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十二限目
オーディション
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咲楽には申し訳ないが、付き合って早々、俺は一人で東京に来ていた。
「お久しぶりです、長田先生」
「お久しぶりです。朝喜さん奥寺さん」
空港まで二人が迎えに来るとは思ってもみなかった。
「本日は遠いところまでよく来てくださいました」
俺が東京に来たのは、オーディションのためだった。今回のオーディションでは粗方決定しているから、俺からの最終確認程度しかない。
「いえ、こちらこそ、よろしくお願いします」
俺たちはオーディション会場であるテレビ局に通された。しかし、表の出入口は通り過ぎ地下駐車場に案内された。
「長田先生は匿名作家なので、これくらいの配慮は行います」
「そうですか」
別に今日であればオーディションに来た人間の一人としか見られないだろう。現にオーディションで来てるわけだし。
「ここでお待ちください。まもなく、オーディションを始めますので」
目の前に置かれたパソコンに映っていたのは、別室の壁だった。恐らく、記録用のカメラだというのだろう。実際に録画もしているだろうけど。
「オーディションが終わり次第、ここで会議を開きたいと思うので、先生はここでお待ちください」
結果はどうあれ、先輩はこの場で不採用にしたらいいってことか。
「分かりました。それじゃ、よろしくお願いします」
ワボで適当にネットサーフィンをしていると、オーディションが始まる声が聞こえ、すぐに一人目の男性がカメラの前に立った。
『相澤 真鳳です。よろしくおねがいします』
一人目は響空が好きな俳優か、確かにこの人であれば主人公の俊太にピッタリかもしれない。パソコンの横に置いてある評価シートに、主人公の男の欄に〇をつける。
そこからは男女ランダムに呼ばれていき、男女六人ずつの合計十二人のオーディションを行った。華巳先輩の番は一番最後だった。
大人たちは俺の部屋に向かい出すのが画面越しに分かった。俺の楽屋に、この前顔を合わせた五人が集結した。
「では、皆さんのご意見を伺いたいと思います。まずは俊太役に誰を選んだか伺ってもいいですか?」
「はい」
朝喜さんの進行後、一番に声を上げたのは監督の保坂さんだった。プロデューサーも年齢の壁は超えられないか。いや年齢というより、監督の経歴か。
「俺は前話していた通り、榊がいいと思う」
確かに、元々彼がこの役をやると言っていたな。それに保坂監督は、あのアイドル『榊 太陽』を気に入っていて多くの作品に起用していたっけ。
「僕も、榊さんがいいと思います」
恐らく、この場にいる全員が同じことを考えてるだろう。その証拠に全員が賛同した。
「それでは、肆井 俊太役は榊 太陽で行きましょう」
こうして、響空の好きな俳優は俺の作品の中でクズ男にならなかった。
「それでは、次は友人の榎原 幸平を決めたいと思います」
友人の役はとても誠実な人がぴったりだと思った。
「普通なら、ここは実力のある人を配役すべきだと思いますが誰がいいですか?」
次は奥寺さんが手を挙げた。
「実力だけなら相澤 真鳳がふさわしいと思ったんですけど、どうでしょう」
配役する上で、それぞれに合う人だけを選んではいられない。恐らく、ここで使われる実力というのは知名度のことも含めているんだろう。
「どうです?長田先生」
「大丈夫だと思います。彼の演技は僕も目を引かれました」
「それなら良かったです。それでは、続きまして河野 早織役ですが長田先生どうですか?」
なぜそこまで、俺に尋ねるのだろう。頭の中で言わなくていいと忠告しようとしたけど、次の役でちゃんと止めなきゃいけないから、それはしなかった。
「僕はあの時の資料の人で大丈夫ですよ」
その人は今回のオーディションには参加していなかった。恐らく推薦という形であのアイドルが抜擢されるのだろう。
「他の人も何もなければ前回の資料通りですが大丈夫ですか?」
ここまで満場一致で決まり続けてきた。俺がここで全力を出す必要がある。
「それでは、最後に穴見 優奈ですが、みなさんどうですが?」
俺以外の全員が華巳先輩に手を挙げた。
「俺は反対です」
「どうしてです?」「意見を聞きいても?」
これはあの時から、先輩から今日の事を聞いてからずっと考えていた。でも相応しくないと思った。
「彼女は、完璧すぎます。容姿も整い過ぎてるし、演技も十分。出てくるオーラは他の女優に比べても十二分にある」
一見してみれば、特に問題のないような気がする。でも決定的なことで、足りすぎてきて過剰だった。
「彼女は、高嶺の花という言葉が本当に似合う、脇役じゃ今の彼女は自信を殺すだけです。だから彼女はこの役には相応しくないと思います」
彼女の演技はこの場にいても遜色ないと思えた。
「穴見 優奈はこのドラマより前に男に振り回されてきたっていう傷を持つ女性です。彼女にその傷を持っているような演技は出来ないと思います」
