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私と恋人。
愛しの彼女が他の男に触られたなんて、許せるわけがないでしょう?-ママ視点-
しおりを挟むアメリアの説教は、それはもう長かった。
「いくら作戦とは言え、溺愛する方がいるのにあんな方法で殺害するなんて、、考えられません!!」
なーんて怒られちゃった。そりゃ、、そうかもしれないけれど、じゃあどうしろって言うのよ。
頭を使って良い方法を探すしか無いじゃない。脳筋なのは知ってるでしょう?考えるより、行動する派なのよ。
報告書も仕上げてきたし、とりあえず仕事の事は考えるのやめよう。
早くユーリちゃんに会いたくて、ノースの所に駆け込むと、トイレに行ったっきり帰って来ないらしい。
くしゃみが2回も立て続けに出た事を、ノースに噂されてるんじゃないのかと言われ、何だか嫌な予感がした。その予感が的中しなければ良いのだけど、、、
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BARの窓からは、光が漏れている。ユーリちゃんが勝手にBARに入る事はない。
と言う事は、、誰かいる。
大剣を片手に、窓から家の中の様子を伺うと、よく知った長い金髪が見えた。その大きな図体の中には、、、黒髪、、。
大剣をしまい、家の中に飛び込んだ。
「ラファエル!!!俺のユーリちゃんに何してんだよ!!!」
光景を目の当たりにすると、舌舐めずりをしたラファエルが、ユーリちゃんを襲おうとしているようにしか見えなかった。てか、そうじゃなかったとしても顔が近すぎ。
ムカついて、蹴飛ばすと思いの外飛んでいった。ナイスクリティカルヒット。
「いったぁ、、、ジフリールの筋肉ばか。手加減なしに、私の事蹴飛ばさないでよ。」
「ユーリちゃん、キスされてない!?この女たらしにキスされてないよね!?俺だって、まだキスしてないのに!!」
肩を揺すぶって問いただすと、ユーリちゃんは密かにコクコクと頷いた。何だか意識はそこにない様で、反応が薄い。それに、瞳の奥が熱を孕んでいる気がする、、。
まさか、ラファエル、、魔法をかけたのか?魅了する魔法とか掛けられたら、俺にだって解けやしない。ユーリちゃんを取られるとか、無理。店なんか跡形もないぐらい暴れる。
ふつふつを湧き上がる焦りと怒りに、ラファエルは少し焦って宥めてきた。
「ま、待って、キスはしてないよ。」
「ユーリちゃんに、手を出してみろ。切り落とすぞ」
壁に押さえつけて、目線で何処を切り落とすか伝えると、え、それは勘弁と、苦笑いをする。ばーか、最初からそんな冗談言うなっての。
「それにしても、こんな可愛い恋人にキスしてないんだ??この、ヘ・タ・レ」
「う、うるさい。」
図星を突かれ、一瞬怯んだ隙に、ラファエルは抜け出す。本気で掴んでいた訳じゃない腕は、簡単に解けてしまった。にこにこと笑う顔は女にしか見えないが、身体は正真正銘男だ。
「この子も、キスしたいんじゃないの?」
ラファエルはそう言って、固まったままのユーリちゃんの頭をさり気なく撫でた。その行動にも、イラッとするが、抵抗しないユーリちゃんにも少しムカつく。
俺じゃ無くて、他の男でもいいのかよ。されるがままの彼女に、すっかりオカマのママは消え失せ、男になっている俺は嫉妬心に飲み込まれる。
「ね?キスしてもいい?」
恋人の俺でさえ拒否されんだから、ラファエルなんかとキスする訳ないだろ。そう思って見ていたけど、ユーリちゃんはさっきから固まったまま動かない。
ラファエルに、顎をクイとあげられて、顔が近づき、、、。
その続きは許せる訳がなくて、身体が動く。と、同時にやっとユーリちゃんが言葉を発した。
「え、ママ、、この人、男なの。」
目蓋をパチパチとした可愛らしい彼女は、やっと現実に帰ってきたようだ。だけども、それが受け入れられないのか頭を抱えて蹲ってしまった。
「こんな綺麗な人が、、男、、、。」
ラファエルが男であることが受け入れられないのか、ユーリちゃんはおかしなことを言っている。
その間、彼女を触る男の手を払い退けて、勝手に触るなって言うと、束縛する男は嫌われるよ?なんて煽られる。
いっその事嫌われてしまった方が、こんなに苦しく無くて楽なのかもしれないと頭をよぎるが、だからと言って彼女を手放す選択肢はない。
「ジフリールの彼女さん。私って、どう見ても男でしょ?いくら女顔だからって、この図体で女は無いね。まぁ、声は魔法で変えてたから、、だとしても男だと思われてなかったのはねぇ?」
パチンと指を弾くと、いつものラファエルの声に戻る。あぁ、私達は聞き慣れてるから気にしなかったけど、よく考えたら地声じゃなかったわね。だからって、このデカさで女は、ちょっと成長し過ぎじゃない?
「だって、こんな女神が男だなんて、信じられない。」
「じゃあ、私に抱かれてみる?」
「人の女にセクハラするんじゃねぇよ。」
ガンを飛ばすと、ニヤニヤと笑うラファエルと目が合う。手の上で転がされているような感じがしてムカつく。
「オカマじゃないジフリールが見れるなんて、よっぽど溺愛されてるねぇ」
「え、、あー、、、」
すっかりオカマで無くなっている事は、指摘されて気がついた。仕事をしてた事もあって、久しぶりにオカマ口調でない日を過ごしたわね。
「いやぁ、いいもの見た。んじゃ、お邪魔しました~」
そう言って、ラファエルは帰っていった。ユーリちゃんの事とか、あのジフリールがオカマ口調じゃなくなったとか、久しぶりに半ギレだったとか、色々大天使達に言うんだろうなと思うと、少しだけ頭が痛くなる。
「はぁ」
彼女のことになると、本当に余裕がない。
もっと、俺だけの女になって欲しい。
その欲だけが俺を蝕んでいく。
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