけど・・・。未だに実感というものがない。大人ばかりで危険に満ち溢れているここに子供が来るなんて。
「・・・母さん・・・」
こいつはつい先日まで普通の生活をしてて、何不自由なく過ごしてきたのだろうか。ここの管理者は本当に許せない。
『トン、トン』
扉のノックの音がした。どうぞ。そう言うとまた扉が開き、今度は見覚えのある男が少女を連れてやって来た。
「よう義政、永和君だっけ?元気か?」
扉を開くや否や、そう晃祐は俺の顔を見て言ってきた。その直後、少女が永和君のそばまで走ってきた。
「永和君、やっぱりひどい・・・」
少女はベッドの布団を軽く握る。
「まだ、生きてるよ。あいつらも着ていきなり死ぬまではしないだろうから多分、大丈夫だよ」
「ならいいんですけど・・・早く、起きてくれないかな・・・。みんなのこととか早く話したいな」
彼女の声は透き通っていて、とても八歳とは思えないほど落ち着いていた。
「なぁ、晃祐。悠夏ちゃんも初めはこんな感じで寝込んでいたのか?」
晃祐はここに初めて着た子供たちの一人のこの子、中野 悠夏のお世話係として同じ部屋にいる。こいつに女子がつくのがあまり良くは思はないが、ここに女性が意外に少ないのに連れてきた子供の大半は女の子で、一部の女の子は申し訳なく男性と同じ部屋で過ごすことになっている。まぁ、今のところ子供は数人で大人は数え切れない。
「あぁ、慣れてきて実験後に意識があるのはここ最近になっての話だ」
「ってことは大体、二週間くらいしてからか・・・まともに話せるようになるのは・・・」
「いや、大丈夫だと思いますよ。私の感ですけど」
悠夏ちゃんはなぜかニコッと笑った。その途端、驚きのあまり、目を疑った。少年が起きた。
「あっ、頭が・・・」
起きた途端頭を抑えながら、上半身をおこした。
「まじかよ・・・大人でも慣れるのに数日はかかるぞ」
「彼は一体何者なんだい?悠夏ちゃん」
俺も、晃祐も言葉を絶した。彼は、一体、何者なんだ・・・。
「ここは?」
次はいきなり声を出した。悠夏ちゃんも目が覚めて数時間は声が出なかった。視界が白くかがやき何も見えなくなるから何をされているかは分からないけど、少なくとも子供の体への負担で数時間は声が出ないのが普通だと思ってた。
「やっぱり、永和君はすごいね。いつもどんなことにもすぐに対応して、永和君なら今回もすぐに起きると分かってたよ」
いやいや、そんな簡単に慣れるものじゃない。俺でさえ一週間は終わっても寝てたぞ。こいつ、一日も無くて大丈夫ってどんな体してんだよ。
「そんなに簡単な話じゃない、本当に大丈夫なのか?」
「はい、少し頭がクラクラして、目がボヤけてるだけです。特に無事じゃなさそうなことは・・・」
「良かった」
彼が何者なのかなんて今はどうでもいいか、とりあえず無事で良かった。
しかし、彼も俺も他の人たちにもかかる人体実験は終わる予兆すら見せず、毎日が同じように過ぎて行く。
『ガチャッ』
部屋の中に開けられた扉から強い光が入り込む。帰ってきたのだろう。
「ほらっ、届けたぞ。後は面倒みろよ」
そう言った扉を開けた人とは別の男が少年を部屋へと投げ入れる。少年は意識も無いみたいで俺が彼の傍によるまでそのまま床に張り付いていた。こんな子供が来たのはつい最近までなかったもので、対応の仕方に困る。
「永和君?大丈夫・・・なわけないよな・・・。生きてるか~?」
軽く冗談半分で彼に声をかける。
・・・返事がない。まぁ、脈はあるみたいだし、生きているようだ。ならと、彼を持ち上げ、この部屋に2つしかないベッド、片方は俺が使っているからと、もう片方のベッドに彼を寝かせる。彼の体重は軽く、まるで子供のようだった。子供だけど・・・。未だに実感というものがない。大人ばかりで危険に満ち溢れているここに子供が来るなんて。
「・・・母さん・・・」
こいつはつい先日まで普通の生活をしてて、何不自由なく過ごしてきたのだろうか。ここの管理者は本当に許せない。
『トン、トン』
扉のノックの音がした。どうぞ。そう言うとまた扉が開き、今度は見覚えのある男が少女を連れてやって来た。
「よう義政、永和君だっけ?元気か?」
扉を開くや否や、そう晃祐は俺の顔を見て言ってきた。その直後、少女が永和君のそばまで走ってきた。
「永和君、やっぱりひどい・・・」
少女はベッドの布団を軽く握る。
「まだ、生きてるよ。あいつらも着ていきなり死ぬまではしないだろうから多分、大丈夫だよ」
「ならいいんですけど・・・早く、起きてくれないかな・・・。みんなのこととか早く話したいな」
彼女の声は透き通っていて、とても八歳とは思えないほど落ち着いていた。
「なぁ、晃祐。悠夏ちゃんも初めはこんな感じで寝込んでいたのか?」
晃祐はここに初めて着た子供たちの一人のこの子、中野 悠夏のお世話係として同じ部屋にいる。こいつに女子がつくのがあまり良くは思はないが、ここに女性が意外に少ないのに連れてきた子供の大半は女の子で、一部の女の子は申し訳なく男性と同じ部屋で過ごすことになっている。まぁ、今のところ子供は数人で大人は数え切れない。
「あぁ、慣れてきて実験後に意識があるのはここ最近になっての話だ」
「ってことは大体、二週間くらいしてからか・・・まともに話せるようになるのは・・・」
「いや、大丈夫だと思いますよ。私の感ですけど」
悠夏ちゃんはなぜかニコッと笑った。その途端、驚きのあまり、目を疑った。少年が起きた。
「あっ、頭が・・・」
起きた途端頭を抑えながら、上半身をおこした。
「まじかよ・・・大人でも慣れるのに数日はかかるぞ」
「彼は一体何者なんだい?悠夏ちゃん」
俺も、晃祐も言葉を絶した。彼は、一体、何者なんだ・・・。
「ここは?」
次はいきなり声を出した。悠夏ちゃんも目が覚めて数時間は声が出なかった。視界が白くかがやき何も見えなくなるから何をされているかは分からないけど、少なくとも子供の体への負担で数時間は声が出ないのが普通だと思ってた。
「やっぱり、永和君はすごいね。いつもどんなことにもすぐに対応して、永和君なら今回もすぐに起きると分かってたよ」
いやいや、そんな簡単に慣れるものじゃない。俺でさえ一週間は終わっても寝てたぞ。こいつ、一日も無くて大丈夫ってどんな体してんだよ。
「そんなに簡単な話じゃない、本当に大丈夫なのか?」
「はい、少し頭がクラクラして、目がボヤけてるだけです。特に無事じゃなさそうなことは・・・」
「良かった」
彼が何者なのかなんて今はどうでもいいか、とりあえず無事で良かった。
しかし、彼も俺も他の人たちにもかかる人体実験は終わる予兆すら見せず、毎日が同じように過ぎて行く。
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