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希望の光 ④
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その全てを共に歩み、傍で見てきたであろう、姫様の事を一番知っている人物が待っている部屋に入っていくと
「あんたねー、ノックくらいしなさいよ」
赤ちゃんにご飯をあげているところだった、慌ててドアを閉めたけれど…よかった、後ろに男の人が居なくて!いたら、めちゃくちゃ怒られてた!!
「ごめんなさい、ご飯の時間だったんだね」
「そうよ。デリカシーがなってないわよ?…まぁ予想はできないでしょうし致し方ないわよね、この街に赤ちゃんがいること自体がありえないのでしょうから」
赤ちゃんのお口周りを綺麗にして、開けた服を綺麗に直している、そっか、ご飯の時間だから大先輩が連れてきていたんだね、だから病棟にいたんだね。
この街にとって珍しい赤ちゃんを、ついつい、眺めてしまう。
じーっと赤ちゃんを眺めていると不思議と…どうしてだろうか?他人じゃないような気がする?髪の色が黒髪だから、親近感でも湧いているのかな?
「ちょっとベッドで寝かせるから赤ちゃん用のベッド持ってきてくれるかしら?」
滅多に見れない赤ちゃんに、私も願っても願っても幾ら欲しても産めない赤ちゃんに見惚れていないで手伝ってあげないと
部屋から出て、赤ちゃん用のベッドを取りに行く
こんな街でも何かに備えて色々な道具が用意されている。その中でも特殊というか出番があるのかずっと謎だった赤ちゃん用のベッドもしっかりと用意してある。
このベッドが用意されているのを見つけた医療班全員が、この街で子供を産む人っていないでしょって笑いあっていたことがあったけれど、使う日が訪れて良かったと思ってしまう。
それに、一頻り笑った後は、このベッドがいっぱい必要になる世界になるといいですねっと、締めくくられたのは…忘れられない思い出の一つ
ベッドを運んてきて中にはいると、No2が半分寝ていたみたいなのか、ドアが開かれる音にビクっと体が反応していた。
赤ちゃんを抱っこしながら寝ないでよ?って注意したいけれど、お互い、ほぼ寝てないから仕方がないよね。
赤ちゃんを受け取って、ゆっくりとベッドに寝かせる、うん、可愛いね…健やかに元気に育つんだよ?
気持ちよさそうに寝ている赤ちゃんに手を振って、次はうつらつらとしているNo2に肩を貸して近くのベッドに寝かせてから
空き病室のプレートを使用中に変えてっと…さて、私も休憩したいけれど、その前に
先ほどの休憩室に向かって歩くけれど、目当ての人はいない
彼女が移動する場所と言えば、姫様の病室の前に向かう
病室の前に予想通り不安そうに首から下げたネックレスを握りしめている…二人お揃いで造ったネックレス、始祖様の秘術から生み出すことが出来た特殊な槍がぶら下がっているネックレス
「大丈夫、次こそは、救ってみせる、助けてみせるよ」
心配そうにしている彼女の隣に立って声を掛けると静かに不安そうに頷いている。
「…私は、何も、特殊な、何も持っていません、でも、皆を支えることはできます、だから」
俯いたまま不安そうに自分が何もできないということを滑らせているけれど、そんなことないよ、メイドちゃんが居たからこそ、前回の作戦も何とかなったし、今回もメイドちゃんが私達の仕事を大きく受け持ってくれているからこそ、姫様の治療に専念出来ている
「持っていないことないよ、全員がしっかりと持てるもの全てを使って、今を維持してきている、これからも、この先もメイドちゃんは必要だよ?」
何も言わずに俯いたまま、静かに時間が流れていく…そういえば、尻もちをついていたけれど、それについて触れてもいいのかな?団長は人の心がわからないってよく言われるけれどさ、これをこの、今の感じで聞くのは、間違っているからってことだよね?だと、すれば聞かないのが正解?
「そういえば、お尻大丈夫?」
聞かないのが正解なのかもしれないけれど!気になる部分は聞きたくなる性分が抑えられない!
「…ぁ、はい、だいじょうぶ、ですぅ」
ぺしっとお尻を叩かれてしまう、今聞くなよっという小さな抵抗を感じてしまう…うん、聞かないが正解だったみたい!
