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とある人物が歩んできた道 ~苦手の壁を越えた先にある幸福~
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騎士様から、頂いた貴重な資料、全てに目を通し終わった、結果!
わからないことだらけだった…
取り合えず、奥様と一緒に、騎士様からもらった資料から得た情報を共有しながら進めていこうという話になった。
騎士様から頂いた資料に書かれていた、身体能力向上の術式を誰でも扱えれるようになれば、戦士の死ぬ確率が大幅に低下するのではないか!?っという目論見の元、研究がスタートする。
最初は、私が完全に習得するために修練所でひたすら、運動をするのだけれど、思っていた以上に難しい。
そもそも、劇的に変化するのかというと、そうでもない、扱い方が下手糞だからなのかもしれない。
奥様も術式を使って動こうとするが、持ち前の運動神経が年齢以上にダメダメだったので、違いがわからない。
一番、効果がわかりやすかったのが、重たい荷物を持つときに便利だったね、くらいだった。
増強したとしても対した成果が得られない。
奥様に、桶に入った水を持ち上げて、どの程度まで持てるのか試してもらった。
まずは、500㎖の水が入った桶を片手で持ち上げる実験をした、奥様にとってこの重さは重いって感じる、そんな状況だったけれど、増強術を発動した状態でさらに100㎖プラスしてみても、余裕をもって持てますーって状態だったので、微量に効果が上がっている可能性があった。
何度も回数を行って、腕が痛くてむりーってなったので、その時点でその日の実験は終了することにしている、無理をするのは良くない。
何度も繰り返し実験を行うことで、ある程度の理論が完成していく。
術式で底上げした場合は純粋に筋力を強力にしているわけではない?筋力が裂ける痛みを緩和、もしくは、筋肉を一時的に硬化させて筋肉が裂けないようにしてる?
もしくは、違う要因で強化している?
計測する道具もないので、今一つ成果が出ないし、立証も出来ない。理論は生まれても実証するすべがないのが辛いところ。
直線距離をどれくらいの速さで走れるかを実験したけれど、どうも、速くなったのかよくわからなかった、毎回、記録にムラが出るので、効果があるのかわからないのだけれど
実験を繰り返して得られたものは確実にある、それは、魔力量が体感でもわかるくらい減っていると実感がある。
術式を使って色々と魔力を使ってきたけれど、これほどまで、気怠い感覚はかつて無いほどの実感を得たのが初めてだった、学生のころからきつい運動を経験してきているので、これが、肉体からくる悲鳴なのかどうかは体感でわかる。
魔力が枯渇したら人は死ぬっという理論を提唱した人は絶対に、自分の体か、もしくは何かで魔力をゼロにするまで使ったのだろうと感じる。
奥様と一緒に修練所の一角で戦士の皆さんの邪魔にならないように横になっていると声を掛けられる
「研究は順調ですか?」この声は騎士様!…騎士様ってわかるのだけれど、動けない!!!起き上がって挨拶をしたいのに、顔を上げるだけでも辛い!!
「はい、順調ですぅ、ぐたいてき、に、いうと、少し感覚がつかめましたよー、でも、まりょくが…」
声を出すだけで精一杯、これは、しんどい…
「あー懐かしいですね!子供のころよく、こんな感じになりましたよー」
楽しそうな声ですねー、この苦しみを知っているみたいで私も騎士様と同じ体験ができて嬉しいはずなんですけど、心が震えないのはなーぜ?
「久しぶりにするけど」
騎士様が何か呟きながら私の背中に触れるー嗚呼、本来ならすごく光栄で喜ばしいことなのに、いつものことなら胸の奥から湧き上がる衝動がないのはなーぜ?
「こうやって、こうだ、、、ね!!」
騎士様の手から何かが伝わって!!おぐうぅ!?やばい、うそ、騎士様の前で嘔吐なんてしちゃぁ!?ぁ・・・・
吐く寸前で、何とか、立ち上がり修練所の奥に走り、誰にも見えない場所で嘔吐する。無様で可愛くない姿を見せずに済んだ。
口を漱いでから修練所に戻ると騎士様が「ごめんなさい!加減がわからなくて!」両手を合わせて謝っていただけましたけど、何をしていただけたのでしょうか?
