21 / 24
19
しおりを挟む
広い寝室の中には、壁に頭側をつけた寝台だけが設けられていた。天蓋から紗幕が垂れ、部屋が暗くてもわかるほど豪奢な造りをしている。
テオフィルはそこに腰掛けて本を読んでいた。横顔を小さな燭台の灯りがほのかに照らしていが、その蝋燭はほとんど溶けかけていた。
彼は部屋に踏み入ったリーヌスに気づくと一瞥し、無感動な声で問いかけた。
「犯される覚悟は決まったか?」
テオフィルは立ち上がり、開いていた本を閉じて燭台とともに暖炉の上に置いた。リーヌスは問いかけには答えず黙ったが、溢れ出る胸中の疑問を抑えきれずに口を開いた。
「あなたはどうして……」
思いはうまく言葉にならなかった。
なぜ、扉を開けずにここで待っていたのか。なぜ、首輪の鍵を自分に渡したのか。なぜ、数日前からわざわざ体を慣らしてくれたのか。
聞きたいことは山ほどあったのに、何を聞けばいいのかわからない。でもそのどれもが繋がっているような気がして、リーヌスは必死に言葉を探した。
「……どうして優しくないふりをするの」
つねに露悪的な態度を纏い、冷たい言葉を用いる男は、否定も肯定もせず、今はただ黙ってその場に佇んでいた。
先ほどまで使われていた燭台の火が、弱々しく明滅してふっと消える。ついに蝋が全て溶け切ってしまったらしかった。暖炉の熾火のみが、部屋に存在する人と物の輪郭だけを浮かび上がらせる。
沈黙は長く続いたが、結局答えを得ることはできなかった。テオフィルが近づいたせいだ。
アルファの香りが強く漂い、身を包む。目の前に立つ男の発する芳香だった。
「っ……」
頭がぐらりと揺らぐような圧倒的な感覚に襲われて、リーヌスは体を硬くした。オメガの本能に性的な衝動を訴えかける、甘い香り。それが重く、部屋中に滞留しているように感じる。
「__怖いか」
互いに質問をしあって答えぬまま、テオフィルが再び問いかけた。
冷たく静かに聞こえる言葉がどこか自分を気遣うように感じたのを、今のリーヌスは気のせいだとは思わない。
「いいえ」
もう怖くはなかった。相手が彼であるならば、きっと怖くはない。同時に、快感への浅ましい期待が、かすかに自らのうちにあることにも気づいていた。
震えそうな指で鍵を刺し、首輪の錠をひらく。
抱き寄せられて顔を見上げれば、感情を窺わせぬ黒い瞳の微かな艶に吸い込まれそうになる。
テオフィルの手で寝台に引き込まれたリーヌスは、自分の体がなすすべなく官能の波に呑まれていくことを悟った。
自分はこれから目の前の男に体を開かれ、うなじを噛まれ、つがいとなる。改めて意識すると陶酔のような震えが背を駆け抜ける。
噛まれたい。抱かれたい。頭の中が欲情に埋め尽くされて、目の前の男を本能的に求めていた。湯が沸いたようにぐらぐらと腹の中が揺れる。
紗幕の下りた寝台はまるで世界から隔絶されたようだった。
夜着を脱がせるテオフィルの手が素肌に触れるたびに、リーヌスはびくりと体を震わせた。
「後ろを向け」
「うん……」
裸の姿で四つ這いの姿勢になり、尻から背中、うなじまでを無防備に晒す。濡れそぼった後穴に、テオフィルの指が沈んだ。
「あ、……ッ、うう……」
指が内側を押し広げるたび、堪えきれない声が漏れ出して頬が火照った。何度も触られているのに、今日は段違いの快感を覚える。少し擦れただけで甘い声がこぼれて、腹の底が熱く疼いた。
「あん……っ、ああ……!」
「腰を揺らすな」
冷えた声が背中に振り、リーヌスは情けない思いで手近な枕を抱き寄せ、顔を埋めた。長い指が後穴を押し広げ、ばらばらと動く。
「っあああ……」
たまらず叫ぶ。
「はやく……っ、はやくして……いれてほしい……」
「怪我をするぞ。黙ってろ」
「ううう……、うー……っ」
リーヌスの要望を一蹴したテオフィルは、そのまま指で後穴をほぐし続けた。後穴はもう五日前のように頑なな蕾ではなく、緊張を緩めるすべを学んでいた。指はすぐに引っ掛かりなく動くようになり、テオフィルが寝台の枕元の暗がりから張型を引っ張り出す。
「いらない……しなくていい……」
「わがままを言うな」
理性の溶けた頭で渦巻く欲望を抑えきれず、リーヌスは自ら腰を高く上げて、テオフィルに懇願した。
「おねがい……、もういれて」
このアルファを内側に迎え入れて、深く繋がりたい。どうしようもない欲求が、リーヌスの躊躇やら何もかもを凌駕して他のことを何一つとして考えさせなかった。
