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後始末 新たな旅立ち
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夕暮れ時。
一日彷徨い続けてようやく町に戻ることができた。
「帰って来たぞ! 」
「おーい! 」
人々が集まってきた。
行方不明の我が子を抱きかかる者や抱きしめる者。
感動の再会を果たす親子。
「あれ王子様? 」
「おお。皆の者よく聞くがよい。子供たちは無事だ。さあもう心配はいらない」
うおおお!
歓声が上がる。
王子が一番美味しいところを持って行く。見つけたのは私たちだと言うのに。
まあいいか。花を持たせるのも悪くない。
「さあ帰りなさい! 」
子供たちは親元に帰された。
こうして王子の活躍もありおかしな国ムーチャットに平和が戻った。
ミッションコンプリート。
ムーチャットに活気が戻った。
逃亡していた国王以下数名が元の宮殿に戻る。
民の怒りは収まった。民は再び王の為に働く。王は許されたのだ。
その後異星人討伐部隊を編成し宇宙人は姿を消すことに。
本当の意味で町に平和が戻った。
晩餐会。
この国を救った英雄として三人が招待された。
編集長は嬉しそうに宇宙人について語っている。
「ちょっと! 」
いくら救出されたからと言っても宇宙人に対する嫌悪感は消えない。
誘拐されたのだ。
編集長に向けられた視線が気になって仕方がない。
編集長はそんなことお構いなしに出会った時のことをぺらぺらと呑気に語っている。
殺気立つ聴衆。
そんな時でも笑顔を絶やさない強心臓の編集長。
本当に困った人。
晩餐会はあっと言う間に終焉を迎える。
自室へ。
コンコン
コンコン
王子が挨拶にやって来た。
「今晩はステーテル…… 」
「王子何の御用でしょうか? 」
「実はな…… この国に留まってはくれないか? 」
「はああ? 」
「あなた方が旅立つと聞きまして。ステーテルどうだろう? 」
これは誘っている? まさか王子が私に好意を抱いている?
ルックスも良く性格もすこぶる良い。民からも慕われていると来たらもう完璧だ。
十か条にも当てはまる。断る理由は無い。
さあどうしましょう……
「どうだステーテル? 頼みを聞いてはくれないか? 」
「私は…… 」
ガムを見る。しかし何の反応も示さない。
「私と共に歩もうではないか! 」
王子は本気だ。でも…… もう遅い。もう決めてしまった。
新たな旅へ。
「ガムお願い」
「申し訳ございません。お受けできません」
「何を言う? 」
「本心を隠しこのステーテルと契りを交わすおつもりですか? 」
「本心? 」
動揺しているご様子。
「王子! あなたには私なんかよりももっと相応しい方がいるではないですか? 」
「ド・ラボーの君よりもかい? 」
「あなたには王女様がいる。違いますか? 」
「何を言う! 妹ではないか。ふざけるでない! もうよいわ! 」
王子は怒りに任せて乱暴にドアを開け出て行った。
「お兄様…… 」
そこには王女の姿が。もう体は回復したようだ。
国王から詳しい話は聞いている。
王子が小さい頃に母は病気で他界。その後国王が新しい妻を迎え入れた。
王女はその女性の連れ子。だから正確には王女ではない。
二人に血の繋がりはない。だから……
「どうした? 」
「お兄様…… 」
「ガムお願い! 」
「王子。やはりお受けできません。どうぞお許しください」
「何を抜かす! 」
温厚な王子が怒りに震える。
「もうバカなんだから。さあお二人さんお幸せに」
「何を…… 」
王子はようやく自分の気持ちに気付いた。
王女の思いが伝わったようだ。
少しもったいなかったかなあ……
結局王女に押し付けてしまった。
まあこれも運命。
さあ次よ。
「ごきげんよう」
挨拶を済ませ屋敷を離れる。
編集長ともここでお別れ。
「俺はもう少しニッシーを追い駆けるつもりだ」
「お別れね。ちょっと寂しいかな」
「おうおう。言ってくれるね。最後にキスでも? 」
「調子に乗らないで! 」
キスの代わりに平手打ちをお見舞いする。
「へへへ。元気でな」
「あなたもね」
馬車で次の目的地ナナチャットへ。
ムーチャット編 <完>
次回からナナチャット編に突入。
続く
一日彷徨い続けてようやく町に戻ることができた。
「帰って来たぞ! 」
「おーい! 」
人々が集まってきた。
行方不明の我が子を抱きかかる者や抱きしめる者。
感動の再会を果たす親子。
「あれ王子様? 」
「おお。皆の者よく聞くがよい。子供たちは無事だ。さあもう心配はいらない」
うおおお!
