【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない

かまり

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68話 カトリーナの日記

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6歳  
○月X日

もじが かける よに
なたから きようから につきお かきます

○月X日

ままが いないこと
みんな へんって ゆうのはなんで?

○月X日

パパは いつかえつてくるの?
ふくきたないつて いわれた
どうやつて あらうのかな

○月X日

おなかすいた
パパ いつかえるのかな
もうパンなくなつたよ

○月X日

かとりーなは くさいんだつて
かみのけ ぼさぼさだつて
どうしたらいいかな


7歳

○月X日

きぞくとへいみんってなに?
みんな かとりーなのこと 
きぞくなのに へいみん いかっていうけど
どういうこと?
みんな いえにせんせいきてくれるんだって
へんなの
いえに ほんないのかな
かとりーなは ぱぱのほんがせんせいね

8歳

○月X日

わたしも きれいなおようふくが きたいな
みんな おひめさまみたいなふくきてるのに
わたしは からだのおおきさが 
かわらないから ずっとこのふくでいいんだって
あのきれいなふくは どれすっていうんだって
どうやったらきれるのかな

9歳

○月X日

おとうさんがたまにおんなのひとをつれてくるけどおかあさんとはちがうんだって
だれなのかな
きれいだけどこわいひと
ちかよるとたたかれるから
じぶんのへやにいないとあぶないわね

10歳

○月X日

たんじょうびってなに?
みんなたんじょうびパーティーするんだって
でもうちもしょうたいしないとよんでもらえないんだって
よくわからないから いいや

11歳

○月X日

私はお母さんにすてられたんだって。
赤ちゃんだった弟だけつれて、
1才だった私を置いて出て行ったらしい。
この前お父さんがそう言ってた。
私だけ置いて行かれて迷惑だったって言われた。
じゃあ私はどうすれば良かったの?
お母さんはもともとお金持ちの家の人だったのに、
そうでもなかったお父さんと
かけおちっていう結婚をしたらしい。
でもお父さんをいやになってにげたんだって。
それってお父さんのせいじゃないの?

12歳

○月X日

私、もうこんな生活嫌。
自分でお料理も洗濯も掃除も全部して、勉強も家庭教師なんていなくて1人で古い本を読んで学んだ。
服だって貴族なのにドレスの1着もない。
お父様は賭け事とお酒ばかり。
連れて帰ってくる女の人はいつも違うし、その女たちやお父様には出会っただけでたたかれる。
絶対、こんな家出て行ってやる。
絶対お金持ちの男を見つけて結婚してやる。
私のこと、みがけばかわいいって近所のおじさんたちがよく言ってくれるから、きっと大丈夫よ。
この国で一番のお金持ちって誰だろう。
今度そのおじさんにでも聞いてみよう。

13歳

○月X日

私は今日もこの国の王子と結婚する方法を考えている。

どうやって近づくか。

こんな国の端っこから王都へ行くまでだけでも、
私のような貧乏貴族には夢のまた夢。

どうする…どうすれば王子に近づける?

14歳

昨日すごいことが起きた。
ずっとずっとお金持ちになること、
王子と結婚することを考え続けてきたけど、

ついに奇跡が起きた!

私のことを面白がる魔女が、
私のところへ突然現れた!

その魔女は欲深い人間が大好きで、
私はそれがすごいんだって!
それでなんと!私の願いを叶えてくれるらしい!

まずは、王妃になれるように、この国では特別な
光魔法を使えるようにしてくれるって!

それから、人を洗脳できるように、
闇魔法も使えるようにしてくれるんだって!

でも、その代わり、わたしの寿命の3分の1が代償…

それってつまり?今14歳だから…
わかんないけど、50歳くらいまでは生きられる?
もっと少ないか…な?

でもこんな人生、どうせ早く死んだ方がましなんだし、それなら少しでも楽しく生きられる方を選ぶわ!

うん!寿命と魔法を引き換えることに決めた!
返事は明日聞きに来るって言ってたから、明日が待ち遠しい!


○月X日

本当に魔女が返事を聞きに来た!

私は光と闇の魔法が使えるようになったから、試しにお父さんに使ってみたら何でも言うことを聞くようになった。

この力はすごすぎる!

ここからが私の人生の始まりよ!
待ってなさい!金持ちども!
待ってなさい!王子たち! 


15歳

瞬く間に光魔法の噂は国中に知れ渡ったわ。

あとは来年魔法学園に入って王子と出会いさえすればこっちのものよ

第一王子には婚約者がいるらしいけど、この闇魔法を使えば簡単に排除できるはず。

闇魔法のことは、ばれて捕まるのはこわいけど、
内緒にしてれば絶対わからないわ。

だって目を見るだけで自在に操れるんだから。

こんなすごい力を寿命3分の1でいいなんて、本当にお得な交換だったわ!

○月X日

自分に余裕が出てくると、母や弟が誰だったのか、なんて今さらちょっと気になるのよね。

父に闇魔法をかけて吐かせたら

母は今どこぞの公爵家の後妻になってるんだって。

もともと王族に縁のある公爵家の出だった母は、その伝手で別の公爵家の後妻に入れたみたい。

でも、父に強請られないように、どこの家かはまでは匿われていてわからないって言ってたわ。

弟は父が名前をつけたから、何となく覚えてるって

えっと、ルーなんだっけ?
あっ、そうそうルーカスとか言ってたかな?

1歳下の高位貴族だから、もしかしたら魔法学園で出会うかもね。

母は許せないけど、弟は赤ちゃんだったんだから、その子に罪はないことくらいわかる。

だから、弟に出会えたら、話くらいできたらいいのにな。

…きょうだいってどんなかんじなんだろう。

あっ、私がお姉さんだから優しくしてあげないといけないのか。

ふふっ、ちょっと楽しみ。

まぁ、仲良く出来なかったら最悪洗脳すれば良いだけね。

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