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Cadenza 花車 ⑲
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「閃光さんは、肉体を強化する方法はどの程度まで?」
「どの程度?何か段階があるのでしょうか?今と昔とは違うのかもしれませんが、王都でも鍛錬は欠かさず行いました。ですので、ある程度、出来ます。比較対象が旦那しかおりませんので、旦那ほど卓越しているとは正直に申し上げますと達していません」
理解度は高そうだね。
ふむ、それなら
「自身が限界だと思っている動きってある?例えば剣を振り下ろす速度とか、足運びとか」
眉一つ動かさずに小さく頷き
「はい、己の力量を見極めくことが出来るからこそ武としての練武、日々の意味を成します」
流石は武家ってことかな、武に関する基本的なことに関しては何一つ、問題なさそうか、なら。
「んじゃ、まずは身体能力がどの程度向上しているのか実感するのが一番かもね」
「実感、ですか?」
現時点でも実感がわいていないのにっという意味を込めてなのか小さく首を傾げてくる
この人は見た目に反して、心の底から尊敬している人じゃないと完全に話を鵜呑みにしないタイプって感じかな?っま、貴族ってのはそういうもんだけどね。
っとなると、奥様的に最もベストな指導者は誰かってなると、ベテランさんだろうね。
効率を求めるならベテランさんに指導してもらうのが一番なタイプなんだけど、今は手が離せないだろうからね。
少し離れた場所にある鉄剣を指さし
「あれ、見える?」
頷いて真剣に話を聞いてくれるので言葉を続けていく
「ここから取りに行くとするじゃん?ここからあそこまでの距離、全力を出せばどの程度で剣を手に取って構えれる?」
眼球が一瞬だけ動いた?距離でも測ったのかな?
あれくらいの距離ならっと瞬時に見定めが終わったのか直ぐに此方に視線が戻ってくる。
「そうだね、想像して欲しい、戦場で武器が摩耗し敵を切れなくなった、でも、少し離れた場所にまだ摩耗していない剣が落ちている、闘うためには剣が必要、瞬時に手に取らないと貴女は死ぬっていう状況を想定してみてね」
目を閉じてイマジネーションを膨らませてる。
「改造術を受ける前だったら身体強化など持ちうるすべてを使って取りに行ったらどれくらいの速さでとってこれるのか、イメージは出来た?」
眼をゆっくりと開き
「もちろんです、あの距離であれば…そうですね、一般的な兵士が上段の構えへと剣を持ち上げ振り下ろしてから、さらには横薙ぎをする、それくらいの時間で手に取って臨戦態勢に入れると思います」
時間の尺度が独特だな、私じゃわかんないよそれ。
細かい部分は置いといて。
「うん、っじゃ、今持てる全ての力を…魔力を限界にまで高めて取って構えて見て、勿論、己の力をセーブしない、全力で!この次の動作やこの後に控えている何かを一切考えない、この一瞬だけに全てをかけるつもりで」
念押しすると神妙な顔で頷かれてしまった。
恐らく、私の言葉の意図が理解できていないんだろうね。
人ってのはね、自然とその次の事を考えてしまう。
特に慣れてくるとね、ペース配分ってのをね計算しちゃうんだよね、自然とね。
今から行う動作でどの程度、体力を消耗するのか考えてしまい、先までを理解する。
分かりやすく言えば、お昼ごろにちょっとした荷物運びをして、夜に何か予定が入ってるから荷物運びは全力を出さないで余力を持ってやろうってな感じで、後に控えているであろう予定に向けてスタミナを残そうとしちゃうからね。
今回はそれを完全に無くして欲しい、この瞬間に全力を出せないのなら死んでしまう。
それくらいで動いて欲しい。
っま、それを理解してもやってのけるってのは簡単じゃないんだけどね、歳を重ねれば重ねるほどに自然とリミッターが出来ちゃうからね。
女将みたいにさ、今のこの瞬間の為だけに全てを解き放つ、1秒先を考えないこの瞬間、全力を出す!そんな刹那的な動きが出来る人ってのはね、滅多にいないんだよね。
だからこそ、彼女は直ぐに現場に出ることが出来るんだよね、何年も現場に出ていなかったのにブランクを感じさせない動きが出来るってね。
