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Dead End ユ キ・サクラ (62)

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最初は一週間もすれば落ち着くでしょって思ってたら、めちゃくちゃ長期戦になりそうな雰囲気を感じてさ、手遅れになる数、攻めてくる数が、余りにも厳しいっと限界が近づく前に、手を貸してくれる人に事前に相談するのは定石!手遅れになってから相談するのは馬鹿がすること!

この辺りに関しては、事前に3か月前から宰相に頼んでいる。

頼んだ結果、宰相が個人的に育てて、息がかかっているお抱えの騎士団ってのがいる。通称直属部隊。
その直属部隊を、この街に派遣してもらう約束は取り付けている!
それだけじゃないよ?いざって時の為に、私が知る限り人類最強!衰え知らずの筆頭騎士引退お爺ちゃんにも、もしもの時はって感じで、事前に相談している。

相談しておいてなんだけどさ…
正直に言えば、息子さんを失った死の大地である、前線に送り込むってのはさ、心の奥底で、良くないだろうなって…抵抗を感じてはいる。

けれども!背に腹は代えられない!…言い訳になるんだけど、お爺ちゃんからも、さ、前々から色々と声を掛けてもらっているんだよね。

…昔からね、この街に着いては気にしてくれていたみたい、引退したらこの街に行こうかと悩んでいたみたい。
だからね、約束をしてくれたんだよね、何かあれば助けるから遠慮せずに声を掛けて欲しいって!

後ね、ユキさんには絶対に言えないんだけど…実は違う方面でも相談に乗ってるんだよね。
その違う方面ってのが、彼の懐事情!ってやつ…お爺ちゃんの家を守るためにお金が必要だっていうのも知っているから、子供として頼っているというよりも、お互いがWINWINの関係性って感じで、かなり頼ってはいるんだよね~…
彼の懐事情ってさ、相談を持ち掛けられる迄、ずっと勘違いしていたんだよね。
実は、彼ってさ、めちゃくちゃ裕福でお金なんて湯水のように使える程に大富豪!大貴族!って、思っていたけれど、実はそうじゃなかったみたいなんだよね。
家を維持するためにも報酬の良い仕事はドンドンとくれってお願いもされている、だから、私が管理している銀行関係の警備とか、お金を移動するときに護衛とか、私が王都に行くときに周囲の警備とか、指で数えきれないほどに色んな、お仕事を昔から、依頼している。

私としても、王都最強の駒をコネでこきつか…お仕事を頼めるってのは凄く頼りにさせてもらったかな?
山賊の残党とかを討伐する時も頼りにさせてもらったしね。

んでもね~、色んな貴族から話を聞くと、彼は慎ましく普通の貴族として生活する分には問題ない程に王家からも、息子さん達からも給金を貰っているはずなんだよね~…
じゃぁ、どうしてお金が足りてないのか?理由は単純だった!新しいものが大好きなんだよね!お爺ちゃんってやつは!

車が出来て、街中を移動できるように道路も作って、色んな街に出かけやすくなったと思ったら、貴族たちが手に入れたら自慢しまくる高級車を二つ返事でぽんっと買っちゃったんだよね…それを見て、奥様達が値段幾らぐらいなのか私に聞きに来るんだけど、言えるわけがないので、誤魔化すのも大変だったけれど、結局バレて怒られてたみたい。

っでさ、車を手に入れちゃうとさ…流れ的にそうなるわけじゃん?今まで頑張ってきた、お馬ちゃんがさ?お役御免になるわけじゃん?

どうするの?って聞いたら、適当な貴族が買うじゃろって、情もへったくれも無くさらっと、手放す宣言してきたからさー、私としてもさー、ちょっと思い入れのある子なわけじゃん!?過去にお世話になったお馬ちゃんを良く知らない人が世話するのって嫌だったんだね!だから、かなりの高値で引き取ったの!
引き取ったのは…良いんだけどさ~…この街では死の大地からの圧によって動物たちのストレスが凄くて、生きにくい場所みたいなんだよね…
ってなわけで、本当ならこの街でノンビリと過ごしてもらいたかったけれどさ、この街で飼育するわけにもいかなんだよね。

