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第参章 魔導剣舞祭典
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建物の隙間に日向と幸平が早くも二人で戦っているのが見えた。
「マジかよ・・・普通お前たち二人は最後にドンパチするだろ」
まさしくクライマックスと言える戦いができる二人だ。まだ戦争が始まってほんの十五分のはず。互いに前半からの全力を出すことは避けるだろ。少なくとも幸平が相手なら、どんなにバカな日向でも後半で消耗しているであろう所を狙うのがセオリーってやつだろ。何を考えているんだ?
「今、俺も割り込めば幸平だけでも倒せるか?・・・でも今日の日向の感じで、今の俺と共闘してでも勝てるかどうかは分かんねぇもんな・・・」
俺は剣を教えてもらった時、その師匠によく言われていたことが今も頭の中に刻まれている。正面からの衝撃に受け身をとる隙すらも与えられず、尻餅をついて師匠を見上げる。その光景を思い出すだけでも尻が痛い。そういった痛みが俺にその言葉を刻んだ。
『師匠以外で、{この人には勝てない}と思った時にはすぐに手を引くのじゃ。一度そういう考えを持った相手には進化しない限りは無理だからのう』
『勝てない相手には、自信を付けろ』そう言いたいのだと単純に思っていた。でも、幸平と出会って分かった。今の俺じゃ駄目だ、魔法を使えるようになれば進化出来るのかもしれない。俺も魔法を使うことができれば・・・。
いや、今そういうことを考えるのはやめよう。あの二人の友人である以上、俺にはそれなりの成績を出す必要があると思うからな。とりあえず、東雲さんと集まろう、俺が優位に立つために。
そう思って前に踏み出したら、下から東雲さんの声がかすかに聞こえた。魔法を発動させる声だが、その状況は伝わってこない。誰かといるのだろうが、戦闘が始まってどれくらい経っているのかは分からない。
「東雲さん!」
「江神くん・・・」
「・・・ここにいたのか、江神 永和ぁ!」
東雲さんの声が聞こえた方向に向かうと、東雲さんを間に堀内 淳がいた。その手には支給されている魔道具に炎を纏わせて振りかざそうとしていた。その大声とともに自身の偉大さを知らしめようとする行動を、魔力の壁で押し返す。
「炎魔法 豪炎鋭火」
俺の魔力の壁をすり抜けていくように、炎が矢の形をして俺に向かって寄ってくる。これ以上魔力を消費するのは現段階でこそ余裕と言える粋だが、この先はどうなるか考えるだけで恐ろしい。幸平や日向は正直きつすぎる。どちらかだけにでもなれば、かなり楽にはなるのだが・・・。
とりあえず、魔道具に自分の魔力を纏わせ、炎の矢をはじき返す。そこから魔力を足場に堀内 淳に剣一筋の間合いに詰め込む。
『剣は大げさに振るものじゃない。魔力を込めれば僅かな力で少しの動きで十分じゃ』
詰めるや否や、振るい上げる腕に反応して小うるさい師匠の声が頭の中に流れてくる。
「うっせぇな、分かってるよ。悪かったな・・・、こんなもんっか?」
振り上げきる前に手を止めて、目の前の好敵手?の頭から魔道具をたたきつけて、意識を飛ばす。
「何か、思ってたより楽だな。好敵手って考えるのはちょっとはやいか?」
俺は魔導警備隊の人たちから修行をさせてもらった身、そうやすやすと負けることは許されない。そんな俺とライバルと呼ばれると、尾の人自身にも迷惑がかかりかねないから容易に認めるのはやめたほうが良いかもな。とりあえず、淳の魔力結晶を壊して敵を一人でも多く消しておこう。
「もらったー!」
後ろから誰かが魔道具を突き立てて、襲ってこようとしているのは殺気と魔力で分かっていた。負けないための方法、その一は『後ろも気にすること』らしい。
「真鳳くん!・・・え?」「は?」