「わかりました、命を失いかねない眼前に殺意が蔓延している、瀬戸際を深くイメージしろっということですね」
「っそ、余裕があれば手に取ってここまで戻ってきて、体が制御できそうも無かったらその場でとどまってもいいからね」
この言葉がスタート合図となったのか、それとも、イメージが出来たのか瞬時に目つきが鋭くなる。
この人は根っからの武人、切り替えが早い。
彼女の姿勢が一瞬だけ、ほんの僅かに沈んだ瞬間
私の眼球では追い付けない程の速さで彼女が視界から消える。
何処に向かうのかわかっていても、眼球が追い付けないっか、凄いなぁ…
鉄剣が落ちている場所の辺りから地面を蹴る音が聞こえた。
っであれば、彼女はここに戻ってくると思考が追いつく前に、彼女の動きを追いかけようと動かしている眼球の動きを止め、先ほど彼女が走り出す前の位置に戻らせようと眼球を止めた瞬間、視界に一瞬だけ映し出された彼女の残像のようなシルエットが見えた。
私じゃなかったら残像すら見えなかったかもね。
「っ!?と、ってきました、けど、ぇ?」
音が視界よりも先に耳に入ってくる、慌てふためくような驚いた声と地面を蹴った激しい音がね。
眼球が制止した彼女に漸く追い付くと、驚き視界を彷徨わせている女性が居た。
自身でも信じられないのか手に持った鉄剣を眺めたり、足を持ち上げて足裏を視たり、膝を曲げたりしている。
「どう?実感わいた?それが、強化された力だよ」
徐々に湧き上がってきて完全に実感がわかない燻ぶっている感情、感動という名の衝撃がこの一言で花開いたのか彼女の肌が一気に泡立つように鳥肌へと変化し
「っ!!」
手に持った剣を握り締め、綺麗な演武が開催される。
きっと、全部の型が披露されるんだろうね。
目の前で唐突に開催された演武は一言で言えば
速い、ただその一言に尽きる。
私の目じゃなかったら捉えきれないほどの速さで演武が繰り広げられていく。
鉄剣を瞬時に上段の構えをとり、光の一筋のような速さで振り下ろしていたり、中段の構えから繰り出された突きは見えたとしても読めたとしても避けることが出来ないほどに鋭く速い。
彼女の武が何を体現しているのか、己の持ち味は何かとよくわかっている洗練された動きに拍手を送りたくなってしまう。
それほどまでに彼女の武は洗練されている、全ての動きに無駄がない。
2週目に突入した彼女の演武を見て私自身も彼女の持ち味を深く理解する。
一連の動きを見て特に秀でているのが突きの動作。
突きが最も鋭く速い、突きを行ってから、その次の動作も申し分なしに鋭く隙が無い。
こんなにも鋭い突き、私の記憶の中でも誰も該当しない。
きっとベテランさんでもこれ程の鋭い突きは出せない。
彼女の評価が真であるのだと理解してしまう。
対人戦においては戦士長と肩を並べるっというのも頷けるかも、っていうか、お爺ちゃんでもたぶん、勝てないかもしれない、突きの一点だけを見ればね。あの人は邪法で勝とうとするから挑発などを駆使してね。
はーそれにしても凄い速さ、私じゃなかったら見極めれないほどの一連の流れるような速さが凄い。
突きに関しては並大抵の人だと彼女が構える動作をしたのだと気が付くころには喉元を突かれて絶命してるよね。
『ああ、俺でも彼女と闘えば一方的に切り刻まれる自信があるぞ』
私の目を通してみている愛する旦那の一言に深く頷いてしまう。
剣の道を何年も何年も歩んできた旦那の一言だもんね、重みが違うね。
鉄剣の先が空を切り終え、静かに終わりを告げるお辞儀をしてから、感極まったのか手を胸に当て空を見上げ始めた。
彼女としても何か思うところがあるのだろう、若き頃の青春が詰まった場所だもの感慨にふけるのは良い事だからね。
その背中や横顔からは、遠い遠い声の届かない場所に声を送り続けている少女のような切なさ伝わってくる。
過去から未来へと心の車が動き出している奥様から視線を外し、奥様の練武をしていたときからずっと気になっていた場所、少し離れた場所でずっと気になる音が此方迄聞こえてくる方へと視線を向けると、耳に肌に届くほどの音、大きな姿が大きな黒い鉄を振り回していた。
彼女たちの動きを見てみると、愛する旦那とは違いかなり大雑把っというか豪快、繊細さに欠けている。
つい、あの動きを見て本当に良かったのかと首を傾げてしまいそうになる。
いいの?型とかアレの動かし方とか一番の熟練者が説明しなくても?
