64 / 101
お食事
しおりを挟む
国王奪還急襲作戦が私の不注意で延期になってしまった。
それによるショックもあり元気なく無念の帰還を果たす。
目を覚ますともう外は真っ暗に。
ずいぶん寝ていたらしい。
王子? 王子?
どこへ行ったのでしょう? 王子の姿が見当たらない。
動き回るには暗いですしその上まだ本調子ではありません。
でも今はそんなこと言ってられない。
急いで王子を探さなければ。
「プレゼーヌ! プレゼーヌ! どこに行ったのですプレゼーヌ? 」
パンキーは大人しく寝ている。
起こすと可哀想なのでただ寝顔を見るだけに。
王子は一体どこに? 勝手にいなくなるなんて。帰るにしたってどうやって?
そもそもどこに帰ると言うのでしょう?
お尋ね者の王子では宮殿はもちろん宿だって難しい。
後はコーコの家ぐらいですが殿方はお泊めできないはず。
だとすればやはりここを離れてないことになる。
でも姿を見せない。
嫌な予感がする。すごく嫌な予感がする。
プレゼーヌあなたは一体どこに行ったの?
何度も呼びかけるが返ってくることはない。
もう寝てしまったならいいのですが。どうも胸騒ぎがする。
そもそもどこで寝ると言うの?
うん…… いい匂い。
王子を探し回ってるとダイニングから何やらいい匂いが。
お食事の時間。
ちょうど一堂が会している。
そこにはプレゼーヌの姿もあった。
楽しそうにお姉様たちが話している。
では私も仲間に加えてもらいましょうか。
「ねえプレゼーヌ。あなたの故郷はどちらですの? 」
お姉様が興味深々と言った感じ。まだ今のところ王子とだとも男だとも。
それだけ王子の変装は完璧だと言うことになる。
「ほらプレゼーヌ。お近づきの印に一緒にテーブルを囲もうとしてるのですよ」
お母様が追及を緩めない。
「私は…… その…… 」
困った様子のプレゼーヌ。さすがに王子だと告白できないでしょう。
急いでこの場を収めなくてはプレゼーヌの身が危ない。
「ちょっと! これ以上プレゼーヌを困らせないであげて!
この子はとても繊細なんです」
もっともらしい嘘を吐く。少々やり過ぎたかな? 逆に疑いの目が向く恐れも。
「何だクレーラ。元気になったんだね。心配したんだから」
「お姉様…… 」
「ほらクレーラ」
「ご心配を掛けました。もう大丈夫です。それよりもプレゼーヌを…… 」
駄目だ。追及するなとは言えない。ここは王子に任せるしかない。
問題は王子が我が一族にとって憎むべき怨敵であると言うこと。
とにかく王子だと気づかれなければいい。
「もう何でもいいからクレーラも食べなさい! 」
お母様が急かす。
「そうだよ。元気になったのでしょう? 」
お姉様たちは心配よりも興味が勝っている。
「そうだ! クレーラはきちんと報告しなければいかん! 」
ご立腹気味のお婆様が止めを刺す。
「分かりました。では遠慮なく」
久しぶりに食べるまともなお食事。
何日ぶりでしょうか? 確かあの北の王子のところでたらふくご馳走になって以来。
昨夜もそれは質素なお食事でした。
さすがに皆の目があるので食べ尽くす訳にもいきませんね。
ここは体とも相談してゆっくりお食事をすることに。
プレゼーヌを好奇な目から守るために隠す。
でも隠せば隠すほど興味は注がれてしまう。
「あのプレゼーヌ…… 」
「ごめんなさいプレゼーヌはとても恥ずかしがり屋なの。
今だって恥ずかしくて恥ずかしくて仕方ないそう」
単なる作戦だが確かにプレゼーヌは余計なことを一切話さない。
だからこれ以上振っても無駄だと認識されてきている。
「プレゼーヌについては明日以降また話す機会があればその時にでも」
皆に納得してもらいようやく解放される。
食事を済ませたところでビッグニュースが。
「明日お父様が戻ってくるそうよ! 」
それを知らせたのは上のお姉様。お母様は嫌そうな顔で応じる。
うーん。私はどうすればいいか悩ましい。
「やった! お父様が戻って来られるんですね? 」
無邪気に喜ぶ下のお姉様。
こうしてお父様帰還で益々盛り上がりを見せる。
「やったお父様! 」
喜んで見せるが微妙だ。お父様さえしっかりしていれば私たちは苦労しなかった。
しかもいつの間にか姿を消してるんですもの。
今更ノコノコ出てこられてもうれしいんだかどうだか。
でもこれで詳しい話がが聞けるかもしれない。
とにかく明日。明日を待ちましょう。
続く
それによるショックもあり元気なく無念の帰還を果たす。
目を覚ますともう外は真っ暗に。
ずいぶん寝ていたらしい。
王子? 王子?