「ほしい、奥に欲しい……っ、噛んで、はやく噛んで……」
「……」
長いため息が聞こえて、リーヌスは後ろを振り向こうと寝台に腕をついて、枕から顔を上げ首を捻った。しかし、覆い被さってきたテオフィルに顎を掴まれて前を向かされる。背中のすぐ近くにテオフィルの体の気配を感じて、それだけで全身から力が抜けそうだった。
首筋に吐息がかかる。
「後悔するなよ」
顎を掴まれたまま耳に吹き込まれた囁きによって、突っ張っていた腕が震えて力を失う。体が熱い。アルファの精を期待してやまない下腹部はもちろんのこと、肩や首、頬や手足の指先まで、全てが熱かった。
顔から手が離され、自分とはまるで違う無骨な手が寝台__リーヌスの両側ににつかれる。閉じ込められているような、守られているような、やさしい檻のように。
後穴にひたりとあてがわれたものの硬さに、リーヌスは密かに安堵を覚えた。だがそんなことを考えている間はなく、何もかもが欲情に呑まれていく。
「く……」
「あああ……っ!」
ぬる、と滑り込むように先が入り込み、かと思えば大きな船が海を進むかのように、男根は悠然とリーヌスの中をひらいていった。アルファに圧倒される感覚は、筆舌に尽くせぬほど快かった。身を征服される悦びが胸に込み上げる。
テオフィルはリーヌスの両脇腹をそれぞれの手で掴んで体を押さえこみ、さらに腰を前に進めた。
「あ゛……ッ」
「息をしろ」
「ふ……うう……う、う」
アルファの長く太い性器を迎え入れて、苦しくないはずもない。初めはよかったものの、次第に息苦しさを感じ始め、やがて臓器を内から押し上げられるような圧迫感が身を苛み始める。
「く、うう……くるし……っ」
「ゆっくり息を吐け。吸って」
言われた通りに呼吸を繰り返す。テオフィルはそれに合わせて腰を動かした。吐いたときには押し進め、吸った時には動きを止める。
それでも限度というものは存在した。
「うぐ、う……ッ、い、いたい……」
リーヌスが悲鳴を上げると、テオフィルはそれ以上奥に入るのを諦めた。あの三本目の張型で広げたより、もう少し奥まで進んだように思えた。しかしおそらく、まだテオフィルのすべては迎えきれていない。
テオフィルはそこに腰掛けて本を読んでいた。横顔を小さな燭台の灯りがほのかに照らしていが、その蝋燭はほとんど溶けかけていた。
彼は部屋に踏み入ったリーヌスに気づくと一瞥し、無感動な声で問いかけた。
「犯される覚悟は決まったか?」
テオフィルは立ち上がり、開いていた本を閉じて燭台とともに暖炉の上に置いた。リーヌスは問いかけには答えず黙ったが、溢れ出る胸中の疑問を抑えきれずに口を開いた。
「あなたはどうして……」
思いはうまく言葉にならなかった。
なぜ、扉を開けずにここで待っていたのか。なぜ、首輪の鍵を自分に渡したのか。なぜ、数日前からわざわざ体を慣らしてくれたのか。
聞きたいことは山ほどあったのに、何を聞けばいいのかわからない。でもそのどれもが繋がっているような気がして、リーヌスは必死に言葉を探した。
「……どうして優しくないふりをするの」
つねに露悪的な態度を纏い、冷たい言葉を用いる男は、否定も肯定もせず、今はただ黙ってその場に佇んでいた。
先ほどまで使われていた燭台の火が、弱々しく明滅してふっと消える。ついに蝋が全て溶け切ってしまったらしかった。暖炉の熾火のみが、部屋に存在する人と物の輪郭だけを浮かび上がらせる。
沈黙は長く続いたが、結局答えを得ることはできなかった。テオフィルが近づいたせいだ。
アルファの香りが強く漂い、身を包む。目の前に立つ男の発する芳香だった。
「っ……」
頭がぐらりと揺らぐような圧倒的な感覚に襲われて、リーヌスは体を硬くした。オメガの本能に性的な衝動を訴えかける、甘い香り。それが重く、部屋中に滞留しているように感じる。
「__怖いか」
互いに質問をしあって答えぬまま、テオフィルが再び問いかけた。
冷たく静かに聞こえる言葉がどこか自分を気遣うように感じたのを、今のリーヌスは気のせいだとは思わない。
「いいえ」
もう怖くはなかった。相手が彼であるならば、きっと怖くはない。同時に、快感への浅ましい期待が、かすかに自らのうちにあることにも気づいていた。
震えそうな指で鍵を刺し、首輪の錠をひらく。
抱き寄せられて顔を見上げれば、感情を窺わせぬ黒い瞳の微かな艶に吸い込まれそうになる。