先ほどのような倦怠感もなくなってる?どうやったのだろう?先ほどまで感じていた心が動かない感じもなく、実験をする前と同じ?ううん、それ以上の気力が漲る?うん、体の倦怠感がない!!
騎士様の手を握り「い、今のはなんですか!?」力強く握るとゆっくりと手から先ほど背中から、感じた何かが私の手から入ってくる?なんだろうこの暖かいか…うぐぅ!?
込み上げてくる吐き気のせいで、本来であれば、あのまま手を繋いでいい雰囲気に持っていきたいけど!醜態を晒すわけにはいかないの!!
ばっと不本意ではあるけれど!手を放し、急いで裏に走り嘔吐する。
口を漱いで修練所に戻ると
「す、すいません!あれを使うと暫くは勝手に魔力が漏れてしまうみたいで、大丈夫ですか!?」
申し訳なさそうに出迎えてくれた、あれはいったい何だったのか説明を聞くと
「魔力譲渡法、もしくは、魔力補填法っと言われる秘匿された技です。」
説明を受けると、一時的に何も付与させない純粋な魔力を体から放出し、それを伝えたい場所に誘導させ触れた相手に魔力を流し込むっという技法
秘匿された理由は、習得難易度が高く、魔力保有量が少ない人がこれをすると、意識を失い、無駄に魔力を散らすだけとなる危険な技。
また、譲渡する相手の魔力量を見誤ると相手が破裂する。何処が破裂するかは人によって違うので、破裂するっと伝え聞いている。
真剣な顔で説明をしていただいてありがとうございます。貴重な経験を積めましたし、騎士様に触れていただいた背中が今もなお熱く感じます。
はぁ、そんな危険な技をさらっと扱えれるなんてほんと凄い人
全身が何かに満たされているこの感覚がきっと、魔力なのだろうけれど、私はそれ以上に騎士様の中で生み出された物質が私の中に満たされるという感覚で絶頂を迎えそうだった、けれど、さすがに、こんなその他大勢がいる場所で光悦としたエロス極まれし表情を晒すわけにはいかなぁいぃ・・・はぁ、嗚呼、ぁあ、すご…
もじもじと見悶えしながら説明を聞くけど、頭にはいってこなぃぃぃ
説明を終えたみたいで、騎士様は私の体に異常がないか、触って確かめるのはいいのですけど、らめぇ、今はすごく敏感にぃ!!
無事を確認した後はそれではと一言述べた後、戦士達の教育に戻る、横になっている奥様を連れて行こうと思っていたけれど、先輩が傍にいるみたいなので、任せることに
私は、そそくさと自室に戻り体の火照りを鎮めた
その後も、効果が持続しているのか、魔力が満たされた結果なのか知らないが、数日間は気力が満ち足りていて、眠ることすらできませんでした。
たぶん、過剰にもらい過ぎたけれど、私の体が騎士様から頂いたモノを逃したくないと本能で、心で、全てで望んでしまったので全力で受け止め切ったせいもあるんじゃないかと思う。
眠れない間も、術式研究の研鑽も行ったし、実験も続けてきました、それでも寝れない!体が眠ろうとしない!脳は疲れているので休めたほうがいいのではないかと思うけれど、目をつむって数分すれば脳の疲労感が消えてしまい、疲れがなくなっている!?寝れない!?っとなるので、夜中は裏研究の時間に充てることに。
魔力譲渡法
これ程までに効果を感じれるとは、これを医療に転用できないものだろうか?つい先輩のように真面目に考えてしまった。
たぶん、魔石に魔力を込めるのを人に対して行ったって感じなのだと思うけれど、魔石は魔力を流す為の穴があるので、そちらに何となく注げば良いっという簡単な物だけど、人と魔石では大きく異なる点がある、それが、
人に魔力を注ぐための穴はない
どうやって、注いだのか理論は聞いたけれど、納得が出来ないっていうか、すっごく強引なやり方だ。
全身から魔力を放出?まず、それが難しい、そんな風に魔力を無駄遣いなんて出来ない、体が本能的に拒否するし、出来たとしても体が耐えられない。
それだけじゃなく、放出した魔力を集めたい箇所に集める?どうやって?大気に放出した魔力を集めるの?だってさ、放出しちゃった魔力って霧散するものであって、指向性を持たせるなんてどうやるの?
