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Dead End ユ キ・サクラ (73)
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コンコンっとカジカさん愛用っていうか、家宝の鎧をノックすると振り返ってどうしたっと返事をくれる
「ごめんね」
上目づかいで謝ると、滅多に謝らない私を見て驚いたような、照れた様な顔をして
「何、此方こそ、年長者としてあるまじき姿を見せてしまった」
返って来た返事が先ほどの取り乱したような姿を見せてしまった事への謝罪が返ってきた。
あ、うん、そっちの方も、ごめんね、だけど、そっちじゃない。訂正しないと。
「あのね、そっち迄、報告が届いてないっぽいから言うけどね、先の作戦で使った魔道具は…その、残念なことに壊れちゃって…現時点では再起不能、今後、もしかしたら、二度と使えない、かもって、意味での…ごめん、だよ?」
私の技術力が及ばない、私のミスによって選択し一つを潰してしまった未来への謝罪だと伝えると…
暫くの間、真顔でこっちを見つめ続けてくる。
どうやら、私の言葉を飲み込むのに時間が掛かってるみたいで、動きが止まってしまったカジカさんに対して、どうしたものかと悩んでいると…
その状況を見かねたマリンさんが、動かなくなったカジカさんの頭をゴンっと鈍い音を奏でる。
「事情はしんねぇけどさ!魔道具一つ壊れたくらいでなにさ!あたい達が揃えば怖いもんなしだろ?」
粉砕姫マリンがニカっとした、豪快な笑顔で前向きな男らしい発言に対しては凄く助かるけれど…あの、凄い音がしたんだけど、頭、大丈夫なの?
「ってて、先輩!加減してくださいよ、俺だって歳重ねてんですから、昔ほど柔らかいわけじゃないっすよ?」
「っとと、そうだったさぁね!…いやだねぇ、お互い歳くっちまったからなぁ…あの時のように…昔ほど…動けないだろうねぇ…」
二人だけで何かこう、しんみりとしてるけど、もしかしなくても、二人とも覚悟決めてない?死なせないよ?…この状況下で二人も強大な戦士を失うわけにはいかないからね。
死ぬ可能性がゼロではないけれども!絶対に、守って見せるんだから!
「何言ってるの?私が二人を死なせるわけないでしょ?」
カンカンっと二人の鎧を叩きながら、出撃したら絶対に死ぬという結末を見ている二人に注意する。
「…」
驚いた顔で二人同時に私を見下ろさないでよ?間違ったことは言ってないよ?
「ははは!!そうさぁね!そうだったさぁね!」「ああ!そうだったな!そうだったとも!!」
二人同時に笑ってさー、まったく…
死ぬつもりで戦場にでるんじゃないよ!生きて帰るつもりで戦場に出ないと!負けるつもりで闘いに出る馬鹿野郎が何処にいるんだっての!!
悲愴感漂う広場に、二人の巨漢が大きな声で笑っていると
「姫様!我ら親衛隊!全部隊整いました!!何時でも行けます!!ご命令を!!」
唐突に、後ろから声を掛けられると、いつの間にか多くの戦士や騎士達が万全の状態で構えてくれている。
一人一人の表情を見ると、二人と同じく、命を捨てる覚悟を決めている…これじゃだめだ、君たちの命はこんな場所で捨ててはいけない。
「付いて来て欲しいけれど、一つだけ!絶対に誰も死なせないから!死んだら一生許さないから!いい?わかった!?」
「「応!!」」
大きな声が響く…
本当にわかっているのか疑問を感じてしまう、けれども、今は一人一人注意している時間も無い!これ以上、敵が何処かの部隊と接敵するのは良くない!
次の被害が出る前に出撃しないと!
「カジカさん!案内よろしく!」
「ああ、任せろ!最短ルートで行く!お前たち!姫様を頼んだぞ!」「誰に物を言っている!委細承知!!任されよ!!」
転移陣は…視線を向けると他の隊員が魔力を込めて繋げてくれているのが見える!