誰かは分からなかったが、自分の感情をさらけ出していれば自ずと位置は分かる。突き立てている魔道具も、振り下ろそうと大げさに上がっているその腕も、その姿を見なくても俺には何となく感づいていた。
「魔力結晶を狙え!」
「えっ?あっ、光魔法 線鋭槍」
東雲さんの攻撃魔法が魔力結晶を貫き、誰かは知らないがその敵は戦闘用魔法空間を後にする。俺と操作する魔力の間に何か障害物があると、魔力操作の難易度は群を抜く。自分が不甲斐ないせいで、後ろは見ていなくても目の前の景色に変化は起きない。
魔力を体の外で動かすのはかなりの体力を消耗する。目の前で起きた僅かな変化は、持っていた魔道具を杖代わりに突き立てただけだった。自分の漏れている息も、かすれて聞こえていた。まるで飛行機の離陸する瞬間のように耳の奥に空気がたまったようにも感じる。
いつぶりだろう、今この瞬間の感覚。体力も気力も底をついた。そう無意識が、体を通して伝えてくる。『無理』『限界』『抵抗感』自分の中の源が空になりかけている。そう自覚するとさらに、力が抜ける。さらに『五感』が薄れていき、重力に逆らえなくなりそうになる。
「淳ー!」
風魔法だろう。淳の体がフワッと宙を舞い、どこからか微かに聞こえた男子の声の方向に去っていく。
「あっ・・・」
風にさらわれるのを追いかけようとする東雲さんの手を引いて、俺は自分の我を通す。
「・・・いいから。頼む、近くにいて。・・・俺は、しばらく、動けない・・・」
意識が朦朧としている。それでも、意識がなくなるわけじゃないから体力の回復がなかなか上手くいかない。『限界』を超えれば意識が飛ぶ。でも今は、自分の限界点と迎えた疲労度がちょうど同じところにある。俺は何も考えることはできない。自我はあっても思考が回らないのだ。
「大丈夫?」
彼女の声から、何となくその言葉以外に声をかけられない、そう俺には聞こえた。この状態を見て大丈夫なように見えているのか。限界を超えることができれば、俺はほんの僅かでも進化できるのだろうか。ここで甘えさえしなければ・・・。
「・・・ごめん、心配かけた。大丈夫・・・、とりあえずほかの人でも倒しに行こ?」
俺たちはそこから数十分、走っては魔力結晶を壊し、奇襲に合えば魔力で妨害して東雲さんが魔力結晶を壊す。もしくは、奇襲に対して東雲さんの光魔法で視覚を奪い、魔力結晶を俺が破壊する。この繰り返しが移動しながら続く。
体内時計が繰り出す頃、俺の魔力は底をつきた結果の反動で体が動かなくなっていた。
「ねぇ、大丈夫?流石に無理しすぎじゃない?」
「・・・・・・」
何を言おうか考えても、思考ができるほどの体力は魔力と共に尽きていた。
「・・・少し休む?」
俺の顔を見て、近くの建物内に潜伏して俺の体力と魔力が回復されるのを待つ。
コンクリートの床と壁は、自分が生きていると教えてくれるように冷たい。俺は自分の魔力を出来るだけ早く回復するように、目を瞑り、息を整えて自分の中の水槽に周囲の水を集めることに集中し出す。周囲の環境がどうなっているのかは、この集中しているときは感知できない。今回の模擬戦がペアでの挑むもので助かった。個人戦だったら今の段階で、かなりの不利を負っていた。
「・・・大丈夫。それじゃ、続き行こうか」
気がつけば、俺は今回の模擬戦で良い結果を残そうと必死でいる。
「ごめん、大丈夫?無理はしないって言ってたし、良い結果にしようとしてなかったね。大丈夫?」
「うん。私もここまできたら、選抜メンバーに成れるかもしれないから、そのために頑張る」
彼女の笑顔は自分に素直で、ちゃんと意思を持っているように見えた。でもそれは困難であることを彼女は知っているのだろうか。今回の模擬戦で重要なのは、点を取ることでも、長い時間残ることじゃない。恐らく、その場その場の適応力と情報収集力だろう。それが一年生に求められる最低条件だろう、だから俺は、これだけ長い時間を生き残っても、他をどれだけ倒しても恐らく今回の選抜メンバーには選ばれることがない。