「姫様の事は、私達が見守っていますから、団長も少しは休憩してください」
きゅっと手を握られたと思ったら、心配そうにこちらの顔を覗き込んでくる。うん、そうだね、私も少しは体を休めないといけないよね。
「ありがとう」
覗き込んできた瞳を真っすぐに見つめ返す…メイドちゃんも忙しいみたいだね、目の下にクマが出来てるし、少し、肌色が悪い、やつれてる?ちゃんとご飯食べてるのかな?仕事が忙しくて寝る時間もないのかな?あー、それにすこし、頬も赤いから、風邪ひいてない?大丈夫?寝不足は免疫力低下させちゃうよ?うーん、いま、そういうのって注意しちゃいけない感じだよね?どうやって伝えたらいいのかな?視線も右往左往しているし、唇をきゅっと噛んでたりするし?だんだんと落ち着きが無くなってきてるよ?大丈夫?
「お!ここにいたのか、飯はどうする?食べる時間も惜しいなら点滴を用意するぞ?」
通路の奥の方から大先輩の声が聞こえるので、返事を返そうと手を離して「いってくるね」メイドちゃんに手を振ってその場から離れていく
大先輩と相談した結果、魔力回復促進剤の成分をある程度含んだ栄養剤が入った点滴を私とNo2に処方してもらう方針となった。
お互い、寝る時間も惜しいくらい準備に追われていたから、今は少しでも寝るのが正解だよね?
ちょっと、寝るのが怖いけれど、うん、寝ないとだめだよね?記憶を整理しないと…今の状況でもう一回ダイブしたら持っていかれそうな気がする。
受け取った記憶を私の中で整理整頓するために眠ろう…
No2と赤ちゃんが寝ている部屋に入ると二人とも気持ちよさそうに寝ている、うん、赤ちゃんも寝ているし少しでも仮眠をとろう。
テキパキと点滴の準備をする、寝ているNo2の腕に針を刺して点滴の流れも問題なし、よし!
それじゃ、次は、自分自身も…さしてっと、普通は誰かにしてもらうのが一番だけど、まぁ、何とかなるよね手慣れているから余裕余裕、点滴の流れも問題なし!逆流無し!よし!
ベッドで横になるとドアが小さく開き
「安心して寝ろよ!定期的に巡回してるからな~」
中に入ることなく、声だけを中に放り込むように、此方を落ち着かせるように声を掛けてくれた。
大先輩の言うとおりに安心して目を瞑ると、直ぐに意識は眠りの底へと連れていかれた
夢をみた…うん、これは姫様の記憶、いつも辛そうにしているけれど、救いがあるのだと知っているから、どんなに辛くて痛い思いをしても前へ向かって這いつくばろうと動き続けてきた人の願い
次こそは、絶対に…成功してみせる。待っててね、姫様。
ドアが開く音で目が覚める、視線を向けるとNo2が起き上がって点滴を外している、ちらりと点滴の中身を確認するともう少しで無くなりそうな感じだから、外しても問題はないかな。私の方も、同じくらい減っているから、うん、私も起きよう
上半身を起こすと
「あら、おはよう。貴女は目覚めがいいのね」
「うん、起きてすぐに行動することが多いからかな?姫様みたいに寝起きは悪い方じゃないからね」
ジェスチャーで点滴を外すと?指を指してくるのでお願いしますと目くばせすると、ささっと点滴を外してガーゼを押し当ててくれる。
「はい、これでよし、貴女は我慢できそう?」
「…あ、まだ大丈夫、赤ちゃん見てるから行ってきなよ」
頷いた後、慌てるように小走りで向かって行く、年上のお姉さま達が教えてくれたけれど、年を重ねるとトイレが近くなるって…仕方がないよね~点滴をしたあとってさ、トイレ行きたくなるんだよね
ちらりと横を見ると尿瓶が置かれている…うん、それを使う程でもないから、まだ我慢できるよ?歩けるし!まだ大丈夫!…なるべく早くお願いします!
永く感じる静かな空間、じっとしていると込み上げてくるので、紛らわせるために視線を彷徨わせる…赤ちゃんは気持ちよさそうに寝ている
「お待たせ!」
髪の毛が乱れている先輩の声と同時に小走りでお手洗いに向かって駆けだすとその音で赤ちゃんが起きたみたいで鳴き声をバックに走り出す!