「確かに、傷があるというより自身に満ち溢れていた。傷を抱えてる人の雰囲気はなかったな」
俺の意見を聞いてからすぐに賛同してくれたのは、意外にも監督の保坂さんだった。俺の意見からそこまで読んでくれるとは思ってもみなかった。
「そう考えると俺はこの子の方を推そう」
そう言って彼が進めたのは、何度もドラマで見たころあるけど名前は知らない女性だった。手元の資料に載ってる名前は『木下 蓮美』。多種多様な役を綺麗に演じることが出来る彼女なら、この役も演じきれるだろう。
「賛成です」
会議は一段落し、俺はホテルに向かった。初めて俺一人での外泊だ。携帯でホテルの名前を入力し、東京タワーを横切る。初めて見る東京タワーを堪能しようと、俺は電車を降りた。
「辰矢くん!?」
「華巳先輩・・・・・・」
先輩は俺と違って母親と二人で来ているようだった。オーディション参加者のホテルは各自で取ってもらうようになっていたから、俺が宿泊するホテルとはきっと違うだろう。それより、俺がここにいる理由を考えないと。先輩が受けたオーディションに行っていたなんて、口が裂けても言えるわけがない。
「こんにちわ」
「こんにちわ、初めまして。稲垣 辰矢と申します」
「あら、礼儀正しいのね。華巳の母です」
「辰矢くんは、どうして東京に?」
先輩は、この前俺が入院していたことを知ってるから・・・・・。
「実は、こっちの病院でも検査しようってことになりまして」
「え!?どこか悪かったの?」
嘘だけど、この方向性で良さそうだった。
「いえ、いつもの病院では出来ない検査をするってことできただけです。ついでに、一泊してから帰ろうかと」
「そうなんだ・・・・・・」
先輩の顔は、あの時と同じで自信に満ち溢れていた。
翌日、俺は荷物もまとめて飛行機の搭乗手続きをする。
「辰矢くん」
「華巳先輩もこっちからなんですね」
「そうだね。何時の便?」
「俺は、この会社の十五時の便です」
「嘘!飛行機まで同じなんだね」
俺の飛行機は、内藤さんが取ってくれたんだけど。まさか先輩とかぶるとかあるかよ。
「そうなんですね」
一人でゆっくりしたいのに。今からでもクラス変えようかな。
「ちなみに、席は?」
先輩のワクワクとしている顔が俺には恐怖を与えるだけだった。
「A八です」
「さすがにそこまではないか」
良かった。言葉を聞かなくても先輩が俺の席と遠いのはよく分かっていたけど、言葉にされて余計に安心できた。保安検査も済ませ、買い足りない妹へのお土産を買いそろえる。
明日のメールが一通、長田のアカウントに届いた。
『本日十六時、オーディション結果のメールを参加者全員に送ります』
飛行機が着陸する頃には、先輩にもメールが届いているのか。
「お久しぶりです、長田先生」
「お久しぶりです。朝喜さん奥寺さん」
空港まで二人が迎えに来るとは思ってもみなかった。
「本日は遠いところまでよく来てくださいました」
俺が東京に来たのは、オーディションのためだった。今回のオーディションでは粗方決定しているから、俺からの最終確認程度しかない。
「いえ、こちらこそ、よろしくお願いします」
俺たちはオーディション会場であるテレビ局に通された。しかし、表の出入口は通り過ぎ地下駐車場に案内された。
「長田先生は匿名作家なので、これくらいの配慮は行います」
「そうですか」
別に今日であればオーディションに来た人間の一人としか見られないだろう。現にオーディションで来てるわけだし。
「ここでお待ちください。まもなく、オーディションを始めますので」
目の前に置かれたパソコンに映っていたのは、別室の壁だった。恐らく、記録用のカメラだというのだろう。実際に録画もしているだろうけど。
「オーディションが終わり次第、ここで会議を開きたいと思うので、先生はここでお待ちください」
結果はどうあれ、先輩はこの場で不採用にしたらいいってことか。
「分かりました。それじゃ、よろしくお願いします」
ワボで適当にネットサーフィンをしていると、オーディションが始まる声が聞こえ、すぐに一人目の男性がカメラの前に立った。
『相澤 真鳳です。よろしくおねがいします』
一人目は響空が好きな俳優か、確かにこの人であれば主人公の俊太にピッタリかもしれない。パソコンの横に置いてある評価シートに、主人公の男の欄に〇をつける。
そこからは男女ランダムに呼ばれていき、男女六人ずつの合計十二人のオーディションを行った。華巳先輩の番は一番最後だった。
大人たちは俺の部屋に向かい出すのが画面越しに分かった。俺の楽屋に、この前顔を合わせた五人が集結した。
「では、皆さんのご意見を伺いたいと思います。まずは俊太役に誰を選んだか伺ってもいいですか?」
「はい」
朝喜さんの進行後、一番に声を上げたのは監督の保坂さんだった。プロデューサーも年齢の壁は超えられないか。いや年齢というより、監督の経歴か。
「俺は前話していた通り、榊がいいと思う」
確かに、元々彼がこの役をやると言っていたな。それに保坂監督は、あのアイドル『榊 太陽』を気に入っていて多くの作品に起用していたっけ。