「分かった。それじゃ行こう・・・、危ない!」
まだ壁に手を置いていたおかげで、手に熱が伝わってきて壁の向こうに堀内 淳がいることが瞬時に分かった。
俺は東雲さんに飛びかかり、魔力で足場を作って数メートル距離を取る。
「もうあの時みたいなヘマはしないぜ。真鳳」
目の前には、少し前に気絶させたはずの淳が有り余っている魔力を使い切ろうとしている。その表し方と言ったら、正直言って圧をかけるにしては異常なほど多くの魔力を放出している。そしてその口調もその放出している魔力と同じくらい大袈裟だ。
「まだろくに魔力操作できてないのか?それとも、一度俺にやられて焦っているのか?」
「は?お前の仕掛けはもう分かってる。その対策としてはこれが一番手っ取り早いだろ?」
俺の仕掛けとは、大凡魔力の放出のことだろう。確かに、言われてみれば魔力の壁を使われたくなければ、その魔力で壁を作るのを邪魔して仕舞えば済む。でも、俺もそれほど馬鹿じゃない。そう言いながらも、後ろから何らかの魔力が感じられる。『あの時みたいなヘマ』これは恐らく、俺を甘く見て一人で突っ走ったことだろう。だから今度は二人か・・・。
「東雲さん。多分、後ろの壁の向こうに淳のペアがいる。淳は俺がやるから、壁が壊されたら先制して攻撃魔法をペアの方に撃って」
二人で戦うことは、今回は俺も必ずそうであることはすでに知っているであろうし、今回の戦いで初めて出会った時にも東雲さんはいたのに、何を考えているのだろう。
「もらったー!」
炎の剣を大きく振りかぶり、俺を頭から真っ二つに切り裂こうという意思が容易に読み取れる。
「・・・魔道剣流・・・」
周りの魔源を俺の剣と鞘にかき集る。全神経を研ぎ澄まし、半径一・五メートルだけに集中する。集中していた範囲に異物が侵入したことを確認し、剣を抜く。
「・・・居合 卍侵」
斬りつける時の反動で、自分がいたところの床が崩壊寸前だった。
「マジかよ・・・普通お前たち二人は最後にドンパチするだろ」
まさしくクライマックスと言える戦いができる二人だ。まだ戦争が始まってほんの十五分のはず。互いに前半からの全力を出すことは避けるだろ。少なくとも幸平が相手なら、どんなにバカな日向でも後半で消耗しているであろう所を狙うのがセオリーってやつだろ。何を考えているんだ?
「今、俺も割り込めば幸平だけでも倒せるか?・・・でも今日の日向の感じで、今の俺と共闘してでも勝てるかどうかは分かんねぇもんな・・・」
俺は剣を教えてもらった時、その師匠によく言われていたことが今も頭の中に刻まれている。正面からの衝撃に受け身をとる隙すらも与えられず、尻餅をついて師匠を見上げる。その光景を思い出すだけでも尻が痛い。そういった痛みが俺にその言葉を刻んだ。
『師匠以外で、{この人には勝てない}と思った時にはすぐに手を引くのじゃ。一度そういう考えを持った相手には進化しない限りは無理だからのう』
『勝てない相手には、自信を付けろ』そう言いたいのだと単純に思っていた。でも、幸平と出会って分かった。今の俺じゃ駄目だ、魔法を使えるようになれば進化出来るのかもしれない。俺も魔法を使うことができれば・・・。
いや、今そういうことを考えるのはやめよう。あの二人の友人である以上、俺にはそれなりの成績を出す必要があると思うからな。とりあえず、東雲さんと集まろう、俺が優位に立つために。
そう思って前に踏み出したら、下から東雲さんの声がかすかに聞こえた。魔法を発動させる声だが、その状況は伝わってこない。誰かといるのだろうが、戦闘が始まってどれくらい経っているのかは分からない。
「東雲さん!」
「江神くん・・・」
「・・・ここにいたのか、江神 永和ぁ!」
