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おまけ のんべんだらり3

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目が覚める、知ってる天井だ。

それもそう、この建物にある、何処の部屋も同じような天井だものね。

近くには、スヤスヤと気持ちよさそうに寝ている子がいる、泣き虫で、頑張り屋で、引っ込み思案で、溜め込むタイプで、実はかまってちゃんで甘えん坊で、

なんだろう?この感覚?

実家に居る妹たちよりも、この子の方が妹味を強く感じちゃうの、
守ってあげなきゃ!!ってなるのよねー、自然と胸が張っちゃう感じがするの、ぁ、これが母性ってやつなのかな!?私だって成長してるじゃ~ん!

あれからベッドで、寝転がりながら色んな事を話してたらね、気が付いたら寝ちゃったんだよね~。

気持ちよさそうに私の胸の前で丸まって寝ちゃってさ、

寝てる団長の髪を撫でる。
不思議な髪の色してるよね~お日様とか、日陰だと真っ黒なんだけど、お月様の光を浴びるとちょっとだけ、群青色っていうのかな?藍色っていうのかな?ちょっとだけ青みがかかった不思議な色になるんだよね。
黒の中に薄っすらと青がある感じ、しかも、お月様が出ている時だけ。童話の【救世の戦士】みたい、きっとご先祖様の影響かな?

確か~いつだったか忘れちゃったけれど、お父様の写真を見せて貰ったことがあるの、同じ黒髪だったから、お父様、譲りなのかな?
そう言えばお母様の写真はまだ見せてもらってないけど、持っていないのかな?

まぁ、私もお母様とお父様の写真持ってないので、見せ合いっこ出来ないよね~、
それとね!団長のお父様は歴代の戦士図鑑に載ってるほどの猛者だから、私がここに来た時に、かっこいいな~お母様が聞かせてくれた伝説の戦士のイメージにぴったしー!って思ってた人が!
まさかの!見せて貰った団長のお父様が写っている写真と同じ人が写っているなんて思わなかったの、まさか、団長のお父様だとは思わなかった、世間って狭いね!

それにしても

ペタペタと団長の腕や背中を触ってみると思うことが一つ、もち肌でスベスベなんだけど…
昨日お風呂入ってないのに、なんでべたつかないの?なにこれ?なんでこんなサラサラなの?
ってか、髪の毛も枝毛すらなくない?めっちゃサラッサラなんだけど?
スンスン、、、うわ!?頭皮が臭くない!?なんで?どうやってんの?魔法?私の知らない術式使ってる!?

…今度、おすすめの美容液とか、髪の毛のお手入れの仕方とか、お肌の手入れの仕方とか、教えてもらおう、そして、本にして売ろう。

もちろん、表紙のモデルは団長で!いつも着てるピッチリとした、体のラインが出るスタイルが良いと着れないタイトな服装でカッコいいモデルさんな感じで撮ろう。売れる予感しかしない!!

ムニムニとほっぺも触る、なんでこんなにもっちりともったりとした感じなの?太ってるわけでもないのに?寧ろ痩せ気味なのに?どうなってるのこれ
夢中になってほっぺをいじってると「ん!」っという声と、ともに手を払われてしまった。さすがに触りすぎたかなってか、起きないね~。
話には聞いていたけど、本当に起きないな~お酒が入った翌日は起きれないから仕事に寝坊しちゃうから次の日、仕事だと一滴も呑まない様にしてるって。

団長のもっちりスベスベお肌を触っていると眠くなってくる、お昼過ぎには起きたいけど、

今何時だろう?

手持ちの腕時計を見てみると、まだ朝の7時…いつも大体この時間に起きてるから、習慣なんだろうね。
かといって、朝早くに起きてやることも無いし、術式研究所に入っても良いのなら行くけど、、、たぶん、1日では、絶対に終わらない、終わるわけがない惨状を私は知っている、何故なら、その元凶だから。
そして、今向かうと確実に昨日の恨みつらみをツラツラとネチネチとお説教されるのもわかっている…