更に、相手の魔力を通す穴をこじ開けて、強引に逆流させ量に流し込む?そりゃ、何処かで詰まったら破裂するわ。
騎士様がくれた文献にも記載されていたけれど、かなり感覚で書いてる説明内容だったから、理解できなかった・・・
感覚で行っている技を術式によって導き出せるようになれば、練習さえすれば誰でも扱えれるってことになる、これってすごいことだと思う。
思うけれど、これを解くの?この事象を計算するの?…無理だよぉ、そんなの無理だよぉぉ…
それからの日々は暇さえあれば修練所で身体強化の術式を研究していく、気が付くと修練所にいる全員が興味を示し
各々が術式について感覚的に理解していく、驚いたのが乙女ちゃんも、坊やも、直ぐに理解を示し、会得していく、私よりも覚えるのが早い、たぶんだけど、騎士様のトレーニング内容が既にそういった類の練習を実地してきたからだと推測されるし、日頃から鍛錬しているものであればあるほど、身体強化の術式に馴染みやすいのだと考えられる。
色んな人の協力もあって、研究も予想外のスピードで仕上がっていく。
みんなの感覚を表現してもらい、それを言葉に直していく、そして、それをさらに術式へと変換していく、奥様が術式への変換が非常に巧みでどんどん改良されていく。
手順としてはこうなるのかな?
1・修練所で感覚的に行ってどんな結果になったのかを言葉にしてもらう
2・私が、その話を聞いてわかりやすく噛み砕く
3・奥様が噛み砕いた文章を更に、術式言語へと噛み砕く
4・二人で再現する
これの繰り返しだった。
騎士様も喜んで実験に参加してくれる、修練上に包まれるこの一体感、今までの死の街では絶対に無かった素晴らしき世界。
その素晴らしき明日への希望に満ち溢れた世界を騎士様と共に眺める。気が付くとすっと隣に立つ騎士様の手を握ってしまっていた。
騎士様もすっと握り返してくれた…
研鑽、修練、実験の結果、身体強化の術式はほぼ完全に再現できるようになった。
それに伴い、戦士達もここぞというときに使える切り札が生まれたことになる。
それだけじゃなく、一部の熟練者だけが扱える技も誕生した。
名前はシンプルに
瞬間筋力増強術
そう名付けることに。
効果は瞬間的に筋力を増強させるだけ!
なので、単調な動きをするときに非常に役立つ、ただ武器を振り下ろす、ただ武器を真っすぐ突き刺す、ただ真っすぐ地面を蹴る
動きの一瞬一瞬を今まで、では考えられないほどの力を生み出し加速させる術式。
当然、それを使用した後は筋肉が裂けるので下手をすると動けなくなってしまう、一応、使う部位に合わせて骨を守るために強化する術式も考案してあるが、骨を強化?っという馴れないワードに戦士たちも困惑している。
なので、本当に骨が強化されているのかは実感がわかない…当然私も、骨を強化?どうやって?って状態。
失敗して骨にヒビか、もしくは、折れてしまったのか、検査しないとわからない人が出てしまったので、本当に緊急時だけ使うように心がけてもらうことで使用の許可が生まれたけれど、練習しないと本番で使えないので
ケガしないように気を付けて修練に挑んでもらっている。
今現在、この瞬間筋力増強術を扱えれるのは
騎士様、坊や、乙女ちゃんの三名。
私はたぶんできているのだと思うけれど、元の筋肉量が少なすぎてあまり実感がわかない…
1に1.5を掛け算しても、大した結果にならないと一緒だよねーって結論。
巨躯の女性は出来ないのかって?身体強化術は何となく理解したみたいだけど、常時、瞬間筋力増強術が掛かってるような人なので、本人も「全力で力込めたらこーなる違いがわからん!」って感じだったので
使えているのかどうか判断がつかないので、扱えれる人に含まれていません。
