夏への招待状 失われた記憶と消えゆく少女たち 無人島脱出お宝大作戦

二廻歩

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第四の少女・亜砂物語 <完>

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亜砂まで居なくなってしまう。
それだけは避けなくては。
耐えられそうにない。

俺たちは忘れてしまったが必ずもう一人いた。
それが誰なのか。もう思い出せないが二度と起こって欲しくない。
失いたくない。
消失なんてイリュージョンはもう見たくない。

お願いだ。俺を! 止めてくれ!
もう自分ではどうすることもできない。

ルーズ・コントロール。

うおおお!
これが俺の限界?
もはや俺は人間ではない。
ただの獣でしかない。

目の前の獲物に食らいつく。
「ちょっと止めてよ。くすぐったいってゲンジ」
ああもうどうすることもできない。
後は成り行きに任せるしかない。

「きれいだよ」
「ゲンジったら…… 」 
「いいだろ? 」
「本気? 」
「ああ。俺の目を見てくれ」
「嬉しい」
「一緒になろう」
「一緒に? うん。ありがとう」
「亜砂…… 」
元は一緒だった。
願望が全てを変えてしまった。

「もう分かったんだよ」
「ゲンジ? 」
「俺が気づかないはずがないだろ? 」
「嘘…… 」
「俺はもう知らないふりはできない」
「なんでそんなこと言うの? 」
「それは…… 君が存在しないからだよ」
「どうしちゃったのゲンジ? おかしいよ。頭でも打った? 」

「亜砂は亜砂だ。君の人格までは否定しない。
でも俺は俺だ。
そして俺は亜砂だ。
だから亜砂も俺なんだ」

抱き合おう。
もうすべてを捨てて。
「良いんだよこれで」
「泣いてるのゲンジ? 」
「うう…… そんな訳ないだろ」
「強いんだ」
「そうかな…… 」
「でも早くない? 」

「ごめん。君を一人の女性として見ている。
そしてこれからのことにも関わってくる重大なことなんだ。
分かったんだよ。なぜ君が消えるのか。
なぜ再び戻ってくるのか。
そして今日で亜砂、君と永遠にお別れだと理解している。だから! 」
「何だもうすべて分かったのね」
「ああ。済まない…… 」

「だったら最後に一つだけ頼みを聞いて」
「頼み? できることなら何でもしよう」
「そう。他の子には知らないふりをしたあげて。彼女たちも一人の人間。人格があるんだから」
「どうかな…… 約束はできない。だが努力はするさ」

「ではそろそろ」
「ああ合体の時だ」
「愛してるよ。亜砂」
「ゲンジ。私も。

決して結ばれない二人。
ただ己の欲を満たすのみ。
ただ男であるゲンジ。
ただ女である亜砂。
二人の愛の衝動は止められない。

ゲンジツノアサ

全てを脱ぎ捨て男女が絡み合う。
「ゲンジ! 」
「亜砂…… 」
「もういいんだ。俺なんかどうせ…… 」
「ほらゲンジ行くよ! 」
「亜砂! 」
抱きしめ合い海の中へ。
落ちていく。

もう放すものか!
息が続こうが苦しかろうが関係ない。
海に吸い込まれていく。
これでいい。
これでいいんだ。

意識を失った。

はあはあ
はあはあ
あれここは?
コテージが見える。
確か亜砂と海の中へ。どうして?
まさか深いところで繋がっていたのか?
まあいいや。
亜砂を探そう。

うん。これは船。
どういうことだ?
無意識のうちに船に乗りここまで戻って来たのか?

亜砂! 亜砂! おーい!
呼びかけても返事が無い。
あれからどれだけ経過したのか?
今は昼。
少なくても一日以上が経過したことになる。

「亜砂! 亜砂! お願いだ。姿を見せてくれ! 」
「ゲンジ! 」
「亜砂! 無事だったのか? 心配したんだぞ! 」
「はあ? 私はアイミよ。忘れちゃったの? 」
「いや…… 亜砂はどこにいる。帰って来たんだろ? 」
アイミが睨む。
「亜砂って誰よ? もう! 」
「どうしたの? 」
「ああムーちゃん聴いて聞くれ。俺は亜砂とはぐれちまった。心配なんだ。どこにいるか教えてくれ! 」
「亜砂…… ですか? 」
「ああそうだ」
「最初から居ませんよそんな人」
「馬鹿な! 亜砂だぞ? 居ないはずがない! 」
「どうしたのゲンジ? 疲れてるみたい」
「俺は疲れてなど…… 」
「いいから。さあ」
アイミとムーちゃんに無理やり連れていかれる。

「ほらゆっくり寝てなさい! 」
「ああ。お兄ちゃんだ! 」
そうだまだリンが残っていた。
「おおリン! 助けてくれ! 亜砂だ。亜砂! 」
「亜砂って誰? 」
「リン本当に知らないのか? 」
「うん」
「よく思い出せ! お前もお世話になったはずだ。あの亜砂だ! いつも白の水着の変なお姉さんだ!
覚えがあるだろ? 」
「えっとね…… リンは子供だから分からない! 」
「そんなリン! 」
「ごめんねお兄ちゃん」
もう亜砂の記憶さえも無くなっていると言うのか?
何と恐ろしことか?
もう誰も信用できない。
もちろん俺自身もだ。

ずいぶんと曖昧な記憶。
俺がしっかりしていれば。
「ねえ。お兄ちゃん。もうおやすみしよう。一緒に寝てあげるから」
「うるさいほっといてくれ! 」
リンを追い出す。

「くそ! 疲れているんだ。寝れば元に戻るさ」
目を閉じる。
「亜砂…… 」
存在を消されてしまった亜砂。
もうどうすることもできない。

翌日。
「あれ、お兄ちゃん。もう起きれるの? 」
「なあ…… 俺、昨日変なこと聴かなかったか? 」
「ううん」
「そうか。それならいい。二人はどうした? 」
「出かけた。今日はリンがお世話するの」
「はいはい」

「なあリン。俺、いつか朝起きれるようになるかな? 」
「どうしたのお兄ちゃん? 真面目な顔をして」
「何か朝が気になって気になってしょうがないんだ。朝ってどうなんだ? 」
「お日様が眩しくて暖かいよ。空気もおいしいよ。リン朝大好き! 」
「そうか…… 俺も朝は好きだな」
「ははは! 」
「えへへへ! 」
第四の少女 亜砂物語 <完>

                次回に続く

これにて第四の少女・亜砂は役割を終える。

亜砂を振り返る。

ゲンジが朝起きれないのでそれをサポートする意味で亜砂とした。
博士や船の隠し場所を教えるキーマン。

服装は大胆にも白の水着一丁とお色気担当。

FLの守護神。

性格は明るい。
リンよりもマシ程度の知能。

五人の中で一番ゲンジにご執心。

リンと二人で盛り上げ役を担う。

最後に一言。
やっぱり亜砂にはトラウマが似合う。
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