起こしちゃってごめん!という謎の罪悪感を感じながら
トイレから戻ってくると、おむつを交換している、テキパキと迷うことなく最短で最小の動きで終わらせていく。
見惚れてしまう程の手慣れた動き、それもそうだよね、怪我した人を介護するためにそういった技術も学んできているし当然だよね。
ささっと終わった後は抱っこしてあやしている、うん、何処からどう見てもお母さんって感じだね。あの手厳しくてちょっと怖かったあの先輩が母の顔つきって感じになってる。
微笑ましい状況をついつい、じっと眺めていたくなるけれど、今は少しでも情報が欲しい。
ベッドに腰を掛けてから気になっていることがあると声を掛けるとNo2もベッドに腰を掛ける
気になることがあるそれを確かめたい、姫様と同調したのは報告済みだけど、何処まで同調現象が発生しているのか伝えていなかった
詳しく話しておいた方がいいと思う、この先、残り材料を確認したわけではないけれど、何度も何度でも出来るわけじゃないから。
自分が追体験して来た内容を伝えると
「…そう、それはね、私も知らない物語よ」
やっぱりそうだよね、No2が語ってくれた物語に姫様が窮地に陥って死んだという話は聞かない、聞かないけれど、知っている様な素振り。
やっぱり、真実なんだね、姫様が何度も死を経験しているってい部分は。妄想とかであって欲しいと願ってしまっていた部分が少なからずあったけれども、うん、受け止めよう、あの追体験は妄想の域を超えていたもの、そうだよね、うん、なら、次に追体験で私は何度死ぬ思いをすることになるのか、気合入れて挑まないとだめだね。
前回のは不意打ちに近い。
暴力的で為す術もなく、あそこまで悲惨な追体験を経験させられるんだってわかっていなかったから、そういった心構えが出来ていなかった、けれど!
次もそういうのがあれば心強く保って見せる!もう大丈夫!って、言いたいけれど、やっぱり少し不安は残る
自分の中に痛みと恐怖に対する覚悟を固めて行っていると、複雑そうな表情で此方を見ている?なんだろう?
「ちょっと、気になったんだけど…その追体験の中に貴女は出てきたの?」
うーん、出てきたのは少しだけ、幼い私だけだった、私がこの街に来てからの姿はみていない?
「大人になってからの私は見ていない、かな?そこから先は私もこの街に来ているし、私も、姫様も、同じような経験をしているだろうから、知らなくても、いいんじゃないかな?特に、問題ある?ない、よね?」
この街に来てから、なんやかんやと、姫様と遊ぶことが多かったし、行動を共にすることは多い。
でも、よくよく考えると常に一緒にいたわけじゃない。
姫様が外で行動している間は何をしているのか知らないし、研究も全てを知っているわけじゃない。
でも、それはNo2も同じ条件、私と同じ、そう、だよね?私の知る限り、No2って、滅多なことが無い限りこの街から出ることは、殆どなかったよね?たまーに外に遊びに出ているのは知ってるけれど、何日も~…開けてる日が完全になかったわけじゃないか…
私の知らない所で何かがあったと言われたらあったのだろうとは、思う、常に二人と共に行動してきたわけじゃないもの
「…っとなると、そうね…そう、なのね…っとなると、やっぱり知っておく必要があるのでしょうね、知っているのと知らないのでは受け止め方が変わってくるでしょうし」
今までと比べて歯切れが悪いけれど、何かあるの?表情も辛そうだし
「貴女に関わる内容だから敢えて言わないようにしていたのだけれど、言わないといけないのでしょうね」
ん?私に関係する内容?ん~私と姫様もなんだかんだと長い付き合いだし、関係ないわけじゃないでしょ?
「ねぇ、貴女はこの子を見て、何か感じるものがあるかしら?」
気持ちよさそうに眠ろうとしている赤子を見つめる、黒い瞳に黒い髪…何故か親近感が湧いてくる、見ている限り大人しい子なのかな?ってくらいだけど?まだ産まれて長いわけじゃないし個性なんて出てくるわけじゃないけれど、何処か…どこか雰囲気が誰かに似ている気はしている、その誰かが何かはわからない?
