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王位継承戦 Side-S 第一次集会 ②
しおりを挟む寝起きの状況確認も終わったので、ううう~~~んっと一際大きな深呼吸をしながら背筋を伸ばして椅子から降りる
思考もぱーぺきに目覚めたし!統合もされているし!いつもの私だし!さぁ!始めよう!玉座を手に入れるよ!王手待ったなし!!
【起きなさい!!】
突然の音声にビクっと体がはね、思考が遮られてしまう。
そうだった、目覚ましの魔道具はセットしたままだった。
目覚ましを手に取りそっと抱きしめる。全てが順調に進んだら、もうすぐ会える。頭の中に思い浮かべるだけでも、心が満たされるような気がした。
部屋を出て、お母さん連合に朝の挨拶をして、お孫さん達と何気ない会話をしてたら朝のご飯としてスープとパンを用意してくれたので、お呼ばれされてから家を出る。
使用人の方に念のために家主は何処に居るのか確認はしているよ、既に外に出ているので挨拶は出来なかった。
馬車に乗り込む前に、毎日私を運んでくれた馬ちゃんの鼻を撫でると嬉しそうにしている、可愛い。
一頻り、お馬ちゃんを撫でて堪能してから、離れると何時もみたいに背中をはまれ、だめだよーっとお腹を叩くまでが私達のやり取りとして定番の流れが出来つつある。
使用人の方も表情を崩すことが無くむしろ、微笑んで見守ってくれている。
馬車に乗って向かう先は教会、そこに朝から突貫作業で演説会場を作ってもらっているっていっても、骨組みとかは初日から運び込んであって、時が来れば組み立てるだけの状態にしてある。
釘とかもいらない、木づちで叩くとハマるようになっているし、大人数人を支えるだけの土台なので、簡素な作りにしてある。
それに使わなくなっちゃたら邪魔になっちゃうから、バラすのに手間取らないように木造にしてあるんだよね。木造なので切れるし燃やせれるので問題なし。
到着して、教会に集まっている皆に軽く挨拶をしてから、特設会場の出来を確認すると当初の設計よりも豪華になっている、垂れ幕とか、旗とか、なんか色々と追加されている。
簡素な土台だけしか用意していなかったんだけど?あれかな?シスター達が夜なべしてとかかな?そこまで協力してくれたの?
想定外の状況を把握していると背中からシスター達から声を掛けられる、どうやら、演説に向けて皆で用意してくれていたみたい。
教会は中立でこういった肩入れとなる行為は、一応してはいけないことになっている。
それなのに、忙しい状況で仕事もいっぱいあって疲労も溜まっているのに、率先して用意してくれているのは末席との関りが長いからなんだろうな。
そんな風に受け答えするときっぱりと「違うよ!」っと、否定されてしまった。
シスター達からすると末席の事なんてどうでもよくて、私という存在を少しでも応援したくて、何かできないかって皆で話し合って、頑張ったんだからね!っと、真っすぐに教えてくれた。
どうして、そんな風に思ったのか、興味本位でつい質問してしまったけれど、質問してよかった。
混迷となっているこの世界を憂い、アレを抑えつけるために真っ向勝負と行かず、搦め手という策を練ったり、あの街からも数多くの人達を引き連れて、後ろで踏ん反り返ることなく全力で前に出て民衆の心を掴もうとするその姿勢に感銘を受け、13歳という若さではありえない程の胆力を感じ、その健気で儚げで尊い存在を教会にいる全員が惚れてしまったら、それはもう、応援せざるをえないよねっと恥ずかしそうに教えてくれた。
恥ずかしそうに感じたことを教えてくれたシスターは、頬を赤らめて恥ずかしそうに壇上の飾りつけをしているシスター達に合流しに走って行った。
自分たちが感じたことを直ぐに行動へと移してくれるのは、素直に嬉しいよね、私が頑張っているから触発されて自分達も動き出すって言うのが凄く良い!こうやって一人一人が今できることを探して行動に移してくれるってだけでも頑張ったかいがあるってもんだよね!ちょっとうるっときちゃった。
本音を言う、こんな風に表舞台に出て皆を引っ張るなんてカリスマ的ムーブなんてさ、出来るのであれば私だってしたくなかったけどさ、これが出来る人物が私しかいないんだから、しょうがないよね。…お母さんを祭り上げた結果、惨劇となってしまったのだからね…
それにね、お母さんを守るために巫女として長年、守られてきた古い仕来りも破っちゃったしなぁ後に退けないんだよなぁ…まぁ、私が最後だから、同じ巫女たちから咎められることなんて無いし、別にいいよね?最後くらい好き勝手しちゃっても、良いよね?
そういえば、ここの設営を頼んでいたMMさんは何処に行ったんだろう?土台作りなんて彼女からすれば一瞬だったろうから、てっきりシスター達と一緒に飾りつけでもしているのかと思っていたらいないんだよね。
MMさんの姿を探していると遠目でも直ぐわかる程の、巨体なので周りを見渡すだけで見つけることが出来た。
設営が終わった後は近隣の奥様達とまったりと井戸端会議でもしているみたいで、遠目から見ても楽しそうだったので、時間が来るまでは後方警備という名目にしておこう。
さて、どうしたもんかな?演説予定の時間まで、まだ余裕もあるし、椅子に座ってシスター達と何気ない会話を楽しもうかな?
