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第参章 魔導剣舞祭典
選抜試験
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今日は一年生の中で、誰が魔武祭の選抜メンバーになるかの試験が行われる。その選抜試験の内容を、今から顧問の『大原 櫻』先生が前で発表し出す。
「今日、というか・・・今後だな。試験の内容は各学年、選抜可能人数での乱戦だ」
選抜可能人数というと、一年生は二人、二年生は三人、三年生が五人となる。つまり、一年生である俺たちが受ける今回の試験の内容は、二人一組となって他の人たちと戦っていく、ということになるだろう。
この瞬間、大勢の生徒が勘づいた。君主魔法まで使える幸平とペアを組んだ者が、一番有利であると。
「組んでもらうペアはもうこちらで決めている。順に名前を呼んでいくから、それぞれで並んでいくように・・・」
そう説明した後、大原先生が二人づつ名前を呼んでいく。そして呼ばれた者はその中で感じたのは、男女がペアになっているが、それぞれのペアの力量がほとんど平等とは言えないことだった。途中男子同士でペアを組んでいることもあったが、男子の人数が多い分それは周りも口を閉ざしていた。
「そして、最後は『江神 永和』と『東雲 優佳』」
最後に俺と一緒に呼ばれた人は、確か日向と同じグループで仲が良かった子だったはず。まあ確信は持てないが。
「よろしくね、江神くん」
「よろしく。東雲さん」
軽く挨拶を交わした後、ペアで別れ作戦を立て始められた。互いに日頃は別グループで活動していたから、互いの魔法に関する情報や、知ってる人の弱点や強みなどを話して、簡単な作戦を立てる。
「ペアが私なんかでごめんね・・・」
作戦を立てると思ったが、始める前に言われたことが気になった。別に、俺もそこまで今回の試験で良い姿見せようとしてないのを彼女は知らないのだろう。
「別にいいよ。俺もそんなにここにかけてるわけじゃないから」
全力を出さない訳では無いが、それほど本気でやるつもりもない。そして作戦会議が始まり出したのを確認した大原先生が、ルールの詳細を説明し始めた。
「学校内の試合では十のルールがある。今からはそれを順に説明していく。このルールは魔武祭本戦でのルールとあまり変わらないので、ちゃんと聞いておくこと」
学内試合ルール
その一 各学年、魔導剣舞祭典に参加できる人数でチームが魔力体として参加。
その二 最後まで残り続けた者いるチームの勝利。
その三 魔力体の心臓部である魔力結晶が破壊されると敗退とする。
その四 魔導具は殺傷度の低い物のみ使用可能。
その五 空間魔法による魔導具の選定も同様とする。
その六 戦闘用魔法空間内外での連絡は禁止。
その七 魔法による意思伝達以外の遠隔での隠密会話は禁止。
その八 上記のルールに違反したものは、即時敗退とする。
その九 敗退した者は、魔法封印石によって戦闘用魔法空間から強制離脱する。
その十 戦闘用魔法空間が何らかの原因により崩壊した場合、戦闘用魔法空間内にいた者全てを強制離脱させ、別の戦闘用魔法空間で再戦とする。
説明された十のルールは一つ一つがかなり凝られているように感じた。そしてルールの発表が終わり次第、再び作戦会議の時間が設けられた。
「あっ、私の魔法なんだけど。光属性だけど、長くても十秒くらいしか維持できないんだ。攻撃性もそんなに強くないかな」
まるで自分自身を『最弱で申し訳ない』と言っているように聞こえた。それに光属性で攻撃性の高い魔法なんて、数えられるくらいしか俺は知らないし、攻撃性が高いのなんてほんのわずかじゃないか。もしかすると、この女子は俺なんかより強くて、隠れた才能の持ち主なのではないだろうか。
「そっか。俺は知っての通り魔法は使えない。でも、魔力コントロールと剣術で戦えはするよ」
互いの特徴を言い終われば、本格的な作戦会議だ。