どこへ行ったのでしょう? 王子の姿が見当たらない。
動き回るには暗いですしその上まだ本調子ではありません。
でも今はそんなこと言ってられない。
急いで王子を探さなければ。
「プレゼーヌ! プレゼーヌ! どこに行ったのですプレゼーヌ? 」
パンキーは大人しく寝ている。
起こすと可哀想なのでただ寝顔を見るだけに。
王子は一体どこに? 勝手にいなくなるなんて。帰るにしたってどうやって?
そもそもどこに帰ると言うのでしょう?
お尋ね者の王子では宮殿はもちろん宿だって難しい。
後はコーコの家ぐらいですが殿方はお泊めできないはず。
だとすればやはりここを離れてないことになる。
でも姿を見せない。
嫌な予感がする。すごく嫌な予感がする。
プレゼーヌあなたは一体どこに行ったの?
何度も呼びかけるが返ってくることはない。
もう寝てしまったならいいのですが。どうも胸騒ぎがする。
そもそもどこで寝ると言うの?
うん…… いい匂い。
王子を探し回ってるとダイニングから何やらいい匂いが。
お食事の時間。
ちょうど一堂が会している。
そこにはプレゼーヌの姿もあった。
楽しそうにお姉様たちが話している。
では私も仲間に加えてもらいましょうか。
「ねえプレゼーヌ。あなたの故郷はどちらですの? 」
お姉様が興味深々と言った感じ。まだ今のところ王子とだとも男だとも。
それだけ王子の変装は完璧だと言うことになる。
「ほらプレゼーヌ。お近づきの印に一緒にテーブルを囲もうとしてるのですよ」
お母様が追及を緩めない。
「私は…… その…… 」
困った様子のプレゼーヌ。さすがに王子だと告白できないでしょう。
急いでこの場を収めなくてはプレゼーヌの身が危ない。
「ちょっと! これ以上プレゼーヌを困らせないであげて!
この子はとても繊細なんです」
もっともらしい嘘を吐く。少々やり過ぎたかな? 逆に疑いの目が向く恐れも。
「何だクレーラ。元気になったんだね。心配したんだから」
「お姉様…… 」
「ほらクレーラ」
「ご心配を掛けました。もう大丈夫です。それよりもプレゼーヌを…… 」
駄目だ。追及するなとは言えない。ここは王子に任せるしかない。
問題は王子が我が一族にとって憎むべき怨敵であると言うこと。
とにかく王子だと気づかれなければいい。
「もう何でもいいからクレーラも食べなさい! 」
お母様が急かす。
「そうだよ。元気になったのでしょう? 」
お姉様たちは心配よりも興味が勝っている。
「そうだ! クレーラはきちんと報告しなければいかん! 」
ご立腹気味のお婆様が止めを刺す。
「分かりました。では遠慮なく」
久しぶりに食べるまともなお食事。
何日ぶりでしょうか? 確かあの北の王子のところでたらふくご馳走になって以来。
昨夜もそれは質素なお食事でした。
さすがに皆の目があるので食べ尽くす訳にもいきませんね。
ここは体とも相談してゆっくりお食事をすることに。
プレゼーヌを好奇な目から守るために隠す。
でも隠せば隠すほど興味は注がれてしまう。
「あのプレゼーヌ…… 」
「ごめんなさいプレゼーヌはとても恥ずかしがり屋なの。
今だって恥ずかしくて恥ずかしくて仕方ないそう」
単なる作戦だが確かにプレゼーヌは余計なことを一切話さない。
だからこれ以上振っても無駄だと認識されてきている。
「プレゼーヌについては明日以降また話す機会があればその時にでも」
皆に納得してもらいようやく解放される。
食事を済ませたところでビッグニュースが。
「明日お父様が戻ってくるそうよ! 」
それを知らせたのは上のお姉様。お母様は嫌そうな顔で応じる。
うーん。私はどうすればいいか悩ましい。
「やった! お父様が戻って来られるんですね? 」
無邪気に喜ぶ下のお姉様。
こうしてお父様帰還で益々盛り上がりを見せる。
「やったお父様! 」
喜んで見せるが微妙だ。お父様さえしっかりしていれば私たちは苦労しなかった。
しかもいつの間にか姿を消してるんですもの。
今更ノコノコ出てこられてもうれしいんだかどうだか。
でもこれで詳しい話がが聞けるかもしれない。
とにかく明日。明日を待ちましょう。
続く
0
あなたにおすすめの小説
『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』
放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」
王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。
しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!?