その辺にある椅子に座るとテーブルと椅子を飾りつけを手伝っていない手持ち無沙汰のシスターたちが駆け寄るように持ってきてくれる、連携力も高く、すかさずに紅茶とお茶菓子も持ってきて、即席のお茶会が始まる。
こうなるのは予想通りかな、何か手伝えることが無いかと右往左往しているシスター達がいたからね、私を持て成すという業務が発生したら即座に参加するよね!
そりゃ、ねぇ?こんな状況だもんね、落ち着かないよね~これから起こる何かという非日常的な空間となっているのだから、普段からここで仕事をしている人達だと尚更、そわそわしちゃうよね、じっとしてられないんだろうな~。
皆の緊張をほぐす為にも何気ない会話を楽しんでいたら女性たちが集まると自然と恋バナになる…そういうものなのかな?
笑顔で会話に参加するというよりも聞き専に徹する、だって、恋バナってよくわかんないんだもん。
どうやら、シスター達から見て、私が引き連れてきたメンバー達の中で気になる人が居るのかどうかって話題みたいだけどさ、残念ながらお眼鏡にかなう人はいなかったみたい。
その反応にさ、ちょっとばかしムっとしちゃった、つい、メンバー達が装備を外して素の状態で会ってから判断して欲しいよねという苦し紛れの発言から、お見合いパーティーをしようと話が進んでしまった。
正直なところ、大切な戦士達が街を離れるきっかけづくりになってしまうので、こういった事態は避けたい部分もあれば、大切な戦士達が幸せになるのだったら、いいよねって考えてしまう部分もあり、どちらが正解かなんて何も言えねぇ…
各々の判断に任せる流れになっちゃった…それならこっちで一枚嚙むのがいいのかな?いいのだろうか?考えとこっと
雑談トークという話の流れで、教えてもらったんだけど、教会ってボランティア?とかで掃除とかをしてもらっていたりするみたい。
その中には、貴族の子供達も来てくれるみたいでさ、シスター達から未来が楽しみな少年がいるんだって、なんでも、音楽が好きな子がいたり、熱心に掃除してくれる将来有望な美男子がいたりするみたいなんだって、なんかさ、その視線は大丈夫なのかな?ちゃっかり小さな男の子を熱く熱心に見ている人がいるんだけど、大丈夫?ここの教会、欲にまみれ過ぎじゃない?
そのまま、だらだらとシスター達が普段している様な話を聞かせてもらっていると、司祭様が時間ですよと知らせてくれるので、全員が一斉に立ち上がる。
シスター達も、先ほどまでの緩い雰囲気から厳格な雰囲気に変えるために表情を硬い雰囲気にしようと何度も深呼吸をして気持ちを入れ替えている。
立ち上がって深呼吸をして、緩んだ心を神経を張り詰めて適度な緊張感を体に宿す。
向かう先は視線の先にある、予定ではお粗末な壇上だったけれど、皆の熱意と好意によって豪華な壇上へと生まれ変わった特別な壇上。
その壇上にゆっくりと丁寧に、皆の期待を背負いながら上がり、壇上の上から見える世界には、数多くの人が詰めかけている…
平民達だけじゃない、貧困層の人も、遠くには貴族のマダム達…そのマダム達を警護するための付き添う私兵団、それらすべてを含めて、さっと計算するとおおよそ1000人以上は、集まってくれている…
この光景を作りだせたのがここ数日の結果だけじゃなく、この一年間、色んな思惑によって考案して私だけが楽しむんじゃなくて世間で役立つようにと思って作ってきた魔道具の成果でもある。
1年頑張ってきた成果って考えると感慨深いよね。
…でもなぁ、こういった目的で頑張ってきたわけじゃないんだけどな~。
最初はただただ、自分が作りたかったものを作っていただけなんだけどね、術式を応用して何か出来ることが無いかなぁって、思考を張り巡らせて些細な出来事や日常におけるヒントを探してるとさ、唐突に閃いたりするんだよね。
その閃きの中から現時点で出来そうな事が見つかったら試してみて、そして、出来た物を色んな人に自慢したくて、ただただ、褒められることで知的好奇心や自尊心を満たしたかっただけだったんだけどね。
そりゃ、予算を勝ち取るためにニーズのある物を作ったりもしたよ?本音の所は、本当に自分の事しか考えていなかったんだけどなぁ…
自分勝手気ままに生きて行こうと他人がどうなろうがしったこっちゃないっていう人として何処か欠陥を抱えているのだと冷静に自分を見つめなおすとそう感じてしまう、だからこそ、壇上の上に立ったとしても心臓が大きく跳ね上がったり、脈が不安定になったり、足が震えるようなことは一切なかった、どれだけの人に見つめられようと私の心には何も変化が生まれない、いつも通り、ここが何処だろうが変わらず平常心を保てていられる。
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