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マークすべき者
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料理人の言を信じればこのホテルには我々以外誰もいない。
まあ当然か。これで伝説の怪人以外では内部犯と言うことになる。
「お二人ともなぜ殺されたんでしょうね? 」
ガイドはごく当たり前の質問をする。
「動機ですか…… それは本人に直接聞くのが良いかと」
その犯人が分かれば苦労しない。追い詰められて自白してくれないかな。
「たぶん恨みじゃないかな。騙されたんだと思う」
相棒がまた口を挟む。静かにしてろと言ったのに。夜になって覚醒した?
「そうすると偽物を売りつけられたことによる腹いせ? 」
料理人は昨日のことを言ってるのか?
「ちょっと待ってください。それでは時系列がおかしい。
昨日の即売会で偽物を掴まされたのなら第一の犠牲者はなぜ殺される? 」
「そうじゃなくて。その前にもっと酷い詐欺に遭い、それを恨みに思い…… 」
料理人は過去の詐欺行為が関係してると。同意見だが殺人までするのはどうだろう?
詐欺は被害者に精神的苦痛を与える。
しかも忘れられずに何年も引きずることに。自分が悪いと思い詰める。
だからこそ恨むだろう。殺したいほど恨むこともあるだろう。
騙す側はそこまで考えないだろうが詐欺したからにはその罪と一生向き合うべき。
ただ実際に殺そうとまでするだろうか? 実行する前に踏みとどまるはずだ。
周到に計画して殺害しようとするのにはもっとこう別の何かがあるに違いない。
それが何なのか? それこそがこの連続殺人の謎を解くカギ。
詐欺の結果、一体何が起きたと言うんだ?
聞き込みを行う必要がありそうだ。
ただ閉ざされた山の上でどのように情報を得ればいいものか。
「ああもうこんな時間か。そろそろ戻らないと」
一時間以上話し込んでしまった。
すっかりミルクも冷えている。
部屋から出ようとしたタイミングでガイドさんが大声を上げる。
まさか真犯人が分かったのか?
「申し訳ありませんが鍵は預からせてもらいます」
何だそんなことか。まったく紛らわしいんだから。
私たちの鍵でここの部屋が開くことが分かった以上拒否はできない。
「ちょっと待って。私たちはどうすれば? 」
「部屋を留守にする時は言ってください。鍵を渡しますから」
面倒臭くなってきた。まあ仕方ないか。
「悪さしないからさ返してよ。お願い」
無駄な抵抗だとしてもやってみる価値はある。
「駄目です。一昨日だって忍び込んだくせに。信用できません! 」
やっぱりダメだったか。
私は探偵なんだけどな? これじゃあ事件一つ解決できないや。
自分たちが鍵を預かる方がいいに決まってるのに。
特に彼女はまた疑われることになる。もう庇いきれないぞ。
「ねえ危ないよ。また疑われるよ」
「まだ言ってる。おやすみなさい」
一緒に寝てあげてもいいのに。遠慮することないのになあ。
仕方なく自分の部屋へ。
「そうだ一つ分かったことがあるんだ」
二人きりになったところで思い出したように話し出した相棒。
まさか従業員たちを本気で警戒していたのか?
「血痕は被害者ので間違いない。ここから手掛かりを掴むのは難しいかなあ。
なぜ全裸にされたかだけどもしかしたら犯人の血が付いたからかもしれない」
撲殺は間違いない。
「やはり被害者が招き入れた? なら顔見知りか? 」
犯行に気付いた? 何かの原因で犯行に気付かれた犯人が強引に撲殺した。
ならば抵抗もするがただそれこそ悲鳴を上げるだろうにそう言った証言はない。
「僕に聞かれても…… 招き入れたかまではちょっと…… 」
相棒がはっきりしない。これでは推理のしようがないではないか。
抵抗したにも関わらず悲鳴を上げなかった? 矛盾が生じる。
やはり親しい人物?
ならば犯人は絞られる。
仲間と思われるのは黒木と若い販売員と鑑定士の三人。
バスで仲良くなった山田さんも。
彼らが有力となる。
その中で一番親しい黒木が最有力なのは間違いない。
それは彼が認めたこと。
もう二人。特に鑑定士は仕事仲間で気を許す間柄ではない。
山田さんも出会って日が浅い。カモとして見ても信頼まであるかどうか?
ミサさんを最後に見かけた時かなり苛立っていた。
あれはたぶん山田さんが消極的だったから。
結論。ここから導きだされる答えは黒木が真犯人。
一人目を殺害した動機はまだだが二人目は男女間のトラブル。
別れる別れないで揉めた結果殺されたと考えるのが一般的。
ただこれでは連続殺人とは言えない。偶然? 計画的?
