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第肆章 本番
最強になるために
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俺は魔法を使えない。
「魔法を使えないくせに、陰陽魔法を使いたい。と?」
「俺が魔法を使えない理由はちゃんと理解したわけじゃない。でも、式神魔法は俺が使える数少ない魔法だから」
玄武、中国の空想上の生物。そして、式神の中で最強とされる十二天将の一体。
「確かに、式神魔法は属性に縛られない魔法ではある。だが、誰でも使えるわけじゃない」
俺は頭の上に三つの?が浮かんだ。カメにも聞いたが、イマイチ理解できていない。式神魔導師『土御門 晴信』に話してもらえば、きっと変わるだろう。
「そもそも、式神魔法を使うには幽魔と契約をして、自身の式神を準備する必要がある」
そこまでは、理解している。でも、玄武の話ではそれ以上理解できなかった。
「式神魔法は、正確に言うと式神の魔法なんだ。俺たちが使うのは魔力だけ、それが式神魔法の特徴だ」
同じことを玄武に言われた。でも、それで理解できるわけがない。俺が魔力を使ってどうやって他人の魔法を使うというんだ。
「それは何となく聞いたことあるんです。でも、それで理解できるわけないじゃないですか」
「魔法は二つの過程において発動している。一つは魔法陣を書く、そしてその魔法陣に魔力を流す」
同じようなこと、姉貴に言われたような気がする。俺が魔法を使わなくなって長い年月が経ったから忘れていた。日向に教えたときは何となくだったから、俺は日向に魔法を教えるのがうまくできなかったのか。
「つまりだ、魔法を発動する過程を魔法使いと式神で分担するんだよ。で、そもそも君に見えてるの?こいつらが」
晴信の横には一体のかなり弱い幽魔がいる。丸い卵に翼としっぽが生えている。
「こいつの名前は『タイジュ』、この神社の杉の木に宿っていた精霊だ。階級は曹位」
精霊も幽魔なんだ。ってか、階級って何?
「階級ってのは、幽魔のみを対象に四段階に分けたもの。下から曹位、尉位、佐位、将位」
階級を覚えるのだけでも面倒臭そうだな。晴信の話を聞いていると、耳元でこっそりとヘビが話しかけてきたのが聞こえた。
『正確には、十段階だ。各位の劣等、優等があり、曹位劣等の下に下曹、将位優等の上に俺たち天将がある』
確かに、晴信の説明の中に十二天将という言葉は存在しなかった。所詮御曹司、与えられた力をある程度発揮するだけで満足しているだけのやつだな。もちろん、俺が思っているわけじゃない。玄武から洗脳されたものだ。
「一応言っておくが、俺はすでに将位まで確認できる」
一応って。それに、将位と言ってもおそらく将位劣等とかだろう。じゃないとこんなに大きな態度取れないだろうし、玄武の気配に何か違和感を持ってもいいと思うのだが。
『将位優等まで見れたとしても、俺たちのことは認識できないと思うぞ。天将と将位優等にはそれだけの差があるということだ』
『それにこの簡易形態じゃ、俺たちが許可した奴じゃないと認識しづらいだろうな』
自然な感じで横を見ると、リアルな感じだった玄武の姿がなかった。代わりにあったのは、どこかで見たことありそうな亀のぬいぐるみにかわいい蛇が生えている、ふわふわしているやつだった。そいつが玄武であるかどうか確認するためにも、あとで確認しよう。
「まあとにかく最初は、どれくらいの幽魔が見えるか確認してみるか。ここじゃなんだから、上に行こう」
今いる神社は、土御門一族が代々受け継がれてきた由緒正しき神社だ。いろんな人が晴信を求めるからすんなりとここまで来れたけど。ここより上があるのか。
「それじゃあ、早速行こうか。ここで待ってて、俺はちょっと他の人に話してくるから」
「はい。わかりました」
立ち上がり、俺のいる部屋をあとにする。タイジュも、晴信と一緒に部屋から出て行った。
「なぁ、玄武のその姿何?」
「これか?さっきも言ったろ、簡易形態だ。魔法の発動にかなりの制限がかかるが他人に認知されるっていうすごい形態なんだよ」