『構わないさ、俺と彼女では全てが違う』
彼の言葉に心から納得してしまう、あの剣に関しては扱い人によって型は大きく変化する。
確かにね、体格も筋肉も違う、それだったら
『そう、彼女と共に良き師から学び長年鍛錬を積み続けてきた彼の方がトレーナーとしては適任だろう』
成程ね、必要なのはコーチではなくトレーナーっかぁ、うん、そっちの方が適切だね。
あの二人だからこそ、弟子同士だからこそ。
この場所で憧れの師匠を目指して何度も何度もお互いを高めあう様に切磋琢磨してきたんだもんね、彼らの間にある絆は彼らだけの物ってことだね。
愛する旦那が割って入るのもってことだね。
大きな剣が振り下ろされ、それをみたベテランさんがうんうんと腕を組みながら頷いているのを見ていると、近くで砂を擦る音が聞こえ
「姫様、発言の方よろしいでしょうか」
丁寧な物言いが向けられてくる、全てを悟ったかのような澄み渡る声、まるで何一つ穢れの無い湖のような何処までも染み込んでいくような綺麗な声。
その声によって届け終わったってところかな?でも、もういいの?月の裏側への報告は全部終わったの?ここからはそんな余裕っていうか、暇は無くなるよ?
「どの程度?何か段階があるのでしょうか?今と昔とは違うのかもしれませんが、王都でも鍛錬は欠かさず行いました。ですので、ある程度、出来ます。比較対象が旦那しかおりませんので、旦那ほど卓越しているとは正直に申し上げますと達していません」
理解度は高そうだね。
ふむ、それなら
「自身が限界だと思っている動きってある?例えば剣を振り下ろす速度とか、足運びとか」
眉一つ動かさずに小さく頷き
「はい、己の力量を見極めくことが出来るからこそ武としての練武、日々の意味を成します」
流石は武家ってことかな、武に関する基本的なことに関しては何一つ、問題なさそうか、なら。
「んじゃ、まずは身体能力がどの程度向上しているのか実感するのが一番かもね」
「実感、ですか?」
現時点でも実感がわいていないのにっという意味を込めてなのか小さく首を傾げてくる
この人は見た目に反して、心の底から尊敬している人じゃないと完全に話を鵜呑みにしないタイプって感じかな?っま、貴族ってのはそういうもんだけどね。
っとなると、奥様的に最もベストな指導者は誰かってなると、ベテランさんだろうね。
効率を求めるならベテランさんに指導してもらうのが一番なタイプなんだけど、今は手が離せないだろうからね。
少し離れた場所にある鉄剣を指さし
「あれ、見える?」
頷いて真剣に話を聞いてくれるので言葉を続けていく
「ここから取りに行くとするじゃん?ここからあそこまでの距離、全力を出せばどの程度で剣を手に取って構えれる?」
眼球が一瞬だけ動いた?距離でも測ったのかな?
