[R18]優しいママも男でした

白峰楓

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私と恋人。

イケメンは目の保養。

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見習いシェフになって2日目。趣味とまではいかないけれど、一人暮らしが長かった事もあって人並みの腕前であった事に感謝した。

今日のお客様は、、、ママの同僚の方。どうやら貸切らしく、楽しそう?にずっと喋っている。
なんでそんなのがわかるのかだって??勿論、私はママ達には見えない角度から観察している訳ですよ。

私にもあんな同僚欲しかったなぁ。初めは居たけれど、ブラック企業だから多くの人が退職していった。
残った同僚は、、真面目で優秀なたまきしのぶ君と、チャラいけど仕事は出来る碧井あおいつばさ君だったなぁ。私はコミュ症だから喋りかけられないし、同性じゃないから尚更距離があった。
死んだあの日、同じ企画の環君も残業してて、何と無く一緒に帰ったっけ。
急に死んじゃって、迷惑かけてないかな。そんな事思っても、死んじゃったものは仕方ないか~。なんて考えていたら、珍しく大きいママの声が聞こえた。


「だから、なんで、、、クシエルが居るのよ!」


ママが、ウイスキーの入ったグラスを、ガタンとテーブルの上に置く。
声色的には、困っているみたいだ。眉を潜めて苦虫を噛み潰したような顔をしていた。ママってあんな顔もするんだなぁ、と新たな発見。


「何だよ、ジフリール。相棒の俺様が来ちゃいけない理由でもあったのか??」


「カマエルとウリエルには、夕飯を奢る約束はしたけど、クシエルは呼んでないじゃない。」


「二人がジフリールの所に、飯食いに行くって言ってたから、付いてきただけで、金は払うっての。いやぁ、まさか天涯孤独のジフリールがねぇ、、?」


ワイングラスと片手に、ニヤリと笑う男。声は悪くない。少し悪役にいそうな声色の、クシエルさん。見た目は渋谷とか竹下通りに居そうな、ゴシックファッション、年中ハロウィン男といったところだろうか。白っぽいグレーの髪色、前髪は目にかからないぐらい、襟足が長めのウルフカットに緑色の瞳。耳についた沢山のピアスがキラキラと光を受けて光っている。そして、イケメン。


「カマエル、ウリエル、、喋ったのね。」


ムキムキのカマエルさんそっと頷き、チャラ男っぽい私を脅かした赤髪のウリエルさんは、てへっと赤い舌を出した。あ、ウリエルさんって舌にピアス開けてるんだ、、、エロいなぁ、なんて呑気にそんな事を考える。


「俺様は、カマエルとウリエルから聞いてねーぞ。 一昨日、衣の街で見せびらかすようにデートしてただろ?服を買いに行ったら、偶然見ただけだ。」


どうやら、クシエルさんはあの日、衣の街に居たらしい。ママの知り合いに見られてたなんて、照れちゃうな。


「は!?俺、それ知らねぇけど!!」


「俺も、知らない。」


ウリエルさんは話題に食いつき、カマエルさんも気になるようだ。


それにしても、ママって本当に女の人と付き合った事ないんだな、、、申し訳ないけれど、安心する。同僚がここまで心配して、話題にするぐらいだ。しかも、クシエルさんは天涯孤独なんて言ってた。こんなイケメンの初恋人が、私でいいのだろうか。嬉しくて、顔がにやける。


「その話題は後でするわよ、、。それより、ウリエル。私の話は誰にしたの。クシエルは聞いてないって事は、、、」


「みんなに喋ったに決まってんじゃん?クシエルはあの日非番だったから知らないと思ってたけど、既に知ってたんだな。」


ウリエルさんの言葉に、ママは頭を抱える。よっぽど、、ショックだったのだろう。


「おう。相棒がにやにやしながら女と歩いてるから、びっくりした。」


「ニヤニヤなんてしてないわよ!!」


「ん?そうだったか??俺様には、そう見えたんだが、、。」


「はぁ、、。ウリエルが、みんなに喋ったのも最悪だけど、クシエルに見られてたのは、もっと最悪よ、、」


ママはウイスキーをグイッと一気飲みした。、、大丈夫かな。百面相しているママは見てて、面白い。このまま、ママと同僚さん達を眺める事にする。


「で、ジフリール。あの女とは、どういう関係なんだ?」


こちらは、低音ボイス、イケメンのカマエルさん。ムキムキの無口系のお兄さんですね。本日は、ビールを飲んでます。
闘ってる時は、ママに夢中で気づかなかったけれど、髪の間から覗く切れ長の瞳が、めっちゃかっこいい。黒い髪で、前髪は長めだから、近づいてもその素敵な瞳を見る事は出来ないだろう。普段見えないものが見える時の萌えといったら、、わかる人にはわかるはず。
ママも脱いだらムキムキだけど、カマエルさんは、服の上からでもわかる筋肉。ボディビルダーには全然及ばないけれど、胸筋も腕筋もしっかりついている。その筋肉、、触らせて貰えないかなぁなんて、、おっと涎が。


「ユーリちゃんだっけ??あのジフリールが俺の怒るんだもんなぁ、、、溺愛じゃん。」


こちらは、ウリエルさん。声は、、私のタイプではない。全身から溢れ出るチャラさが少し苦手かも。本日は、カクテルを飲んでます。
そういう人って、話せば全然悪い人じゃないんだろうけど、、あの時脅かされたのは許せない。だ、だって、こんなイケメンの生首が宙に浮いてるなんて理解できない。まだイケメンだったから良かったのかも。ホラー映画に出てくる顔だったら、絶対寝れなくなる。腰までの長さの赤い髪色に、緑色の瞳。立ってるだけでナンパされるタイプの人だと思う。


「ほぉ、相棒の女はユーリって名前なのか。折角だから連れて来いよ」


そして、クシエルさん。
え、私を連れて来いって言った??や、やばい。スッピンで、エプロン姿なんだが、、紹介されるなら、まともに服装で化粧した姿の方が、ママの恥にもならないだろう。会話は聞きたいから、まともそうな服に着替えて、化粧をしながら、会話を引き続き聴くことにする。


「ユーリちゃんは、、、私の、、恋人よ、、。ウリエルが怖がらせたから会わせたくないし、クシエルにも、、別にいいでしょ。」


ママの声に、言葉に、少しむせそうになった。
同僚に恋人だって紹介されたぁあああ!!こ、これは、、物凄く嬉しい事ではないでしょうか!!ニヤニヤした顔が鏡に写ってキモい。
化粧、、頑張ろ、、、。
気づけば、私の耳にはママ達の声が入って来ないぐらい集中していた。



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