カメの説明で俺は不思議なことが一つできた。こいつらみたいな十二天将は、元を正せば中国で語りつだれた幻想の生物だろ、英語とか使うんだ。
「お待たせ。それじゃ、修行始めようか」
次は俺も一緒に部屋を後にして、長い廊下を進む。時折感じる幽魔の気配が俺とすれ違うたびに玄武がどの階級か説明をされていく。
『いいか、感じる魔力からある程度の階級は分かる。正確ではないが基準として判断出来て損はないから覚えとけ』
この修業期間、疲れて死ぬかもしれないな。師匠として学ぶ相手が同時に二人か。
神社を後にし、木陰で日中と感じさせない不思議な場所から不意に扉が見えた。開くのかと思えば、その手から魔力を流し、仕掛けられていた魔法を発動させた。
「式神魔法 陰陽道の隠し扉」
蒼く発光した扉が開き、隠されていた階段が地下へ続いていた。
「さっ、始めるよ」
彼に続いて会談に足をかけると、急に吐き気がした。
『式神魔法の真髄は俺たち幽魔の恨みつらみを受け止めるってことだ。それと似てるな』
甘く見ていた、魔法は簡単だと。種類は違えど誰でも幼いころから使えるから、自分にもできるのだと思っていた。
「やっぱりやめておくかい?」
「冗談。俺は進まなきゃいけないんだ」
俺には、超えなきゃいけないやつらがいる。このままじゃ駄目だ。まだ、俺には強くなる必要がある。
「そう言うと思った」
これが他人の呪い。もとはと言えば、幽魔は魔法を使えるものが死んだあとの生き物だ。重い感覚が俺にのしかかる。
「とりあえず、いくつかの幽魔と契約してもらう。とりあえず、索敵と前衛のこの子でいいかな」
彼の背後から現れた一体の幽魔、いや、式神か?緩い火の玉の様な姿で浮かんでいる。
「名前は『ユタス』水の式神だよ」
彼を見ると、どこか怯えているようにも思えた。水の式神ってことは、そういうことか同じ属性の玄武に怯えているのか。ん?ユタスには玄武が見えてるのか。
「どうしたユタス。こいつは嫌か?」
ユタスが晴信に隠れていると、俺は後ろにいる別の幽魔が気になった。黒い火の玉みたいだが、他のやつとはちょっと違う気がする。
「俺はそっちの方が気になりますね」
「え?こいつかい?こいつは・・・、俺も契約できていない名前も知らない幽魔だぞ」
名前何てどうでもいい、俺の直感がこいつを呼んでいる。俺がこいつを選ぶにはそれくらいの理由で十分だ。
「まぁ、君がそう言うならやってみるといい『契約の儀』」
俺は首を縦に振り、黒い球の正面を向く。
「まず、霊符を使いなさい」
渡されたお札には、墨で何か書かれてある。魔法陣とはまた違った何か。
「それに魔力を込めて、唱えるんだ、『我、汝との契約を望むもの』と。そこからは幽魔によって違うから自分で掴め」
魔力を札に込めると、足元から魔法陣が現れ黒い球が変化し小さい悪魔のような姿になった。さっきのは、簡易形態
「我、汝との契約を望むもの」
呪文を唱えた途端、俺と黒い球だけを別空間ような部屋に閉じ込められた。真っ黒で、球体で、玄武の気配が聞こえない。
「俺の名はそうだな・・・、『カゲ』としておこう。俺の魔法は影空間魔法、一応索敵能力もある。俺はお前と契約をしよう。これからよろしく」
「お、おう。あっさりだな。俺は江神 永和、これからよろしく」
部屋が解けて、元の空間に戻される。
「もう終わったの?!早いね。その子も君と契約したがっていたのか、珍しいね」
珍しいのか疑問だった。晴信に見えていないにしても、俺には玄武がいる。玄武とは契約の儀をしてなくても、つながっている気がする。これを難しいと才能のあるものが言うのなら、俺はそれを超える天才なのだろう。
「そうなんですかね」
「ところで、その子はどんな魔法を使うんだい?」
「影魔法、らしいですよ」
「そっか。なら、これからその子の魔法の使い方と基本的な式神魔法の使い方とさっきの霊符を教える。もう少し奥に行こうか」
さらに奥に行くと、そこからは陰陽魔導師の基礎的なことの勉強が始まった。式神魔法の基礎、応用に霊符に魔力を込める方法、幽魔の対策や階級付けの方法など、二週間で基礎を叩き込まれた結果、頭の容量を超えた。