既に起動済み!連携が取れていて何より!準備なんてしている暇なんて無いってくらい切羽詰まった状況だからね!作戦は移動しながら考えよう!
全員で一斉に転移陣を潜るった先は、お通夜の如く静まり返っていた…
私達が転移陣から出てくるのをわかっていたのか、隠蔽部隊の隊長が珍しく出迎えてくれる、出迎えてくれるけれど…
この状況だもんね、青ざめた表情…うん、言いたいことはわかってる。
彼が望んでいるである、直ぐに撤退の合図を送ってあげたいけれど、この陣を通して必要な物資を運んで欲しいから無理を言わせてもらう。
隠蔽部隊部隊長が絶対に聞きたくない指示を出すと、一瞬にして隠蔽部隊隊長の顔色が変わる。今にも吐きそうな程に顔色が黄土色になる。
ごめんね。君だって死にたくないのはわかってるよ?貴族として点数稼ぎでこの大地に出てきてるだけで命を賭けるつもりは毛頭ないってことくらい知ってるよ?
…逃げたいよね、ある程度、安全だと判断したら点数稼ぎで馬鹿やるけど…流石に今回はそんな気も起きない程に…惨状を知っているから…一刻も早く逃げ帰りたいよね…
『隠蔽部隊には、この後も転送陣を通ってくる補給部隊との橋渡しとしてここで待機。後、伝令係として誰か複数名、現場に寄こせと』
隠蔽部隊隊長に向かって、幹部としての絶対的権限を持って指示を出す。
この指示を周りの戦士達も聞いているが、意義をとなる者、命を差し出せっと捉えられてしまう程に冷酷な判断を誰も咎めようと出てくることは無かった。
何故なら、この場にいる戦士や騎士達は、この大地で生涯を全うするつもりで志願した人が殆どだからだ。
隠蔽部隊に所属している人達とは覚悟が違い過ぎる…
出来れば安全な場所で人類の為にっというか、貴族として点数稼ぎに来て居る、命を賭けるつもりは毛頭ない。
そんな人に…私ってやつは、死ぬ覚悟でついてこいっという命令を下さないといけない。更に卑怯なのが、私が誰々を寄こせと言ったのではなく、部隊長に生贄をお前が選んで差し出せっという命令を下したって事…幹部として、本来であれば、責任をもって命を差し出せって付いて来て欲しい人物の名前を出すのが司令官としての務め、何だけど…
困ったことにさ、寝起きなんだもん…今誰が隠蔽部隊に配属されているのか調べてないんだもん…メンバーを知っていたら此方から誰々を出せっていうもん。
っという、言い訳を脳内で並べて何とか平常心を保つ。
隠蔽部隊から差し出された生贄や、共に付いて来てくれた戦士や騎士達に、簡易的な指示を出して直ぐに、私達は行軍を開始する為に前へ進む。
簡易的な指示、私、カジカ、マリンの三名を主軸として動く。他は命令が無い限り、ある程度下がり、隠蔽部隊や補給部隊を守ることに専念すること。
隠蔽部隊が展開している認識阻害の陣から出ようと前に進むと、戦士が既に準備万端で膝をついて背中を見せている…前回と同じように私を背負って運ぶつもりなのだろう。
戦士のその意志を受け取り遠慮せずに足場に足を乗せ襟元を掴み、耳元でありがとうっと囁くと立ち上がって駆け出してくれる、っていうか、私って足が遅いから背負ってもらった方が速く到着するよね。その方が合理的だし効率的だもんね。
現場に向かって行く間に、出来る限り、目撃者で在り接敵者であり救助者であるベテランさん事、カジカさんに出来る限りの情報を話してもらう。
まず第一に、敵の形状を知りたい!…これが魔力タンク型だったら最上級に厄介。強力な魔道具を持っているタイプで一番考えたくない!