正直、私もお酒の影響でまだ眠いので、しっとりもち肌の抱き心地抜群のええ香りのする抱き枕を抱きしめながら寝るとしましょう。にゃむにゃむ、、、




気持ちのいい風でぱちっと目が覚める、目の前にはスケスケのネグリジェの影響で下着がばっちり見えている方が寝ている。
一瞬、誰だろう?っと頭の中にクエスチョンが沸き上がるが、直ぐに昨日の出来事を思い出すと同時に昨夜の、自身のやらかしっぷりを思い出して悶えてしまう。

やっちゃったなぁ~っと、あんな失態を見せちゃったら普通は嫌われるのに、姫様は受け止めてくれた、あんな風に受け止めてくれたのお母さん以来、お姉ちゃんがいたらきっとこんな感じだったのかなぁ・・・

窓から差し込む光の長さから見てお日様が少し高い位置にあるとわかる。

今、何時なのかなっと動こうとする、だが動かせれない何故なら、がっちりとホールドされてしまっている、状況を詳しく説明するならば、両腕で頭を保持され、私の太腿の間に足を入れられており、もう一方の足が、腰の上にあってぐるっと腰回りを足で挟み込むように足で腰から下の下半身もがっちりとホールドされちゃってる、ちょっと重い…

この状態から、抜け出そうにも、手を伸ばす事すら出来ない、むむぅ、完全に抱き枕にされてる…

踏ん張る為に力を入れようにも、足首は空を切るし、手は肘を曲げてボクサーガード状態、体を捻ろうにもがっちりと足でホールド、ぇ?なにこれ?完璧に寝技決まってない?

手のひらだけは動かせる・・・・
手のひらをくるっと回すとちょ~ど姫様の乳房の前・・・やるか・・・

この前のお返しもふくめて!

ブラジャーの上からキュっと乳頭をつまむ!!

「痛い!?」
姫様は、急な痛みに手足がピーンと伸びるので、その隙に完全寝技体制から抜け出す。

「ぇ!?え!?んぇ!?」涎を垂らしながら今の状況が理解されていないご様子
「おはよう、もうお昼だよ?おきなさい」お寝坊さんに先ほどの悪戯がバレない様に素知らぬ顔でハンカチを差し出す

摘まんだ乳頭が痛かったのか胸のあたりを気にしている、強く摘まみ過ぎたか…

「・・・・・」胸をさすさすと摩りながら、上半身を起こして、ハンカチを受け取り、涎をふきながらもじとーっとこっちを見ている

…さすがに、気が付いてる気がする。

「なによ~、起こすなら優しく起こしてよ~」イーっとした顔をする。
昨日私が言ったセリフをそのまま返されてしまった。だって、身動き取れなかったんだもん。

私の肉体は男性だけれど、力はそこまで強くない。
力作業が必要な時は術式を発動させて補助させているので、たぶん、姫様よりも力はないかも、っていうか姫様は見かけによらず力持ち。
理由は単純明快、発明品を運んだりいじったりしてるから結構、重い物を持って移動したりしてるから、私よりも体幹含め、アウターマッスルも強い。

指先の力なら、姫様に負けない自信があるけどね!
…その一番自信のある部分で摘まんじゃったらそりゃ、痛いよね強くしすぎちゃったかな?

よっぽど痛いのか、乳頭が赤くなっていないかブラをずらしながら見ようとしている。
「…ちょっと赤くなってない?」ブラを持ち上げて乳頭を見せてくる、
ん~、、、「大丈夫、赤くなってないよ」抓った後の様に皮膚が赤くなることは無かった、よかったよかった。

答えに満足いっていないのか、まだむっとした顔でいる。そんなに強く摘まんじゃったかな?
「やっぱり、女性の体には興味がないんだね」
ぁ~!確かめる為にブラめくって見せたなー、油断ならない人だなー

「昨日言った通りだよ、女性の体には、興味が無いし、、、その、エッチな方向も興味ないよ」
意地悪な人なんて知らないっという感じでぷいっと顔の向きを変える

「うん、疑ってないよ、でもね、雄の本能として反応しないのかな?って気になっちゃって、だって、男の人が持ってる、特有の朝の生理現象も発生してないし」
私の股間を指さしながらなんてことを言うんだこの人は!
あの一連の流れで何処を見ているのかと思えば、人の股間見てたよこの人!
ほんっと油断ならない!やだもう!
っていうか!?私、裸のまんまじゃないの!?やだもう!!!パンツどこ!?