後は、魔力譲渡法だけど、現在扱えれるのは、私と騎士様の二名。
奥様は理解できないのかって?そんなことはなく、理論は理解しているし、霧散しないで魔力を一定の範囲にとどめる術式もたぶんだけど出来た。
その後に、指向性を持たせるのも何となくできていると思う、けれど、放出の仕方がわからない、術式に組み込めない。
仮に術式を組めたとしても、使用したらその人の魔力を全部放出することになるので、これを誰かに向けて使われてしまうと、安易に殺せてしまう恐ろしい術式になってしまうので、こればっかりはできたとしても公表したくない。
奥様に指摘されるまで私も気が付かなかったけれど、人に向かって使われると不幸な事件しか生まない術式であると判断できたので、これの論文や理論は倫理に基づき封印することに。
なので、魔力を放出するっという感覚だけを記載することに。
そんなわけで、魔力譲渡方法は気合と根性で身につけましょうっとなってしまった。
誰でも扱えるとはいったいなんだったのだ?ウゴゴゴゴ
あとー余談ですけどー
練習の為に絶対的に肌と肌で触れ合うのが一番、感覚がつかめやすいからってねー?手と手を握り、見つめ合いながら練習する光景が凄く微笑ましくて、ちょっとうらやましいなんて思ってしまいましたー
よかったね、乙女ちゃん、なんやかんやと距離が近づいて行ってるみたいで、お姉さんは嬉しいよ。
後ね、この身体強化の術式を発表したら大盛況だったので、本にして出版したら飛ぶように売れました!!
各町にいる騎士や戦士達からすると、お金をいくら積んでも知りたい内容で戦士職なら持ってて当然っと言われるまでの本に
街の人も重いものを運ぶときに使えるし、急いでいるときに走るための使ったり、一般の方にも非常に好評で、覚えて損はないっということで老若男女問わず売れたので。
本当に想定外で売れてしまったので、かなりの資金を得ることになったけれど、みんなで得たお金なので、街の運営資金として扱うことに。
わからないことだらけだった…
取り合えず、奥様と一緒に、騎士様からもらった資料から得た情報を共有しながら進めていこうという話になった。
騎士様から頂いた資料に書かれていた、身体能力向上の術式を誰でも扱えれるようになれば、戦士の死ぬ確率が大幅に低下するのではないか!?っという目論見の元、研究がスタートする。
最初は、私が完全に習得するために修練所でひたすら、運動をするのだけれど、思っていた以上に難しい。
そもそも、劇的に変化するのかというと、そうでもない、扱い方が下手糞だからなのかもしれない。
奥様も術式を使って動こうとするが、持ち前の運動神経が年齢以上にダメダメだったので、違いがわからない。
一番、効果がわかりやすかったのが、重たい荷物を持つときに便利だったね、くらいだった。
増強したとしても対した成果が得られない。
奥様に、桶に入った水を持ち上げて、どの程度まで持てるのか試してもらった。
まずは、500㎖の水が入った桶を片手で持ち上げる実験をした、奥様にとってこの重さは重いって感じる、そんな状況だったけれど、増強術を発動した状態でさらに100㎖プラスしてみても、余裕をもって持てますーって状態だったので、微量に効果が上がっている可能性があった。
何度も回数を行って、腕が痛くてむりーってなったので、その時点でその日の実験は終了することにしている、無理をするのは良くない。
何度も繰り返し実験を行うことで、ある程度の理論が完成していく。
術式で底上げした場合は純粋に筋力を強力にしているわけではない?筋力が裂ける痛みを緩和、もしくは、筋肉を一時的に硬化させて筋肉が裂けないようにしてる?
もしくは、違う要因で強化している?