お願いだから魔力タンク型だと見た目でわかってしまうような形状は避けて欲しい。今まで確認されてきたのがお腹の出ているゴリラタイプが魔力タンクだったことが多い。
「敵の姿?二足歩行、おっと、人型であるが?ん?もっと細かく?…そうであるな…あれは、何といえばよいのであるか?見た目の特徴?…そうであるな一言だけ特徴的な部分があるのである」
太っていたであるな
その一言を聞いた瞬間に意識が飛びそうになる…
一瞬だけ目の前が真っ暗になったよ…心が折れそうな情報ありがとう…
敵が魔力タンク型であると想定する。
次に、強力な一撃を放つタイプと想定している敵の魔道具の詳細を知りたい
「魔道具であるか?杖のような長い得物である。敵が放った攻撃は、杖の先端に光が集まっていき、先端から光がゆっくりと出てきたら、弓矢よりも、遅く?であるが、飛んでいき、光が何かにあたるとものすごい光と音がしたのである…光と音が落ち着き、土煙が晴れると、周囲が吹き飛んでいたのが見えたのである」
更に、心が折れそうな情報ありがとう…目の前が真っ暗になりそう…出会って直ぐにほーりーばーすとぶちかましたくなる、ね。内臓何個か消さないといけないから、したくないけど、考えには入れておこう。
敵が本気で此方を潰しにかかってきてるのか殺る気が、今までとは比べ物にならないくらい高い…いや、いつだって本気で殺すつもりで向かってくるけれども!
魔道具の内容が…今までと比べると殺傷能力が高い、高すぎる…これが敵の切り札ってわけ?
これを、準備するために…私達を油断させる為?それとも、時間を稼ぐため?それとも、疲弊させるために…あんな、捨て駒みたいに投入された人型…
水を纏うだけしか効果のない魔道具を持たせたのは、そういう意味があるのだと…考えるべきだよね…っとなると、更なる攻撃はこないっていう、希望を持っても良いかもね。
こいつを何とかすれば、次の攻撃はこないっていう希望的な判断…それすらも罠だったらもう、お手上げだけどね。
見えない意図を探るのはやめよう。それよりも、脅威をどう対処するかだ。
与えられた事前情報から、考えられるのは…考えたくないけれど、敵の魔道具は爆裂系って感じかな?
始祖様から伝えられている術式の中にも似たようなものが記述されていたものを思い出す。
圧縮した魔力を投げる、または、放出して、圧縮した魔力を相手にぶつけて周囲を吹き飛ばす…
始祖様が遺してくれた記述って、私が使う術式だと、事象を定めて現象を産み出すって考えを吹っ飛ばした内容すぎるんだよね…
余りにも実現不可能過ぎて、再現を諦めた術式の一つ。説明を読んだ瞬間に出てきた感想が、っていうかもう、ただの力の塊だよこれ、魔力って言うパワーをただ単純にぶつけてるだけ!!って、感じだったからね。
始祖様だからこそできる荒業だよ、言うなれば剛力によって鉄の塊をキャッチボールのように軽々と扱って、剛力によって剛速球でぶつけてるだけ!って感じ、そんなの大砲だよ!!っというのを思い出す。
…もしかしたら、今回の魔道具もそれと同じなのかもしれない。魔力を圧縮した際に光へと変換され、圧縮した魔力を相手にぶつけて周囲を破壊する。
爆弾と同じ性質っていう、可能性もある。
だとしたら、他にも始祖様が遺してくれた術式で近い性質のものは何個か該当するものがある。
魔力を揮発性液体ガスや、燃焼性の高いモノへと変換し、変換した物質を魔力にって極限にまで圧縮する。
圧縮したちょっとした刺激で爆発する物質を、念動力によって指定の場所へ打ち出し、衝撃を与えると同時に爆発させる術式がある。
他にも、周囲の魔力を搔き集めつつ魔力を光体へと変換し、変換した光を逃がさない様に術者の周囲を循環させるように空間を捻じ曲げ光をより濃く、より深く、より加速させながら、光に質量と熱量を徐々に徐々に、臨界点を超えるか超えないかギリギリまで熱と質量を付与していく。臨界寸前まで、蓄えさせてから敵に向かって光を解き放つ!