あれくらいの距離ならっと瞬時に見定めが終わったのか直ぐに此方に視線が戻ってくる。
「そうだね、想像して欲しい、戦場で武器が摩耗し敵を切れなくなった、でも、少し離れた場所にまだ摩耗していない剣が落ちている、闘うためには剣が必要、瞬時に手に取らないと貴女は死ぬっていう状況を想定してみてね」
目を閉じてイマジネーションを膨らませてる。
「改造術を受ける前だったら身体強化など持ちうるすべてを使って取りに行ったらどれくらいの速さでとってこれるのか、イメージは出来た?」
眼をゆっくりと開き
「もちろんです、あの距離であれば…そうですね、一般的な兵士が上段の構えへと剣を持ち上げ振り下ろしてから、さらには横薙ぎをする、それくらいの時間で手に取って臨戦態勢に入れると思います」
時間の尺度が独特だな、私じゃわかんないよそれ。
細かい部分は置いといて。
「うん、っじゃ、今持てる全ての力を…魔力を限界にまで高めて取って構えて見て、勿論、己の力をセーブしない、全力で!この次の動作やこの後に控えている何かを一切考えない、この一瞬だけに全てをかけるつもりで」
念押しすると神妙な顔で頷かれてしまった。
恐らく、私の言葉の意図が理解できていないんだろうね。
人ってのはね、自然とその次の事を考えてしまう。
特に慣れてくるとね、ペース配分ってのをね計算しちゃうんだよね、自然とね。
今から行う動作でどの程度、体力を消耗するのか考えてしまい、先までを理解する。
分かりやすく言えば、お昼ごろにちょっとした荷物運びをして、夜に何か予定が入ってるから荷物運びは全力を出さないで余力を持ってやろうってな感じで、後に控えているであろう予定に向けてスタミナを残そうとしちゃうからね。
今回はそれを完全に無くして欲しい、この瞬間に全力を出せないのなら死んでしまう。
それくらいで動いて欲しい。
っま、それを理解してもやってのけるってのは簡単じゃないんだけどね、歳を重ねれば重ねるほどに自然とリミッターが出来ちゃうからね。
女将みたいにさ、今のこの瞬間の為だけに全てを解き放つ、1秒先を考えないこの瞬間、全力を出す!そんな刹那的な動きが出来る人ってのはね、滅多にいないんだよね。
だからこそ、彼女は直ぐに現場に出ることが出来るんだよね、何年も現場に出ていなかったのにブランクを感じさせない動きが出来るってね。
「わかりました、命を失いかねない眼前に殺意が蔓延している、瀬戸際を深くイメージしろっということですね」
「っそ、余裕があれば手に取ってここまで戻ってきて、体が制御できそうも無かったらその場でとどまってもいいからね」
この言葉がスタート合図となったのか、それとも、イメージが出来たのか瞬時に目つきが鋭くなる。
この人は根っからの武人、切り替えが早い。
彼女の姿勢が一瞬だけ、ほんの僅かに沈んだ瞬間
私の眼球では追い付けない程の速さで彼女が視界から消える。
何処に向かうのかわかっていても、眼球が追い付けないっか、凄いなぁ…
鉄剣が落ちている場所の辺りから地面を蹴る音が聞こえた。
っであれば、彼女はここに戻ってくると思考が追いつく前に、彼女の動きを追いかけようと動かしている眼球の動きを止め、先ほど彼女が走り出す前の位置に戻らせようと眼球を止めた瞬間、視界に一瞬だけ映し出された彼女の残像のようなシルエットが見えた。
私じゃなかったら残像すら見えなかったかもね。
「っ!?と、ってきました、けど、ぇ?」
音が視界よりも先に耳に入ってくる、慌てふためくような驚いた声と地面を蹴った激しい音がね。
眼球が制止した彼女に漸く追い付くと、驚き視界を彷徨わせている女性が居た。
自身でも信じられないのか手に持った鉄剣を眺めたり、足を持ち上げて足裏を視たり、膝を曲げたりしている。
「どう?実感わいた?それが、強化された力だよ」
徐々に湧き上がってきて完全に実感がわかない燻ぶっている感情、感動という名の衝撃がこの一言で花開いたのか彼女の肌が一気に泡立つように鳥肌へと変化し