「当たり前だけど、集まることが第一優先ね」
先に情報を開示してもらった東雲さんには申し訳ないが、彼女の落ち着きの無さで進みそうもないから、俺が話を進めさせてもらう。俺の言葉にうなずいている彼女の姿は、俺の目には何かに怯えているように見えた。そんなにこの試験が怖いのだろうか。
「大丈夫?そんなに体調良くなさそうだけど」
目の前にいる女子は、俺の知る馬鹿正直な奴じゃない。そのほかの女子と同じ繊細な子なのだと、彼女の怯える姿を見て思う。そのせいか、東雲さんの奥に見える名前もよく知らない女子と話している馬鹿正直な奴の姿に安心を感じる。
「大丈夫、ちょっと緊張してるだけだから・・・」
「ちょっと。って感じには見えないけど・・・」
無理をされても、対戦用魔法空間で何か起きて離脱されたら、俺にとって意味がない。
「もし、これ以上は無理だと思ったら俺にかまうことなく、離脱していいからね」
内心意味がないと思っても、俺にはどうしようもない。余計に無理をされて、今後の学校生活を棒に振るのも面倒だし、可能性とはいえ離脱される選択肢を最初からあるのとないのでは、そのときの反応速度は大幅に変わってくるだろう。俺の言葉に頷く彼女の笑顔をよそに、作戦を同時に考える。
「集まったらできるだけ、漁夫の利を狙っていこう。東雲さんの体調もそうだけど、東雲さんの光魔法と俺の魔力の使い方は、『相手の邪魔をする』っていう点では似てるから、いざってなったら閃光させて逃げるといい」
もし一人になった時には周りの戦闘力次第ではあるが、広いところで大勢を相手にしても行けるかもしれない。まさか、二人の時の方が面倒になるなんてことないだろうな・・・。
「とりあえず、集合場所は隠れやすいところの入口付近でどうかな?」
正確な場所を言いたいところだが、俺たちが知っている対戦用魔法空間である可能性はとても低い。そう考えると、具体的な場所よりもイメージだけの行動の方が、彼女にとっても楽だろう。隠れてればいいのだから。
「いいけど、それで大丈夫?」
怯えている目は、不信感を持ったまま俺に縋り込む。この子の考えがよく分からない。圧倒的な他のメンバーを見て萎縮するのは分かるが。彼女自身は勝ちたいのか、それとも自分の目立つところにいたいのだろうか。もしかする、俺は完璧に後者の方だから彼女とのウマが合わないのに気付きたくないのだろうか。どちらにしろ面倒なことになるかもな。
「ある程度は大丈夫だと思うけど・・・、何かやりたい事的なのがあったりする?」
黙って首を横に振る。俺の意見には意義がない、でも何か不思議に思うところがあるらしい。あたりの生徒の声がだんだんと薄くなっていく。まだ温もりが残っている頃、大原先生が転送開始の合図を鳴らす。
「転送開始!」
各自の視界が白く染まり、魔法の発動に気がつく。時期に景色が見え始め、自分の周りの環境が少し前とはまったく違うのに気づく。普段から見る景色よりも高い視点だ。普段はあまり登らない二階建ての屋根の上、晴天で空気も澄んでいる。
『ドォォン』
ここに転送されて僅かな時間しか経っていないのに、大きな爆発音が鳴り響く。俺とは違って近くにペアじゃない人がいたのだろう。俺も辺りを見渡し、隠れられそうな場所を探す。
「まず、一人ーっ!」
隠れられそうな場所に向かう中、後ろから片手剣の木刀で切りかかってくる魔導部員。屋根から屋根へ飛び移りながら移動する俺の姿は、やはり目立っていたのだろう。同じように周りから数人それぞれの魔道具で襲い掛かってくる者と俺の見えるところから魔法を放つものが現れる。自身よりも多くの魔力を持てる人物は脅威であるのが、今の風景を俯瞰すれば容易に分かる。
俺は魔力を周囲全体的に拡散させ、全員の動きと魔法を止める。
「マジかよ」「なんでこうなるんだよ」「どんな魔法を使ってるんだよ」
聞こえてくる戸惑いの声、これらが彼らの心理状態がどうなっているのかを明らかにする。散乱されている俺の自身の魔力を足場に、襲い掛かろうとしていた同級生を、魔力を含めた一撃で殺す。
