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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (2)

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「正確な日取りはその…」視線を逸らして、口を紡ぐってことはもう、そういうことだよね~うんうん、わかってたっての~。
わかってたけどさぁ~…
っはぁ、ほんっと!情けない男!策略で幼い人物をデッドラインに向かわせといてさー!自分がそうなる可能性が出てきたら玉座にへばりついて梃子でも動く気は無いって事なんだろうね!なっさけねーなー!男見せろっての!ガチ本気でうざい!!
頭を抱えたくなる、使えない・判断能力の低さ・自分の身を保守する事しか考えていない後ろしか見えていないその姿勢は王としてどうなのって感じ。
目の上のたん瘤だよもう…根は有能なのだと能力については認めていたのに、どうしてこうなったんだろうなぁ…使えない最高責任者って最悪じゃね?
「ならさ、アレが出てこないのはとっくの昔に諦めてるけど、王都在中や、それ以外に勤めている貴族共や騎士達を応援に寄こしてくれるよね?」
「は、はい…ですが、その、本当にいいのですか?」
そこに関しては漸く首を縦にふったかよしよし、攻め込むにしても不安だったんだよね~。
それにしても、要求が通ったんだから嬉しそうにしなよ?不安げな顔をするのはどうなの?って思うけれど、メイドちゃんの後ろを考えると不安で仕方がないのはわかるよ?

だって、私が要求したのは…圧倒的な数、人が欲しい。マンパワーがいるんだよ、戦争ってやつはね。
私達は圧倒的な個じゃない、始祖様じゃないんだから、個で打ち勝つのは無理、寧ろ、個としては向こうの方が上
なら、数がいる、圧倒的な数がね。

「いいんだよ、正規兵はいればいるだけいい、それにね、最低限必要な数に関しては伝手がある。宰相が居るし、元筆頭騎士がいる!私の…ううん、私達が歩んできた道で得た最大のコネを、全力で使う」
「で、ですが、その、他国…私の祖国にも応援を…依頼していますよね?」
不安そうな顔して、わかってるよ。この大陸の人材を搔き集めているのにまだ、人がいるのかっていいたいんでしょ?
ええ、勿論、どんな人種だろうが決戦に向けて集めて行かないとね、本気で人手が足りてないんだから。
情けない男がそういった取引に応じようとしないってのは、わかりきっているからね、宰相にお願いして、海を渡った先にある大国へと使いに出てもらって話をつけてもらったんだよね!

持たせたお土産が効果的だったみたいでね、ちゃ~んと提携を結んできたってわーけ!

この手柄は大きいぜ?情けない男もうかうかしてると玉座から引きずり降ろされるっていうのがわかってないのかなぁ?
…なんか裏で動いてやらかしてきそうじゃね?って心配?そんなの問題なーし!だーいじょうぶ、きっちりと私と宰相と元筆頭騎士の息が掛かった人を傍に置きまくっているから問題ないけどね!何年も前から封殺済みだよ!
決戦に向けてこの大陸以外からも出兵を募ってもらえるようにね!その提携は今もなお有効!
大国には、更に奥地にある見知らぬ国との橋渡しをお願いしているけど?それがなに?きっちりと報酬もたんまりと渡しているけど?
ギブアンドテイク、どこから、お互いWINWINの関係だと思ってるけど?…逆に野心に火をつけてしまった可能性は高そうだなぁって薄っすら感じてはいるけれど、メイドちゃんが気にすることないんじゃないの?私が守ってあげるんだから。たとえ大国であろうともね。

「そ、その…王都の騎士達に、宰相管轄の近衛兵に、元筆頭騎士達の引退した騎士達に…それだけじゃ、足らないのですか?…たらないから」
不安を感じているのはそっちの方か…
ええ、そりゃぁもう、計算を幾度となくしても、満足の行く数には圧倒的に足りていない、死の大地と言う敵地を圧倒的に蹂躙するにはね足りて無さ過ぎる…
私が目指す勝利には数が必要なんだよ。圧倒的な数がね!!
「でも、その、はっきりいいますけれど…烏合の衆って足手まといになりませんか?」
視線を彷徨わせながら懸命に言葉を選んで言う程の内容かなぁ?
まぁ、成程って言いたくなるのもわかるよ?疑問に思うよね?
あの死の大地に住まう敵と戦う為に集めているのに、戦力にならない人達を集めるのはどうしてなのかってね。
言いたいことはわかる、連携の取れない人達なんて役に立つとは思えれない思ってもいない、育てる時間も無いだろうってね!
メイドちゃんは、祖国の内情を概ねは知っているだろうし、民度の低さも指導者の考えも腐り果てているってのは感じてはいるだろう、その祖国から出兵される人達なんて、完全に民間人で、役に立つとは思えれないって言いたいのだろうね!

それとも…
祖国の人達を危険に晒すなって言いたいのかな?
それに関しては此方も同じだよ?こっちだって、下流貴族っという落ち目も総動員しているし、王都だけじゃなく地方の領民もガンガン出兵してもらっているからね?
それに、大国以外からやってきた人だっているんだよ?メイドちゃんの祖国だけってわけじゃないんだけどね?

