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最終話 魂底の願い 1
天高く太陽に届く勢いで燃え上がった大きな火の柱
地上を浄化せんと燃え上がった火の柱
燃え上がる火の柱、その周りには今まで見ることが出来なかった…精霊の姿を見ることが出来た、神聖な光景につい、彼の者の魂をどうか共に天へと誘ってくれるのを願ってしまった。
「今までずっと、傍にいてくれたんだね。力を貸してくれてありがとう」
術式が得意だったのはきっと、彼らのおかげ、始祖様の術式は、全てと言っても過言ではなく精霊の力を借りていたと思われる。
才無き私には精霊というものが見えなかったから、それがどういう意味なのか理解できなかった。
でも、今この瞬間だけは私は、私は…私達は始祖様の寵愛の加護を授けて頂いていたからこそ術式が人よりも秀でていたのだと理解しました…感謝します始祖様。
炎が天へと昇っていき、火の柱が消え、火の柱を囲む精霊達もまた天へと還っていく。
その姿を見送り終える…下ろしたくない視線を下ろすと「…」金色の鎧が真っ暗に染まりメッキも燃え尽きてしまっているのか輝きを失っていた。
私の代わりに…私なんかを守るために、ううん、自惚れだよね、世界を守るために、敵の攻撃を受けてくれた勇敢な人類の勇者である彼の兜を外すと、満足そうな顔で眠っていた。
「どうか、彼の魂が月の裏側へと辿り着けますように」
祈りを込め、この世からの別れとして聖女が彼にできるささやかな祈りを込め彼の唇へと私の唇をつけ、彼の魂を始祖様が待つであろう聖戦の場へと導いてくれるようにと願った。
彼の兜をそっと地面に置き立ち上がる
もう二度と立ち上がらない彼の代わりに私が勇者として前へ進む為に
「薄情だと罵ってもらっても大丈夫、私は進む」
彼を守るためについて来た騎士達に告げると
「そんなの、誰も思いません。ですが」
悲しそうな声と共に近づいてくる。
王を守るために使わされた近衛騎士3名、王の近くで膝を下ろし彼の姿を目に焼き付けるように…彼を見下ろしている。
彼らとはここでお別れだね。
「私もそうだよ、何も言わない、それが貴方達の成すべきこと、どうか、王を…彼の眠るべき場へと連れて行ってあげてください」
彼らの意思を汲み取り彼らの望む指示を置いていく。
この先へは私と団長の二人だけで行く。
「はい…!俺達には聞こえる、王が我なんて放っておけっと、その言葉を仰ると思います!ですが!我々は、いえ、俺は、彼をこの様な場に捨て置くことが出来ません!そのお心、痛み入ります!」「それは俺も同じだ!」「一人で背負うな!俺とて、王を慕っていた」
すすり泣く音に私が出来ることは一つ
「僅かですが、認識阻害の術式を施します、それが消えぬ前にこの場から離れ、街へ帰還してください」
三人の騎士に認識阻害の術式を施すと徐々に彼らの姿が見えにくくなってくる。
「慈悲に感謝を!」
まだ薄っすらと見える彼らが一度だけお辞儀をした後、王を担ぎ静かに気配を消しながら…私達から離れて行く
残るは私と団長だけ
他の皆がそろうまで待つなんて無意味
だって…あいつの魔道具を壊したって言うのに誰も近づいてくる気配がない
団長のお父さんが向かった先…彼があの獣を抑え込んでくれるのを祈り、私達は前へ進む。
「さぁ、行こう団長」
「二人…だけだよ?」
うん。そうだよ。
団長なら気が付いてるよね、もう、私の旦那様の心を感じないっということを…
不安そうにしているのか視線を向けるといつも通りの顔、不安ではなく確認したってことか。
だったら、何も問題なんて無い。
「この先に敵がいたとしても、今の私達ならどんな敵が来ても勝てる、でしょ?」
「うん、託された技は全部、覚えたつもりだよ、魔力の使い方も…何もかも、受け取った」
不安そうにしていないけれど、別れが悲しいのか、大粒の涙を流し胸に手を当てている。
愛する旦那と別れてしまったのに何故か涙が零れようとはしなかった。
「想定外な出来事ばっかり」
「うん、でもこれが…生きる為の戦いってことだよね」
思いがけない言葉に驚いてしまう、その一言で二人だとしても心配がないと心から感じられる。
