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Cadenza 私の、私達の…皆の歩んできた道 2

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チクリと胸が痛く、呼吸が狭くなる。
…思い出した。私、勝手に失恋した、想いも何もかも全部、伝えてない、伝えきれていないのに

気が付くと地面を蹴っていた
気が付くと階段を一気に飛び降りていた
何段も何段も一気に飛び降りた
着地と同時に地面を蹴った
廊下を走り抜けた
怒られる声が聞こえてきた気がしたけれど
音が私に追い付くことなんて無い

ドアから弾け出るように外に出る
空を見上げる

どうしてかわからない
でも
わかった
教えてくれた

月が 道を 示してくれる

彼が居る

地面を蹴る
敵を踏みつけるよりも、もっと、もっと力強く
そこに
憎しみは無い
そこに
悲しみは無い
そこに

希望は無い

でも

熱き血潮は滾ってる
胸に愛を宿して

走り抜ける

彼との細やかな
些細な
彼にとっては
何一つ特別でもない時間
何一つ特別ではない瞬間
それが通り過ぎていく

彼にはそうであっても
私には特別だった

彼との特別な瞬間が視界を駆け抜けていく

苦しくても楽しかった
悲しくても楽しかった
下ばかり向いていても楽しかった
前を向けるようになった

でも
遅かった

ううん
遅い何てない!だよね…お姉ちゃん。

私は
勇気をもらった
お姉ちゃんの記憶から
勇気をもらった

私は
勇気ある人

そう
願って名前を貰った

その名に恥じない私に成る



─ 一つの風が駆けだしていった病室
「ふふ、予想通り…あの人は駆け出していきましたよ姫様」
貴女の一言でこうなるのではないかって、思っちゃいました。
正直に言えば、不安です。

あの人は、女性ではなく男性に心惹かれる。
私と違って…あの人は心に惹かれる。

私の…この恋は、この愛は

紛い物
歪な…

私と違ってあの人は純粋な想いで駆け出した。

手を伸ばしてみても、風はもう通り過ぎている。風を掴むことは出来ない。
私は、華、風が触れることは出来ても、私は触れることが出来ない。
「紛い物だってわかってます。姫様はそれも見抜いていましたね」
それでも、私が彼に近づくのを止めなかった。
絶対的な自信があったからでしょうか?
彼女の中に眠る男性が目覚め、私に触れるとは思わなかったのでしょうか?

私には一生理解の出来ない部分です
だって、私はそう…

滲む視界の中で、大切な人の寝顔に水滴が落ちてしまっている。
「あれ?姫様、頬が濡れています、お拭きしますね」
ポケットからハンカチを取り出すと
「いけない、シーツまで水滴が」
シーツにも水滴が落ち、黒い点が生まれてしまう。私と同じ真っ黒な点が
これ以上、清浄なる場を穢すわけにもいかない
取り出したハンカチを広げ顔を覆い隠す
「姫様・・・わたし、つよくないですぅ」
この先の事が…

あたまから はなれない

静かな寝息だけが聞こえていた部屋に新しく悲しい音色が増えてしまった。


─ 静かにされど足音がやまない騎士部隊が多くいる待機場その片隅にいる彼らを取り仕切る人物
音に敏感な彼の耳に知らせが入り、音の方へと視線を向けてしまう。
「?」
何処か遠く、いや、近くで誰かが走っている、そんな音が聞こえた気がしますね。
いえ、気のせいではない、音が徐々に此方へと近づいてきていますね。
ここに用事がある人?であれば、師匠でしょうか?でも、師匠にしては音が軽いですね。
「どうした?視線を彷徨わせて」
「いえ、少々…」
打ち合わせをしていた相手に眉を顰められてしまう。
打ち合わせに集中するべきなのでしょうが、困ったことにこの体にはまだまだ慣れていない。
気になった瞬間、耳が突如、音を拾い始め音を自然と意識し追跡してしまう。