テオフィルの手で寝台に引き込まれたリーヌスは、自分の体がなすすべなく官能の波に呑まれていくことを悟った。
自分はこれから目の前の男に体を開かれ、うなじを噛まれ、つがいとなる。改めて意識すると陶酔のような震えが背を駆け抜ける。
噛まれたい。抱かれたい。頭の中が欲情に埋め尽くされて、目の前の男を本能的に求めていた。湯が沸いたようにぐらぐらと腹の中が揺れる。
紗幕の下りた寝台はまるで世界から隔絶されたようだった。
夜着を脱がせるテオフィルの手が素肌に触れるたびに、リーヌスはびくりと体を震わせた。
「後ろを向け」
「うん……」
裸の姿で四つ這いの姿勢になり、尻から背中、うなじまでを無防備に晒す。濡れそぼった後穴に、テオフィルの指が沈んだ。
「あ、……ッ、うう……」
指が内側を押し広げるたび、堪えきれない声が漏れ出して頬が火照った。何度も触られているのに、今日は段違いの快感を覚える。少し擦れただけで甘い声がこぼれて、腹の底が熱く疼いた。
「あん……っ、ああ……!」
「腰を揺らすな」
冷えた声が背中に振り、リーヌスは情けない思いで手近な枕を抱き寄せ、顔を埋めた。長い指が後穴を押し広げ、ばらばらと動く。
「っあああ……」
たまらず叫ぶ。
「はやく……っ、はやくして……いれてほしい……」
「怪我をするぞ。黙ってろ」
「ううう……、うー……っ」
リーヌスの要望を一蹴したテオフィルは、そのまま指で後穴をほぐし続けた。後穴はもう五日前のように頑なな蕾ではなく、緊張を緩めるすべを学んでいた。指はすぐに引っ掛かりなく動くようになり、テオフィルが寝台の枕元の暗がりから張型を引っ張り出す。
「いらない……しなくていい……」
「わがままを言うな」
理性の溶けた頭で渦巻く欲望を抑えきれず、リーヌスは自ら腰を高く上げて、テオフィルに懇願した。
「おねがい……、もういれて」
このアルファを内側に迎え入れて、深く繋がりたい。どうしようもない欲求が、リーヌスの躊躇やら何もかもを凌駕して他のことを何一つとして考えさせなかった。
「ほしい、奥に欲しい……っ、噛んで、はやく噛んで……」
「……」
長いため息が聞こえて、リーヌスは後ろを振り向こうと寝台に腕をついて、枕から顔を上げ首を捻った。しかし、覆い被さってきたテオフィルに顎を掴まれて前を向かされる。背中のすぐ近くにテオフィルの体の気配を感じて、それだけで全身から力が抜けそうだった。
首筋に吐息がかかる。
「後悔するなよ」
顎を掴まれたまま耳に吹き込まれた囁きによって、突っ張っていた腕が震えて力を失う。体が熱い。アルファの精を期待してやまない下腹部はもちろんのこと、肩や首、頬や手足の指先まで、全てが熱かった。
顔から手が離され、自分とはまるで違う無骨な手が寝台__リーヌスの両側ににつかれる。閉じ込められているような、守られているような、やさしい檻のように。
後穴にひたりとあてがわれたものの硬さに、リーヌスは密かに安堵を覚えた。だがそんなことを考えている間はなく、何もかもが欲情に呑まれていく。
「く……」
「あああ……っ!」
ぬる、と滑り込むように先が入り込み、かと思えば大きな船が海を進むかのように、男根は悠然とリーヌスの中をひらいていった。アルファに圧倒される感覚は、筆舌に尽くせぬほど快かった。身を征服される悦びが胸に込み上げる。
テオフィルはリーヌスの両脇腹をそれぞれの手で掴んで体を押さえこみ、さらに腰を前に進めた。
「あ゛……ッ」
「息をしろ」
「ふ……うう……う、う」
アルファの長く太い性器を迎え入れて、苦しくないはずもない。初めはよかったものの、次第に息苦しさを感じ始め、やがて臓器を内から押し上げられるような圧迫感が身を苛み始める。
「く、うう……くるし……っ」
「ゆっくり息を吐け。吸って」
言われた通りに呼吸を繰り返す。テオフィルはそれに合わせて腰を動かした。吐いたときには押し進め、吸った時には動きを止める。
それでも限度というものは存在した。
「うぐ、う……ッ、い、いたい……」
リーヌスが悲鳴を上げると、テオフィルはそれ以上奥に入るのを諦めた。あの三本目の張型で広げたより、もう少し奥まで進んだように思えた。しかしおそらく、まだテオフィルのすべては迎えきれていない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる