[R18]優しいママも男でした

白峰楓

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私とママ。

守りたいもの。-ママ視点-

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「、、、逃げられた。俺じゃ、やっぱり駄目なのか??」

ユーリちゃんがシャワーに行った後、俺は1人、頭を抱えていた。俺以外にはそんなエロい顔を見せて欲しくなくて、意地悪してしまったのだが、見事に失敗した。
だって、好きな人が自分以外にエロい顔見せるなんて、失恋の他無いだろ、、、。あぁ、嫌われたらどうしよう。


「ユーリちゃん、、、。」



胸がギュっと締め付けられる。もう、どうしようもないぐらい、ユーリちゃんに惚れていると思う。俺に出来る事は、、、守るぐらいしかないだろう。元々戦士として闘ってたぐらいだから、それなりの腕はある。最近は平和過ぎて身体が鈍ってるかもしれない、、、


とりあえず、このぐちゃぐちゃなベッドを片付けよう。先程までの行為を思い出して、身体が熱くなる。ユーリちゃんは、俺とするのは嫌じゃないって言ってたから、、脈無しではないと信じたい。好きだといえば、俺だけのユーリちゃんになってくれるのだろうか。臆病でヘタレな俺には、言うまでに、まだ時間がかかりそうだ。

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「ふふふ、、ママと一緒の匂い~」


シャワーを浴びたユーリちゃんは、寝ぼけてるのかふらふらとベッドに帰ってきた。可愛い独り言はガッツリ俺に聞こえている。ゴムは捨てたし、下着は変えたけど、汗をかいたし、シャワーを浴びたい。

立ち上がると、ユーリちゃんが服の袖を掴んでいた。


「ママ、、?何処行くの、、??」


ユーリちゃんの言葉で、すっかり自分が男になっていた事を自覚する。この子の前ではママで居ようと決めたのに、、、手に入れたい気持ちが理性を壊してくる。
上目遣いでこちらを見てくるユーリちゃんと目が合う。眠たいのかとろんとした顔をしていて、エロい。このままじゃ、、また、、。


「シャワーを浴びて来ようかと、、」


「んん、、やだぁ、、。1人にしないでっ!!」


この子は、、どうして俺の理性を試そうとしてくるのだろう。恋愛経験のない野郎なんか、こんな可愛い事言われたら、落ちないわけがない。やっぱりユーリちゃんの事が、、ユーリちゃんじゃなきゃ駄目なんだと再度認識する。


「ごめんね、すぐに帰ってくるから。」


そう言って、頭を撫でると幸せそうな顔をして、ユーリちゃんは眠りについた。


ユーリちゃん、ごめん。一緒に寝たら、また手を出しそうだから、帰れそうにない。俺は、洗濯をして、ノースのところで夜を明かす事にした。


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日が登って、もうすぐ昼になる。
すっかり男の気分も抜けて、いつも通りの私に戻っていたのだけど、、守りたい気持ちは変わらないから、久しぶりにカマエルに稽古をつけて貰う事にした。

カマエルのスイッチも入って、これからが楽しいとこって時に、


「きゃ、ぁああああああ!!おばけやだぁああ!!!怖いぃいいいいい!!!!!」


恋してやまない、女の声は響きわたった。


「え!?、、ユーリちゃん!!!!」


聞いた事のないユーリちゃんの叫び声が聞こえて、心臓が止まるかと思った。剣を放り投げて、声の聞こえてきた方へ走る。


「おい、ジフリール!!」


カマエルが私を呼ぶ声が聞こえるが、それどころじゃない。



駆けつけると、ウリエルが魔法を使ってユーリちゃんを驚かしていた。私達は見慣れてるから何ともないけれど、ユーリちゃんはよっぽど怖かったと思うわ、、


「そんなに驚く??」


「いやだ!!来ないで!!!怖いからぁああ!!!ママ助けて!!!」



この子は、こんな時でも私の名前を呼んでくれた。私が、、俺だけが守ってあげなきゃ、、そう思った。



「ユーリちゃん!!」


怯えてるユーリちゃんを胸の内に閉じ込める。もう、私が居るから怯える事はないのよ。よっぽど怖かったのか、少し震えている。あぁ、守るって誓ったのに、、、、怖がらせてごめんね。