妹も大きく成長した、今の彼女は私が引っ張っていくような弱い存在じゃない、肩を並べて歩く戦友だ。
後ろを付いてくる…私が引っ張っていくような存在じゃない。
車椅子を念動力で動かし念動力で運ぼうとすると
「押していくよ?座ってなよ」
団長の提案に、その方が魔力も節約できるかっと、納得し車椅子に座り背もたれに体重を預け
ると「乗り心地は最悪だけど我慢してね?」彼女らしからぬ助言に微笑んでしまう。
「しゃーなし!いつかこの先にも道を作って歩きやすくしてやるんだから」
森林を切り裂いて!大地をコンクリで固めてやるーっと文句を言ってると車椅子がゆっくりと終わりへと進みだす。
私達の終わりが一歩一歩近づいて行ったとしても、私達は変わらない。
何時だって仲良しで、友達で…血は繋がっていなくても、心は姉妹。
仲良し姉妹、彼女達が望んだ平和な大地を彷彿とさせるようにピクニックへと向かう…
彼女達にとってここはもう緊張が必要な場所ではない
緊張感のない会話をしながら仲良し姉妹は進んでいく、だけどそれを許してくれるような心優しい大地ではない、私達の楽しいピクニックをあいつらが許すわけがない。
この森には多くの何かが潜んでいるのだろうなぁってのはさ、私の時代から予想していたけれどね…この状況は予想外かも?ってかさ、この場所ってさまさかの?劣化品か、失敗作の捨て場だったりするの、ここ?だとしたら近寄らせたくないのも頷けるかな。
一つの粗悪な影が木陰から姿を現しのたのたとふらつくように近づいてくる。
何処が粗悪だって?見た目が既に良くない、顔がひんまがってるし、片目潰れてるし、片腕ないし、何なら、もう片方の指先なんて3本しかないよ?親指と人差し指と中指しかなくない?…三本なのに中指とはこれ如何に?
取り合えず潰しておくかと、術式を頭の中に構築していくと
「迎撃担当はもちろん私だよね?」「どっちでも、あの程度の敵、もう怖くないから」
珍しく好戦的な団長からのお言葉、私としてはどっちでもいいからね、あんなの…もう怖くない何も恐怖を感じない、寧ろ…哀れとしか思えれない。
お互い、部屋の中で見つけたくない黒い虫を見たかのように嫌悪感を示していると
異形な人型が森の奥からひとつ、またひとつと、のたのたと、草木を足裏ですり潰すようにして姿を現していくる。
めんどくさいからさくっと燃やしてやろうかと悩んでしまう程に、粗悪な出来たちに溜息を零してしまう。
出来の悪い粗悪な異形な人型は人型としての機能をしっかりと有しているのか、人を見たら殺意を込め襲い掛かるようにプログラムでもされているのか、私達を見るやいなや「Shyaaaaaaa!!」「CyaaaaLaaaaaaa」よくわからない音で叫び始め、その声に近く潜んでいた粗悪な人型が共鳴する様に声を荒げていく。
どうやら、人語すらも発生できない劣悪品でのお出迎えって感じ?
そんなので私達を止めれるとおもってるの?敵もまた倒された後の事を考えていなかったってことだろうね。驕り高ぶりやがって、そういうのが許されるのは人だけの専売特許だからね?
獣風情が…反吐が出る。
木々の隙間から腕を上げて普通の人型よりも遅い動きで粗悪な人型が雑草を踏みしめながらゆっくりと近づいてくる。
余りにもチープで粗悪な動きに呆れる、この呆れは敵に対してではない、自分に対して。
この様な敵を脅威だと感じていた自分に未知とは想像する余地があり恐怖は心を膨らませ締め付けるのだと、今となってはどうでもいい学びを得てしまったことに呆れてしまう。
この様な粗末なゴミなんて見たくないと術式の構築を済ませ
「よいしょっと」
指を前に出すよりも速く団長が槍を投擲すると、人型の上半身…腰から上が粉々に消し飛んだ。
ほえー…威力すっご…ただ投げただけなのに…
無限の魔力と繋がった始祖様の槍がもしかしなくても実は最強だった?
「戻っておいで」
投げ飛ばした槍を手招きすると一瞬で団長の手の中へと帰ってくる槍を見て何故か親近感が湧き上がってくるのと同時に明確な意志…凄みを感じてしまう。
「それって、メイドちゃんのやつだっけ?」
「うん、彼女の願いが詰まってる槍、妖精の槍はこいつらにはあんまり有効的じゃない気がして」
メイドちゃんの願いが詰まってる、の?それにしては…何でだろう?
