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おまけ 零れ話 ③

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「守ってきた側として感慨深い?」
「そうじゃな、あ奴が小さき頃から知っとるからの生意気で尖ったクソガキじゃったわい。そんなあ奴がのぅ、ほほ、あ奴が、恋を理解し愛を知ったのか、ほほ、あやつであれば姫ちゃんの隣に立てるわな」
笑いが込み上げてきて抑えきれてないじゃん。まったく、親心なのか、良き隣人としてなのか、悪友としてなのか、二人の間柄が難しいな。っていうか、お爺ちゃん的にありなんだ。
「何勝手に私とあいつが生涯を共に歩むと決めてんだってーの、私の気持ちも考えて欲しいかな?」
「なーにが不満じゃ!何時まで生娘でいるんじゃ?ん?」
「エロ爺、そういうのを真っすぐに言葉に出すんじゃないってーの」
隙あらばすぐにエロいワードをぶち込んでくる。配慮って言葉が欠落してんじゃないのー?
「わしからそこの部分を取ったらただの枯れ木になるわい、枯らすわけにはいかんからのぅ?ほっほっほ」
「ぜってー、鼻の下のばしてる、ほんっと、懲りないよね?」
「懲りとるわい、もう、誰にも手を出しておらんわい」
「ほんとにー?」
絶対に嘘だろうと圧を込めてみると、真剣な声色で
「我が剣に誓えるわい」
返事が返ってくるけど余計に怪しいってーの
「お爺ちゃんが頭の中に描いているラインと私達が考えてるラインが違う可能性があるけれど、それでも誓える?」
「・・・」
黙るし!そういうとこ!!
「やってんなー!ほんっと乙女部隊ちゃん達の士気に関るからやめてよー?」
「安心せい!そういったのはその道専門の人だけじゃ」
せんも、ん?…ぁ、ああー応援に来てくれてるんだ。
戦士達の士気にも関るから助かる。
「あ、隣町の?…なら、よし、なの、かなぁ?もやっとするなぁ」
だとしてもなぁ、女性として、うー、合理的に考えられても心が納得しねぇなぁ。
「・・・」
「ほれ!そんな話題にするから孫ちゃんが何も言わなくなってしまったではないか」
「始まりはお爺ちゃんじゃん!」
静かになって口を挟まなくなったのは私のせいじゃなくない?
「ぇ?、あ、私?ごめん、話の内容についていけなくて聞いてなかった」
あ、上の空だったんだ、視界に入ってないから気が付かなったや。
団長がちょいちょい話の軸がずれるのは、聞いていなかったっていう可能性もあるのか。
「どの辺りから?」
「重責だの、なんだのってところから、よくわからなかった」
「まぁ、大人として責任があるってことだよ」
難しい言葉を自然と排他しようとしてるのかも?
「あ~!そういうことか、子供を育てる覚悟があるってことか」
「んー…まぁそんな感じだよ」
たぶん、理解していないので、スルーしよう。
「子供一人くらい、養えれるよね?子育てを一緒に頑張るってことかなぁ?」
「んー…まぁそんな感じだよ」
「説明するのがめんどうになったじゃろ」
っぐ!あんな歴史をなんで私が一から説明しないといけないんだってーの!やだよ!
「いーじゃん、説明すると長くなるんだから!」
「説明されても興味が無いから別にいいよ?」
ほら!本人も興味がないんだから受け流すことだって大事なの!
「孫ちゃんは政治とは不向きすぎるの、御旗に掲げるには最適すぎるわい」
それに関しては前々から思ってたよ、この子が王に成ったら戦争が起きるってね。
「でしょ?傀儡政権の誕生だよ」
「ほんとじゃて、こっちの街に来なかったらと思うと、うむ、軽く想像してしもうたわい。ちょっと危険な予感を感じてしまったわい」
そもそもさー、王族って血筋を重んじる物じゃないの?
「王族の血筋ってのをばらまきすぎじゃない?」
「仕方なかろうて、元より、この国は多くの王が統治していた場所じゃ、姫ちゃんも王都がどの様にして生まれたのか、成り立ちくらい知っているじゃろ?」
あー、なんか、どっかで読んだ気もする、忘れちゃったよ。
「知らないよ、私、学校でてないんだって」
「ほ?…ああ、そうじゃったか、姫ちゃんの姿で貴族の学院なんぞいれられんわな」
「そうだよ、若い頃は白い髪を見ると落ち着かなくなる人が居たから、術式で髪の毛を金色に染めて誤魔化してたんだから、毎回染めるのめんどくさかったんだけど?思い出した!それのせいで貴族会に参加させられて凄く嫌だった」
「なんと、表に出せない秘蔵っ子を初手で貴族会に放り込んだのか?せめて学院に通わせてから貴族がどういう生き物かっというのを肌で学んでから行かせてやればよいというのに、姫ちゃんの親はなっとらんな」
ほんとにそう!!…ん?あれ?お爺ちゃんとお父様って面識があるもんだと思ってたんだけど?
