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私と恋人。
思考停止。-ママ視点-
しおりを挟むファーストキスも好きになった人がいいと思って、大事にしていた。他の奴らは、易々と誰かに捧げていったけれど、私にはそんな事出来なかった。
だから、尚更初めての恋人であるユーリちゃんに貰って欲しいと思った。私をこんなにも、溺愛させる唯一無二の女。気づけば執着心に蝕まれ、側に置いて置かないと落ち着かない様な、、そんな気持ちになる様になった。
「ね、、ユーリちゃん、目閉じて」
私の言葉をにユーリちゃんは従う。魅惑の大きくて綺麗な瞳は、静かに閉じられた。
「はぁ、、緊張するわね、、」
ゴクリと息を飲む。
「ユーリちゃん、これからも俺が大事にするから。」
愛おしい彼女の、唇を奪おうとした時、、、
電話が鳴った。
相手は、、、、部下。あぁ、何てタイミングで仕事なのかしら。大天使である事を、こういう時に思い出すのよね、、。
めんどくさいからといって、部下を困らせる訳にもいかないし、電話に出ないわけにもいかないから、出るんだけど。
「もしもし」
「ジフリール様!!やーーっと彼女出来たって聞きました!!めっちゃ可愛くて、溺愛だって、大天使様達が噂してます!!いやぁ~、おめでとうございます~!!!」
「、、、、。」
部下にまで知れ渡ってるなんて、聞いてないわよ。誰よ、ユーリちゃんの存在を知らせたのは。
それに、今何時だと思ってんのよ。よくもこんな夜中にテンション高くいられるわね、、。
しかも、やっとだなんて、失礼しちゃうわ、、事実なんだけども。
こんなテンション高くて、失礼な部下には、めんどくさい仕事押し付けちゃうわよ。
「はっ、テンション上がり過ぎてしまいました!!今お時間よろしかったですか??」
「ん??、、うん。」
本当は良く無いけれど、、仕事の話は聞かない訳にはいかない。
「今日、食の街に、サキュバスが現れたとの情報がありましてですね、、」
「あぁ、、」
まさか、ユーリちゃんな訳、、、と思って、彼女の方を横目で見ると、ぽかーんと何処か遠くを見ていた。
、、、うん。無いわ。
だって、今朝は抱いてて、気づけば夕方。
私、その時間寝てたわね。
ま、まさか、、私が寝てる間に気配を消してユーリちゃんが、、、いや、動ける訳がないじゃない!!あんなに抱き潰したのに、まだ元気があるって言うんだったら、私だって容赦しないわよ。
それに、一応現役の戦士よ??何かが動く気配に気づかない訳、、
やばい。最近平和すぎて、自信が無くなってきたわ。
「ってわけで、ジフリール様にも同行をお願いしたいのですが、、」
「そうだな、明日、、」
大事な所を聞き逃していたなんて、どうでもいい。現場に行けば、何かしらわかるはずだし。もう一回説明して貰おう。
「じゃあ、明日食の街でお待ちしています。」
「わかった。じゃ、また明日。おやすみ」
電話を切り、ユーリちゃんの方を見ると、まだぼーっとしている様に見えた。
「ユーリちゃん、ごめんね??ちょっと電話がかかっちゃったわ。」
頭を撫で、顎に触れる。
さっきの続き、、まだ有効かしら?
それに、明日の仕事の件もあって、今はユーリちゃんがサキュバスでない証拠が欲しい。クシエルはキスすれば、、とか嘘っぽい事言っていたけれど、確証を得る術はこれしかない。
「ユーリちゃん、、好きよ」
怖がらせない様に、ゆっくりと近づいて、、、。
はぁ、ダメ。すごく緊張する。
キスをしようと心構えた時、ユーリちゃんは顔を背けた。
「ママ、ごめん。キス出来ない。」
え???
キス出来ない??
私、、、今、、、拒否された??
ユーリちゃんが、私を拒否??嘘、そんなのあり得ないわよ。たまには反抗するユーリちゃんも、アリかもしれないけれど、そんな事されると、もっとなかしたくなるじゃない??
じゃなくて、、私、キス、、、ファーストキス、、
----------------
「はっ!!、、あれ、ユーリちゃんが居ないわ」
どれぐらいの時間が経っていたのかしら。しばらく飛ばされてたわね、、。
辺りを見渡しても、ユーリちゃんの姿も気配がない。
まさか、、やっぱりサキュバスだったの??いや、さっきまでシしてたから、、、お風呂かしら?
うん。お風呂だわ、きっと。流石に私も寒くなってきたから、お邪魔しちゃおう。
腰にバスタオルを巻いて、浴室に向かう。
中からはシャワーの音が聞こえてきた。
「ユーリちゃん、入るわよ?」
そう言ったときには、もう扉を開けていた。一緒にお風呂、、うふふなんて思っていたけれど、現状を目の当たりにして、そんな事を言ってられなくなった。
「え、、、あ、、、、ユ、ユーリちゃん?」
ぺたりと床に座り込んでいた小さな彼女に話しかけてみる。シャワーを頭から浴びた状態で、何をしているのだろうか。
ねぇ、、こんなシーン、、ちょっと、、ホラーじゃない??
ユ、ユーリちゃんに限って、そんな悪ふざけするわけ無いわよ。私を脅かすだなんて、、はは、、。
そんなことを思っていたけれど、一向に返事は返ってこない。近づいて、肩をトントンと叩くと、雪崩れる様に私の方に倒れ込んできた。
揺さぶっても、目は閉じたまま、、、そのまぶたが開く事はない。
「え、、、意識がないじゃない!!!」
慌ててシャワーを止め、彼女を抱えて浴室を出る。脱衣所にタオルを引き、横に寝かせるけれど、ピクリとも反応が無かった。
「ど、どうしよう、、。」
呼吸はあるし、苦しそうな表情をしている訳でもない。何かしてあげられれば良いのだけど、、、何をすれば良いのかがわからない。
あぁ、私って役立たず、、。ダメダメなママでごめんね、、。
とりあえず、寒くない様に身体を拭き、服を着せ、彼女を観察する事にした。
乾かしきれなかった黒髪は、しっとりと濡れていてキラキラと輝いている。白い肌、少しだけ赤い頬、美味しそうな唇、、、。
人間の生きる世界のお伽話にあった、お姫様の様に美しい彼女に思わず見惚れる。今のユーリちゃんは、白雪姫かしら?あの物語は、確か王子様のキスで目が覚めるのよね、、?
ゴクリと息を飲む。あぁ、私ったら、、キスしたい気持ちでいっぱいだわ。
「バレなきゃ、、、」
またそんな事を考えてしまう。初めて手を出してしまった時もそうだった。また、同じ事を繰り返してしまうなんて、、ダメよね。流石に、そんなのずるいわよね。
だけど、私は、、、恋人なのだから、、
「ダメよ!!そんな卑怯な事しないわよ!」
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