前略、転生しました。

プロローグ

in the 教会

おっさんの馬車にて揺られること数十分。どうやら町の教会に到着したようだ。
教会といってもむこうのように十字架が掲げられているわけではなく、太陽を模したであろう丸い台にヘビと鳥の装飾が施されている銅のレリーフが掲げられている。

「三人でここに来るのは初めてだな。・・・次はもっと早く来るか。」

「そうね。家でできればいいんだけど。」

意味深な発言に妄想を膨らませていると教会に入っていた。
教会の中では、さっきのレリーフを熱心にご老人や、修行中のシスター的な少女達が拝んでいる。
やはりこの国に産まれた以上これを拝まなければいけないのかもしれない。

「お久しぶりです、神父様。今日はこの子に名付けをしていただきたく参りました。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「なるべく神の御加護を得られる、それでいて、くどすぎない良い名前がいいです。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「できれば異界の英雄の名を冠した名前でお願いします。」

「・・・・・ああ、すまん。眠っておったわ。もう一回言ってくれ。最近耳が遠くてなあ。大きい声で頼む。」

「え、ええ。では、もう一度。」

このジジイに名をもらうとか気が気でないんだが。