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Dead End ユ キ・サクラ (96)

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少し考えてみる、白き黄金の太陽っという人物像、彼の英雄譚を覚えている範囲で思い出す。
聖女と共に世界を救い、王族を導いた…ん?白き聖女?今代だと…私か?

…ぁ、なるほど、そういうこと?その人物のように白き聖女と共に世界を救う為に立ち上がれって意味?
なーる?なるなる?つまり、滅びた私と超絶美貌の彼とは、それはもう、ベストパートナーと言わんばかりの関係性にまで進展する寸前だったり?
その一歩を踏み出す為のきっかけとして、滅びた世界線の超絶美貌の彼が今代の彼にその決心をさせるための言葉を託したって事かい?
なーる?ほど、ね?その可能性もさもありなん、いやー、聖女としての自覚がゼロだから、回りくどくて気が付かなかったなーっでへへ…

いやー、モテる女は大変だなー、なんて、一人で納得していると
「ああ、そうだとも、俺が彼のように、英雄に成れ、世界を導く存在へと至れっという意味だ」
未来へと進む為に、決断を悩むであろう自分に対して、喝を入れるというか、活を入れるというか、決意を促す為の合言葉って感じか…期待していた内容とは違うんだなぁって、軽く自分勝手にショックを受けてしまう。

成程なぁ、でもさ!そういうのって良いよね!私もそういうのがあれば…過去の私に託すときに決断を早めれるかもしれない。
どんな時であれば、どんな状況下で在れ、どんな立場となっても、どの時代に居たとしても、それを言う事でして欲しいことが伝わる。
少し考えてみたが…残念なことに、私も、そういうのがあればいいんだけど、困ったことに、そういうのって無いんだよなぁ。

…いや、無いわけじゃないか、つっても、実現不可能な夢物語だけどね…

私が、幼い頃に抱いた夢を思い出せっつってね。

っふ、って鼻で笑ってしまいそうになる。
今代の私はその夢を強制的に諦めさせられてんだ、未練を感じるけれども、致し方なし…
色々と、思う事はあるけれども、前へ進めよう、時間がもったいないからね。
「っで、勇気くんは具体的に何をするの?今まで通りユキさんのサポートに徹するの?」
「…今回のっというと、不思議な感覚だが、今回ばかりはユキに任せれる内容だとは思えれない…俺が表に出る」
意外な返答に一瞬だけ、驚きの表情を見せてしまう。
…出れるの?魂の同調を解析している際に見えた未来の私が死んでいった世界では表に出れそうな感じはしなかったよ?
主導権を握れるとは思えれないのだけれど?あれ?勇気くんって残留思念じゃなかったっけ?…うん?なんでそうおもったんだろう?
瞬間に沸いた不思議な感想に戸惑っていると
「説得するために、用意して欲しいモノがある」
真剣な表情で手を握るなよー、手を掴むなよー、先ほどまで考えていた内容が吹っ飛んだんだけどー?にへへ…
こほんっと、心の中で咳ばらいをして、飛びそうになってしまっていた思考を着地させる。ふわふわすんなってのー。

少し冷静になった瞬間に、彼が私に用意して欲しいものがなにか直ぐに理解する。
…ぁ~、把握、理解した~そういうことね、ユキさんに新しい体を用意するからっていうことで、説得するために培養液を見せろってことだね
「いいよ、時間がもったいないから今すぐ行こうよ、あれらは既に…」
滅びた私が用意した資料を基に、完成させてはいないが、理論上出来上がっている組織を培養する特殊な設備。
全ては、この時の為ってこと、っか…大切な人を守るために、明日を諦めさせないためにって名目で押し付けられて未来の私がそんな殊勝なことを言うのかって訝しんだりしたけれど、納得&把握&安堵…巡り巡って自分の為ってことか、いいじゃん、私らしくて、回りくどく言わないで好きな人を籠絡する為ってかけっての。
「地下にある、未来の私が…幼い私に飛ばしてきた情報は有効活用させてもらっているからね」
不敵にニヤリと邪悪な笑みを浮かべてしまうが、彼はそういうのに興味がないのか特に反応することなく返事をしてくれた。
「ああ、頼む」っと、冷静に返されるとちょっと毒気が抜けてしまう。
彼が維持していた空間が、ふっと、消える。それと、同時に、嫌な視線を感じる。
成程、普段から晒されているから気にしていなかったけれど、私達が見つけることが出来ない何かしらの方法で私達を監視しているのかあいつらは…
なめんなっての、前回の私と同じと思うなよ?こちとら、かなりの長い時間、遡ったんだからな。

念のために持ってきている、小さなペンくらいのサイズの魔道具を起動させる
その効果が何を意味するのか、勇気くんはわかったみたいで驚いた表情をしている。
「…凄いな、そんな魔道具があるのか」
「あるよ、っていうか、頑張って作った。これの常時起動型を地下室限定だけど発動しているから、地下室の中は敵に一切悟られないようにしてある、んで、それだけだと、敵が勘ぐってくるから、敵が中を調べようとしたら、本当に地下に用意してある物とは、まったく別の…違うイメージが敵に流れる様に認識を誤認させたりするような幻惑に近い術式も同時に起動してあるから、問題なく地下においで」
つっても?地下室の壁を砕かれて直接中身を観られたら幻惑は解除されてしまうけどね。幻惑の内容も地下に食料を保存しているって感じで惑わしているから、偵察しているやつがそこそこの知恵者なら、違和感が生まれ、何れ、辿り着くだろうね…幻惑が仕込まれているってことに。