「あったことないの?お爺ちゃんが?」
「わしじゃからこそじゃよ、親睦を深めていない貴族なんぞな、山ほどおるわい、立場を考えれば迂闊なことは出来はしないんじゃよ、引退後は、姫ちゃんに任された仕事の関係もあるでな、極力、貴族共と関わらんようにしていたわい」
「そっか、てっきり顔見知りだとおもってた」
「正直に言えばの、わしの若い頃からじゃよ。王都から離れた領主や貴族とは疎遠でな、何処かで名を聞いたことはあるやもしれぬ、顔を会せたことがあるやもしれぬ、だがな、全ての人を覚えておるわけじゃないんじゃよ、歳をとると忘れっぽいしの、女将のように特徴のある人物であれば忘れぬ自信があるんだがのぅ」
あの体格をした女性を忘れる方が難しいよ、あの人を引き合いにだすなよ。
お父様は商売人だから、お爺ちゃんと関りは無いのかもね…あれ?成り立ちは武家って言ってたような?…忘れちゃったや。
「そっか、まぁお父様にお会いしたところでお爺ちゃんには何も得なんてないよ?」
「わしは損得で人と会うたりせんわ、そう言う輩とは会う気もせん」
損得だけで仲を深めたいって思惑の貴族は山ほどいるだろうからね。
「・・・」
そしてだんまりを続ける団長、実家の話題になったから聞き側にまわったのかな?
「お爺ちゃんと姫様のお父さん、相性悪いって思ったでしょ?」
「・・・そんなことおもってないよ?」
音が平坦だなー、抑揚どこいったん?
「珍しい、人の心を読めたじゃん」
誤魔化し方が下手糞なのは置いといて、相手の気持ちを理解しようとするのは良い事。
「ふふん、これでも頑張って人の感情や気持ちを理解する様に頑張ってる」
うんうん、直ってないけどな?でも、努力するのは良い事、後は手が早いのを直してほしいかな!
「後は、直ぐに手が出るその短気癖を治してほしいかな」
「たんきじゃないよ?」
「「どの口が…」」
まさかの自覚なし!ってわけじゃなく誤魔化そうしてる!
つい二人揃って言葉が漏れちゃったよ。
「ぇ?ひどくない?私、直ぐに諦めたりしないよ?」
「・・・」
そっちの短期ね、短期目標を諦めずに頑張るっていいたのかな?
誤魔化しが下手糞だねー、いいよ。その狡賢さ、きっと私の影響だろうし受け止めてあげる。
んふーっと鼻から息を漏らしいるとッギっと小さな音が聞こえベッドが小さく揺れる。
「さて、すまんが眠くなってきたわい」
「歳だねー」
「枯木じゃからの、もうあの頃のように三日三晩動けるわけじゃないわい、病棟じゃからか?何ともまぁ、座り心地の良いベッドじゃったわい。座っていれば意識が吸い込まれて行きそうじゃったわ」
そりゃぁね、出来る限り良いモノを用意するために頑張ったんだから。
ゼロから開発してんだもんな、地球の知識でね!昔からある板の上に適当に布や綿、枯れ草を詰め込んだだけの布袋と一緒にしないでほしいかな?つってね。
お爺ちゃんとこもかなり上質のベッド使ってるから褒めるほどでもないだろうに
「一緒に寝ても良いんだよ?にしし」
「ほほ、孫ちゃんと三人、家族そろって寝るのも一興じゃが、それを良しとしない人がいるのでな、この病棟にはの。睨まれないうちに帰らせてもらうわい」
確かに…お母さんがいい顔をしないかな?
「ちゃんとNo2にも挨拶してる?」
「もちろんじゃよ、彼女はそう思っておらんかもしれんが、わしら一族全員、彼女を認めておるよ、彼女は献身的に王都が貴族を救ってくれた、いや、そうではないな、彼女は…あいつの妻じゃからな、あいつが認めたのであればわしらも認めるわい、いや、そうでないの、彼女の人柄をわしらは好いておる、何よりも姫ちゃんを支え、この我儘な姫ちゃんが好意を寄せとるだけで信頼に値するわい」
「ふーん、私我儘なんて言わないけどなー?」
「「どの口が!」」
二人揃って!…今代の私はかなり我儘三昧だったんだろうね。

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