「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!)
怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
四人の令嬢と公爵と
オゾン層
恋愛
「貴様らのような田舎娘は性根が腐っている」
ガルシア辺境伯の令嬢である4人の姉妹は、アミーレア国の王太子の婚約候補者として今の今まで王太子に尽くしていた。国王からも認められた有力な婚約候補者であったにも関わらず、無知なロズワート王太子にある日婚約解消を一方的に告げられ、挙げ句の果てに同じく婚約候補者であったクラシウス男爵の令嬢であるアレッサ嬢の企みによって冤罪をかけられ、隣国を治める『化物公爵』の婚約者として輿入という名目の国外追放を受けてしまう。
人間以外の種族で溢れた隣国ベルフェナールにいるとされる化物公爵ことラヴェルト公爵の兄弟はその恐ろしい容姿から他国からも黒い噂が絶えず、ガルシア姉妹は怯えながらも覚悟を決めてベルフェナール国へと足を踏み入れるが……
「おはよう。よく眠れたかな」
「お前すごく可愛いな!!」
「花がよく似合うね」
「どうか今日も共に過ごしてほしい」
彼らは見た目に反し、誠実で純愛な兄弟だった。
一方追放を告げられたアミーレア王国では、ガルシア辺境伯令嬢との婚約解消を聞きつけた国王がロズワート王太子に対して右ストレートをかましていた。
※初ジャンルの小説なので不自然な点が多いかもしれませんがご了承ください
【完結】亡くなった婚約者の弟と婚約させられたけど⋯⋯【正しい婚約破棄計画】
との
恋愛
「彼が亡くなった?」
突然の悲報に青褪めたライラは婚約者の葬儀の直後、彼の弟と婚約させられてしまった。
「あり得ないわ⋯⋯あんな粗野で自分勝手な奴と婚約だなんて!
家の為だからと言われても、優しかった婚約者の面影が消えないうちに決めるなんて耐えられない」
次々に変わる恋人を腕に抱いて暴言を吐く新婚約者に苛立ちが募っていく。
家と会社の不正、生徒会での横領事件。
「わたくしは⋯⋯完全なる婚約破棄を準備致します!」
『彼』がいるから、そして『彼』がいたから⋯⋯ずっと前を向いていられる。
人が亡くなるシーンの描写がちょっとあります。グロくはないと思います⋯⋯。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済。
R15は念の為・・
婚約破棄されましたが、私はもう必要ありませんので
ふわふわ
恋愛
「婚約破棄?
……そうですか。では、私の役目は終わりですね」
王太子ロイド・ヴァルシュタインの婚約者として、
国と王宮を“滞りなく回す存在”であり続けてきた令嬢
マルグリット・フォン・ルーヴェン。
感情を表に出さず、
功績を誇らず、
ただ淡々と、最善だけを積み重ねてきた彼女に突きつけられたのは――
偽りの奇跡を振りかざす“聖女”による、突然の婚約破棄だった。
だが、マルグリットは嘆かない。
怒りもしない。
復讐すら、望まない。
彼女が選んだのは、
すべてを「仕組み」と「基準」に引き渡し、静かに前線から降りること。
彼女がいなくなっても、領地は回る。
判断は滞らず、人々は困らない。
それこそが、彼女が築いた“完成形”だった。
一方で、
彼女を切り捨てた王太子と偽聖女は、
「彼女がいない世界」で初めて、自分たちの無力さと向き合うことになる。
――必要とされない価値。
――前に出ない強さ。
――名前を呼ばれない完成。
これは、
騒がず、縋らず、静かに去った令嬢が、
最後にすべてを置き去りにして手に入れる“自由”の物語。
ざまぁは静かに、
恋は後半に、
そして物語は、凛と終わる。
アルファポリス女子読者向け
「大人の婚約破棄ざまぁ恋愛」、ここに完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる