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二人組
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「もう帰ろう」
「まだ夜は長い。楽しまないでどうする? 」
そろそろ戻ろうかとした時に話し声が聞こえてきた。
またさっきのお婆さん? 困ったな絡まれると長いんだよな。
あれ二人? しかも男の声だ。エレベーターの方から。
怪しい。深夜にどこに出かけていたのか。
さすがにドスグロ山の頂上に建つホテル。
こんなところに観光スポットなどありはしない。
まさか疚しことが? 殺害計画でも練っていたか?
「あの…… 」
だがまったくこちらに気付いてない様子。
このまましっぽを見せるまで泳がすか?
いやダメだ。彼らが狙われる恐れもある。
ここはすみやかに戻ってもらって話を聞くのが良い。
その時は厳しく追及する必要がある。
「おいおっさん。手を拭けよ。垂れてるんだって」
「ああごめん。それであの件だけど…… 」
「おいおい。聞こえるだろ? もっと音を下げろ! 」
「うん。それで彼らの…… 」
男二人組は警戒している様子。まさか本当に何か企んでいるのでは?
「済みませんお二人とも。ちょっとよろしいですか? 」
「ああ…… 探偵さん? 驚かせないでくださいよ。見回りご苦労様」
メガネの人のよさそうな男。
「ほらそっちじゃないって」
それを追いかける男。幾分若いが三、四十代ってところかな。
浴衣からあらぬ物が出ている。
まったく何を見せてくれてるんだか。
私が男だったから良かったもののもしガイドにでも見られたらどうする?
この二人は仲がよさそうだがどのような関係?。
「お二人は兄弟ですか? 」
思い切って聞いてみる。
「いや違います。今回の旅で知り合ったんですよ。ははは…… 」
笑ってごまかす辺り怪しい。私も警察ではないのでそれ以上追及できないが。
念のために鍵をしっかり掛けるように促す。
もちろん自分の命が惜しい。鍵は掛けると言ってそれぞれの部屋に帰って行った。
うん? 鍵を掛ける?
これはもしかしたらあり得るか?
最近田舎でも鍵を掛けるお家は増えている。
ただ昔から開けっ放しの習慣は変えられないと被害に遭う家も。
最近は強盗に加え熊や猪などの害獣が侵入することも。
だから鍵を掛けるよう推奨されている。
そうだ。鍵を確認すると言うのはどうだろう?
犯人は犯人であるがゆえに鍵を掛けない。
何故なら被害者にはなり得ないから。
私の予想が正しければ連続殺人事件になるはずだ。
そして被害者はこの中の誰か。もちろん加害者もこの中にいることになる。
もし連続殺人なら決行は間違いなく今夜。それも夜遅くだ。
そこまでは待てないので確認に回ることに。
一号室から順にドアを回す。
一号室は警察が来るまで封鎖されている。
だから開いたとするならそれはガイドが犯人となる。
私はもちろん疑っていない。だが単純な事件を放置できない。
勢いよく回す。
ガチャガチャ
やはり開いてなかった。
次へ。
今度は中に人がいるので音をなるべく立てないように回す。
そんな芸当が出来るかって?
まあちょっとは音が出るけど気付かれなければいいのだ。
セーフ。
今度はさっきの女性。
ここが開いていれば彼女が犯人の可能性が出てくる。
慎重にドアノブを回す。
うん大丈夫。
ただ少しだけ期待していた。
開いていればお邪魔しようかなと考えないこともない。
こうしてすべてのドアを確認。
きちんと施錠されていた。
出来たら安全のためにチェーンがあればなおいいが……
最後にノックをして開けてもらう。
「もういいの? 」
欠伸をする間抜け面。
戻るまで寝るなとの言いつけを守った。多少は役に立つかな。
「全員のドアを確認してきた」
これでもし殺人計画が練られていたとしても手出しできないことになる。
うん。これでぐっすり眠れる。
隣でもうイビキをかいてる相棒。
呑気な奴だ。仮にこの事件が解決しても俺たちは隣の山に行くんだぞ。
まったく人の苦労も知らないで。
あーあ助手はしっかりやってるかな。それだけが心配だ。
彼が解決してくれれば依頼人も納得してくれるはず。
もうウダウダ考えないで寝よう。
おやすみなさい。
こうして二日目が過ぎて行く。
続く
「まだ夜は長い。楽しまないでどうする? 」
そろそろ戻ろうかとした時に話し声が聞こえてきた。
またさっきのお婆さん? 困ったな絡まれると長いんだよな。
あれ二人? しかも男の声だ。エレベーターの方から。
怪しい。深夜にどこに出かけていたのか。
さすがにドスグロ山の頂上に建つホテル。
こんなところに観光スポットなどありはしない。
まさか疚しことが? 殺害計画でも練っていたか?
