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過去を知る、今代の記憶を知る、次の一手を探す為に⑧

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彼女が研究している物、その中で未来を見据えている研究を上げるとすれば
①種の管理研究
意図的に交配を繰り返すようにし、代を重ね、始祖様の力を徐々に取り戻す研究
例えば~…
私をベースとするとなると、私が始祖様から受け継いだ因子として最も秀でているのが目に関する因子が濃い
そこに、新たな因子をプラスするのなら、私だと、魔力の精製力が低いから、単純に魔力精製能力が最も突出している人と掛け合わせるのが第一手として無難じゃないかな?
例えばであれば、相手を選ぶとしたら団長かな?彼女が一番この大陸で魔力を生み出す因子が最も濃い。

この二つを交配によって掛け合わせ
眼と魔力精製の因子を濃く引きついだ子供を産むって感じかな?
各々が受け継いだ始祖様の因子を掛け合わしていって最終的に全ての因子を受け継がせて始祖様に近い子を産むのが目的の研究

②人工種の管理研究
始祖様の因子を数多くの人達から抽出し、その因子を方々から搔き集め、精子または卵子にその因子を注入し、人工的に妊娠してもらい、始祖様に近い力を持った子を産んでもらい、その子供から更に多くの因子を抽出し繰り返して行く事により、最終的に始祖様を人工的に生み出す研究
っという理論が描かれていた。

この二つに関しての研究理論だと、必要な時間が一代で完結するような内容じゃない、二つ目に関しては恐らく私の研究を引き継いだってかんじかな?
自然的に生み出せない場合に備えての保険としての研究、かな?
もしくは、同時進行かな?

そして、その研究が終えるまでの間、敵の手が止まるとは思えれない、何もしなかったら敵から人類を守り切れない。
その為に、人類が滅亡することなく戦い抜くための研究もしてある。
自身が死んだ後も人類が生きる為の…人類が滅亡しないために生贄を捧げるかのような非道な研究内容だけどね。

その研究を端的に表現すると、人を兵器へと改造すること…

…人の根源を弄り、解放する
…その代償として、解放された人は短い命となる
…人の業によって生み出された兵器は
…短い最期を、殺戮兵装となり人類を守る

始祖様から受け継いだ因子を弄り、その因子を解放するために人体にある改造を行って強制的に解放させる、その代わり…一か月も命が持たないっと推察される改造術。
わかりやすく表現すると、一人の人間を爆弾に改造して敵のど真ん中で炸裂させるかのように暴れてもらって敵に壊滅的打撃を与え時間を稼ぐってところ、かな…

この内容だと、何もしなければ一か月は命が持つだろうけれど、恐らく敵に攻撃するために敵地で力を解放すれば、一日も持たないってこと、爆弾って表現が適切すぎてしまう…

今を生きる人達に明日を、勝ち取る為に必要な時間を稼ぐための非道な改造術も数多く研究している…それも敵に悟られないように秘密裏に独りで研究している。

今代の私も抜け目がない、裏ではやるべきことはしっかりとやっている。
今代の私も強かで少しだけ安心したけれど、表立ってその改造をするつもりは無さそうかな?机上の空論状態って感じだもん。誰かに施したりしたっていうのは書かれていない。

先の研究に関しては、私の影響だろうね。
始祖様の力を取り戻す研究に関しては、私がしていた研究…
名も無き弟に授けた体がまさにそれだもんなぁ…
それを今代の彼女は発展改良していき人工的に生み出す方法へと舵をきっている。

そう、母体を通して産み出してく方へとね…

それに選ばれた被検体が…お母さんとスピカってことか…
私は…名も無き弟に過酷な使命を与えすぎているような気がしてしまう。

でも、そうならないように私は頑張って…そっか、ダメだったから。
今代の私はより完璧とするために用意すると決断したのだろう。

ただ、保険として、スピカの精神が狂わないようにという保険も兼ねて、試験管の中ではなく、人の体によって確実に産み落とす為に、お母さんを被検体とした

お母さんや叔母様であれば、スピカを正しく育て導いてくれる
そう…人類の救世主としてスピカが育つ。
その間に敵が攻めてきた時に備え研究していたのが、人の肉体を改造する術ってことだろうね…恐らく、人体を改造するだけじゃ、敵を殲滅しきれないと判断しての段階的な作戦って感じ、かな…

今代の私が研究していた改造術…
私が自身の体にしたようなことを、私以外の人にする…

そんな非道な考え…私だって考えなかったわけじゃない。
私以外に魔石から魔力を取り込む行為は夢に落ちるだろうから出来なかった。
まぁ、その結果、私は汚染されちゃってさ、敵の楔を打ち込まれてしまったわけで…

思い出したくない苦い思い出が裂けるような痛みをうむ…

痛みを振り払う為に首を振って頬を叩き、悲しみの渦に落ちないように気持ちを切り替える。
自身に言い聞かせる、私達は苦しんだ、辛い思いをした、だからこそ、今があるのだと。

その結果を残したからこそ、その過ちがあったからこそ!
その成果が今代にも種となり花開いている!