その後、いくつか簡単な式神魔法士としての仕事をこなし、休学期間もあと一週間になった。そして、その期間に式神にした幽魔は、二体。光魔法を使うグアン。火の魔法を使うホワ。
「あとは、あいつだけだな」
俺は玄武から知らされたもう一体の十二天将、こうもあっさり二体目を見つけるのはどうなのかと思うが、試してみる価値はある気がする。
『だな。ってか、その前に俺との契約やってないの忘れていないか?』
「あ、確かに。今からやるか、ちょうどいいだろ」
周りに人はおらず、日も落ち切って十分な環境もそろっている。霊符の携帯ケースから契約符を出す。魔力を込めて、魔法陣を発動させる。
「我、汝との契約を望むもの」
閉鎖された空間に現れた久しぶりの玄武。リアルすぎてちょっと恐怖が芽生える。
「お前に一つ聞きたいことがある」
「なんだ、改まって。何が聞きたい?」
「お前は、何の為に俺たちの力を使いたい」
「俺は、みんなのためになんてきれい事を言うつもりはない。少なくとも、今のところは過去のことを知るためだ」
過去のことを知るため、それ以降はその時考えるので十分だ。
「そうか。まぁ、俺がお前に言っておきたいのはただ一つ。つまらない時間を過ごさせたら契約破棄だ」
つまらない時間か、自信はないが努力はしよう。
「分かった。努力する」
閉鎖空間が解け、外の世界と同化した。すると、玄武の姿は簡易形態に戻っていた。そして、次の目的地を玄武から言われた。
『これで全部終わったな。早く次を済ませよう』
「あぁ、そうだな。確か、水流宮殿だっけ」
『そうだ。初めていくんだろ、魔乱の秘境』
魔乱の秘境とは、大量の魔力によって自然の荒れた環境がさらに悪化し、人の立ち入りが困難になった場所。その中で、水流宮殿はその中でも、入所難易度が最低ランクつまり、魔乱の秘境の中で入りやすい場所に位置する。
「あぁ、初めてだ。明日が満月か、何とか間に合ったな」
『なんだ。元々行くつもりだったのか?』
「そりゃそうだろ。見つけたからには、行かないわけがない」
見つけた新しい目標。十二天将を見られるのはほんの一握り。その一握りになったからにはこの目標はほぼ確実に持つことになるだろう。
『夢に見るのはいいが、簡単じゃないぞ十二天将を揃えるのは』
「魔法を使えないくせに、陰陽魔法を使いたい。と?」
「俺が魔法を使えない理由はちゃんと理解したわけじゃない。でも、式神魔法は俺が使える数少ない魔法だから」
玄武、中国の空想上の生物。そして、式神の中で最強とされる十二天将の一体。
「確かに、式神魔法は属性に縛られない魔法ではある。だが、誰でも使えるわけじゃない」
俺は頭の上に三つの?が浮かんだ。カメにも聞いたが、イマイチ理解できていない。式神魔導師『土御門 晴信』に話してもらえば、きっと変わるだろう。
「そもそも、式神魔法を使うには幽魔と契約をして、自身の式神を準備する必要がある」
そこまでは、理解している。でも、玄武の話ではそれ以上理解できなかった。
「式神魔法は、正確に言うと式神の魔法なんだ。俺たちが使うのは魔力だけ、それが式神魔法の特徴だ」
同じことを玄武に言われた。でも、それで理解できるわけがない。俺が魔力を使ってどうやって他人の魔法を使うというんだ。
「それは何となく聞いたことあるんです。でも、それで理解できるわけないじゃないですか」
「魔法は二つの過程において発動している。一つは魔法陣を書く、そしてその魔法陣に魔力を流す」
同じようなこと、姉貴に言われたような気がする。俺が魔法を使わなくなって長い年月が経ったから忘れていた。日向に教えたときは何となくだったから、俺は日向に魔法を教えるのがうまくできなかったのか。
「つまりだ、魔法を発動する過程を魔法使いと式神で分担するんだよ。で、そもそも君に見えてるの?こいつらが」
晴信の横には一体のかなり弱い幽魔がいる。丸い卵に翼としっぽが生えている。
「こいつの名前は『タイジュ』、この神社の杉の木に宿っていた精霊だ。階級は曹位」
精霊も幽魔なんだ。ってか、階級って何?