もう頭が混乱してくる。
とにかくマークすべきは黒木だ。
山田さんもあの男に嵌られたに違いない。
もちろんこれは一つの可能性でしかなく推測の域を出ないが。
まあいいや。そろそろ見回りでもするか。
相棒を残し日課の見回りへ。
続く
まあ当然か。これで伝説の怪人以外では内部犯と言うことになる。
「お二人ともなぜ殺されたんでしょうね? 」
ガイドはごく当たり前の質問をする。
「動機ですか…… それは本人に直接聞くのが良いかと」
その犯人が分かれば苦労しない。追い詰められて自白してくれないかな。
「たぶん恨みじゃないかな。騙されたんだと思う」
相棒がまた口を挟む。静かにしてろと言ったのに。夜になって覚醒した?
「そうすると偽物を売りつけられたことによる腹いせ? 」
料理人は昨日のことを言ってるのか?
「ちょっと待ってください。それでは時系列がおかしい。
昨日の即売会で偽物を掴まされたのなら第一の犠牲者はなぜ殺される? 」
「そうじゃなくて。その前にもっと酷い詐欺に遭い、それを恨みに思い…… 」
料理人は過去の詐欺行為が関係してると。同意見だが殺人までするのはどうだろう?
詐欺は被害者に精神的苦痛を与える。
しかも忘れられずに何年も引きずることに。自分が悪いと思い詰める。
だからこそ恨むだろう。殺したいほど恨むこともあるだろう。
騙す側はそこまで考えないだろうが詐欺したからにはその罪と一生向き合うべき。
ただ実際に殺そうとまでするだろうか? 実行する前に踏みとどまるはずだ。
周到に計画して殺害しようとするのにはもっとこう別の何かがあるに違いない。
それが何なのか? それこそがこの連続殺人の謎を解くカギ。
詐欺の結果、一体何が起きたと言うんだ?
聞き込みを行う必要がありそうだ。
ただ閉ざされた山の上でどのように情報を得ればいいものか。
「ああもうこんな時間か。そろそろ戻らないと」
一時間以上話し込んでしまった。
すっかりミルクも冷えている。
部屋から出ようとしたタイミングでガイドさんが大声を上げる。
まさか真犯人が分かったのか?
「申し訳ありませんが鍵は預からせてもらいます」
何だそんなことか。まったく紛らわしいんだから。
私たちの鍵でここの部屋が開くことが分かった以上拒否はできない。
「ちょっと待って。私たちはどうすれば? 」
「部屋を留守にする時は言ってください。鍵を渡しますから」
面倒臭くなってきた。まあ仕方ないか。
「悪さしないからさ返してよ。お願い」
無駄な抵抗だとしてもやってみる価値はある。
「駄目です。一昨日だって忍び込んだくせに。信用できません! 」
やっぱりダメだったか。
私は探偵なんだけどな? これじゃあ事件一つ解決できないや。
自分たちが鍵を預かる方がいいに決まってるのに。
特に彼女はまた疑われることになる。もう庇いきれないぞ。
「ねえ危ないよ。また疑われるよ」
「まだ言ってる。おやすみなさい」
一緒に寝てあげてもいいのに。遠慮することないのになあ。
仕方なく自分の部屋へ。
「そうだ一つ分かったことがあるんだ」
二人きりになったところで思い出したように話し出した相棒。
まさか従業員たちを本気で警戒していたのか?
「血痕は被害者ので間違いない。ここから手掛かりを掴むのは難しいかなあ。
なぜ全裸にされたかだけどもしかしたら犯人の血が付いたからかもしれない」
撲殺は間違いない。
「やはり被害者が招き入れた? なら顔見知りか? 」
犯行に気付いた? 何かの原因で犯行に気付かれた犯人が強引に撲殺した。
ならば抵抗もするがただそれこそ悲鳴を上げるだろうにそう言った証言はない。
「僕に聞かれても…… 招き入れたかまではちょっと…… 」
相棒がはっきりしない。これでは推理のしようがないではないか。
抵抗したにも関わらず悲鳴を上げなかった? 矛盾が生じる。
やはり親しい人物?
ならば犯人は絞られる。
仲間と思われるのは黒木と若い販売員と鑑定士の三人。
バスで仲良くなった山田さんも。
彼らが有力となる。
その中で一番親しい黒木が最有力なのは間違いない。
それは彼が認めたこと。
もう二人。特に鑑定士は仕事仲間で気を許す間柄ではない。
山田さんも出会って日が浅い。カモとして見ても信頼まであるかどうか?
ミサさんを最後に見かけた時かなり苛立っていた。
あれはたぶん山田さんが消極的だったから。
結論。ここから導きだされる答えは黒木が真犯人。
一人目を殺害した動機はまだだが二人目は男女間のトラブル。
別れる別れないで揉めた結果殺されたと考えるのが一般的。
ただこれでは連続殺人とは言えない。偶然? 計画的?
もう頭が混乱してくる。
とにかくマークすべきは黒木だ。
山田さんもあの男に嵌られたに違いない。
もちろんこれは一つの可能性でしかなく推測の域を出ないが。
まあいいや。そろそろ見回りでもするか。
相棒を残し日課の見回りへ。
続く
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