服を探そうと辺りを見回していると
「寒くないの?」裸で長い事いたからちょっと肌寒いに決まってるじゃない!
「…ちょっと体、冷えちゃってるよ」むすっと問いに答えを返しながら服を探す、見当たらないからお風呂場にある。
下着入れから取り出そうとお風呂場に向かうと姫様も一緒についてきて
「ついでだし!一緒にお風呂入ろうよ!」
…この人は遠慮って言葉知らないのかな?めちぇくちゃグイグイくる、もしかして、私、カミングアウトする人間違えたのかも…

私よりも先にお風呂場に入って、浴槽の蛇口を捻ってお湯を出して溜め始める…
返事かえしてないよ?
まぁいいか、昨日お風呂入ってないから、匂いも気になるし、汗もかいちゃってるからお肌もべたつくし、入ろう入ろう♪

裸の私が浴場に行くよりも先に、姫様はポイポイっとネグリジェと下着を抜いで、その辺に放り投げて浴場入っていく。
ぁ、成程、術式研究所が大掃除って聞いていたけど、これが原因だ。
この人、お片付けとかそういうの苦手な人だ、もう少ししっかりした人だと思ってたけど、あれれ~もしかして結構だらしない人なのかも~、、、

まぁいっか、姫様の下着っていうか、女性の下着なんてここには無いからね?
先ほど脱いだやつをもう一度、身に着けてもらうだけ!自身が投げた場所くらいきっと覚えてるよね。

ないって言われたらノーパンノーブラで自室に取りにいかせればいいよね~♪躾は大事だよ~ね?


お風呂で姫様が体を洗っている姿を見て絶句した、、、
この人のご両親は体の洗い方を教えなかったのかな?
鼻歌を歌いながら、ろくに石鹸を泡立てずにささっと肌に塗ってお湯で流しておしまい、足の指の間も洗わないし、お臍も洗わないし、爪の間も洗わないし、背中も洗えてない場所がいっぱい!!にゃぁもう!気になる!!すっごい気になるぅ!!!

姫は、体を洗い終えた気持ちになっているところ申し訳ないけど!
こればっかりは気になっちゃう!女の子なんだからもっと丁寧に洗おうよ!!
体を洗う柔らかスポンジを姫の手から奪い取りると、姫様がこちらに振り向くと、私のむっとした表情に姫様は困惑した顔をされている

「ちゃんと洗わないとダメでしょ!」奪い取ったスポンジに石鹸をつけて泡立たせてから、ちゃんと洗えてなかった背中に泡をつけ、もう一度、丁寧に洗うと
「ぇ?洗ってくれるの?やった!人に洗ってもらえるの久しぶりで嬉しい」嬉しそうにしている
あれ?もしかして姫って本当に姫なの?平民って聞いてたけど?…
そういえば、姫様の事を根ほり葉ほり聞いてない気がする。機会があれば、ちゃんと聞いてみよう。

先ほどよりもより一層上機嫌に鼻歌を歌いっているお姫様の体を徹底的に綺麗に磨き上げる。
髪の毛も洗い方を知らなかったみたいで、頭皮マッサージのやり方に、トリートメントを複数使って、毛先までしっかりとなじませるやり方を教えてあげた。

あれ?この人って本当に、世間知らずすぎる気がするんだけど、、、
何処かいいところのお嬢様じゃないの?

姫を洗い終えてから、私も自分の体を洗っていると、姫様は貯めた浴槽の中に、私の許可なく勝手に、お気に入りの香りがする匂い袋を放り込んで香りを楽しみにながら、浴槽に浸かっている。
いつの間に、私のお気にいりの入浴剤を見つけたんだ、、油断ならない、、、


私も体を洗い終えたので、お風呂に浸かりたいけれど、浴槽は一人用だから二人も入ると狭くなるから、入れないよね、

ぅぅぅ、私もお気に入りの香に包まれたかったのにぃ、それ、最後の一つなのにぃ、、、

恨めしそうに浴槽を見ていると
「?冷えちゃうよ?入りなよ」なに突っ立ってんの?と言わんばかりに言われても~
「ほれほれ、ちこう寄り給え」浴槽から手招きされている、
うん、じゃぁ、一緒に入ろうかな、姫様と向かい合わせに入ろうとすると
「ぇ?なんでそっち?狭いじゃない」ぇ?どこに入ればいいの?
「こっち!」姫様は足を広げ手を広げ、姫様の前に座れと言ってくる。