「階級ってのは、幽魔のみを対象に四段階に分けたもの。下から曹位、尉位、佐位、将位」
階級を覚えるのだけでも面倒臭そうだな。晴信の話を聞いていると、耳元でこっそりとヘビが話しかけてきたのが聞こえた。
『正確には、十段階だ。各位の劣等、優等があり、曹位劣等の下に下曹、将位優等の上に俺たち天将がある』
確かに、晴信の説明の中に十二天将という言葉は存在しなかった。所詮御曹司、与えられた力をある程度発揮するだけで満足しているだけのやつだな。もちろん、俺が思っているわけじゃない。玄武から洗脳されたものだ。
「一応言っておくが、俺はすでに将位まで確認できる」
一応って。それに、将位と言ってもおそらく将位劣等とかだろう。じゃないとこんなに大きな態度取れないだろうし、玄武の気配に何か違和感を持ってもいいと思うのだが。
『将位優等まで見れたとしても、俺たちのことは認識できないと思うぞ。天将と将位優等にはそれだけの差があるということだ』
『それにこの簡易形態じゃ、俺たちが許可した奴じゃないと認識しづらいだろうな』
自然な感じで横を見ると、リアルな感じだった玄武の姿がなかった。代わりにあったのは、どこかで見たことありそうな亀のぬいぐるみにかわいい蛇が生えている、ふわふわしているやつだった。そいつが玄武であるかどうか確認するためにも、あとで確認しよう。
「まあとにかく最初は、どれくらいの幽魔が見えるか確認してみるか。ここじゃなんだから、上に行こう」
今いる神社は、土御門一族が代々受け継がれてきた由緒正しき神社だ。いろんな人が晴信を求めるからすんなりとここまで来れたけど。ここより上があるのか。
「それじゃあ、早速行こうか。ここで待ってて、俺はちょっと他の人に話してくるから」
「はい。わかりました」
立ち上がり、俺のいる部屋をあとにする。タイジュも、晴信と一緒に部屋から出て行った。
「なぁ、玄武のその姿何?」
「これか?さっきも言ったろ、簡易形態だ。魔法の発動にかなりの制限がかかるが他人に認知されるっていうすごい形態なんだよ」
カメの説明で俺は不思議なことが一つできた。こいつらみたいな十二天将は、元を正せば中国で語りつだれた幻想の生物だろ、英語とか使うんだ。
「お待たせ。それじゃ、修行始めようか」
次は俺も一緒に部屋を後にして、長い廊下を進む。時折感じる幽魔の気配が俺とすれ違うたびに玄武がどの階級か説明をされていく。
『いいか、感じる魔力からある程度の階級は分かる。正確ではないが基準として判断出来て損はないから覚えとけ』
この修業期間、疲れて死ぬかもしれないな。師匠として学ぶ相手が同時に二人か。
神社を後にし、木陰で日中と感じさせない不思議な場所から不意に扉が見えた。開くのかと思えば、その手から魔力を流し、仕掛けられていた魔法を発動させた。
「式神魔法 陰陽道の隠し扉」
蒼く発光した扉が開き、隠されていた階段が地下へ続いていた。
「さっ、始めるよ」
彼に続いて会談に足をかけると、急に吐き気がした。
『式神魔法の真髄は俺たち幽魔の恨みつらみを受け止めるってことだ。それと似てるな』
甘く見ていた、魔法は簡単だと。種類は違えど誰でも幼いころから使えるから、自分にもできるのだと思っていた。
「やっぱりやめておくかい?」
「冗談。俺は進まなきゃいけないんだ」
俺には、超えなきゃいけないやつらがいる。このままじゃ駄目だ。まだ、俺には強くなる必要がある。
「そう言うと思った」
これが他人の呪い。もとはと言えば、幽魔は魔法を使えるものが死んだあとの生き物だ。重い感覚が俺にのしかかる。
「とりあえず、いくつかの幽魔と契約してもらう。とりあえず、索敵と前衛のこの子でいいかな」
彼の背後から現れた一体の幽魔、いや、式神か?緩い火の玉の様な姿で浮かんでいる。
「名前は『ユタス』水の式神だよ」
彼を見ると、どこか怯えているようにも思えた。水の式神ってことは、そういうことか同じ属性の玄武に怯えているのか。ん?ユタスには玄武が見えてるのか。
「どうしたユタス。こいつは嫌か?」
ユタスが晴信に隠れていると、俺は後ろにいる別の幽魔が気になった。黒い火の玉みたいだが、他のやつとはちょっと違う気がする。
