君が見せた私の夢

浅村 英字

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第二話 衝撃は予想以上に

芸能授業

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 私はここから、初めて芸能校らしい授業を受けられる。高揚感と緊張感が混ざって複雑な感情を持ち始めていた。基本的に芸能授業は三つに分かれる。一つは私の受ける『音楽授業』、緋奈ちゃんが受ける『演技授業』そして『美術授業』の三つ。
 音楽授業でも、どんな夢を持つかによってさらに細分化される。私が行くのはその細分化されたものの一つ『歌』に注目された場所に足を運ぶ。

「今日は、歌に感情移入させることを中心にやっていきましょう」

 先生の言葉の後、周りを見ると数人ごとのグループを作り始めた。その時、私の手には汗がすごく溜まっていた。

「確か『佐藤 鈴乃』さんでいいかな?」

 さっきみんなに指示を出した先生が私に声をかけてきた。

「はい、今日からお願いします」

 私は頑にその男性の先生に挨拶をすると、その先生はニッコリと笑い、私の硬い姿勢をリラックスする様に優しい声で言ってきた。

「同じクラスの子のグループに入って、その子たちに色々聞きながらやってみて」

「わかりました」

 そう言われて私は辺りを見回し同じクラスの子を探す。でも、昨日も今日も私は、緋奈ちゃんとしか話していなかったから同じクラスの子の顔が私には分からなかった。

「シノミヤ~、お前同じ子のこと同じクラスだったよな?」

「転入生の佐藤さんですよね?同じクラスですよ」

「これからは同じグループでよろしく」

「はい」

 私はその人を含めた三人グループに入らされた。呼ばれたシノミヤと呼ばれた人は髪が長くて綺麗な女子だった。

「私は『篠宮 琴波』です、よろしく。そして、この子が『北野 実』さん」

「よろしくね」

 挨拶をしてきたのはボーイッシュな感じのショートヘアに眼鏡をかけている子だった。私は笑顔で同じような言葉で返す。

「そして、金髪の子が『甲斐 帆乃華』さん」

 その人は金髪で彫りが深くですでにモデルとして活躍していてもおかしくないほど可愛い子だった。恐らくは、ハーフなのだろう。どこかで見たことある気がする。

「よろしく、あっ私のこの髪は地毛ね。染めてないから」

「見て思ったかもしれないけど、彼女はハーフなの。だから金髪でも許可されてるの」

 この高校は髪染めは基本的に禁止、だから茶髪な人に私は少し憧れている。

「私は転入生の『佐藤 鈴乃』です。よろしくお願いします」

 私の言葉に答えた三人。その後すぐに篠宮さんが話し出す。

「とりあえずだけど、基本的にこの授業は、先生からのテーマにどうやったら答えられるのか、ってのを話し合って、実行していく感じかな」

 ざっくりと言われた言葉はかなり的確に聞こえた。

「今日は歌に感情を吹き込むってことでいいよね?」

 ハーフの甲斐さんが確認のために話し出す。

「私さ、よく言われてるのよねぇ。意味を理解しているのかって」

 甲斐さんには感情表現が苦手らしい。私からすればどの程度から苦手か出来るのかが分からない。

「佐藤さんは感情を歌で表現するときどんなことを意識してる?」

 いきなり篠宮さんが私に質問してきた。その答えに私は当然戸惑う。

「私?私は・・・動き方とかかな?」

「「「何それ?」」」

 私の言葉に三人がハモって聞いてきた。何か言い方間違えたりしたかな?

「え?何かまずいこととか言った?」

「いや、私たちはそういう発想はなかったからな」

「私も。あ、でも、何となくわかるかな。無意識にやってて言われたことあるもん」

 甲斐さんと篠宮さんは二人で話す。甲斐さんは言われたことあるらしい。私は言われたことないけど・・・。やっぱり変なのかな?

「あと、二十分で話し合いは終わりにします」

「私はよく歌詞を意識してそれをイメージすることは大事にしてる」

 私も、私の前では話してなかった北野さんが言った事に、なんとなくそれに同感した。結果少し動いた。

「確かにみのるんは何か考えている感じがしてるよ」

 この中のグループではおそらく篠宮さんがリーダーのような存在なんだろうなって思った。
 篠宮さんが言った言葉に、笑みをのせて北野さんが話していく。

「え、なにその言い方」

「いや、分かるでしょ?ね?甲斐さん」

 必死な彼女の感覚が私にも伝わってきた。

「うん、なんかわかる気がする」

 甲斐さんは笑いながら答える姿になんとなく、仲の良さが私にも伝わってくる。

「ここのみんな、楽しく話しているところ少し悪いけどね」

 唐突に話してきたことに驚き、私たちは多少の悲鳴を上げた。

「だからごめんねって言ってんじゃん。佐藤さんは聞いたか分からないけど、一応話しておくね。この班での話し合いが終わったら各班から一人ずつ代表を出してもらうんだけどね」

 先生の言葉になんとなく私たちはこの先の言葉を感じ取った。

「出来たら佐藤さんにお願いしたいんだけど。大丈夫かな?」

 ここで断るなんて神がかった言葉を言える自信は私には、残念ながら持ち合わせてない。

「・・・はい。分かりました」

 そこから数分互いの感覚について話したら、先生が辞めの合図を出して各班からの代表者を前に出させてる。
 班の代表者は全員で八人。ほとんどが四人班からだからおおよそ三十人ちょっとなのかな・・・?

「ここでみんなに紹介します。先日前に転入してきた『佐藤』さんです。二年生から入るから困った事が沢山あると思うから、いざって時は助けてあげるように頼むよ」

 そこから、転入生に向けた物らしい言葉を送られた。
 その後は各班ごとの代表者が順に歌っていった。私は最後に歌わされ、緊張した。もちろん、過去最高の緊張だった。

「・・・ありがとうございました」

「・・・・・・・」

 私が歌っている間に周りの雰囲気が段々と暗くなっていった。私の感覚だと、他の人と同じかそれより少し下手って感じだと思ってたけど?

「・・・かなり上手いんだね。ちょっと驚いてね。ごめんごめん」

 他の人も同じような反応にかなり嬉しかった。
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