「お言葉に甘えて…」浴槽に足を入れ、姫様の足の間に入り、姫と向かい合わせで膝を抱えて座ろうとすると
「ちょ、それは流石に恥ずかしい!向こう向いて入ってよ!」
ぁ、そういうことね、姫様に背中を向けて入ればいいのか…
体の洗い方は知らないのに、なんでこんな事は知ってるんだろう?
もしかして姫って、誰かと!?ぁわわぁわわ、年上だと思ってたけど、経験も豊富だったりだったり!?

そわそわとしていると
「妹たちを思い出すなー!こうやってよく一緒にお風呂にはいってたの!あの子達暴れるから、浴槽に浸からすためにこうやって捕まえてたのー!」
妹さんたちと同じようにそっと後ろから手をまわして抱きしめるようにしてくれる
「足を延ばして頭は胸の上においても大丈夫だよ」そうなの?重くないのかな?
「遠慮しなさんな」それじゃ、お言葉に甘えて、姫の胸に頭を置くと柔らかい感触が伝わってくる、姫様って意外と胸あるよね、うらやましい。

「団長って、私よりも身長高いのに、軽いよね~うらやましいな~」どうやら、私の重みは気になっていない様子だった
「そんなに軽い?」湯船に浮かぶように力を抜いて結構、しっかり目に体重を預けちゃってるけど、だって、伸ばした足先がちょっと浮き始めてるよ?
気が付くと私のお腹の上に姫の両手がある。

「軽いー、ぜんぜん軽すぎるくらいだよー妹たちの方が重かったーあの時は私も小さかったから上手い事さー、暴れる妹たちを抑えきれなかったんだよー」妹をあやす様にお腹をポンポンと叩く、なんだろうほっと落ち着く感じがする。


そのままの体制でのんびりと他愛の無い会話をしながら入浴を楽しんでいた、
お付き合いした人がいるのかーっとか初恋の人はいるのかーっとか、

今まで避けていた、恋バナもたっぷりしてしまった。
私自身が惚れやすい性格で、色んな失恋を経験してきていたから、それの話ばっかりになっちゃったけど、打ち明けれる人が居なくて、未だにちょっと燻ってる部分がいっぱいいっぱいあったけれど、姫のおかげで凄いすっきりしちゃった。

誰かに話すのって大事なんだね、心のケアってすっごい大事なんだと改めて痛感してる。

やっぱり、姫様ってさ、すっごい聞き上手なんだと思う、こんなにすらすらと自分の気持ちを語れたことがなかった。やっぱり学があるから?それとも、すっごい良い所のお嬢様で社交界とかの達人とかなのかな?

「姫ってさ」姫自身が話したがらないから「やっぱり、本当のお姫様なの?」勇気を出して聞いてみると「ん~、、、」何か言いにくそうにしてるといきなり
「ひゃぁ!?」おもいっきり私の無い胸を揉み始めて、しまいには、乳頭まで!摘むのはダメ!!「ゃ、だめ!なにするの!」がばっと立ち上がって姫の方に向きを変えて脳天にチョップをお見舞いする。
「ごめ~ん、つい」テヘっと下を出して誤魔化さないの!
…誤魔化すってことはやっぱり聞いてはいけない事だったのかな?踏み出し過ぎたのかな?
「えっとね、その話題って実はみんな知ってるものだと思ってたの、だから何を今さらって感じなの、私がここに来た経緯を詳しく教えるにはのぼせちゃうくらい時間が必要だからさ、ついはぐらかしちゃった」
浴槽から出ながら教えてくれるけど、ぇ、もしかしてこの街に居る人なら全員知ってるくらい常識だったり?と思っていたら顔に出ていたのか
「団長はさーもっとみんなと世間話した方がいいよー、ぶっちゃけみんな知ってるよそれー」
ジト目で普段から人をちょっと避けているのを咎められてしまう。