「俺はそっちの方が気になりますね」
「え?こいつかい?こいつは・・・、俺も契約できていない名前も知らない幽魔だぞ」
名前何てどうでもいい、俺の直感がこいつを呼んでいる。俺がこいつを選ぶにはそれくらいの理由で十分だ。
「まぁ、君がそう言うならやってみるといい『契約の儀』」
俺は首を縦に振り、黒い球の正面を向く。
「まず、霊符を使いなさい」
渡されたお札には、墨で何か書かれてある。魔法陣とはまた違った何か。
「それに魔力を込めて、唱えるんだ、『我、汝との契約を望むもの』と。そこからは幽魔によって違うから自分で掴め」
魔力を札に込めると、足元から魔法陣が現れ黒い球が変化し小さい悪魔のような姿になった。さっきのは、簡易形態
「我、汝との契約を望むもの」
呪文を唱えた途端、俺と黒い球だけを別空間ような部屋に閉じ込められた。真っ黒で、球体で、玄武の気配が聞こえない。
「俺の名はそうだな・・・、『カゲ』としておこう。俺の魔法は影空間魔法、一応索敵能力もある。俺はお前と契約をしよう。これからよろしく」
「お、おう。あっさりだな。俺は江神 永和、これからよろしく」
部屋が解けて、元の空間に戻される。
「もう終わったの?!早いね。その子も君と契約したがっていたのか、珍しいね」
珍しいのか疑問だった。晴信に見えていないにしても、俺には玄武がいる。玄武とは契約の儀をしてなくても、つながっている気がする。これを難しいと才能のあるものが言うのなら、俺はそれを超える天才なのだろう。
「そうなんですかね」
「ところで、その子はどんな魔法を使うんだい?」
「影魔法、らしいですよ」
「そっか。なら、これからその子の魔法の使い方と基本的な式神魔法の使い方とさっきの霊符を教える。もう少し奥に行こうか」
さらに奥に行くと、そこからは陰陽魔導師の基礎的なことの勉強が始まった。式神魔法の基礎、応用に霊符に魔力を込める方法、幽魔の対策や階級付けの方法など、二週間で基礎を叩き込まれた結果、頭の容量を超えた。
その後、いくつか簡単な式神魔法士としての仕事をこなし、休学期間もあと一週間になった。そして、その期間に式神にした幽魔は、二体。光魔法を使うグアン。火の魔法を使うホワ。
「あとは、あいつだけだな」
俺は玄武から知らされたもう一体の十二天将、こうもあっさり二体目を見つけるのはどうなのかと思うが、試してみる価値はある気がする。
『だな。ってか、その前に俺との契約やってないの忘れていないか?』
「あ、確かに。今からやるか、ちょうどいいだろ」
周りに人はおらず、日も落ち切って十分な環境もそろっている。霊符の携帯ケースから契約符を出す。魔力を込めて、魔法陣を発動させる。
「我、汝との契約を望むもの」
閉鎖された空間に現れた久しぶりの玄武。リアルすぎてちょっと恐怖が芽生える。
「お前に一つ聞きたいことがある」
「なんだ、改まって。何が聞きたい?」
「お前は、何の為に俺たちの力を使いたい」
「俺は、みんなのためになんてきれい事を言うつもりはない。少なくとも、今のところは過去のことを知るためだ」
過去のことを知るため、それ以降はその時考えるので十分だ。
「そうか。まぁ、俺がお前に言っておきたいのはただ一つ。つまらない時間を過ごさせたら契約破棄だ」
つまらない時間か、自信はないが努力はしよう。
「分かった。努力する」
閉鎖空間が解け、外の世界と同化した。すると、玄武の姿は簡易形態に戻っていた。そして、次の目的地を玄武から言われた。
『これで全部終わったな。早く次を済ませよう』
「あぁ、そうだな。確か、水流宮殿だっけ」
『そうだ。初めていくんだろ、魔乱の秘境』
魔乱の秘境とは、大量の魔力によって自然の荒れた環境がさらに悪化し、人の立ち入りが困難になった場所。その中で、水流宮殿はその中でも、入所難易度が最低ランクつまり、魔乱の秘境の中で入りやすい場所に位置する。
「あぁ、初めてだ。明日が満月か、何とか間に合ったな」
『なんだ。元々行くつもりだったのか?』
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