「さて、東雲さんを迎えに行かなきゃな」
あたりも同じように魔法が飛び交うなか、ちょっと黄昏て今ここがちょっと小さな戦場であるのと自覚する。
「今日、というか・・・今後だな。試験の内容は各学年、選抜可能人数での乱戦だ」
選抜可能人数というと、一年生は二人、二年生は三人、三年生が五人となる。つまり、一年生である俺たちが受ける今回の試験の内容は、二人一組となって他の人たちと戦っていく、ということになるだろう。
この瞬間、大勢の生徒が勘づいた。君主魔法まで使える幸平とペアを組んだ者が、一番有利であると。
「組んでもらうペアはもうこちらで決めている。順に名前を呼んでいくから、それぞれで並んでいくように・・・」
そう説明した後、大原先生が二人づつ名前を呼んでいく。そして呼ばれた者はその中で感じたのは、男女がペアになっているが、それぞれのペアの力量がほとんど平等とは言えないことだった。途中男子同士でペアを組んでいることもあったが、男子の人数が多い分それは周りも口を閉ざしていた。
「そして、最後は『江神 永和』と『東雲 優佳』」
最後に俺と一緒に呼ばれた人は、確か日向と同じグループで仲が良かった子だったはず。まあ確信は持てないが。
「よろしくね、江神くん」
「よろしく。東雲さん」
軽く挨拶を交わした後、ペアで別れ作戦を立て始められた。互いに日頃は別グループで活動していたから、互いの魔法に関する情報や、知ってる人の弱点や強みなどを話して、簡単な作戦を立てる。
「ペアが私なんかでごめんね・・・」
作戦を立てると思ったが、始める前に言われたことが気になった。別に、俺もそこまで今回の試験で良い姿見せようとしてないのを彼女は知らないのだろう。
「別にいいよ。俺もそんなにここにかけてるわけじゃないから」
全力を出さない訳では無いが、それほど本気でやるつもりもない。そして作戦会議が始まり出したのを確認した大原先生が、ルールの詳細を説明し始めた。
「学校内の試合では十のルールがある。今からはそれを順に説明していく。このルールは魔武祭本戦でのルールとあまり変わらないので、ちゃんと聞いておくこと」
学内試合ルール
その一 各学年、魔導剣舞祭典に参加できる人数でチームが魔力体として参加。
その二 最後まで残り続けた者いるチームの勝利。
その三 魔力体の心臓部である魔力結晶が破壊されると敗退とする。
その四 魔導具は殺傷度の低い物のみ使用可能。
その五 空間魔法による魔導具の選定も同様とする。
その六 戦闘用魔法空間内外での連絡は禁止。
その七 魔法による意思伝達以外の遠隔での隠密会話は禁止。
その八 上記のルールに違反したものは、即時敗退とする。
その九 敗退した者は、魔法封印石によって戦闘用魔法空間から強制離脱する。
その十 戦闘用魔法空間が何らかの原因により崩壊した場合、戦闘用魔法空間内にいた者全てを強制離脱させ、別の戦闘用魔法空間で再戦とする。
説明された十のルールは一つ一つがかなり凝られているように感じた。そしてルールの発表が終わり次第、再び作戦会議の時間が設けられた。
「あっ、私の魔法なんだけど。光属性だけど、長くても十秒くらいしか維持できないんだ。攻撃性もそんなに強くないかな」
まるで自分自身を『最弱で申し訳ない』と言っているように聞こえた。それに光属性で攻撃性の高い魔法なんて、数えられるくらいしか俺は知らないし、攻撃性が高いのなんてほんのわずかじゃないか。もしかすると、この女子は俺なんかより強くて、隠れた才能の持ち主なのではないだろうか。
「そっか。俺は知っての通り魔法は使えない。でも、魔力コントロールと剣術で戦えはするよ」
互いの特徴を言い終われば、本格的な作戦会議だ。
「当たり前だけど、集まることが第一優先ね」
先に情報を開示してもらった東雲さんには申し訳ないが、彼女の落ち着きの無さで進みそうもないから、俺が話を進めさせてもらう。俺の言葉にうなずいている彼女の姿は、俺の目には何かに怯えているように見えた。そんなにこの試験が怖いのだろうか。