計測する道具もないので、今一つ成果が出ないし、立証も出来ない。理論は生まれても実証するすべがないのが辛いところ。
直線距離をどれくらいの速さで走れるかを実験したけれど、どうも、速くなったのかよくわからなかった、毎回、記録にムラが出るので、効果があるのかわからないのだけれど
実験を繰り返して得られたものは確実にある、それは、魔力量が体感でもわかるくらい減っていると実感がある。
術式を使って色々と魔力を使ってきたけれど、これほどまで、気怠い感覚はかつて無いほどの実感を得たのが初めてだった、学生のころからきつい運動を経験してきているので、これが、肉体からくる悲鳴なのかどうかは体感でわかる。
魔力が枯渇したら人は死ぬっという理論を提唱した人は絶対に、自分の体か、もしくは何かで魔力をゼロにするまで使ったのだろうと感じる。
奥様と一緒に修練所の一角で戦士の皆さんの邪魔にならないように横になっていると声を掛けられる
「研究は順調ですか?」この声は騎士様!…騎士様ってわかるのだけれど、動けない!!!起き上がって挨拶をしたいのに、顔を上げるだけでも辛い!!
「はい、順調ですぅ、ぐたいてき、に、いうと、少し感覚がつかめましたよー、でも、まりょくが…」
声を出すだけで精一杯、これは、しんどい…
「あー懐かしいですね!子供のころよく、こんな感じになりましたよー」
楽しそうな声ですねー、この苦しみを知っているみたいで私も騎士様と同じ体験ができて嬉しいはずなんですけど、心が震えないのはなーぜ?
「久しぶりにするけど」
騎士様が何か呟きながら私の背中に触れるー嗚呼、本来ならすごく光栄で喜ばしいことなのに、いつものことなら胸の奥から湧き上がる衝動がないのはなーぜ?
「こうやって、こうだ、、、ね!!」
騎士様の手から何かが伝わって!!おぐうぅ!?やばい、うそ、騎士様の前で嘔吐なんてしちゃぁ!?ぁ・・・・
吐く寸前で、何とか、立ち上がり修練所の奥に走り、誰にも見えない場所で嘔吐する。無様で可愛くない姿を見せずに済んだ。
口を漱いでから修練所に戻ると騎士様が「ごめんなさい!加減がわからなくて!」両手を合わせて謝っていただけましたけど、何をしていただけたのでしょうか?
先ほどのような倦怠感もなくなってる?どうやったのだろう?先ほどまで感じていた心が動かない感じもなく、実験をする前と同じ?ううん、それ以上の気力が漲る?うん、体の倦怠感がない!!
騎士様の手を握り「い、今のはなんですか!?」力強く握るとゆっくりと手から先ほど背中から、感じた何かが私の手から入ってくる?なんだろうこの暖かいか…うぐぅ!?
込み上げてくる吐き気のせいで、本来であれば、あのまま手を繋いでいい雰囲気に持っていきたいけど!醜態を晒すわけにはいかないの!!
ばっと不本意ではあるけれど!手を放し、急いで裏に走り嘔吐する。
口を漱いで修練所に戻ると
「す、すいません!あれを使うと暫くは勝手に魔力が漏れてしまうみたいで、大丈夫ですか!?」
申し訳なさそうに出迎えてくれた、あれはいったい何だったのか説明を聞くと
「魔力譲渡法、もしくは、魔力補填法っと言われる秘匿された技です。」
説明を受けると、一時的に何も付与させない純粋な魔力を体から放出し、それを伝えたい場所に誘導させ触れた相手に魔力を流し込むっという技法
秘匿された理由は、習得難易度が高く、魔力保有量が少ない人がこれをすると、意識を失い、無駄に魔力を散らすだけとなる危険な技。
また、譲渡する相手の魔力量を見誤ると相手が破裂する。何処が破裂するかは人によって違うので、破裂するっと伝え聞いている。
真剣な顔で説明をしていただいてありがとうございます。貴重な経験を積めましたし、騎士様に触れていただいた背中が今もなお熱く感じます。
はぁ、そんな危険な技をさらっと扱えれるなんてほんと凄い人
全身が何かに満たされているこの感覚がきっと、魔力なのだろうけれど、私はそれ以上に騎士様の中で生み出された物質が私の中に満たされるという感覚で絶頂を迎えそうだった、けれど、さすがに、こんなその他大勢がいる場所で光悦としたエロス極まれし表情を晒すわけにはいかなぁいぃ・・・はぁ、嗚呼、ぁあ、すご…
もじもじと見悶えしながら説明を聞くけど、頭にはいってこなぃぃぃ
説明を終えたみたいで、騎士様は私の体に異常がないか、触って確かめるのはいいのですけど、らめぇ、今はすごく敏感にぃ!!