僅かに意識するだけで魔力によって身体が強化されてしまう
魔力が無限に流し込まれているせいでしょう

意識するだけで身体強化の術が発動してしまう。
自然と力を込めてしまっては…砕けてしまうでしょうね。
この様な体となってしまっては、もう、楽器に触れることは出来ないですね。
最後に楽器に触れて奏でてみるのも、一興かなっと、思っていたりもしましたが、やめておきましょう。
意識を逸らすことが出来ない不思議な音、それなら、いっその事、深く意識してみようと、集中する。

近づいてくる、軽やかな音…聞き覚えがある…
そう、音…この軽やかな音・・・

音とリズム
懐かしい音楽に頭中が真っ白に染まり浮かび上がってくる一人の楽譜

僕は、この音楽を、楽譜を知っている。
共に切磋琢磨したのですから、僅かな日々でしたけれど。

彼女だ

この街の人達は寮暮らし、個室何て新兵に用意されなかった。
街に案内されて彼とは一緒の部屋になった、挨拶をした時から何処か他の人とは違う、不思議な雰囲気を纏った人。
何故か、一目見て彼であれば同室でもいいと思ってしまった不思議な人。

僕の良き隣人であり、良き友であり…よき…
何故か、心が痛い。

何故かって?わかっているくせに。僕は、そういう部分が弱い。
向き合わないと、彼と…いいえ、彼女と。

愛する妻と、僕を導き見守ってくれた姫様に背中を押されたような気がした。
「そう、ですね。貴女の気持ちは…気が付いていました」
「あー?俺の気持ちだぁ?」
目の前にいる騎士が気持ち悪そうな顔をしている
「貴方の事じゃないですよ、暫しの間、席を外します。準備を進めておいてください」
目の前にいる屈強な男に書類を押し付けてから、踵を返す。
向く方向は決まっている。懐かしい音楽を奏でる人物へと僕の音楽も重ねていく。

彼女もまたダンスの相手に合わせるように音を重ね移動する僕へと合わせてくれる。
二人の音を重ね、二人のリズムが揃う時


僕たちは出会う


二つの音が重なり目の前にいる人物。
とても女性らしく…初めて会ったときは違ういで立ちの彼女
「団長、何か急な用事でしょうか?」
何時ものように笑顔で彼女を出迎える。
二つの音が重なった場所、ここの周りには何もない。
姫様が慰安の為にご用意してくれた庭園…公園っというのでしたっけ?
その端の端…近くにハンモックなどが用意されていて色んな人がここで休息を取られている憩いの場、ああ、そういえば良く彼女はここで昼寝をしていましたね。

彼女のお気に入りの場所であれば、彼女の想いを受け取るにはお誂えっということですか?
何かに導かれる様な、そんな不思議な感じがする。
真っすぐに此方を見ている彼女…小さく唇が震えている、胸の前に重ねた指も小さく震えている。

そんな彼女に圧をかけてはいけない。
そっと、視線を空へと向け、僕達を照らす清浄なる月の導きへと…

彼女が思いのたけを僕に投げかけてくるのを待つ。
息をひそめ、己を律し、己を殺す様に待つのは得意ですから。

待っている間も、僕の中を音が通り過ぎていく。

風の音…
少し遠くには人々の声…
月の輝きが全てを束ねるコンサートのように僕達を包み込んでくれている。

情緒あふれる風情豊かな世界
僕は、この世界を歩みたいと願った

若き頃、僕はこの世界を歩みたいと思えれなかった

色褪せて、輝きを失い、音さえも失おうとしていた
僕の周りにある音全てが怖かった…

そんな僕を見かねて、誰かが僕をこの街の支配者へと繋げてくれた
そのおかげで、僕は僕の名前を捨てることができた、新たな名前と共にこの街へと流れつかせてもらった。

この街に来て僕は変わった。

変わることが出来た。
…でも、それでも、僕は何かをしたいと思わなかった

この街に来て前へ、明日を見るっということは理解できるようになった。
僕とは違う悩みを抱えている人達が多くいる事も知った。
目の前で唇を噛んだり、視線を彷徨わせ指遊びをしている彼女もまた、僕に良き影響を与えてくれた人。
彼女には敬意を示し続ける。
僕はそう決めている、彼女を通して僕をこの街に誘ってくれた支配者…姫様に恩を返す為に。