今代の私は地下に関する書物を出来る限り集め研究し、叔母様と共に楔に対しての対策を講じていくれている。

講じくれては、いるんだけど…実験が出来ていないってのが、少々不安かなぁ…

理論上、敵の楔は防げるはず…
でも、実際のところさ、こういうのってぶっつけ本番だと怖いよね?かといって…
確証を得ることなんて出来ない、敵の術全てを解明しているわけじゃないもんなぁ…

これに関しては非常に悩ましく、私の時代の時と同じように魔石から魔力を得るっというのは危険な賭けとなる。
賭けとなってしまうが、理論上、私以外の人達も魔石から魔力を得ることが出来る、でも、危険性を孕んでしまう…

こういう状況を想定して今代の私は…その為の魔道具も…完成しているんだよなぁ…
この街に居る人達全員分ってのは用意されて無い、作られた数は…うん、限られているけれど、決戦するのであれば、誰に施すべきなのか数から誰を想定しているのか理解してしまう。

この人達であれば、扱いきれる、覚悟を決めることが出来る人達の人物分が用意されている。

懸念点があるとすれば~…人数分の魔力って足りるのかな?地下に保存されてたりするの、かな?その部分も不安材料だけど、後は、魔石をどう運ぶのかって事かな?
私の時は私だけが用いたからこそ、魔石を一点に集中できたからこそ運用できたんだよなぁ~、それが分散したらどうやって運ぶんだろう?

…ぁ、その為なの、かな?魔石の小型改良に成功していたんだった。

でも、この日誌に書かれているその魔石って数が少ないんじゃないかな?これ専用に作られた特殊な小型魔石だから、他に流用していないと思うんだよね…

う~ん、この辺りはまだまだ準備段階だったり、するの、かな?
そもそも、どういう起点で魔石の小型化に成功してるんだろう?

その部分だけを探すように日誌を捲っていくと、小型化に成功した起点が何処なのか見つけることが出来た。

これもまた…偶然によるものなのか、もたらされたものなのか、悩みどころだよね。ある人型に搭載されていた魔石から着想を得て…偶然、手に入れたから、っか~…
構造を参考にしているから、変なトラップは搭載されていないと思うんだけど…
ちょ~っと不安を感じてしまう辺り、巧妙な罠に陥れられすぎたから、警戒しちゃうよね~…

以外とね、私達の技術ってさ、始祖様が私達のために残してくれた知恵や知識よりも、敵から齎されることの方が多い気がするんだよなぁ~。

始祖様が寵愛の加護に残してくれる知識ってさその多くが…戦う事よりも、娯楽に通じるものが多いのではないかなって、思ったことがあるんだよね。
今代の私が残した日誌を読んで、今一度、閲覧した始祖様が私達に残してくれたメモ書きの多くを思い直してみると…

うん、闘うための知識、兵器に関するモノってのが少ない気がする。

もしかしたら、始祖様は…
私達に産業を発展させ、誰しもが生きる為だけじゃなく、些細な娯楽が傍にある、そんな小さく些細な幸せが傍にあり続けるような平和な未来を…

築いて欲しかったんじゃないのかな?

彼が私達に力を授けてくれたのは、彼が倒さずに残した敵を一丸となって倒し、平和になって無用となった力を娯楽の為に使わせるために…彼の思い描いたビジョンではそうなのかもしれない。
彼から授けられた超常なる力によって、とうの昔に獣共は殲滅され、力の矛先が狂わないように、するために…

加護の中に数多くの娯楽へと発展する情報を残してくれたのかもしれない…

真意を確かめる為に、加護にアクセスしたい…
彼の意図に、彼の愛に、彼の心に触れたいが…
寵愛の加護を感じることが出来ない…

ずっと傍に居続けてくれた感覚、それがない。
たったの、それだけで胸が張り裂け狂う様に鳴き叫びたくなってしまう。
多くの瞳達が起きていたら絶叫しているのは間違いない…

私は…私達は…彼の愛にどれ程迄、支えられていたのか、気づかされてしまう。

加護から愛を感じることが出来ないけれども、今代の私が残した日誌が物語っている。

彼女が研究している多くが…敵を殲滅する為だけに考えられたものとして研究している物が少ないのは、彼女の心が折れたからではなく、寵愛の加護に残されたメモが何を意味するのか、始祖様の御意思を受け取ったから、なのかな?

故になのかな?今代の私が率先して兵器開発を行っていないけれど、研究塔の皆や、術式研究班達が手を組んで一丸となって籠城するために必要な兵器などを発展改良させてくれている。
ただ、今代の私も彼らの研究に対して完全にノータッチではなく、試案や考察に関わっているみたいだから、全てが全て、今代の私が主軸となって動いているわけじゃない。
皆の奮闘研究、そのおかげで始祖様が用意してくれた壁がより強固となり守る力が強くなっている。
その点を考慮すると、今代の私は、攻めるのではなく時間を稼ぐことを主軸にしていたのかもしれない。

じゃぁ、表立って今代の私が何を研究していたのか何か…
日誌をパラパラパラっと勢いよく捲っていくと、見えてくる。

…今代の彼女が最も力を入れていたのが通信技術に力の伝達ってところ、かな?

離れた場所でも通話ができる、通信技術があるってのは、非常にありがたいけれど…私が求めている様な水準ではない。
始祖様が残してくれたメモ、地球にある無線という品物ほどの性能とは、いかなかったみたい。

でも、あるというのは心強いよね、今ある環境だけでも出来ることが広がるから。

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