東雲さんの声が聞こえた方向に向かうと、東雲さんを間に堀内 淳がいた。その手には支給されている魔道具に炎を纏わせて振りかざそうとしていた。その大声とともに自身の偉大さを知らしめようとする行動を、魔力の壁で押し返す。
「炎魔法 豪炎鋭火」
俺の魔力の壁をすり抜けていくように、炎が矢の形をして俺に向かって寄ってくる。これ以上魔力を消費するのは現段階でこそ余裕と言える粋だが、この先はどうなるか考えるだけで恐ろしい。幸平や日向は正直きつすぎる。どちらかだけにでもなれば、かなり楽にはなるのだが・・・。
とりあえず、魔道具に自分の魔力を纏わせ、炎の矢をはじき返す。そこから魔力を足場に堀内 淳に剣一筋の間合いに詰め込む。
『剣は大げさに振るものじゃない。魔力を込めれば僅かな力で少しの動きで十分じゃ』
詰めるや否や、振るい上げる腕に反応して小うるさい師匠の声が頭の中に流れてくる。
「うっせぇな、分かってるよ。悪かったな・・・、こんなもんっか?」
振り上げきる前に手を止めて、目の前の好敵手?の頭から魔道具をたたきつけて、意識を飛ばす。
「何か、思ってたより楽だな。好敵手って考えるのはちょっとはやいか?」
俺は魔導警備隊の人たちから修行をさせてもらった身、そうやすやすと負けることは許されない。そんな俺とライバルと呼ばれると、尾の人自身にも迷惑がかかりかねないから容易に認めるのはやめたほうが良いかもな。とりあえず、淳の魔力結晶を壊して敵を一人でも多く消しておこう。
「もらったー!」
後ろから誰かが魔道具を突き立てて、襲ってこようとしているのは殺気と魔力で分かっていた。負けないための方法、その一は『後ろも気にすること』らしい。
「真鳳くん!・・・え?」「は?」
誰かは分からなかったが、自分の感情をさらけ出していれば自ずと位置は分かる。突き立てている魔道具も、振り下ろそうと大げさに上がっているその腕も、その姿を見なくても俺には何となく感づいていた。
「魔力結晶を狙え!」
「えっ?あっ、光魔法 線鋭槍」
東雲さんの攻撃魔法が魔力結晶を貫き、誰かは知らないがその敵は戦闘用魔法空間を後にする。俺と操作する魔力の間に何か障害物があると、魔力操作の難易度は群を抜く。自分が不甲斐ないせいで、後ろは見ていなくても目の前の景色に変化は起きない。
魔力を体の外で動かすのはかなりの体力を消耗する。目の前で起きた僅かな変化は、持っていた魔道具を杖代わりに突き立てただけだった。自分の漏れている息も、かすれて聞こえていた。まるで飛行機の離陸する瞬間のように耳の奥に空気がたまったようにも感じる。
いつぶりだろう、今この瞬間の感覚。体力も気力も底をついた。そう無意識が、体を通して伝えてくる。『無理』『限界』『抵抗感』自分の中の源が空になりかけている。そう自覚するとさらに、力が抜ける。さらに『五感』が薄れていき、重力に逆らえなくなりそうになる。
「淳ー!」
風魔法だろう。淳の体がフワッと宙を舞い、どこからか微かに聞こえた男子の声の方向に去っていく。
「あっ・・・」
風にさらわれるのを追いかけようとする東雲さんの手を引いて、俺は自分の我を通す。
「・・・いいから。頼む、近くにいて。・・・俺は、しばらく、動けない・・・」
意識が朦朧としている。それでも、意識がなくなるわけじゃないから体力の回復がなかなか上手くいかない。『限界』を超えれば意識が飛ぶ。でも今は、自分の限界点と迎えた疲労度がちょうど同じところにある。俺は何も考えることはできない。自我はあっても思考が回らないのだ。
「大丈夫?」
彼女の声から、何となくその言葉以外に声をかけられない、そう俺には聞こえた。この状態を見て大丈夫なように見えているのか。限界を超えることができれば、俺はほんの僅かでも進化できるのだろうか。ここで甘えさえしなければ・・・。