「何かよくわからない縁を感じてはいそうね、不思議なモノよね人って、どうしてかわからないけれど、何かを感じる…話さないといけないわね…私達の倫理から外れてしまった考えや研究を」
悲しそうな、辛そうな、何とも言えない表情で語ってくれた…二人の世界を救うための歩んできた道のりを
「あんたねー、ノックくらいしなさいよ」
赤ちゃんにご飯をあげているところだった、慌ててドアを閉めたけれど…よかった、後ろに男の人が居なくて!いたら、めちゃくちゃ怒られてた!!
「ごめんなさい、ご飯の時間だったんだね」
「そうよ。デリカシーがなってないわよ?…まぁ予想はできないでしょうし致し方ないわよね、この街に赤ちゃんがいること自体がありえないのでしょうから」
赤ちゃんのお口周りを綺麗にして、開けた服を綺麗に直している、そっか、ご飯の時間だから大先輩が連れてきていたんだね、だから病棟にいたんだね。
この街にとって珍しい赤ちゃんを、ついつい、眺めてしまう。
じーっと赤ちゃんを眺めていると不思議と…どうしてだろうか?他人じゃないような気がする?髪の色が黒髪だから、親近感でも湧いているのかな?
「ちょっとベッドで寝かせるから赤ちゃん用のベッド持ってきてくれるかしら?」
滅多に見れない赤ちゃんに、私も願っても願っても幾ら欲しても産めない赤ちゃんに見惚れていないで手伝ってあげないと
部屋から出て、赤ちゃん用のベッドを取りに行く
こんな街でも何かに備えて色々な道具が用意されている。その中でも特殊というか出番があるのかずっと謎だった赤ちゃん用のベッドもしっかりと用意してある。
このベッドが用意されているのを見つけた医療班全員が、この街で子供を産む人っていないでしょって笑いあっていたことがあったけれど、使う日が訪れて良かったと思ってしまう。
それに、一頻り笑った後は、このベッドがいっぱい必要になる世界になるといいですねっと、締めくくられたのは…忘れられない思い出の一つ
ベッドを運んてきて中にはいると、No2が半分寝ていたみたいなのか、ドアが開かれる音にビクっと体が反応していた。
赤ちゃんを抱っこしながら寝ないでよ?って注意したいけれど、お互い、ほぼ寝てないから仕方がないよね。
赤ちゃんを受け取って、ゆっくりとベッドに寝かせる、うん、可愛いね…健やかに元気に育つんだよ?
気持ちよさそうに寝ている赤ちゃんに手を振って、次はうつらつらとしているNo2に肩を貸して近くのベッドに寝かせてから
空き病室のプレートを使用中に変えてっと…さて、私も休憩したいけれど、その前に
先ほどの休憩室に向かって歩くけれど、目当ての人はいない
彼女が移動する場所と言えば、姫様の病室の前に向かう
病室の前に予想通り不安そうに首から下げたネックレスを握りしめている…二人お揃いで造ったネックレス、始祖様の秘術から生み出すことが出来た特殊な槍がぶら下がっているネックレス
「大丈夫、次こそは、救ってみせる、助けてみせるよ」
心配そうにしている彼女の隣に立って声を掛けると静かに不安そうに頷いている。
「…私は、何も、特殊な、何も持っていません、でも、皆を支えることはできます、だから」
俯いたまま不安そうに自分が何もできないということを滑らせているけれど、そんなことないよ、メイドちゃんが居たからこそ、前回の作戦も何とかなったし、今回もメイドちゃんが私達の仕事を大きく受け持ってくれているからこそ、姫様の治療に専念出来ている
「持っていないことないよ、全員がしっかりと持てるもの全てを使って、今を維持してきている、これからも、この先もメイドちゃんは必要だよ?」
何も言わずに俯いたまま、静かに時間が流れていく…そういえば、尻もちをついていたけれど、それについて触れてもいいのかな?団長は人の心がわからないってよく言われるけれどさ、これをこの、今の感じで聞くのは、間違っているからってことだよね?だと、すれば聞かないのが正解?
「そういえば、お尻大丈夫?」
聞かないのが正解なのかもしれないけれど!気になる部分は聞きたくなる性分が抑えられない!
「…ぁ、はい、だいじょうぶ、ですぅ」
ぺしっとお尻を叩かれてしまう、今聞くなよっという小さな抵抗を感じてしまう…うん、聞かないが正解だったみたい!