光が何かに衝突すると、臨界寸前まで蓄えた全てを解き放ち、周囲を溶かすかのような爆発によって、衝撃を放ち、蓄えられた熱も同時に解き放たれ周囲を焼き尽くす。
他にも、爆発を起点すると術式があるが…カジカさんから聞いた話からすると、この二つが近いと感じた。
候補を二つに絞ったとして、冷静に考えると、二つ目が、敵が持っている魔道具の性質として、近いのかも?
だとしたら、相当な密度のエネルギーがぶつけられていることになる。
私が用意した盾を溶かすほどの熱量、周囲の木々を吹き飛ばすほどの衝撃、大地に生えている草すら吹き飛ばす爆風…
そんなのが直撃したら、鎧を着ていない私は即死だろうな…ううん、当たり所が悪かったら誰だって即死、だろうね。
考えたくなかった事実、結構な予算を導入して、配備した、鎧や盾を軽々と、溶かすほどの高出力。受け止めたく現実…
そこまでの高出力を制御できるとは…敵が生み出せるとは思っていなかった…幾ら、高出力の魔道具があったとしても、それを制御するのは相当な術者じゃないと不可能だと思っていた。
だとして!万が一に備えて盾も!鎧も!この大陸では王族クラスのとびっきりを数多く!用意した!
勇気くんが前に教えてくれたから知っている!ユキさんが持っているのは常人では重すぎて扱いづらい鉄の塊に近い分厚い盾のはず!
けれど…それでも、耐え切れなかった…敵が用意して来た魔道具は、私の想定を軽々と超えていきやがった!!
もっと、爆発の衝撃や熱に耐えられる構造を産み出せなかった私の落ち度だ!!
…私の読みが甘かった、爪が甘かった!!!私が、もっと、もっと更なる別次元の防御力を誇る装備を用意できなかった!あの程度で満足して、次をめざなかった私が悪い!!
知恵と知識はあった、けれども、対策を怠った自分の無能さに自然と手に力が籠められ、唇を噛む…薄っすらと鉄の味がした…
「ごめんね」
上目づかいで謝ると、滅多に謝らない私を見て驚いたような、照れた様な顔をして
「何、此方こそ、年長者としてあるまじき姿を見せてしまった」
返って来た返事が先ほどの取り乱したような姿を見せてしまった事への謝罪が返ってきた。
あ、うん、そっちの方も、ごめんね、だけど、そっちじゃない。訂正しないと。
「あのね、そっち迄、報告が届いてないっぽいから言うけどね、先の作戦で使った魔道具は…その、残念なことに壊れちゃって…現時点では再起不能、今後、もしかしたら、二度と使えない、かもって、意味での…ごめん、だよ?」
私の技術力が及ばない、私のミスによって選択し一つを潰してしまった未来への謝罪だと伝えると…
暫くの間、真顔でこっちを見つめ続けてくる。
どうやら、私の言葉を飲み込むのに時間が掛かってるみたいで、動きが止まってしまったカジカさんに対して、どうしたものかと悩んでいると…
その状況を見かねたマリンさんが、動かなくなったカジカさんの頭をゴンっと鈍い音を奏でる。
「事情はしんねぇけどさ!魔道具一つ壊れたくらいでなにさ!あたい達が揃えば怖いもんなしだろ?」
粉砕姫マリンがニカっとした、豪快な笑顔で前向きな男らしい発言に対しては凄く助かるけれど…あの、凄い音がしたんだけど、頭、大丈夫なの?
「ってて、先輩!加減してくださいよ、俺だって歳重ねてんですから、昔ほど柔らかいわけじゃないっすよ?」
「っとと、そうだったさぁね!…いやだねぇ、お互い歳くっちまったからなぁ…あの時のように…昔ほど…動けないだろうねぇ…」
二人だけで何かこう、しんみりとしてるけど、もしかしなくても、二人とも覚悟決めてない?死なせないよ?…この状況下で二人も強大な戦士を失うわけにはいかないからね。
死ぬ可能性がゼロではないけれども!絶対に、守って見せるんだから!