あと、なんでまだ手をワキワキと揉むような仕草をするの?
「…思ってた以上におっぺぇがあるじゃねぇか、どういうことだってばよ…」
…確かに、私の体は男性だけど、ホルモンバランスの影響でちょっと胸はあるの、たぶん、A++かB--くらいはある、だから、揉もうと思えばもめる。ブラはしてないけれど、スポーツ用のブラはしてる。

「まぁ、詳しくはお風呂上がりのお茶タイムで話すよ~」そう言いながらろくに体を拭かないで浴場を出ようとするので、手を掴んで止めて軽くタオルで拭いてあげる
「…ぇ?濡れたまま外でないの?」常識が…
「姫様、大浴場でも同じことしてない?」あきれた声と顔でたずねると
「ぇ?…ぅ、うん…やっ、ちゃってるね…」はぁ、、、っと溜息をついた後、浴場で体についた水をふき取ってから外に出る理由を姫の体を拭きながら教えてあげた。

そうすると姫は小声で「…だって、家だと、浴場のドア近くにふかふかのタオルを持って、待機してるから…」確信、この人めっちゃくちゃお嬢だ!


その後も、姫様は自分が脱いだ下着が何処に置いたのかわからず、
私のを貸してとか言ってくるし!女性用のはない!って言うと、
さっきまで着てたのもっかい着るのやだよー!っていうからまだ未使用のボクサーパンツをあげることに。
ブラは持ってないし、そもそもサイズが合わないからないよ!
んじゃノーブラでいいや!じゃないよ!もう!女の子でしょ!

…ぇ?もしかして、女の人ってみんなこんな感じなのかな?私がおかしいのかな?
…同世代の女の人の友達いないから、わからないよー、姫に常識!って言っておきながら私も女性同士の常識は疎いから…

しかも!髪の毛を乾かそうとしないし!ボクサーパンツ一丁のお転婆姫を捕まえて椅子に座らせて、風を生み出す術式をつかって柔らかい風を送りながら、櫛で髪の毛をといていく
誰かに櫛で髪の毛をとかしてもらえるのが嬉しいのかずっと、ルンルンで上機嫌「えらい機嫌いいじゃん」つい、ぼそっと言うと「誰かにしてもらうの大好きだもの」上機嫌に答えてくれる。

確かに、私も長い事、誰かに、髪の毛を櫛でといてもらってないな~、それにしても、姫の髪って結構、傷んでない?
…うん、枝毛もちょこちょこある…気になるぅぅぅ、、、
髪の毛を綺麗に乾かして、肩まで届く長めの髪を後ろでくるっとまとめてポニーテールにしてあげた

「ぁ、これ可愛いから好きー!」たまに、後ろで括ってる姿を見てたから、お気に入りなのかな?って思ってたらお気に入りだったみたいでよかった
「はい、じゃぁ座って」さっと立ち上がってさっきまで座っていた椅子に座らせられる
「?ひめ?」何するのかなって思ってたら同じように術式で風を送りながら櫛で髪をとかしてくれた、誰かにとかしてもらうなんて、子供のころにお母さんにしてもらっていらい。

確かに、誰かにしてもらえるのって凄く心地いいね。

「団長はショートヘアだから、すぐに渇いちゃうし元々が、サラサラだからすぐ終わっちゃってつまんない、髪の毛伸ばしなよー」出来るわけないじゃない、周りは私の事を男だと思ってるのに。
出来るのなら、お母さんみたいに腰まで届くくらい長くしたいよ。

髪の毛も乾いたので、服を着ていると、また、我儘姫が
昨日の服なんて着たくない!っていうから、私の服を貸そうとしたけれど、体のラインがピッチリとでちゃう服ばっかりだったから、ノーブラの姫に渡すわけにもいかないので。
隊服があったのを思い出し、非番の時に隊服きると、休みじゃないと判断され用事を頼まれる可能性が高いから着せたくないって考えが浮かんだけれど
「私、普段から隊服着る必要が無いから、たぶん、一時的に着てるってみんな察してくれるからそれ貸して!」悩んでいたらさっと説明と共に隊服が取られ着る。

私のサイズだから、胸の部分が浮き彫りになっちゃって、やっぱり、その胸の部分がちょっと、男子に見せちゃいけないやつになっちゃってるから
「ねぇ?隊服の下にネグリジェきなよ、ってかなんでネグリジェ持ってるの?」
せめて、隊服の下にネグリジェを着て欲しい、そうすれば多少はマシになると思うけど
「さっきも言ったけど、昨日の服汚いから嫌!せっかくお風呂入ったんだから綺麗な服が着たいの!」
すっと胸のとある部分を指さすと視線を刺した先を見て、大きく頷いて
「確かに、これはあかんやつや、漢連中に見られたら襲われるね」

だから、言ってるのにー、この人って賢いのか天然なのか、裏があるのかわからないよ~

「それじゃ、隊服の上に姫が昨日、着てた服を着ればいいじゃない!」床に落ちてくしゃくしゃになっている姫の服を渡すと
「くしゃくしゃで皺だらけだから嫌に決まってるじゃない!わかるでしょ?」
ぁぁぁぁもう、我儘だなーー。

「どうやって、姫の部屋まで戻るの?」頭を抱えていると
「決まってるじゃない」私を指さしている…まさか…
私も部屋までついてこいって?ついでに姫の部屋でお茶しようって?
…研究所を立ち入り不可にする人の部屋?
…虫とか湧いてない?Gなやつ飼ってない?人が踏み入っても大丈夫?魔境じゃない?…

「私を守ってくれないのー?」ニヤニヤとしている。
この人って一度甘やかすと徹底的に甘えてくる人かもしれない…
かといって、姫のこんな姿を理性が無い大人のお店に狂うように通っている人に見られるわけにもいかないしーーー!腹を括るしかないの?だとしても、出来る限り誰にも会わない様にしないと!女性の部屋に男が入ってるなんて噂が広まっちゃったら姫に申し訳ないし!!ぅぅぅ

「何をそんなに悩んでるの?」頭を抱えて決断できないでいる私を見て、察していない姫に説明すると
「なら、女の子の恰好すればいいじゃない」・・・・ぇ?
姫は鞄からお化粧道具を取り出し
「ごめんね、簡易的な物しかないけど、元が綺麗だからこれで十分!」
お化粧道具をもってこっちこないでよ!お化粧なんて誰かに見られたら噂されるじゃない!ちょ、ま、

「暴れないの♪」がしっと力強い握力でつかまってしまう。

抵抗しても無駄だと悟り、姫様の手によってお化粧されてしまう。
お化粧そのものは好きだけどー、実家でも、お母さんに教えてもらって、家の中だけで楽しんでたけどー

誰かに見られて噂されちゃったらどうしよう…

「はい!これでOK!後、体型でバレたくないと思うから!男なんてここしか見てない見てない!」スポーツブラの胸の部分に強引に胸パッドの代わりとなる様にハンカチ等を折りたたんだ布を入れられてしまう。

そして、すぐさま、立ち姿を見る為の鏡の前に立たされると
「っね!これなら絶対に団長だってわからないよ!」
鏡の前には、何処からどう見ても女性にしか見えない人が映っていた。

あんな簡単なお化粧でこんなに変わるんだ…

鏡の前でぽーっと見とれていると
「準備万端!ほら!私の前に立って!エスコートよろしくね!」腕を組まれてグイグイと引っ張られていく。

姫の部屋までの道中、色んな人とすれ違うけれど、みんな特に話しかけてこない、姫と腕を組んで歩いているから、姫の取引先の人とかと思ってくれているのかな?
簡単な会釈だけで話しかけてこない、もしかして、誰にも気が付かれてない?
凄くドキドキする、いけないようなことをしてるみたいで、普段から規律とか厳しく接している人がこんな事してるなんて、知られたら部下に示しがつかなくなっちゃうよー。

事情を知らない人からしたら、女装してる人に見えちゃうものー、お願いだから医療班にあわないでーーー

、、、ぁ、、、

すっと、廊下の角からこんにちは、医療班のNo2である副団長こと、元医療班団長で大先輩…
こ、これは流石に、、気づかれてない!?めっちゃ目があってるんですけどぉぉぉ!?
「姫様、こちらの麗しいお方はどちらの国のお方ですか?」
…あれ?うそ。気が付かない?でも声は流石に出せない!!声でバレちゃう。

「ご機嫌麗しゅうございます、先輩。この方は私が贔屓にさせていただいている方のご息女でございまして…」サラサラっと流れるように嘘をつく!?