「あの…… 」
だがまったくこちらに気付いてない様子。
このまましっぽを見せるまで泳がすか?
いやダメだ。彼らが狙われる恐れもある。
ここはすみやかに戻ってもらって話を聞くのが良い。
その時は厳しく追及する必要がある。
「おいおっさん。手を拭けよ。垂れてるんだって」
「ああごめん。それであの件だけど…… 」
「おいおい。聞こえるだろ? もっと音を下げろ! 」
「うん。それで彼らの…… 」
男二人組は警戒している様子。まさか本当に何か企んでいるのでは?
「済みませんお二人とも。ちょっとよろしいですか? 」
「ああ…… 探偵さん? 驚かせないでくださいよ。見回りご苦労様」
メガネの人のよさそうな男。
「ほらそっちじゃないって」
それを追いかける男。幾分若いが三、四十代ってところかな。
浴衣からあらぬ物が出ている。
まったく何を見せてくれてるんだか。
私が男だったから良かったもののもしガイドにでも見られたらどうする?
この二人は仲がよさそうだがどのような関係?。
「お二人は兄弟ですか? 」
思い切って聞いてみる。
「いや違います。今回の旅で知り合ったんですよ。ははは…… 」
笑ってごまかす辺り怪しい。私も警察ではないのでそれ以上追及できないが。
念のために鍵をしっかり掛けるように促す。
もちろん自分の命が惜しい。鍵は掛けると言ってそれぞれの部屋に帰って行った。
うん? 鍵を掛ける?
これはもしかしたらあり得るか?
最近田舎でも鍵を掛けるお家は増えている。
ただ昔から開けっ放しの習慣は変えられないと被害に遭う家も。
最近は強盗に加え熊や猪などの害獣が侵入することも。
だから鍵を掛けるよう推奨されている。
そうだ。鍵を確認すると言うのはどうだろう?
犯人は犯人であるがゆえに鍵を掛けない。
何故なら被害者にはなり得ないから。
私の予想が正しければ連続殺人事件になるはずだ。
そして被害者はこの中の誰か。もちろん加害者もこの中にいることになる。
もし連続殺人なら決行は間違いなく今夜。それも夜遅くだ。
そこまでは待てないので確認に回ることに。
一号室から順にドアを回す。
一号室は警察が来るまで封鎖されている。
だから開いたとするならそれはガイドが犯人となる。
私はもちろん疑っていない。だが単純な事件を放置できない。
勢いよく回す。
ガチャガチャ
やはり開いてなかった。
次へ。
今度は中に人がいるので音をなるべく立てないように回す。
そんな芸当が出来るかって?
まあちょっとは音が出るけど気付かれなければいいのだ。
セーフ。
今度はさっきの女性。
ここが開いていれば彼女が犯人の可能性が出てくる。
慎重にドアノブを回す。
うん大丈夫。
ただ少しだけ期待していた。
開いていればお邪魔しようかなと考えないこともない。
こうしてすべてのドアを確認。
きちんと施錠されていた。
出来たら安全のためにチェーンがあればなおいいが……
最後にノックをして開けてもらう。
「もういいの? 」
欠伸をする間抜け面。
戻るまで寝るなとの言いつけを守った。多少は役に立つかな。
「全員のドアを確認してきた」
これでもし殺人計画が練られていたとしても手出しできないことになる。
うん。これでぐっすり眠れる。
隣でもうイビキをかいてる相棒。
呑気な奴だ。仮にこの事件が解決しても俺たちは隣の山に行くんだぞ。
まったく人の苦労も知らないで。
あーあ助手はしっかりやってるかな。それだけが心配だ。
彼が解決してくれれば依頼人も納得してくれるはず。
もうウダウダ考えないで寝よう。
おやすみなさい。
こうして二日目が過ぎて行く。
続く
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