「っ!!」
手に持った剣を握り締め、綺麗な演武が開催される。
きっと、全部の型が披露されるんだろうね。
目の前で唐突に開催された演武は一言で言えば
速い、ただその一言に尽きる。
私の目じゃなかったら捉えきれないほどの速さで演武が繰り広げられていく。
鉄剣を瞬時に上段の構えをとり、光の一筋のような速さで振り下ろしていたり、中段の構えから繰り出された突きは見えたとしても読めたとしても避けることが出来ないほどに鋭く速い。
彼女の武が何を体現しているのか、己の持ち味は何かとよくわかっている洗練された動きに拍手を送りたくなってしまう。
それほどまでに彼女の武は洗練されている、全ての動きに無駄がない。
2週目に突入した彼女の演武を見て私自身も彼女の持ち味を深く理解する。
一連の動きを見て特に秀でているのが突きの動作。
突きが最も鋭く速い、突きを行ってから、その次の動作も申し分なしに鋭く隙が無い。
こんなにも鋭い突き、私の記憶の中でも誰も該当しない。
きっとベテランさんでもこれ程の鋭い突きは出せない。
彼女の評価が真であるのだと理解してしまう。
対人戦においては戦士長と肩を並べるっというのも頷けるかも、っていうか、お爺ちゃんでもたぶん、勝てないかもしれない、突きの一点だけを見ればね。あの人は邪法で勝とうとするから挑発などを駆使してね。
はーそれにしても凄い速さ、私じゃなかったら見極めれないほどの一連の流れるような速さが凄い。
突きに関しては並大抵の人だと彼女が構える動作をしたのだと気が付くころには喉元を突かれて絶命してるよね。
『ああ、俺でも彼女と闘えば一方的に切り刻まれる自信があるぞ』
私の目を通してみている愛する旦那の一言に深く頷いてしまう。
剣の道を何年も何年も歩んできた旦那の一言だもんね、重みが違うね。
鉄剣の先が空を切り終え、静かに終わりを告げるお辞儀をしてから、感極まったのか手を胸に当て空を見上げ始めた。
彼女としても何か思うところがあるのだろう、若き頃の青春が詰まった場所だもの感慨にふけるのは良い事だからね。
その背中や横顔からは、遠い遠い声の届かない場所に声を送り続けている少女のような切なさ伝わってくる。
過去から未来へと心の車が動き出している奥様から視線を外し、奥様の練武をしていたときからずっと気になっていた場所、少し離れた場所でずっと気になる音が此方迄聞こえてくる方へと視線を向けると、耳に肌に届くほどの音、大きな姿が大きな黒い鉄を振り回していた。
彼女たちの動きを見てみると、愛する旦那とは違いかなり大雑把っというか豪快、繊細さに欠けている。
つい、あの動きを見て本当に良かったのかと首を傾げてしまいそうになる。
いいの?型とかアレの動かし方とか一番の熟練者が説明しなくても?
『構わないさ、俺と彼女では全てが違う』
彼の言葉に心から納得してしまう、あの剣に関しては扱い人によって型は大きく変化する。
確かにね、体格も筋肉も違う、それだったら
『そう、彼女と共に良き師から学び長年鍛錬を積み続けてきた彼の方がトレーナーとしては適任だろう』
成程ね、必要なのはコーチではなくトレーナーっかぁ、うん、そっちの方が適切だね。
あの二人だからこそ、弟子同士だからこそ。
この場所で憧れの師匠を目指して何度も何度もお互いを高めあう様に切磋琢磨してきたんだもんね、彼らの間にある絆は彼らだけの物ってことだね。
愛する旦那が割って入るのもってことだね。
大きな剣が振り下ろされ、それをみたベテランさんがうんうんと腕を組みながら頷いているのを見ていると、近くで砂を擦る音が聞こえ
「姫様、発言の方よろしいでしょうか」
丁寧な物言いが向けられてくる、全てを悟ったかのような澄み渡る声、まるで何一つ穢れの無い湖のような何処までも染み込んでいくような綺麗な声。
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