その槍から凄く、強い。うん、獣に対してかな?殺意をもの凄く感じたような気がしたんだけど?
メイドちゃんって獣にさー恨みなんて、あるの…
彼女は獣との接点が殆ど無い筈なのにっという言葉と同時に祖国を滅ぼされたよっというツッコミが沸き上がり納得する。
あるよね、踏み入れたことはなくとも彼女にとっては帰るべき場所、幼い時から洗脳される様に心に染み込まされ続けてきた幻想…もとい、大切なまだみぬ故郷を人型に滅ぼされてんだから。
殺意溢れるのも致し方なし。
「っさ、私達には時間がないんだから、雑魚なんてどうでもいいよね、ちゃちゃっと滅ぼすよ」
「うん、私達にとっては雑魚かもしれないけれど、街の人達からすれば脅威だもんね」
非戦闘員からすればこんな粗悪な人型でも脅威っちゃー脅威だよね。
ごもっとも、見逃す気が更になくなったと、小さく頷き、ゴミを滅却するための術式を頭の中に思い浮かべるとコンサートホールにいるかのように頭の中で音が反響する。
【呼んで私達を】
彼女たちの願いを受け止めると懐かしい譜面が広げられていく…
そう、泥たちと共に消えて行ってしまった譜面が広げられていく…
おかえり…
敬愛する先達者達におじぎをすると
【貴女の術式、お気づきかもしれませんが老婆心として受け止めてください。精霊様は大変お疲れです。ここから先はこの大地に植え付けられた呪い…いいえ、祝福をもって粛清を】
そっか、私には感じられないけれど、先達者であらせられる歴々のお方が仰るのでしたらそれが望ましいのですね。
お心遣い痛み入ります、歴々の方々に比べれば私なんてまだまだ至らぬ若輩者です、お力をお貸しいただけるというお望みであらせられるのでしたら…
【ええ、存分にぶっ壊してあげてくださいまし】
お互い悪い笑みを浮かべるとこれは如何かしら?っと譜面が開かれる。
きひひ!そうと決まれば!
ひと暴れしちゃいますか!
無限の魔力がある私に敵なんていないってーの!!
地上を浄化せんと燃え上がった火の柱
燃え上がる火の柱、その周りには今まで見ることが出来なかった…精霊の姿を見ることが出来た、神聖な光景につい、彼の者の魂をどうか共に天へと誘ってくれるのを願ってしまった。
「今までずっと、傍にいてくれたんだね。力を貸してくれてありがとう」
術式が得意だったのはきっと、彼らのおかげ、始祖様の術式は、全てと言っても過言ではなく精霊の力を借りていたと思われる。
才無き私には精霊というものが見えなかったから、それがどういう意味なのか理解できなかった。
でも、今この瞬間だけは私は、私は…私達は始祖様の寵愛の加護を授けて頂いていたからこそ術式が人よりも秀でていたのだと理解しました…感謝します始祖様。
炎が天へと昇っていき、火の柱が消え、火の柱を囲む精霊達もまた天へと還っていく。
その姿を見送り終える…下ろしたくない視線を下ろすと「…」金色の鎧が真っ暗に染まりメッキも燃え尽きてしまっているのか輝きを失っていた。
私の代わりに…私なんかを守るために、ううん、自惚れだよね、世界を守るために、敵の攻撃を受けてくれた勇敢な人類の勇者である彼の兜を外すと、満足そうな顔で眠っていた。
「どうか、彼の魂が月の裏側へと辿り着けますように」
祈りを込め、この世からの別れとして聖女が彼にできるささやかな祈りを込め彼の唇へと私の唇をつけ、彼の魂を始祖様が待つであろう聖戦の場へと導いてくれるようにと願った。
彼の兜をそっと地面に置き立ち上がる
もう二度と立ち上がらない彼の代わりに私が勇者として前へ進む為に
「薄情だと罵ってもらっても大丈夫、私は進む」
彼を守るためについて来た騎士達に告げると
「そんなの、誰も思いません。ですが」
悲しそうな声と共に近づいてくる。
王を守るために使わされた近衛騎士3名、王の近くで膝を下ろし彼の姿を目に焼き付けるように…彼を見下ろしている。