歓声が上がる。
王子が一番美味しいところを持って行く。見つけたのは私たちだと言うのに。
まあいいか。花を持たせるのも悪くない。
「さあ帰りなさい! 」
子供たちは親元に帰された。
こうして王子の活躍もありおかしな国ムーチャットに平和が戻った。
ミッションコンプリート。
ムーチャットに活気が戻った。
逃亡していた国王以下数名が元の宮殿に戻る。
民の怒りは収まった。民は再び王の為に働く。王は許されたのだ。
その後異星人討伐部隊を編成し宇宙人は姿を消すことに。
本当の意味で町に平和が戻った。
晩餐会。
この国を救った英雄として三人が招待された。
編集長は嬉しそうに宇宙人について語っている。
「ちょっと! 」
いくら救出されたからと言っても宇宙人に対する嫌悪感は消えない。
誘拐されたのだ。
編集長に向けられた視線が気になって仕方がない。
編集長はそんなことお構いなしに出会った時のことをぺらぺらと呑気に語っている。
殺気立つ聴衆。
そんな時でも笑顔を絶やさない強心臓の編集長。
本当に困った人。
晩餐会はあっと言う間に終焉を迎える。
自室へ。
コンコン
コンコン
王子が挨拶にやって来た。
「今晩はステーテル…… 」
「王子何の御用でしょうか? 」
「実はな…… この国に留まってはくれないか? 」
「はああ? 」
「あなた方が旅立つと聞きまして。ステーテルどうだろう? 」
これは誘っている? まさか王子が私に好意を抱いている?
ルックスも良く性格もすこぶる良い。民からも慕われていると来たらもう完璧だ。
十か条にも当てはまる。断る理由は無い。
さあどうしましょう……
「どうだステーテル? 頼みを聞いてはくれないか? 」
「私は…… 」
ガムを見る。しかし何の反応も示さない。
「私と共に歩もうではないか! 」
王子は本気だ。でも…… もう遅い。もう決めてしまった。
新たな旅へ。
「ガムお願い」
「申し訳ございません。お受けできません」
「何を言う? 」
「本心を隠しこのステーテルと契りを交わすおつもりですか? 」
「本心? 」
動揺しているご様子。
「王子! あなたには私なんかよりももっと相応しい方がいるではないですか? 」
「ド・ラボーの君よりもかい? 」
「あなたには王女様がいる。違いますか? 」
「何を言う! 妹ではないか。ふざけるでない! もうよいわ! 」
王子は怒りに任せて乱暴にドアを開け出て行った。
「お兄様…… 」
そこには王女の姿が。もう体は回復したようだ。
国王から詳しい話は聞いている。
王子が小さい頃に母は病気で他界。その後国王が新しい妻を迎え入れた。
王女はその女性の連れ子。だから正確には王女ではない。
二人に血の繋がりはない。だから……
「どうした? 」
「お兄様…… 」
「ガムお願い! 」
「王子。やはりお受けできません。どうぞお許しください」
「何を抜かす! 」
温厚な王子が怒りに震える。
「もうバカなんだから。さあお二人さんお幸せに」
「何を…… 」
王子はようやく自分の気持ちに気付いた。
王女の思いが伝わったようだ。
少しもったいなかったかなあ……
結局王女に押し付けてしまった。
まあこれも運命。
さあ次よ。
「ごきげんよう」
挨拶を済ませ屋敷を離れる。
編集長ともここでお別れ。
「俺はもう少しニッシーを追い駆けるつもりだ」
「お別れね。ちょっと寂しいかな」
「おうおう。言ってくれるね。最後にキスでも? 」
「調子に乗らないで! 」
キスの代わりに平手打ちをお見舞いする。
「へへへ。元気でな」
「あなたもね」
馬車で次の目的地ナナチャットへ。
ムーチャット編 <完>
次回からナナチャット編に突入。
続く
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