「大丈夫?そんなに体調良くなさそうだけど」
目の前にいる女子は、俺の知る馬鹿正直な奴じゃない。そのほかの女子と同じ繊細な子なのだと、彼女の怯える姿を見て思う。そのせいか、東雲さんの奥に見える名前もよく知らない女子と話している馬鹿正直な奴の姿に安心を感じる。
「大丈夫、ちょっと緊張してるだけだから・・・」
「ちょっと。って感じには見えないけど・・・」
無理をされても、対戦用魔法空間で何か起きて離脱されたら、俺にとって意味がない。
「もし、これ以上は無理だと思ったら俺にかまうことなく、離脱していいからね」
内心意味がないと思っても、俺にはどうしようもない。余計に無理をされて、今後の学校生活を棒に振るのも面倒だし、可能性とはいえ離脱される選択肢を最初からあるのとないのでは、そのときの反応速度は大幅に変わってくるだろう。俺の言葉に頷く彼女の笑顔をよそに、作戦を同時に考える。
「集まったらできるだけ、漁夫の利を狙っていこう。東雲さんの体調もそうだけど、東雲さんの光魔法と俺の魔力の使い方は、『相手の邪魔をする』っていう点では似てるから、いざってなったら閃光させて逃げるといい」
もし一人になった時には周りの戦闘力次第ではあるが、広いところで大勢を相手にしても行けるかもしれない。まさか、二人の時の方が面倒になるなんてことないだろうな・・・。
「とりあえず、集合場所は隠れやすいところの入口付近でどうかな?」
正確な場所を言いたいところだが、俺たちが知っている対戦用魔法空間である可能性はとても低い。そう考えると、具体的な場所よりもイメージだけの行動の方が、彼女にとっても楽だろう。隠れてればいいのだから。
「いいけど、それで大丈夫?」
怯えている目は、不信感を持ったまま俺に縋り込む。この子の考えがよく分からない。圧倒的な他のメンバーを見て萎縮するのは分かるが。彼女自身は勝ちたいのか、それとも自分の目立つところにいたいのだろうか。もしかする、俺は完璧に後者の方だから彼女とのウマが合わないのに気付きたくないのだろうか。どちらにしろ面倒なことになるかもな。
「ある程度は大丈夫だと思うけど・・・、何かやりたい事的なのがあったりする?」
黙って首を横に振る。俺の意見には意義がない、でも何か不思議に思うところがあるらしい。あたりの生徒の声がだんだんと薄くなっていく。まだ温もりが残っている頃、大原先生が転送開始の合図を鳴らす。
「転送開始!」
各自の視界が白く染まり、魔法の発動に気がつく。時期に景色が見え始め、自分の周りの環境が少し前とはまったく違うのに気づく。普段から見る景色よりも高い視点だ。普段はあまり登らない二階建ての屋根の上、晴天で空気も澄んでいる。
『ドォォン』
ここに転送されて僅かな時間しか経っていないのに、大きな爆発音が鳴り響く。俺とは違って近くにペアじゃない人がいたのだろう。俺も辺りを見渡し、隠れられそうな場所を探す。
「まず、一人ーっ!」
隠れられそうな場所に向かう中、後ろから片手剣の木刀で切りかかってくる魔導部員。屋根から屋根へ飛び移りながら移動する俺の姿は、やはり目立っていたのだろう。同じように周りから数人それぞれの魔道具で襲い掛かってくる者と俺の見えるところから魔法を放つものが現れる。自身よりも多くの魔力を持てる人物は脅威であるのが、今の風景を俯瞰すれば容易に分かる。
俺は魔力を周囲全体的に拡散させ、全員の動きと魔法を止める。
「マジかよ」「なんでこうなるんだよ」「どんな魔法を使ってるんだよ」
聞こえてくる戸惑いの声、これらが彼らの心理状態がどうなっているのかを明らかにする。散乱されている俺の自身の魔力を足場に、襲い掛かろうとしていた同級生を、魔力を含めた一撃で殺す。
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