彼らとはここでお別れだね。
「私もそうだよ、何も言わない、それが貴方達の成すべきこと、どうか、王を…彼の眠るべき場へと連れて行ってあげてください」
彼らの意思を汲み取り彼らの望む指示を置いていく。
この先へは私と団長の二人だけで行く。
「はい…!俺達には聞こえる、王が我なんて放っておけっと、その言葉を仰ると思います!ですが!我々は、いえ、俺は、彼をこの様な場に捨て置くことが出来ません!そのお心、痛み入ります!」「それは俺も同じだ!」「一人で背負うな!俺とて、王を慕っていた」
すすり泣く音に私が出来ることは一つ
「僅かですが、認識阻害の術式を施します、それが消えぬ前にこの場から離れ、街へ帰還してください」
三人の騎士に認識阻害の術式を施すと徐々に彼らの姿が見えにくくなってくる。
「慈悲に感謝を!」
まだ薄っすらと見える彼らが一度だけお辞儀をした後、王を担ぎ静かに気配を消しながら…私達から離れて行く
残るは私と団長だけ
他の皆がそろうまで待つなんて無意味
だって…あいつの魔道具を壊したって言うのに誰も近づいてくる気配がない
団長のお父さんが向かった先…彼があの獣を抑え込んでくれるのを祈り、私達は前へ進む。
「さぁ、行こう団長」
「二人…だけだよ?」
うん。そうだよ。
団長なら気が付いてるよね、もう、私の旦那様の心を感じないっということを…
不安そうにしているのか視線を向けるといつも通りの顔、不安ではなく確認したってことか。
だったら、何も問題なんて無い。
「この先に敵がいたとしても、今の私達ならどんな敵が来ても勝てる、でしょ?」
「うん、託された技は全部、覚えたつもりだよ、魔力の使い方も…何もかも、受け取った」
不安そうにしていないけれど、別れが悲しいのか、大粒の涙を流し胸に手を当てている。
愛する旦那と別れてしまったのに何故か涙が零れようとはしなかった。
「想定外な出来事ばっかり」
「うん、でもこれが…生きる為の戦いってことだよね」
思いがけない言葉に驚いてしまう、その一言で二人だとしても心配がないと心から感じられる。
妹も大きく成長した、今の彼女は私が引っ張っていくような弱い存在じゃない、肩を並べて歩く戦友だ。
後ろを付いてくる…私が引っ張っていくような存在じゃない。
車椅子を念動力で動かし念動力で運ぼうとすると
「押していくよ?座ってなよ」
団長の提案に、その方が魔力も節約できるかっと、納得し車椅子に座り背もたれに体重を預け
ると「乗り心地は最悪だけど我慢してね?」彼女らしからぬ助言に微笑んでしまう。
「しゃーなし!いつかこの先にも道を作って歩きやすくしてやるんだから」
森林を切り裂いて!大地をコンクリで固めてやるーっと文句を言ってると車椅子がゆっくりと終わりへと進みだす。
私達の終わりが一歩一歩近づいて行ったとしても、私達は変わらない。
何時だって仲良しで、友達で…血は繋がっていなくても、心は姉妹。
仲良し姉妹、彼女達が望んだ平和な大地を彷彿とさせるようにピクニックへと向かう…
彼女達にとってここはもう緊張が必要な場所ではない
緊張感のない会話をしながら仲良し姉妹は進んでいく、だけどそれを許してくれるような心優しい大地ではない、私達の楽しいピクニックをあいつらが許すわけがない。
この森には多くの何かが潜んでいるのだろうなぁってのはさ、私の時代から予想していたけれどね…この状況は予想外かも?ってかさ、この場所ってさまさかの?劣化品か、失敗作の捨て場だったりするの、ここ?だとしたら近寄らせたくないのも頷けるかな。
一つの粗悪な影が木陰から姿を現しのたのたとふらつくように近づいてくる。
何処が粗悪だって?見た目が既に良くない、顔がひんまがってるし、片目潰れてるし、片腕ないし、何なら、もう片方の指先なんて3本しかないよ?親指と人差し指と中指しかなくない?…三本なのに中指とはこれ如何に?