「僕も、榊さんがいいと思います」
恐らく、この場にいる全員が同じことを考えてるだろう。その証拠に全員が賛同した。
「それでは、肆井 俊太役は榊 太陽で行きましょう」
こうして、響空の好きな俳優は俺の作品の中でクズ男にならなかった。
「それでは、次は友人の榎原 幸平を決めたいと思います」
友人の役はとても誠実な人がぴったりだと思った。
「普通なら、ここは実力のある人を配役すべきだと思いますが誰がいいですか?」
次は奥寺さんが手を挙げた。
「実力だけなら相澤 真鳳がふさわしいと思ったんですけど、どうでしょう」
配役する上で、それぞれに合う人だけを選んではいられない。恐らく、ここで使われる実力というのは知名度のことも含めているんだろう。
「どうです?長田先生」
「大丈夫だと思います。彼の演技は僕も目を引かれました」
「それなら良かったです。それでは、続きまして河野 早織役ですが長田先生どうですか?」
なぜそこまで、俺に尋ねるのだろう。頭の中で言わなくていいと忠告しようとしたけど、次の役でちゃんと止めなきゃいけないから、それはしなかった。
「僕はあの時の資料の人で大丈夫ですよ」
その人は今回のオーディションには参加していなかった。恐らく推薦という形であのアイドルが抜擢されるのだろう。
「他の人も何もなければ前回の資料通りですが大丈夫ですか?」
ここまで満場一致で決まり続けてきた。俺がここで全力を出す必要がある。
「それでは、最後に穴見 優奈ですが、みなさんどうですが?」
俺以外の全員が華巳先輩に手を挙げた。
「俺は反対です」
「どうしてです?」「意見を聞きいても?」
これはあの時から、先輩から今日の事を聞いてからずっと考えていた。でも相応しくないと思った。
「彼女は、完璧すぎます。容姿も整い過ぎてるし、演技も十分。出てくるオーラは他の女優に比べても十二分にある」
一見してみれば、特に問題のないような気がする。でも決定的なことで、足りすぎてきて過剰だった。
「彼女は、高嶺の花という言葉が本当に似合う、脇役じゃ今の彼女は自信を殺すだけです。だから彼女はこの役には相応しくないと思います」
彼女の演技はこの場にいても遜色ないと思えた。
「穴見 優奈はこのドラマより前に男に振り回されてきたっていう傷を持つ女性です。彼女にその傷を持っているような演技は出来ないと思います」
「確かに、傷があるというより自身に満ち溢れていた。傷を抱えてる人の雰囲気はなかったな」
俺の意見を聞いてからすぐに賛同してくれたのは、意外にも監督の保坂さんだった。俺の意見からそこまで読んでくれるとは思ってもみなかった。
「そう考えると俺はこの子の方を推そう」
そう言って彼が進めたのは、何度もドラマで見たころあるけど名前は知らない女性だった。手元の資料に載ってる名前は『木下 蓮美』。多種多様な役を綺麗に演じることが出来る彼女なら、この役も演じきれるだろう。
「賛成です」
会議は一段落し、俺はホテルに向かった。初めて俺一人での外泊だ。携帯でホテルの名前を入力し、東京タワーを横切る。初めて見る東京タワーを堪能しようと、俺は電車を降りた。
「辰矢くん!?」
「華巳先輩・・・・・・」
先輩は俺と違って母親と二人で来ているようだった。オーディション参加者のホテルは各自で取ってもらうようになっていたから、俺が宿泊するホテルとはきっと違うだろう。それより、俺がここにいる理由を考えないと。先輩が受けたオーディションに行っていたなんて、口が裂けても言えるわけがない。
「こんにちわ」
「こんにちわ、初めまして。稲垣 辰矢と申します」
「あら、礼儀正しいのね。華巳の母です」
「辰矢くんは、どうして東京に?」
先輩は、この前俺が入院していたことを知ってるから・・・・・。
「実は、こっちの病院でも検査しようってことになりまして」
「え!?どこか悪かったの?」
嘘だけど、この方向性で良さそうだった。
「いえ、いつもの病院では出来ない検査をするってことできただけです。ついでに、一泊してから帰ろうかと」
「そうなんだ・・・・・・」
先輩の顔は、あの時と同じで自信に満ち溢れていた。
翌日、俺は荷物もまとめて飛行機の搭乗手続きをする。
「辰矢くん」
「華巳先輩もこっちからなんですね」
「そうだね。何時の便?」
「俺は、この会社の十五時の便です」
「嘘!飛行機まで同じなんだね」
俺の飛行機は、内藤さんが取ってくれたんだけど。まさか先輩とかぶるとかあるかよ。
「そうなんですね」
一人でゆっくりしたいのに。今からでもクラス変えようかな。
「ちなみに、席は?」
先輩のワクワクとしている顔が俺には恐怖を与えるだけだった。
「A八です」
「さすがにそこまではないか」
良かった。言葉を聞かなくても先輩が俺の席と遠いのはよく分かっていたけど、言葉にされて余計に安心できた。保安検査も済ませ、買い足りない妹へのお土産を買いそろえる。
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