無事を確認した後はそれではと一言述べた後、戦士達の教育に戻る、横になっている奥様を連れて行こうと思っていたけれど、先輩が傍にいるみたいなので、任せることに
私は、そそくさと自室に戻り体の火照りを鎮めた
その後も、効果が持続しているのか、魔力が満たされた結果なのか知らないが、数日間は気力が満ち足りていて、眠ることすらできませんでした。
たぶん、過剰にもらい過ぎたけれど、私の体が騎士様から頂いたモノを逃したくないと本能で、心で、全てで望んでしまったので全力で受け止め切ったせいもあるんじゃないかと思う。
眠れない間も、術式研究の研鑽も行ったし、実験も続けてきました、それでも寝れない!体が眠ろうとしない!脳は疲れているので休めたほうがいいのではないかと思うけれど、目をつむって数分すれば脳の疲労感が消えてしまい、疲れがなくなっている!?寝れない!?っとなるので、夜中は裏研究の時間に充てることに。
魔力譲渡法
これ程までに効果を感じれるとは、これを医療に転用できないものだろうか?つい先輩のように真面目に考えてしまった。
たぶん、魔石に魔力を込めるのを人に対して行ったって感じなのだと思うけれど、魔石は魔力を流す為の穴があるので、そちらに何となく注げば良いっという簡単な物だけど、人と魔石では大きく異なる点がある、それが、
人に魔力を注ぐための穴はない
どうやって、注いだのか理論は聞いたけれど、納得が出来ないっていうか、すっごく強引なやり方だ。
全身から魔力を放出?まず、それが難しい、そんな風に魔力を無駄遣いなんて出来ない、体が本能的に拒否するし、出来たとしても体が耐えられない。
それだけじゃなく、放出した魔力を集めたい箇所に集める?どうやって?大気に放出した魔力を集めるの?だってさ、放出しちゃった魔力って霧散するものであって、指向性を持たせるなんてどうやるの?
更に、相手の魔力を通す穴をこじ開けて、強引に逆流させ量に流し込む?そりゃ、何処かで詰まったら破裂するわ。
騎士様がくれた文献にも記載されていたけれど、かなり感覚で書いてる説明内容だったから、理解できなかった・・・
感覚で行っている技を術式によって導き出せるようになれば、練習さえすれば誰でも扱えれるってことになる、これってすごいことだと思う。
思うけれど、これを解くの?この事象を計算するの?…無理だよぉ、そんなの無理だよぉぉ…
それからの日々は暇さえあれば修練所で身体強化の術式を研究していく、気が付くと修練所にいる全員が興味を示し
各々が術式について感覚的に理解していく、驚いたのが乙女ちゃんも、坊やも、直ぐに理解を示し、会得していく、私よりも覚えるのが早い、たぶんだけど、騎士様のトレーニング内容が既にそういった類の練習を実地してきたからだと推測されるし、日頃から鍛錬しているものであればあるほど、身体強化の術式に馴染みやすいのだと考えられる。
色んな人の協力もあって、研究も予想外のスピードで仕上がっていく。
みんなの感覚を表現してもらい、それを言葉に直していく、そして、それをさらに術式へと変換していく、奥様が術式への変換が非常に巧みでどんどん改良されていく。
手順としてはこうなるのかな?