けれど
彼女の想いを受け止めるかどうかは別です。

親しき友人としてであれば、彼女の隣に立ちましょう
命を賭して、大切なものを守るために闘うのであれば隣に立ちましょう。
この街を、世界を、救う為に肩を並べましょう。

ですが
生涯のパートナーとして彼女の隣には…
僕は立つことが出来ない、僕の隣で音楽を奏でて欲しい相手はただ一人だけ。

いいえ、違います。
僕は、彼の者たちと違い、多くを束ねることが出来ない。
指揮者に向いていないんです。

僕は…多くを束ねる指揮者には向いていない。

全ての意思を束ね、全てを統率する…
全員の意思が真っすぐに目的に向かっているのであれば、指揮はとりましょう、でも、全員が違う方向へと向いているのを向かせるっと言うのは…

僕には出来ない。
僕は、誰かの人生を奏で支えれるのは一人が限界です。
多くを支え、多くを導き、多くの音を重ねる事なんて僕には出来そうもない。

そう、だから僕が、支え共に合唱することが出来るのは一人だけ、その一人は僕の中にいる。
それは、目の前にいる頬を赤く染め潤んだ瞳から今にも一つの輝きが零れ落ちそうになっている、彼女ではない。

だとしたら、こんな時間なんて直ぐにでも終わらせるべきなのだろうけれど、僕と彼女、長く共にこの街で戦抜いてきた間柄、そんな薄情なことなんて出来ません。
だから、彼女を見つめ、待ち続ける。
彼女が前へ進む為に。

ただ、不思議と、どうしてだろうか?
彼女を見ていると幼き頃、忘れようとしていた一小節を思い出してしまう。

思い出した記憶、湧いて来てしまった一小節。
これは、幼き頃に、教会で耳にした恋の話をしているシスター達。
あれでしょうか?今のこの瞬間がシスター達が色めき沸き立つ話の内容そのものそうだから、つい思い出してしまったのでしょうか?

そう、幼き頃、僕は気晴らしにと連れて行ってもらっていた場所がある。
そこは、王都にあるただひとつの大きな教会。
そこには、僕よりも少し年上の人達がいて、僕は近くに居たからつい聞こえてしまっていたんです。
彼らがシスターに相談していた恋のご相談を…

そう、僕はそれを聞きながら、教会に置かれている楽器の手入れをしていた
楽器の掃除をすると、その楽器を演奏してもいいから、僕は楽器の手入ればっかりしていた。

そう…そういえば、彼は元気にしているのでしょうか?
僕が掃除をするとき、いつも近くにいた男の子…

彼も、音楽が好きだったのか、楽器が物珍しかったのか
ずっと、僕の近くにいた僕よりも背丈の小さな男の子…

彼も、ま、た、めの、まえにいる…くろ、かみで・・・

嗚呼、数奇な運命、いや、そういうものなのかもしれないですね。
王都は狭い、大きな教会なんて一つしかない。
この街で、王都で、黒髪なんて珍しい…

彼女は…彼と、僕は、はるか昔に出会っていたんですね。

ふふ、幼き頃の貴女は、掃除を手伝いながらも、シスター達の恋のご相談に耳を傾けていらっしゃいましたね。
そうじゃないですか、何も、変わらない。
貴女は今もこの時も、ずっと、恋に焦がれていたのですね。

僕たちがもっと前から、お互いの事をもっと深く知っていれば
もしかしたら、僕は生きる意味を貴女に見出して縋っていたかもしれない。

でも、貴女はそんな僕を求めはしない。
勇ましく騎士として在ろうとしている僕を求めている彼女であれば

弱く脆い逃げる事ばかり考えていた僕何て見向きもしなかったでしょう。

理想は理想のままに、幻想は幻想のままで
彼女の中にある僕は勇ましく勇敢な騎士であってほしい。
姫様と愛する妻だけが知っている弱く脆い、幼き頃の僕を、記憶の中に留めて欲しくない。


だから
彼女の震わせる唇が開かれビブラートがきかせられた音楽に僕は指揮棒を振ることはない。


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