ってなわけで、実家にいるお父様におしつ…プレゼントしたんだよね!
風の噂では自由奔放に野をかけて、時折、馬車を引いて仕事をしているみたいで、引き取ってよかったって思ってる。

その流れを考えればさ、普通に考えると、今までに渡した金額ってのは、相当な額になるわけじゃん?そうとうな報酬を渡しているからさ、あれだけあれば、お金は要らないんじゃないかな~って、思っていたんだけれど…
あの人って、実は、相当な、浪費家だったんだよね…
稼ぐためなら!いざって時は、孫と共に前に出るから何時でも相談してくれ!って切実に相談されてもいるのって遊ぶ為の金が欲しいってことなんだよね!!
お陰様で、引退した人をこきつかうのは、どうなのかなぁっていう、後ろめたい気持ちなんて吹っ飛んだよ!
ってなわけで、今回もいざって時は声をかけるから~っと念のために伝えてはいるんだよね。

そんな、引退後の方が生き生きとしているお爺ちゃんもさ、流石に、今のお孫さんを見たら、驚いて自分も人類の為に頑張ろうって考え直す事、間違いなしだろうなぁ…
家の事情だから詳しくは知らないけれどさ、たぶんだけど、この街に来てから一度もお孫さんと会ってないんじゃないかな?

そのお孫さんこと、ユキさんだけどさ!この1年!必死に!懸命に!ベテランさんの強烈なしごきを耐え抜いた結果!素晴らしく成長しました!

比べちゃいけないのはわかるんだけどさ、つい、幹部としては成果とかって目に見えちゃうから比べちゃうよね。
同期連中は、未だに戦果を上げれてないのに、ユキさんは数多くの獣共を倒し!戦士でも手こずる油断できない熊タイプだとしても!ユキさんが所属する騎士チームで討伐済み!
その成果を認められて、今では、一つの騎士部隊を取りまとめる役に就いたってわけ!
皆に頼られる存在にまで、成長していて皆からは戦士長の椅子に座るのだろうってより一層!期待を送られ続けている。

その期待を背負いながらも!立派に今も、前線で戦ってくれています。

心配なのがさ、街中から期待というなのプレッシャーが倍増していってるのがユキさんの心は耐えきれるのかって部分…
そんな状況を1年も続けばさ、ユキさんの精神状況が芳しくないのではっという杞憂がね、あるわけなんだよね…
ストレスで壊れない様に、勇気くんにユキさんの心の状況は毎月しっかりと確認している。

一か月前の新月で聞いた時だと、新しく入ってきた新兵達を導く立場に成った影響で、責任感からなのか、それとも、新兵達にきつく接しないといけないからなのか、慣れないことに対して、地味にストレス値が上昇しているみたいで、耐え切れないのか夢の中では涙をこぼしてつらいつらいって泣き崩れていることが多いみたいで、勇気くん達も、夢の中でユキさんを慰めたら鼓舞したりと、ケアするのが大変だと言っていた…

その事を聞いて何かできないかと思ったけれど、どうすることもできない。
だって、そういうのってこの街で戦士として生きるのであれば、絶対に通る道だもん…
そういった事とか話してあげたいけれどさ…

この半年間、留まることなく敵が攻め込んでくるからさ、一つの騎士部隊を任されているユキさんも大忙しってわけ!
だから、ユキさんと話す機会がほんっとないんだよね!
ユキさんが外に出ていたらさ、新月の夜も外にいるような状況になるんじゃ?って思うわけじゃん?

その点抜かりなし!!
ちゃんと、その辺りについては、職権乱用!幹部の力を最大限に活用して!
しっかりと根回しをしているのだ!ユキさん達の前線に出るスケジュールを調整して新月の夜付近は街にいるように調整している!ぬかりはない!

抜かりはないんだけど、ユキさんとしてはさ、勇気くんが言うには、休日は自分の部屋から一歩も出ないくらいに疲労しちゃってるみたいで、昼間にこの地下に足を運べそうもない。

そんなわけで、私自身としても、ユキさんと話をして、心のケアをしてあげたいけれども、この場所に来ない限り、ユキさんとの接点が無いんだよね…
っていうか、この忙しい状況だと、私自身もほっとんど地下に居ないから、もしかしたら、地下室に遊びに来てくれていたのかもしれない、ドアに鍵がかかっている時は私がいないって教えているから、私が席を外している時にもしかしたら、遊びに来ていたかもしれない、かな?