取り合えず、勘違いしてそうな部分を訂正しておこうかな?
「足手まとい?なるわけないじゃん、どんな人で在れ、使いようはあるよ、決戦に向けて人を集める集めてからの問題は既に想定済み、その為に食料の備蓄をし続けてきている、お陰様でね、この街に1万人が集まろうがどうとでもなるってくらいに備蓄もあるし、牧場もあるし、畑もある、下げたくない頭も下げて領地をお借りして開拓しまくった、道路も舗装済み、インフラを破格の値段で請け負いまくった、それもこれも、出兵してくれた人たちが作業を請け負ってくれたおかげ、出兵してくれた人が全員、死の大地で戦う為じゃない、闘う為の戦士を支える為に来てもらっている、それくらい知ってるでしょ?その為にさ、私は誰も住まない街を作り続けてきた…お陰様で?あのモデルハウスたちもモデルハウスとしてではなく、しっかりと住まいとして機能している。家賃すら取ってないんだからね?こんな好待遇って、何処の領主も出来ない程だよ?移民を受け入れる事なんて容易だよ…まぁ、この街に人が集まることを危惧しているであろう、情けない男は当然のように嫌がったけどね…」

そうだった、こっち方面で危惧しているのかな?っていうか、釘を刺されたのかも?
まったく、情けない男がさっさと、王都にいる騎士団全員を寄こせば私だって、この手を強引に進めるつもりなんてなかったよ?
あの情けない男が、無駄にさー、聞き分けなくごね続けているから、結果的にこうなっただけ!
アイツが王と言う糞どうでもいい立場に拘らないで保守的にならずに全面協力してくれたらよかったのにさ、まったく、情けないにも程があるってね。
この街に人が集まれば反旗を翻すんじゃないかって不安で不安で仕方が無いのだろう、ほんっと、情けない男

自分が王として相応しくないって自ら認めているようなもんだよね。
当然、そんな精神状態で他国との取引なんてさせるわけもなし、故に宰相に全て一任している。
渡井の手厚いてあつーーい補助付きでね!成功が約束されている取引にすら関われないように封殺してる
その状態を大国の王が気が付かないわけないもん、外に出させるわけないじゃん
…それもまた、情けない男に落ちてしまった要因かもしれないなぁって思わない事も無いけれど、知ったことかっての!
王なら毒すら飲み干し我が血肉とし、後ろ指を刺されようが、胸を張って生きろっての

保身に走りまくって、少しでも武力を失いたくないから、王都から騎士団を出したくないんだよ。
弱い王ってのは暗殺される運命ばっかりだもんね、他国の連中からしてもとっとと殺して、私を王に据える方が有益だって考えているみたいで、宰相にそれとなく釘を刺してもらえるように頼んでいるから、滅多なことが無い限り暗殺なんて起きないってのに!まったく、ここまで情けないとは思わなかった…
他国のどうでもいい奴に暗殺されるくらいなら、私の判断で殺してあげたいよ…はぁ、あの時、刺客を放って殺しておけばよかったなぁ、なんて思わせられるなんてね。
曲がりなりにも王族、使い道はあると思って情けをかけてやったというのに、はぁ、ほんっと使えない男。あの頃の野心溢れる姿はどこにいったんだっての…

私がそうさせてしまったんじゃないかって思わない事も無いけどね、はぁ、ったく、なっさけねぇやつだよなぁもう…

思っていることを伝えると、眉間に皺を寄せながら俯いている…じっと見つめていると声を出しづらそうだし、直視しないようにしてあげよう。
空に浮かぶ半分のお月様を眺めていると
「本当に、始めるんですね」
不安そうな声が聞こえてくる…弱気な発現内容に苛立ちを感じてしまう。力なきメイドちゃんからすれば蜂の巣を突きたくないのはわかる。
私が攻めたせいで世界が滅ぶ可能性だってあるんじゃないかって思ってしまうのもわかる。

けどね…あいつらは…私が突こうが突かなかろうが攻めてくるよ…人類を殺す為に。

なら、攻めるのは当然じゃない?当たり前じゃんって思わない?攻めてくるってわかっていて話なんて通じるわけもない相手だよ?お互いが滅びる迄戦うしかない相手だよ?
穏便に済ませれることなんて欠片も無いんだよ?戦う以外の選択肢を選ぶこと何で出来るわけないじゃん、馬鹿言ってんじゃないって怒りたくなる…

私はね…幾度となく絶望を味わってきたからこそ、何となくだけど、わかってしまった。
自分がどうしてこの時代に生まれ落ちたのか、この世界に運命を定められて生まれたってね…

運命というモノがあるのであれば
この星から人類の敵を排除するのが与えられた定めだと言われたら信じてしまう。
むしろ、私が選ばれたのだって信じさせてもらいたい、世界を統べる人物で在れと運命が言うのであれば、星の…人類の運命を決定づける存在があるのだとすれば、私を祝福してくれるはずだよね?

窓から流れてくる光が私を照らす、神聖なる月が祝福を与えてくれるように感じてしまう、半分だけ、だけど…ううん、むしろ半分で良い、私には半分でいい。
もう半分は見えないお月様、見えないお月様が照らすのは何時だって彼であってほしい。

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