それにしても、必要なのかどうか、いるのかどうか悩みながらも、今回の為にっていうか、念のために作った此方、ペン型魔道具!役に立ってる感じだよね?
破邪の力を私と周囲1メートルくらいかな?小さな範囲を結界で包み込む魔道具、小さな魔石で起動させているから~たぶんだけど、もって10分くらいしか維持できないんじゃないかな?っていう、明確な弱点がある。だけれどさ、無いよりかはましでしょ?
ちらりと視線を向けると、緊張した様子が無いリラックスしている、起動する前は少し緊張してたのに、それが薄れている。
表に出るってだけでも彼にとってはストレスなのかもしれない。うん、念のために造っておいてよかったかも。流石は私ってね、先見の明があるってもんよ!

用意しておいた方がいいっと助言して来た未来の私が自慢げに手柄をアピールしてくる。

ふわっと、浮かび上がってくる残滓を手を振るように跳ね除ける、今代の私は私だから、干渉してくんなっての。
「ほら、行こ、時間ないから」
勇気くんの手を握りかえすと
「ああ、行こうか」
優しく、けれども、しっかりと力強く力を込められる。暖かい手…

彼と触れた瞬間、心にも触れれたような気がしたせいなのか、私の頬が熱を帯びるような感覚が生まれ出てくる、まるで、着火剤に焼けた鉄でもつけたかのように
その気恥ずかしから、すぐに前を向き、勇気くんを引っ張っていく。

時間も時間なので道中はお互い一言も話すことなく歩き続ける。正直、今の状況で声を掛けられても、冷静に対処できないから、落ち着くまでそうしてくれると助かる。

歩き続けていると、ふと、並んで歩いている姿が、ガラスに反射して薄っすらと見えた。
その姿を見た感想はだた一つ。

はは、どう見ても親子

勇気くんって見た目が中性的だから、近くで見たら親子って感じよりも兄妹って感じかもしれないけれど、薄っすらとガラスに映った姿だと、勇気くんってさ、中身はオジサンだから、雰囲気がね、年上に見える。堂々としているんだよ、歩き方も胸の張り方も、背筋もしっかりと伸びて前を向いているんだよね。大人のエレガントな雰囲気が漂っているんだよね。

そして、その人の手を掴んで前あるく小さな少女…どうみてもガール…

釣り合わないよね、ガールだとさ…過去のっていうと、何か変な感じがする、時系列で言えば未来になるのか?
滅んだ私は背伸びをしすぎたんだよ、まったく、小さなころから、父性を感じたことが無いからじゃない?
私ってやつは甘えさせてくれそうな人だったら何でもいいんじゃないの?って感じ?

まったく、そういうのに振り回されたから死んだんじゃないのって勘ぐってしまうよね?

恋だの愛だのに囚われちゃったから時間が無かったんじゃないの?まったく、非効率的!そのしわ寄せを私に寄せるなっての。
ちらりと、手を繋いだ相手の顔をちらっと振り返って覗き込むと優しく微笑み返してくれる。

たった、それだけの仕草だというのに、何気ない動作なのに、跳ねるな心臓!頬を染めるな!ったく…自分の体だっていうのに、いうこときかねぇ!
魅了の魔眼のせいだって言いたいけれど…困ったことに、加護のおかげで、そういった精神系統を乱す術式などには多少の耐性があるから…魔眼のせいじゃないんだよなぁ…


未来の残滓共が楽しそうにしているのを見れば見る程、冷静になれるのが救い…かな?


地下室のドアを開き、トントンっとリズムよく慣れた感覚で薄暗い階段を下りていく。
勇気くんは運動神経がいいのかしっかりと私の動きに付いて来てくれる、手を繋ぎながら階段を下りるのって初めてかも?

地下の研究室に入ると、自動で灯りが灯る。
っていうのは見栄をはった!実のところ、ドアを開けた時に、連動して魔石が灯りの魔道具にセットされるように作ってあるだけなのだ。
そういう細かい事を知らない人は足を踏み入れると灯りが付くのだと勘違いする。勇気くんも驚いた表情で灯りが灯った天井を見つめている。
灯りの魔道具も地球にある蛍光灯を模して作ってあるから、見たことが無いでしょうね!
細長くて光る棒の周囲を光を反射させる素材で作って照らしたい方向に光の向きを整えるって考えは、なかなかに近代的でエキセントリックでしょ?
電気は、使ってないけどね!

床や壁の主な素材も、コンクリートとかだから、王都にあるような民家には用いられていない素材!未知に囲まれるのって不思議な感覚だろうね!…
つっても、寮も同じような感じで作ってあるからここは、そこまで驚かないかな?

でもね!一目奥を見れば、非日常!完全なる異世界!!

周囲には見たことのない大型魔道具の数々!
地球の科学を参考にして再現した実験器具の数々!
培養液を錬成するための大型ガラスを搭載してある培養管の数々!

この星の何処を探してもこれ以上の施設はない!って胸を張っていえるほどにマッドな雰囲気!

うん!この雰囲気を一言で伝えると、マッドサイエンティストな雰囲気漂う悪の研究所って感じかな?
私的に言うとすっごく大満足のディテールっすわ!白衣を着るとまた、雰囲気がより一層引き立つってね!

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