1・修練所で感覚的に行ってどんな結果になったのかを言葉にしてもらう
2・私が、その話を聞いてわかりやすく噛み砕く
3・奥様が噛み砕いた文章を更に、術式言語へと噛み砕く
4・二人で再現する
これの繰り返しだった。
騎士様も喜んで実験に参加してくれる、修練上に包まれるこの一体感、今までの死の街では絶対に無かった素晴らしき世界。
その素晴らしき明日への希望に満ち溢れた世界を騎士様と共に眺める。気が付くとすっと隣に立つ騎士様の手を握ってしまっていた。
騎士様もすっと握り返してくれた…
研鑽、修練、実験の結果、身体強化の術式はほぼ完全に再現できるようになった。
それに伴い、戦士達もここぞというときに使える切り札が生まれたことになる。
それだけじゃなく、一部の熟練者だけが扱える技も誕生した。
名前はシンプルに
瞬間筋力増強術
そう名付けることに。
効果は瞬間的に筋力を増強させるだけ!
なので、単調な動きをするときに非常に役立つ、ただ武器を振り下ろす、ただ武器を真っすぐ突き刺す、ただ真っすぐ地面を蹴る
動きの一瞬一瞬を今まで、では考えられないほどの力を生み出し加速させる術式。
当然、それを使用した後は筋肉が裂けるので下手をすると動けなくなってしまう、一応、使う部位に合わせて骨を守るために強化する術式も考案してあるが、骨を強化?っという馴れないワードに戦士たちも困惑している。
なので、本当に骨が強化されているのかは実感がわかない…当然私も、骨を強化?どうやって?って状態。
失敗して骨にヒビか、もしくは、折れてしまったのか、検査しないとわからない人が出てしまったので、本当に緊急時だけ使うように心がけてもらうことで使用の許可が生まれたけれど、練習しないと本番で使えないので
ケガしないように気を付けて修練に挑んでもらっている。
今現在、この瞬間筋力増強術を扱えれるのは
騎士様、坊や、乙女ちゃんの三名。
私はたぶんできているのだと思うけれど、元の筋肉量が少なすぎてあまり実感がわかない…
1に1.5を掛け算しても、大した結果にならないと一緒だよねーって結論。
巨躯の女性は出来ないのかって?身体強化術は何となく理解したみたいだけど、常時、瞬間筋力増強術が掛かってるような人なので、本人も「全力で力込めたらこーなる違いがわからん!」って感じだったので
使えているのかどうか判断がつかないので、扱えれる人に含まれていません。
後は、魔力譲渡法だけど、現在扱えれるのは、私と騎士様の二名。
奥様は理解できないのかって?そんなことはなく、理論は理解しているし、霧散しないで魔力を一定の範囲にとどめる術式もたぶんだけど出来た。
その後に、指向性を持たせるのも何となくできていると思う、けれど、放出の仕方がわからない、術式に組み込めない。
仮に術式を組めたとしても、使用したらその人の魔力を全部放出することになるので、これを誰かに向けて使われてしまうと、安易に殺せてしまう恐ろしい術式になってしまうので、こればっかりはできたとしても公表したくない。
奥様に指摘されるまで私も気が付かなかったけれど、人に向かって使われると不幸な事件しか生まない術式であると判断できたので、これの論文や理論は倫理に基づき封印することに。
なので、魔力を放出するっという感覚だけを記載することに。
そんなわけで、魔力譲渡方法は気合と根性で身につけましょうっとなってしまった。
誰でも扱えるとはいったいなんだったのだ?ウゴゴゴゴ
あとー余談ですけどー
練習の為に絶対的に肌と肌で触れ合うのが一番、感覚がつかめやすいからってねー?手と手を握り、見つめ合いながら練習する光景が凄く微笑ましくて、ちょっとうらやましいなんて思ってしまいましたー
よかったね、乙女ちゃん、なんやかんやと距離が近づいて行ってるみたいで、お姉さんは嬉しいよ。
後ね、この身体強化の術式を発表したら大盛況だったので、本にして出版したら飛ぶように売れました!!
各町にいる騎士や戦士達からすると、お金をいくら積んでも知りたい内容で戦士職なら持ってて当然っと言われるまでの本に
街の人も重いものを運ぶときに使えるし、急いでいるときに走るための使ったり、一般の方にも非常に好評で、覚えて損はないっということで老若男女問わず売れたので。
本当に想定外で売れてしまったので、かなりの資金を得ることになったけれど、みんなで得たお金なので、街の運営資金として扱うことに。
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