「ウリエル!!私のユーリちゃんをいじめないでくれる!?」


「え、そんなに怒る??ちょっと脅かしただけじゃん。」


滅多に怒る事が無い私が、怒ったのが意外だったのか、ウリエルはびっくりしている。これがちょっとなら、本気でユーリちゃんの事を脅かしたら、大剣を振り回しながら追いかけてやるわ!!
いつもでもヘラヘラしてるよねって言われてるウリエルに、今日はムカついた。


「こんなに怯えてるのよ!!ちょっとじゃないでしょ!!」


「いやぁ、でも、ほら、俺が挨拶する時っていつもこんな感じじゃん??」


、、、言われてみればそうだわ。だから、ラグエルに怒られるのよ。出会った時から、ウリエルはこんな感じだった。
脳筋で、剣や拳で闘うタイプの私とカマエルに対して、ウリエルは魔法を使って優雅に闘うタイプ。その姿はかっこいいのかもしれないけれど、、


「だからって、女にそんな挨拶しないでしょ!」


「まぁ、そりゃあ~。でも、ここに居るって事は、ジフリールの女って事じゃ、、、、え。お前、やっと!?」


「ち、違うわよ!!!この子は!!!」


拾った子、、、。そんな安い言葉、もう言えない。好きな子を拾った子なんて、同僚に紹介したくない。だけども、私の女でもない。じゃあ、何かしら、、。家族??いや、それは誤解を与えるかもしれないし、遠回しにプロポーズしてるみたいで恥ずかしいわ。

何て言えばいいのかしら、、、守りたい子。誰にも渡さない。私だけの子。私だけの印を刻んで、私と永遠に生きてほしい子。
、、、、それってやっぱり。

考えると恥ずかしくなって、ユーリちゃんを抱き締めている腕に力が入ってしまう。でも、離したく無い。



「ジフリール、、、稽古をつけて欲しい理由は、そういうことか。」


追いかけてきたカマエルが、珍しくニヤッと笑った。何なのよ、、、。そうよ!!言わせないで、察しなさいよ!!一緒に闘ってきた仲間でしょ!!


「へぇ、、、、あのジフリールがねぇ、、」


ウリエルもニヤニヤしている。アンタが、恋愛経験があって、女の子と遊びまくって、童貞じゃ無い事ぐらい知ってるわよ!!
私は、この子に恋してるの!!今まで恋愛経験のなかった、この私が恋してるのよ!!知ってるでしょ、初恋なの!!私の恋が実るように応援しなさいよ!!

二人は目を合わせて、更にニヤニヤし始めた。もう、二人して何なのよ!!


「、、、カマエル、ウリエル。夕飯奢るわ。だから、今は帰って貰ってもいいかしら。」


どうせ今は揶揄われるだけなのは、知ってるわ。それだったら、せめて酒を飲んでる時にして欲しいの。



「んじゃ、2日後だな。カマエルは??」


「問題ない。、、、ジフリール、大事にしろよ」



「だからっ!!、、、、はぁ、、、ユーリちゃん。同僚が迷惑かけたわ、、ごめんね。大丈夫かしら??」


ウリエルの魔法で、二人は帰っていった。ユーリちゃんから手を離し、顔を覗き込む。目尻が若干潤んでいるのが色っぽくて可愛い。
昨日のユーリちゃんはどんな顔をしてたんだろう。あんなエロい声を上げて、、あぁだめだわ。昨日のユーリちゃんが声が離れない。今夜も寝れるかしら、、、。

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とりあえず剣は拾いに行ってきたけど、ユーリちゃんはさっきと同じで固まったまま。
、、、様子がおかしいわよね??よっぽど怖かったのね。私ったら、自分の事しか考えてなかったわ。
こんなんじゃ、告白しても

『ママっていつもエロい事ばっかり考えて、キモい!!そんな人と付き合えない!!』

なんて言われるかも知れないし、

『ママって独占欲強いよね。勝手に印付けるし。私、そんな束縛強い人好きじゃないんだけど、、。しかも童貞でしょ?(笑)』


、、、やばい。改めなきゃ、、ユーリちゃんに好かれるどころか捨てられちゃうわ!!!



「ユーリちゃん!!」


勇気を振り絞って、小さな手を握る。やばい、、緊張するわ。


「ひ、ひぇっ!?マ、ママどうしたの??」


「お家に帰りましょ!!」


「う、うん。」


ユーリちゃんは、私の手を握り返してくれた。今日こそは、男として意識させてみせる。心の中で、そう意気込んだ。








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