「何言ってるの?私が二人を死なせるわけないでしょ?」
カンカンっと二人の鎧を叩きながら、出撃したら絶対に死ぬという結末を見ている二人に注意する。
「…」
驚いた顔で二人同時に私を見下ろさないでよ?間違ったことは言ってないよ?
「ははは!!そうさぁね!そうだったさぁね!」「ああ!そうだったな!そうだったとも!!」
二人同時に笑ってさー、まったく…
死ぬつもりで戦場にでるんじゃないよ!生きて帰るつもりで戦場に出ないと!負けるつもりで闘いに出る馬鹿野郎が何処にいるんだっての!!
悲愴感漂う広場に、二人の巨漢が大きな声で笑っていると
「姫様!我ら親衛隊!全部隊整いました!!何時でも行けます!!ご命令を!!」
唐突に、後ろから声を掛けられると、いつの間にか多くの戦士や騎士達が万全の状態で構えてくれている。
一人一人の表情を見ると、二人と同じく、命を捨てる覚悟を決めている…これじゃだめだ、君たちの命はこんな場所で捨ててはいけない。
「付いて来て欲しいけれど、一つだけ!絶対に誰も死なせないから!死んだら一生許さないから!いい?わかった!?」
「「応!!」」
大きな声が響く…
本当にわかっているのか疑問を感じてしまう、けれども、今は一人一人注意している時間も無い!これ以上、敵が何処かの部隊と接敵するのは良くない!
次の被害が出る前に出撃しないと!
「カジカさん!案内よろしく!」
「ああ、任せろ!最短ルートで行く!お前たち!姫様を頼んだぞ!」「誰に物を言っている!委細承知!!任されよ!!」
転移陣は…視線を向けると他の隊員が魔力を込めて繋げてくれているのが見える!
既に起動済み!連携が取れていて何より!準備なんてしている暇なんて無いってくらい切羽詰まった状況だからね!作戦は移動しながら考えよう!
全員で一斉に転移陣を潜るった先は、お通夜の如く静まり返っていた…
私達が転移陣から出てくるのをわかっていたのか、隠蔽部隊の隊長が珍しく出迎えてくれる、出迎えてくれるけれど…
この状況だもんね、青ざめた表情…うん、言いたいことはわかってる。
彼が望んでいるである、直ぐに撤退の合図を送ってあげたいけれど、この陣を通して必要な物資を運んで欲しいから無理を言わせてもらう。
隠蔽部隊部隊長が絶対に聞きたくない指示を出すと、一瞬にして隠蔽部隊隊長の顔色が変わる。今にも吐きそうな程に顔色が黄土色になる。
ごめんね。君だって死にたくないのはわかってるよ?貴族として点数稼ぎでこの大地に出てきてるだけで命を賭けるつもりは毛頭ないってことくらい知ってるよ?