「姫様の事は、私達が見守っていますから、団長も少しは休憩してください」
きゅっと手を握られたと思ったら、心配そうにこちらの顔を覗き込んでくる。うん、そうだね、私も少しは体を休めないといけないよね。
「ありがとう」
覗き込んできた瞳を真っすぐに見つめ返す…メイドちゃんも忙しいみたいだね、目の下にクマが出来てるし、少し、肌色が悪い、やつれてる?ちゃんとご飯食べてるのかな?仕事が忙しくて寝る時間もないのかな?あー、それにすこし、頬も赤いから、風邪ひいてない?大丈夫?寝不足は免疫力低下させちゃうよ?うーん、いま、そういうのって注意しちゃいけない感じだよね?どうやって伝えたらいいのかな?視線も右往左往しているし、唇をきゅっと噛んでたりするし?だんだんと落ち着きが無くなってきてるよ?大丈夫?
「お!ここにいたのか、飯はどうする?食べる時間も惜しいなら点滴を用意するぞ?」
通路の奥の方から大先輩の声が聞こえるので、返事を返そうと手を離して「いってくるね」メイドちゃんに手を振ってその場から離れていく
大先輩と相談した結果、魔力回復促進剤の成分をある程度含んだ栄養剤が入った点滴を私とNo2に処方してもらう方針となった。
お互い、寝る時間も惜しいくらい準備に追われていたから、今は少しでも寝るのが正解だよね?
ちょっと、寝るのが怖いけれど、うん、寝ないとだめだよね?記憶を整理しないと…今の状況でもう一回ダイブしたら持っていかれそうな気がする。
受け取った記憶を私の中で整理整頓するために眠ろう…
No2と赤ちゃんが寝ている部屋に入ると二人とも気持ちよさそうに寝ている、うん、赤ちゃんも寝ているし少しでも仮眠をとろう。
テキパキと点滴の準備をする、寝ているNo2の腕に針を刺して点滴の流れも問題なし、よし!
それじゃ、次は、自分自身も…さしてっと、普通は誰かにしてもらうのが一番だけど、まぁ、何とかなるよね手慣れているから余裕余裕、点滴の流れも問題なし!逆流無し!よし!
ベッドで横になるとドアが小さく開き
「安心して寝ろよ!定期的に巡回してるからな~」
中に入ることなく、声だけを中に放り込むように、此方を落ち着かせるように声を掛けてくれた。
大先輩の言うとおりに安心して目を瞑ると、直ぐに意識は眠りの底へと連れていかれた
夢をみた…うん、これは姫様の記憶、いつも辛そうにしているけれど、救いがあるのだと知っているから、どんなに辛くて痛い思いをしても前へ向かって這いつくばろうと動き続けてきた人の願い
次こそは、絶対に…成功してみせる。待っててね、姫様。
ドアが開く音で目が覚める、視線を向けるとNo2が起き上がって点滴を外している、ちらりと点滴の中身を確認するともう少しで無くなりそうな感じだから、外しても問題はないかな。私の方も、同じくらい減っているから、うん、私も起きよう
上半身を起こすと
「あら、おはよう。貴女は目覚めがいいのね」
「うん、起きてすぐに行動することが多いからかな?姫様みたいに寝起きは悪い方じゃないからね」
ジェスチャーで点滴を外すと?指を指してくるのでお願いしますと目くばせすると、ささっと点滴を外してガーゼを押し当ててくれる。
「はい、これでよし、貴女は我慢できそう?」
「…あ、まだ大丈夫、赤ちゃん見てるから行ってきなよ」
頷いた後、慌てるように小走りで向かって行く、年上のお姉さま達が教えてくれたけれど、年を重ねるとトイレが近くなるって…仕方がないよね~点滴をしたあとってさ、トイレ行きたくなるんだよね
ちらりと横を見ると尿瓶が置かれている…うん、それを使う程でもないから、まだ我慢できるよ?歩けるし!まだ大丈夫!…なるべく早くお願いします!
永く感じる静かな空間、じっとしていると込み上げてくるので、紛らわせるために視線を彷徨わせる…赤ちゃんは気持ちよさそうに寝ている
「お待たせ!」
髪の毛が乱れている先輩の声と同時に小走りでお手洗いに向かって駆けだすとその音で赤ちゃんが起きたみたいで鳴き声をバックに走り出す!