ユキさんの状況も把握してはいるけれど、私個人としては動けていないって状況…敵はこの状況を望んで攻めてきている可能性って言うのも否定できない。

頼りの綱にしている人物の状況については、新月の夜、一か月に一度だけの二人だけの秘密会議で、教えてもらったんだけど、医療班も大忙しなのは変わらずって状況みたい。
騎士部隊って医療班を警護する任務もあったりするから、ちゃんと連携連絡は取り合っていたりするから、現場での状況は私よりも詳しかったりするんだよね、っていうか、勇気くん結構、昼間の状況見てたりするんだね。
そんなわけでさ、昼間の状況を覗き見している勇気くんから教えてもらったんだけどぉ…医療班団長である、ジラさんも大忙しってわけになるって、教えてもらったんだよね。
ふーん、よくみてんじゃん、ふーん、ふーん?他の人達の話はそんなに出てこないのに?ふーん?なるほどねー?ふ~ん?

深呼吸をして湧き上がる感情を一旦落ち着かせて!
お母さんってさ、医療班の中では誰よりも死の大地に慣れている、って言うのもあるけれど。実はね、医療班の体制として常に問題になっているのが、お母さん以外の医療班、その殆どが外での勤務を嫌がっているって問題がある。
こういう状況になったら、お母さんはきっと、死の大地での現場対応を率先して担当しているんだろうなぁって、皆の為に!って感じで前に出ているのが、目に浮かぶよね。
医療班団長だけれども、相手が嫌がることを押し付けるような、仕事だからやれ!って強く言えないんだろうな…お母さん自身も死の大地が危険で恐ろしい場所で大地に足を踏み入れるだけでストレスで辛くなるのを知っているからこそ、強く言えないんだろうな。

そうなるとさ、ずっと外に居てる可能性が高くなってさ、病棟にいる方が珍しくなっちゃうんだよね。
必然的に、ユキさんのメンタルケアできていないだろうなぁって、察しれるわけ…ユキさんの心がストレスで暴走しないようにも気を付けないといけないって考えちゃうと、浦東に爆弾みたいで、どっかに放り投げてしまいたくなる、でもね、ユキさんはユキさんなりに必死に頑張ってくれているし、周りに良い影響を与えてくれているから、敵に埋め込まれた爆弾さえなければ最高の人材なんだよね…はぁ、敵ってやつは巧妙すぎて腹が立つ事ばっかり!みつけたら 徹底的に 殺す!!

怒りによって血圧が上がってしまいそうになるので、深呼吸を幾度か繰り返し、荒れ狂いそうになる嵐のような心を落ち着かせていると、ふと、脳裏に浮かぶのは…
私も、お母さんと長い間、会っていない気がする。

こういう時に何時だって、傍に居てくれて慰めてくれたり、励ましてくれたり、優しくしてくれた人の姿…

そして、毎日私に魔力と言う命を与えてくれた人…その人が外に居るのなら、誰が私に魔力を注いでいるのかって、思っちゃうよね?
その辺りの事情に関しては、半年前から変わらずって感じなんだよね…お母さんとの関係に関しては何も変わらず、寧ろ、時間が経てば経つほど、気まずい…
今も、継続して医療班の人に貰ってるし、勇気くんが月に一度だけでも、目一杯渡してくれる。

っていうかね、私が前線に出なくても、戦士や騎士達であれば、鹿や猪が怒涛の様に攻めてきても何も問題なんてないよ?
なら、どうして、私が前線に出ないといけないのかって?困ったことに、猛攻が続く最中にさ、時折、人型が色んな場所で目撃されているし、それだけじゃない、不意を突かれて強襲される様に接敵されて襲われた部隊もいる!…攻めてくる敵の数が多いからこそ、人型に接近されているのに気が付かないことも出てくる。

幸いにも、自爆タイプは確認されていない、このタイミングで自爆タイプが押し寄せてきていたらって、考えるとぞっとする…
もしかしたら、こういう襲撃状態では自爆タイプは配置できないのかもしれない、そうだとしたら、非情に助かる。
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