…逃げたいよね、ある程度、安全だと判断したら点数稼ぎで馬鹿やるけど…流石に今回はそんな気も起きない程に…惨状を知っているから…一刻も早く逃げ帰りたいよね…
『隠蔽部隊には、この後も転送陣を通ってくる補給部隊との橋渡しとしてここで待機。後、伝令係として誰か複数名、現場に寄こせと』
隠蔽部隊隊長に向かって、幹部としての絶対的権限を持って指示を出す。
この指示を周りの戦士達も聞いているが、意義をとなる者、命を差し出せっと捉えられてしまう程に冷酷な判断を誰も咎めようと出てくることは無かった。
何故なら、この場にいる戦士や騎士達は、この大地で生涯を全うするつもりで志願した人が殆どだからだ。
隠蔽部隊に所属している人達とは覚悟が違い過ぎる…
出来れば安全な場所で人類の為にっというか、貴族として点数稼ぎに来て居る、命を賭けるつもりは毛頭ない。
そんな人に…私ってやつは、死ぬ覚悟でついてこいっという命令を下さないといけない。更に卑怯なのが、私が誰々を寄こせと言ったのではなく、部隊長に生贄をお前が選んで差し出せっという命令を下したって事…幹部として、本来であれば、責任をもって命を差し出せって付いて来て欲しい人物の名前を出すのが司令官としての務め、何だけど…
困ったことにさ、寝起きなんだもん…今誰が隠蔽部隊に配属されているのか調べてないんだもん…メンバーを知っていたら此方から誰々を出せっていうもん。
っという、言い訳を脳内で並べて何とか平常心を保つ。
隠蔽部隊から差し出された生贄や、共に付いて来てくれた戦士や騎士達に、簡易的な指示を出して直ぐに、私達は行軍を開始する為に前へ進む。
簡易的な指示、私、カジカ、マリンの三名を主軸として動く。他は命令が無い限り、ある程度下がり、隠蔽部隊や補給部隊を守ることに専念すること。
隠蔽部隊が展開している認識阻害の陣から出ようと前に進むと、戦士が既に準備万端で膝をついて背中を見せている…前回と同じように私を背負って運ぶつもりなのだろう。
戦士のその意志を受け取り遠慮せずに足場に足を乗せ襟元を掴み、耳元でありがとうっと囁くと立ち上がって駆け出してくれる、っていうか、私って足が遅いから背負ってもらった方が速く到着するよね。その方が合理的だし効率的だもんね。
現場に向かって行く間に、出来る限り、目撃者で在り接敵者であり救助者であるベテランさん事、カジカさんに出来る限りの情報を話してもらう。
まず第一に、敵の形状を知りたい!…これが魔力タンク型だったら最上級に厄介。強力な魔道具を持っているタイプで一番考えたくない!
お願いだから魔力タンク型だと見た目でわかってしまうような形状は避けて欲しい。今まで確認されてきたのがお腹の出ているゴリラタイプが魔力タンクだったことが多い。
「敵の姿?二足歩行、おっと、人型であるが?ん?もっと細かく?…そうであるな…あれは、何といえばよいのであるか?見た目の特徴?…そうであるな一言だけ特徴的な部分があるのである」
太っていたであるな
その一言を聞いた瞬間に意識が飛びそうになる…
一瞬だけ目の前が真っ暗になったよ…心が折れそうな情報ありがとう…
敵が魔力タンク型であると想定する。
次に、強力な一撃を放つタイプと想定している敵の魔道具の詳細を知りたい
「魔道具であるか?杖のような長い得物である。敵が放った攻撃は、杖の先端に光が集まっていき、先端から光がゆっくりと出てきたら、弓矢よりも、遅く?であるが、飛んでいき、光が何かにあたるとものすごい光と音がしたのである…光と音が落ち着き、土煙が晴れると、周囲が吹き飛んでいたのが見えたのである」
更に、心が折れそうな情報ありがとう…目の前が真っ暗になりそう…出会って直ぐにほーりーばーすとぶちかましたくなる、ね。内臓何個か消さないといけないから、したくないけど、考えには入れておこう。
敵が本気で此方を潰しにかかってきてるのか殺る気が、今までとは比べ物にならないくらい高い…いや、いつだって本気で殺すつもりで向かってくるけれども!
魔道具の内容が…今までと比べると殺傷能力が高い、高すぎる…これが敵の切り札ってわけ?
これを、準備するために…私達を油断させる為?それとも、時間を稼ぐため?それとも、疲弊させるために…あんな、捨て駒みたいに投入された人型…
水を纏うだけしか効果のない魔道具を持たせたのは、そういう意味があるのだと…考えるべきだよね…っとなると、更なる攻撃はこないっていう、希望を持っても良いかもね。
こいつを何とかすれば、次の攻撃はこないっていう希望的な判断…それすらも罠だったらもう、お手上げだけどね。
見えない意図を探るのはやめよう。それよりも、脅威をどう対処するかだ。
与えられた事前情報から、考えられるのは…考えたくないけれど、敵の魔道具は爆裂系って感じかな?