起こしちゃってごめん!という謎の罪悪感を感じながら
トイレから戻ってくると、おむつを交換している、テキパキと迷うことなく最短で最小の動きで終わらせていく。
見惚れてしまう程の手慣れた動き、それもそうだよね、怪我した人を介護するためにそういった技術も学んできているし当然だよね。
ささっと終わった後は抱っこしてあやしている、うん、何処からどう見てもお母さんって感じだね。あの手厳しくてちょっと怖かったあの先輩が母の顔つきって感じになってる。
微笑ましい状況をついつい、じっと眺めていたくなるけれど、今は少しでも情報が欲しい。
ベッドに腰を掛けてから気になっていることがあると声を掛けるとNo2もベッドに腰を掛ける
気になることがあるそれを確かめたい、姫様と同調したのは報告済みだけど、何処まで同調現象が発生しているのか伝えていなかった
詳しく話しておいた方がいいと思う、この先、残り材料を確認したわけではないけれど、何度も何度でも出来るわけじゃないから。
自分が追体験して来た内容を伝えると
「…そう、それはね、私も知らない物語よ」
やっぱりそうだよね、No2が語ってくれた物語に姫様が窮地に陥って死んだという話は聞かない、聞かないけれど、知っている様な素振り。
やっぱり、真実なんだね、姫様が何度も死を経験しているってい部分は。妄想とかであって欲しいと願ってしまっていた部分が少なからずあったけれども、うん、受け止めよう、あの追体験は妄想の域を超えていたもの、そうだよね、うん、なら、次に追体験で私は何度死ぬ思いをすることになるのか、気合入れて挑まないとだめだね。
前回のは不意打ちに近い。
暴力的で為す術もなく、あそこまで悲惨な追体験を経験させられるんだってわかっていなかったから、そういった心構えが出来ていなかった、けれど!
次もそういうのがあれば心強く保って見せる!もう大丈夫!って、言いたいけれど、やっぱり少し不安は残る
自分の中に痛みと恐怖に対する覚悟を固めて行っていると、複雑そうな表情で此方を見ている?なんだろう?
「ちょっと、気になったんだけど…その追体験の中に貴女は出てきたの?」
うーん、出てきたのは少しだけ、幼い私だけだった、私がこの街に来てからの姿はみていない?
「大人になってからの私は見ていない、かな?そこから先は私もこの街に来ているし、私も、姫様も、同じような経験をしているだろうから、知らなくても、いいんじゃないかな?特に、問題ある?ない、よね?」
この街に来てから、なんやかんやと、姫様と遊ぶことが多かったし、行動を共にすることは多い。
でも、よくよく考えると常に一緒にいたわけじゃない。
姫様が外で行動している間は何をしているのか知らないし、研究も全てを知っているわけじゃない。
でも、それはNo2も同じ条件、私と同じ、そう、だよね?私の知る限り、No2って、滅多なことが無い限りこの街から出ることは、殆どなかったよね?たまーに外に遊びに出ているのは知ってるけれど、何日も~…開けてる日が完全になかったわけじゃないか…
私の知らない所で何かがあったと言われたらあったのだろうとは、思う、常に二人と共に行動してきたわけじゃないもの
「…っとなると、そうね…そう、なのね…っとなると、やっぱり知っておく必要があるのでしょうね、知っているのと知らないのでは受け止め方が変わってくるでしょうし」
今までと比べて歯切れが悪いけれど、何かあるの?表情も辛そうだし
「貴女に関わる内容だから敢えて言わないようにしていたのだけれど、言わないといけないのでしょうね」
ん?私に関係する内容?ん~私と姫様もなんだかんだと長い付き合いだし、関係ないわけじゃないでしょ?
「ねぇ、貴女はこの子を見て、何か感じるものがあるかしら?」
気持ちよさそうに眠ろうとしている赤子を見つめる、黒い瞳に黒い髪…何故か親近感が湧いてくる、見ている限り大人しい子なのかな?ってくらいだけど?まだ産まれて長いわけじゃないし個性なんて出てくるわけじゃないけれど、何処か…どこか雰囲気が誰かに似ている気はしている、その誰かが何かはわからない?
「何かよくわからない縁を感じてはいそうね、不思議なモノよね人って、どうしてかわからないけれど、何かを感じる…話さないといけないわね…私達の倫理から外れてしまった考えや研究を」
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