姫の流れる様な説明を聞いたNo2は
「あら~そうでございましたか、何も無い街ですか、どうぞごゆっくりと今後もご贔屓にお願いしますわ」オホホホホと外面のまま、持ち前の荒い部分というボロがでてしまうことを恐れたのか、失礼の無いうちにそそくさと離れていくNo2。

ばれていない!?うそでしょ!?
大先輩とは、、かなり長い付き合いになるのに、ちょっとショックなんですけどぉ・・・

大先輩から、少し離れた場所でバチコーンとウィンクしてくる姫、これは、お化粧の手腕が良いのか、話術が良いのか、どっちなのだろう?

内心ドッキドキで足が、膝が笑っちゃってる情けない私をグイグイっと引っ張ってエスコートしてくれている、腕を組んでいるからこそ、姫のお胸がアレな状態だと周りも人も視線を胸に下げてないし、作戦は完璧だった。

ぁれ?誰も姫が隊服着てることに突っ込みを入れるどころか会釈しかしなかったけれど、服装ってそれほど重要なファクターじゃないってことなのかな?
今まで、男の人って思われるように、それでいて、尚且つ!女性としてもおしゃれに見える服装を目指して、頑張ってきたけど、そんなに重要じゃないのかな?

無事、姫の部屋に到着し、中を見ると、想像以上に!!


綺麗だった、めちゃくちゃ綺麗で塵や、埃等が一つもないくらい掃除も行き届いてるし、散らかっても居ない!なんだちゃんと整理整頓できるんじゃない!
ぇ?専属の優秀なメイドちゃんがいて、全部してくれている?・・・・やっぱりお嬢様じゃん。

部屋に戻るやいなや、隊服を脱いでその場にぽいっと投げ捨てて、パンツ一丁になったと思ったらボクサーパンツもぱぱっと脱いで全裸で動き出す

羞恥心ないの?

いくら、私の心が乙女ってわかっても、普通は友人の前で躊躇いなく全裸になれるもの?
女子ってそういうもの?

私の中での淑女としてのイメージ像がドンドン壊されていくのが解る、お母さんから教えてもらっていた女性とはこういうことですよっという淑女としての嗜みとか常識とかが本当なのか疑ってしまうくらいに…

姫が着替えている間に先ほどのすれ違った面々の中に、
あの人が居なかったことに安堵する、
こんな姿を見られたらもう、恥ずかしくて会わせれる顔がないよ~

そんなことを考えながら、キッチンスペースがあったので、お湯を沸かすポッドもあったので、火をつけてお湯を沸かしてる。
視線を横に向けると、茶葉もあったので、銘柄を確認する。

めっちゃ高級品ばっかりで普段使いなんて出来ない来賓用のやつばっかり。

貴族ご用達の品々をしっかりと抑えている、この時点でお嬢様ですけど何か?って品々が私に語り掛けてくるのがわかる!!

お茶請けはあるのかと、勝手に冷蔵庫を開けると、ちゃんとクッキーなどが用意されている・・・
これもメイドちゃんが補充してるのかな?

・・・ぁ!これって、この街でもすっごい人気の菓子店のやつ!ぇ?朝早くに行かないと買えない程人気のやつだよこれ?・・・朝一緒にいたよね?・・・メイドちゃんが用意したとしても、優秀過ぎない?

「おまたっせー!」ふわふわのスカートに、ゆるふわのコーデ、外行きの服装だけど、ここでお茶しないの?お湯沸かしちゃったよ?「お茶するよ!したら外に遊びにいくよ!」

・・・・ぇ?ぁ、じゃぁ、お化粧落とし借りてもいいかな?・・・ぇ?ダメ?なんで?・・・なんでもう一着、フリフリのロングスカートだしてるの?・・・なんで私に合わせているの?・・・ぇ?ちょ、ちょっとまって!?うそだよね?


そんな勇気ないから!!!絶対に嫌だ!!!


次回、団長、勇気のお外デート編…
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