始祖様から伝えられている術式の中にも似たようなものが記述されていたものを思い出す。
圧縮した魔力を投げる、または、放出して、圧縮した魔力を相手にぶつけて周囲を吹き飛ばす…
始祖様が遺してくれた記述って、私が使う術式だと、事象を定めて現象を産み出すって考えを吹っ飛ばした内容すぎるんだよね…
余りにも実現不可能過ぎて、再現を諦めた術式の一つ。説明を読んだ瞬間に出てきた感想が、っていうかもう、ただの力の塊だよこれ、魔力って言うパワーをただ単純にぶつけてるだけ!!って、感じだったからね。
始祖様だからこそできる荒業だよ、言うなれば剛力によって鉄の塊をキャッチボールのように軽々と扱って、剛力によって剛速球でぶつけてるだけ!って感じ、そんなの大砲だよ!!っというのを思い出す。
…もしかしたら、今回の魔道具もそれと同じなのかもしれない。魔力を圧縮した際に光へと変換され、圧縮した魔力を相手にぶつけて周囲を破壊する。
爆弾と同じ性質っていう、可能性もある。
だとしたら、他にも始祖様が遺してくれた術式で近い性質のものは何個か該当するものがある。
魔力を揮発性液体ガスや、燃焼性の高いモノへと変換し、変換した物質を魔力にって極限にまで圧縮する。
圧縮したちょっとした刺激で爆発する物質を、念動力によって指定の場所へ打ち出し、衝撃を与えると同時に爆発させる術式がある。
他にも、周囲の魔力を搔き集めつつ魔力を光体へと変換し、変換した光を逃がさない様に術者の周囲を循環させるように空間を捻じ曲げ光をより濃く、より深く、より加速させながら、光に質量と熱量を徐々に徐々に、臨界点を超えるか超えないかギリギリまで熱と質量を付与していく。臨界寸前まで、蓄えさせてから敵に向かって光を解き放つ!
光が何かに衝突すると、臨界寸前まで蓄えた全てを解き放ち、周囲を溶かすかのような爆発によって、衝撃を放ち、蓄えられた熱も同時に解き放たれ周囲を焼き尽くす。
他にも、爆発を起点すると術式があるが…カジカさんから聞いた話からすると、この二つが近いと感じた。
候補を二つに絞ったとして、冷静に考えると、二つ目が、敵が持っている魔道具の性質として、近いのかも?
だとしたら、相当な密度のエネルギーがぶつけられていることになる。
私が用意した盾を溶かすほどの熱量、周囲の木々を吹き飛ばすほどの衝撃、大地に生えている草すら吹き飛ばす爆風…
そんなのが直撃したら、鎧を着ていない私は即死だろうな…ううん、当たり所が悪かったら誰だって即死、だろうね。
考えたくなかった事実、結構な予算を導入して、配備した、鎧や盾を軽々と、溶かすほどの高出力。受け止めたく現実…
そこまでの高出力を制御できるとは…敵が生み出せるとは思っていなかった…幾ら、高出力の魔道具があったとしても、それを制御するのは相当な術者じゃないと不可能だと思っていた。
だとして!万が一に備えて盾も!鎧も!この大陸では王族クラスのとびっきりを数多く!用意した!
勇気くんが前に教えてくれたから知っている!ユキさんが持っているのは常人では重すぎて扱いづらい鉄の塊に近い分厚い盾のはず!
けれど…それでも、耐え切れなかった…敵が用意して来た魔道具は、私の想定を軽々と超えていきやがった!!
もっと、爆発の衝撃や熱に耐えられる構造を産み出せなかった私の落ち度だ!!
…私の読みが甘かった、爪が甘かった!!!私が、もっと、もっと更なる別次元の防御力を誇る装備を用意できなかった!あの程度で満足して、次をめざなかった私が悪い!!
知恵と知識はあった、けれども、対策を怠った自分の無能さに自然と手に力が籠められ、唇を噛む…薄っすらと鉄の味がした…
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起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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