取り合えず潰しておくかと、術式を頭の中に構築していくと
「迎撃担当はもちろん私だよね?」「どっちでも、あの程度の敵、もう怖くないから」
珍しく好戦的な団長からのお言葉、私としてはどっちでもいいからね、あんなの…もう怖くない何も恐怖を感じない、寧ろ…哀れとしか思えれない。
お互い、部屋の中で見つけたくない黒い虫を見たかのように嫌悪感を示していると
異形な人型が森の奥からひとつ、またひとつと、のたのたと、草木を足裏ですり潰すようにして姿を現していくる。
めんどくさいからさくっと燃やしてやろうかと悩んでしまう程に、粗悪な出来たちに溜息を零してしまう。
出来の悪い粗悪な異形な人型は人型としての機能をしっかりと有しているのか、人を見たら殺意を込め襲い掛かるようにプログラムでもされているのか、私達を見るやいなや「Shyaaaaaaa!!」「CyaaaaLaaaaaaa」よくわからない音で叫び始め、その声に近く潜んでいた粗悪な人型が共鳴する様に声を荒げていく。
どうやら、人語すらも発生できない劣悪品でのお出迎えって感じ?
そんなので私達を止めれるとおもってるの?敵もまた倒された後の事を考えていなかったってことだろうね。驕り高ぶりやがって、そういうのが許されるのは人だけの専売特許だからね?
獣風情が…反吐が出る。
木々の隙間から腕を上げて普通の人型よりも遅い動きで粗悪な人型が雑草を踏みしめながらゆっくりと近づいてくる。
余りにもチープで粗悪な動きに呆れる、この呆れは敵に対してではない、自分に対して。
この様な敵を脅威だと感じていた自分に未知とは想像する余地があり恐怖は心を膨らませ締め付けるのだと、今となってはどうでもいい学びを得てしまったことに呆れてしまう。
この様な粗末なゴミなんて見たくないと術式の構築を済ませ
「よいしょっと」
指を前に出すよりも速く団長が槍を投擲すると、人型の上半身…腰から上が粉々に消し飛んだ。
ほえー…威力すっご…ただ投げただけなのに…
無限の魔力と繋がった始祖様の槍がもしかしなくても実は最強だった?
「戻っておいで」
投げ飛ばした槍を手招きすると一瞬で団長の手の中へと帰ってくる槍を見て何故か親近感が湧き上がってくるのと同時に明確な意志…凄みを感じてしまう。
「それって、メイドちゃんのやつだっけ?」
「うん、彼女の願いが詰まってる槍、妖精の槍はこいつらにはあんまり有効的じゃない気がして」
メイドちゃんの願いが詰まってる、の?それにしては…何でだろう?
その槍から凄く、強い。うん、獣に対してかな?殺意をもの凄く感じたような気がしたんだけど?
メイドちゃんって獣にさー恨みなんて、あるの…
彼女は獣との接点が殆ど無い筈なのにっという言葉と同時に祖国を滅ぼされたよっというツッコミが沸き上がり納得する。
あるよね、踏み入れたことはなくとも彼女にとっては帰るべき場所、幼い時から洗脳される様に心に染み込まされ続けてきた幻想…もとい、大切なまだみぬ故郷を人型に滅ぼされてんだから。
殺意溢れるのも致し方なし。
「っさ、私達には時間がないんだから、雑魚なんてどうでもいいよね、ちゃちゃっと滅ぼすよ」
「うん、私達にとっては雑魚かもしれないけれど、街の人達からすれば脅威だもんね」
非戦闘員からすればこんな粗悪な人型でも脅威っちゃー脅威だよね。
ごもっとも、見逃す気が更になくなったと、小さく頷き、ゴミを滅却するための術式を頭の中に思い浮かべるとコンサートホールにいるかのように頭の中で音が反響する。
【呼んで私達を】
彼女たちの願いを受け止めると懐かしい譜面が広げられていく…
そう、泥たちと共に消えて行ってしまった譜面が広げられていく…
おかえり…
敬愛する先達者達におじぎをすると
【貴女の術式、お気づきかもしれませんが老婆心として受け止めてください。精霊様は大変お疲れです。ここから先はこの大地に植え付けられた呪い…いいえ、祝福をもって粛清を】
そっか、私には感じられないけれど、先達者であらせられる歴々のお方が仰るのでしたらそれが望ましいのですね。
お心遣い痛み入ります、歴々の方々に比べれば私なんてまだまだ至らぬ若輩者です、お力をお貸しいただけるというお望みであらせられるのでしたら…
【ええ、存分にぶっ壊してあげてくださいまし】
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