「・・・ごめん、心配かけた。大丈夫・・・、とりあえずほかの人でも倒しに行こ?」
俺たちはそこから数十分、走っては魔力結晶を壊し、奇襲に合えば魔力で妨害して東雲さんが魔力結晶を壊す。もしくは、奇襲に対して東雲さんの光魔法で視覚を奪い、魔力結晶を俺が破壊する。この繰り返しが移動しながら続く。
体内時計が繰り出す頃、俺の魔力は底をつきた結果の反動で体が動かなくなっていた。
「ねぇ、大丈夫?流石に無理しすぎじゃない?」
「・・・・・・」
何を言おうか考えても、思考ができるほどの体力は魔力と共に尽きていた。
「・・・少し休む?」
俺の顔を見て、近くの建物内に潜伏して俺の体力と魔力が回復されるのを待つ。
コンクリートの床と壁は、自分が生きていると教えてくれるように冷たい。俺は自分の魔力を出来るだけ早く回復するように、目を瞑り、息を整えて自分の中の水槽に周囲の水を集めることに集中し出す。周囲の環境がどうなっているのかは、この集中しているときは感知できない。今回の模擬戦がペアでの挑むもので助かった。個人戦だったら今の段階で、かなりの不利を負っていた。
「・・・大丈夫。それじゃ、続き行こうか」
気がつけば、俺は今回の模擬戦で良い結果を残そうと必死でいる。
「ごめん、大丈夫?無理はしないって言ってたし、良い結果にしようとしてなかったね。大丈夫?」
「うん。私もここまできたら、選抜メンバーに成れるかもしれないから、そのために頑張る」
彼女の笑顔は自分に素直で、ちゃんと意思を持っているように見えた。でもそれは困難であることを彼女は知っているのだろうか。今回の模擬戦で重要なのは、点を取ることでも、長い時間残ることじゃない。恐らく、その場その場の適応力と情報収集力だろう。それが一年生に求められる最低条件だろう、だから俺は、これだけ長い時間を生き残っても、他をどれだけ倒しても恐らく今回の選抜メンバーには選ばれることがない。
「分かった。それじゃ行こう・・・、危ない!」
まだ壁に手を置いていたおかげで、手に熱が伝わってきて壁の向こうに堀内 淳がいることが瞬時に分かった。
俺は東雲さんに飛びかかり、魔力で足場を作って数メートル距離を取る。
「もうあの時みたいなヘマはしないぜ。真鳳」
目の前には、少し前に気絶させたはずの淳が有り余っている魔力を使い切ろうとしている。その表し方と言ったら、正直言って圧をかけるにしては異常なほど多くの魔力を放出している。そしてその口調もその放出している魔力と同じくらい大袈裟だ。
「まだろくに魔力操作できてないのか?それとも、一度俺にやられて焦っているのか?」
「は?お前の仕掛けはもう分かってる。その対策としてはこれが一番手っ取り早いだろ?」
俺の仕掛けとは、大凡魔力の放出のことだろう。確かに、言われてみれば魔力の壁を使われたくなければ、その魔力で壁を作るのを邪魔して仕舞えば済む。でも、俺もそれほど馬鹿じゃない。そう言いながらも、後ろから何らかの魔力が感じられる。『あの時みたいなヘマ』これは恐らく、俺を甘く見て一人で突っ走ったことだろう。だから今度は二人か・・・。
「東雲さん。多分、後ろの壁の向こうに淳のペアがいる。淳は俺がやるから、壁が壊されたら先制して攻撃魔法をペアの方に撃って」
二人で戦うことは、今回は俺も必ずそうであることはすでに知っているであろうし、今回の戦いで初めて出会った時にも東雲さんはいたのに、何を考えているのだろう。
「もらったー!」
炎の剣を大きく振りかぶり、俺を頭から真っ二つに切り裂こうという意思が容易に読み取れる。
「・・・魔道剣流・・・」
周りの魔源を俺の剣と鞘にかき集る。全神経を研ぎ澄まし、半径一・五メートルだけに集中する。集中していた範囲に異物が侵入したことを確認し、剣を抜く。
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